半グリシー(Half Glicy)とは、何らかの原因により、
グリシーの性質を持った
生物(物質
層の存在)を指す。
概要
半グリシーは、実在する生物をベースに、グリシー由来の能力や身体的特徴を持つ。
例えば現実に翼の生えた馬というものは存在しないが、半
グリシー化によってそれを獲得する場合がある。
また、例えば元になったグリシーが天候を操る能力を持っていた場合、それから生まれた半グリシーも天候を操ることができる。こちらについては、もともと生物にも
魔法能力があるため、明確な区別は難しい。
憑依体
に近い性質を持つが、憑依体には宿主と憑依したグリシーの2つの
魂があるのに対し、半グリシーでは完全に統合された1つの魂のみ持つ。
通常の生物と半グリシーは以下の点で異なる。
-
実効霊力
が高い
- グリシーの魂は絶対霊力が大きいが、その大部分は記憶の保持や"外殻の構成"に使われ、自由には使えない。半グリシーではグリシー並の絶対霊力を持ちながら、それらの維持に霊力を割く必要が無いため、結果として通常の生物に比べ多くの実効霊力を有する。
- 霊力の摂取が必要
- 通常の生物は、自身が生き永らえるためには物質的な食事さえ取ればよい。半グリシーはそれに加え、霊力を維持するために霊子を食う必要がある。環境霊力からの吸収で間に合う場合もあれば、生きた生物の魂を食らわなければ存在を維持できない場合もある。
- 遺伝子が無い
- 半グリシーとしての情報は遺伝子に保存されない。半グリシーが持つのはベースとなった生物が持つ本来の遺伝情報のみである。つまり、半グリシーとしての性質は遺伝しない。しかしながら、親の魂に影響を及ぼされて、完全半グリシーとして子が生まれる可能性は高い。実質的には半グリシーの子は半グリシーになることがほとんどである。
- また、これは半グリシーが進化論に従わない外見を持ちうることも示す。前述の翼の生えた馬が現実に存在しないのは、馬という生物が持つ遺伝子に翼を生やす要因が存在しないためであり、半グリシーはその制限を超越する。ヒト以外の動物の特長を持った
亜人
も半グリシーの一種である。
また、物質的な肉体を持つために、半グリシーは通常の
グリシーと以下の点で異なる。
- 死にやすい
- グリシーはたとえ物質層に具現化した場合でも、その肉体はあくまで仮想的なものであり、破壊されても霊力を失うだけで死にはしない。半グリシーは生物であるため、肉体が破壊されればダメージを受けるし、肉体が死ねば魂も死ぬ。
- 寿命についても同様である。肉体を持たないグリシーは一般に数百年から数千年生き続けることができるが、半グリシーの寿命はそれより遥かに短い。ただし、通常の生物に比べれば長い場合が多い。
- 食事が必要
- 前述とは逆の観点による理屈である。グリシーは自分が生存するために霊力だけ確保すればよいが、半グリシーは肉体の維持のために"物質的な"食事を行う必要がある。ただし、物質的な食事の量については通常の生物より少ない場合が多い。
- 安定している
- グリシーに比べて半グリシーは欠点が目立つが、魂が安定しているという点で優っている。グリシーは自分の魂を自分の霊力によって保つ必要があるが、半グリシーは肉体が持つ霊的引力のおかげで魂を維持するコストが非常に低い。それが前述の高い実効霊力につながっている。
総合して、半グリシーはグリシーと生物のいい点と悪い点をそれぞれ半分ずつ受け継いだような存在である。
成立条件
半グリシーが生まれる方法には次の三種類がある。
変身型
憑依した
グリシーが自分の意識を宿主に完全に渡し、魂を統一することで
変身型半グリシーとなる。グリシーとしての記憶はある程度残るものの、残るのは宿主側の意識であり、つまりベースとなる生物としての性質が強くなる。
このタイプは憑依するグリシーに最終的なメリットが無いため、成立するのは宿主の生命の危機を脱するためにやむを得ない場合などに限られる。
征服型
憑依した
グリシーが宿主の魂を吸収して統一することで
征服型半グリシーとなる。こちらはグリシー寄りの変質で、憑依者が何らかの理由で肉体を必要とした場合に行われる。
憑依するグリシーの多くは肉体の獲得を目的としているため、征服が起こる割合は、変身型の成立よりはかなり高い。しかしながら、もとより制圧態であれば肉体を自由に操れる上、死にそうになったら憑依を解けば自らは無事でいられるのに比べ、征服すると憑依解除という回避手段を取れなくなるため、そう頻繁に行われるものでもない。
完全型
意識が成立する前の胎児(卵の中も含む)が魂を獲得しようとする際に、近くにいたグリシーが"憑依"したり巻き込まれたりすることで突然変異的に生まれるのが完全型半グリシーである。まず宿主とグリシーそれぞれの魂があってそれが統一されるのではなく、最初から一つの魂を持った一つの生物として生まれるという点で前者2つとは区別される。
半グリシーから生まれた半グリシーも成立過程としては完全型に分類されるが、それも区別する場合世代型と呼ばれる。現存する半グリシーのほとんどは世代型であり、残りも多くが大昔に発生したのが生き続けているもので、それ以外で新たに生まれる半グリシーの割合は極めて少ない。
最終更新:2015年06月19日 04:44