人類(human being)とは、狭義には("我々の世界"でいう)ヒト(ホモ・サピエンス)のことを指し、広義には人型の知的生命体の総称である。
人型知的生物(Humanoid)
主に二足歩行で生活し、言葉で意思疎通を図る生物の総称。「人型種族」ともいう。
この世界にはヒトの他にも人型の種族が多数あるが、特徴に応じて何種類かの分類が試みられている。歴史的には、まずヒト(ホモ・サピエンス)が存在して、ヒトの想像が新たな人型種を生み出したり、他の生物との合成により産まれたりしたと考えられている。いずれの場合も
魔法的な作用が深く関わっているとみられる。
そもそも、この世界の物理法則や生物の進化史は原則として"我々の世界"のそれに
極めて近い。つまり、"我々の世界"に実在しないものについては、その殆どが
グリシーなど魔法的作用に由来する。
人間(Human)/ヒト(Homo Sapiens)
狭義の人類。サルと共通の祖先から進化した生物で、身体構造や遺伝子は"我々の世界"におけるホモ・サピエンスとほぼ同一と見てよい。人型知的生物のうちでは最も数が多く、数多い種族の中で唯一"
進化論的に正しい"存在である。ただし、"我々の世界"におけるホモ・サピエンスが10万年前と"現在"とで知能も体格もかなり異なるのと同じように、この世界のヒトも2万年前と同じ形質を持つとは限らない。
遺伝的特徴の差異によりいくつかの
人種に分類できる。人種ごとの体格などの差は"我々の世界"のヒトのそれよりも大きい。
イルドール四大種族など一部については当wikiでも解説する。人種ごとに見た目や生活様式は異なるが、遺伝子的には全て「ヒト」の品種であり、異なる人種間でも普通に交配可能である。生物としての健康寿命は劣悪な環境で30年程度、長くて120年程度。この世界には
魔法があるためか、生物的限界を超えて更に長生きした人間の伝説もある。
亜人(Sub-human)
人型種族のうち、遺伝子が比較的"正常"でホモ・サピエンスの近新種といえる生物の総称。"我々の世界"ではネアンデルタール人とか北京原人などがそれにあたろう。外見上はヒトとの差異がそれほどなく、体格が異なる程度の違いである。具体的には、成人でも身長1メートル程しかない
小人(ドワーフ)、逆に身長が数メートルにも成長する
巨人、老化が極端に遅く非常に長命な
エルフなどがいる。
亜人は後述の半人に比べれば"生物としての異常さ"は少ないが、しかしその出自には謎が多く、少なくとも"自然に"ヒトから分化した種
ではないと考えられている。ヒトとの交雑については、実際の例はほとんど確認されていないが、"我々の世界"におけるトラとライオン(どちらも
ヒョウ属である)の雑種
ライガーを鑑みるに、子供を作ること自体はできるが、生殖能力を持たなかったり障害を患う確率が高かったりしそうである。
「亜人」という呼称はあくまでホモ・サピエンスを基準としそれ以外の
ヒト属
を指すいわゆる多系統的用語だが、現生のヒトほど大きな人種差が見られないこと、ヒト以外のヒト属の絶対数がそもそも少ないことなどから便宜的に使われている。
半人(Demi-human)
ヒトと別の生物との混成生物、あるいは偶然もしくは意図的にヒトに似た姿を持ったヒトでない生物のことである。「デミ」ともいう。
進化論的にありえない形質を持つことが特徴で、もともとは人為的に生み出されたキメラや
半グリシーであったものが、長い時を経て一つの生物種として安定化したものと考えられる。遺伝的多様性が大きく、ヒトと交配可能な種もあるが完全に別の生物となった種もある。系統的な言葉ではなく、ヒトに近い姿を持った生物全般に使われると思ってよい。
亜人は進化論的に不自然な存在である点を除けば普通の生物とほとんど変わりなく、種族に応じた食事をとり(肉食動物の亜人は肉食で魚の亜人は魚を食うなど、ヒトでない部分に対応した食性である場合が多い)、寿命も極端に長くはない。ヒトに敵対的な種もあり、場合によっては
魔物に近い扱いを受けていることもある。
半人は更に「ヒトを素体として他の生物を混ぜたもの」と「ヒト以外の動物がヒトに似た体型になったもの」とに分類できる。前者の例としては、腕や足が鳥のようになっている
鳥人(ハーピィ)、獣(主にネコ目)の耳や尻尾を持つ
獣人、下半身が魚になっている
人魚などがあり、後者の例として二足歩行する大型トカゲの
蜥蜴人(リザードマン)、エラを持ち水中に暮らす
魚人、二足歩行するオオカミの
人狼などがある。基本的には顔がヒトに近いかどうかで区別されるが、あくまで外見的特徴による分類であって本質的にはいずれも"れっきとした"ヒト属とは異なる存在である。
なお、半人のほとんどは"我々の世界"にも実在する生物との混成であるが、まれに
ドラゴンなど"我々の世界"においては架空の生物(
幻獣と呼ばれる)の半人もいる。
魔人(Inhuman)
生物の分類というよりは
魔法能力による区別になるが、
魔人と呼ばれる分類もある。これはヒトに近い形質を持ちながら極めて高い
霊力を有するもので、主に
グリシーの具現体、または
半グリシーである。魔人は厳密には生物ではなく、死ぬと肉体が消滅する(死体が残らない)ため、どちらかといえば
魔物の一種である。ここで使われる"魔"は邪悪な存在という意味ではなく、単に"魔"法生物の意味である。外見はヒトとほとんど同じだったり亜人的であったり半人であったりと様々で、普段は完全にヒトの外見だが任意あるいは特定条件下で変身(人外化)するものもいる。
魔人とそれ以外の人類との違いは
実効霊力の多さとそれに由来する長寿命である。魔人は数百年から数千年もの間生き続ける(怪我や病気で死ぬことはある)。身体能力が優れている場合も多いが特に
魔法能力が高く、人間からすれば脅威となる場合もある。"我々"が知るファンタジーに登場するなかでは、吸血鬼やエルフなどが魔人に相当する。
八霊神の末端分体も魔人とみなせる。
食事についてはヒトやその他の人類とは違い、
半グリシーであるゆえに霊力を直接摂る必要がある。死んでから時間が経ったものや調理されたものにはほとんど霊力(すなわち
魂)が残っていないため、基本的には動物を生きたまま食べる(あるいは
生き血を吸う)か、濃厚な
魔法場に滞在する必要がある。通常の食事によって生命を維持することも可能ではあるが、霊力の供給が不足すると次第に弱っていき、身体能力も普通のヒトに近づく。
魔人は更に
原生級と伝説級
の2種類に分けられる。例えば吸血鬼は、生まれた時からその形質を持つものと、伝承から生まれたものとがある。前者はその伝承の元となったものである。後者は伝承の影響を受けていくつかの弱点(太陽、銀、にんにく、十字架など)を持つが、その元である前者がこれらの弱点を必ずしも持つわけではない。淫魔(サキュバスなど)は完全に後者型で、原生級の魔人としては存在しない。
その他
アンドロイドやヒトに似せた
ゴーレムは、生物ではないが魔人に近い扱いを受けることがある。異星人がいるとすればそれは半人とみなせるかもしれない。
しばしば(ヒト以外の)人型種族は迫害の対象となる(そもそも"亜人"という言葉自体が差別的であるという主張もある)。それは時に、"我々の世界"での人種差別よりもずっとひどい程度で行われる。単純に異形であることへの嫌悪感のほか、亜人や半人はヒトに比べて膂力その他の身体能力が優っている場合が多く、ヒトに仇なす者にもなりうることがその理由となっている。
有名な人類種
名前の付いた人型知的生物のうち、"我々の世界"でよく知られているものに近い性質を持ったものたちをいくつか挙げる。
説明が長くなるのでそれぞれ個別にページを作る。
最終更新:2020年11月26日 05:26