くふ(噛)

日本国語大辞典
広辞苑
辞書 品詞 解説 例文 漢字
大言海 他動詞 (一){ ()ニ同ジ。 ()カブルカジル 宇津保物語、俊蔭「阿修羅、云云、齒ヲ、劒ノ如クくひ(イダ)シテ、怒ル」
源、二、帚木 十九 (オヨビ)一ツヲ引寄セテ、くひテ侍リシヲ」
「齒ヲくひシバル」齒ヲくひアハス」絲ヲくひ切ル」犬がくひ合フ」猫ガくひツク」鼠ガ、壁ヲくひ破ル」
(二){輕ク、()ミ持ツ。(クハ)ヘ持ツ。 古事記、上 三十六 「鼠(クヒ)(モチ) 鳴鏑 (ナリカブラ)出來」
同卷 五十七 「櫛八玉神、化鵜入海底(クヒ)(イデテ)底之 波邇 (ハニヲ)
萬葉集、十六 十八 「池神ノ、 力士舞 (リキシマヒ)カモ、白鷺ノ、桙 啄持 (クヒモ)チテ、飛ビワタルラム」
源、廿四、胡蝶「水鳥ノ、友ノ(ツガヒ)ヲ離レズ遊ビツツ、細ソキ枝ドモヲくひテ、飛ビチガフ」
(三) 履物 (ハキモノ)ノ緖ニ()レテ、(ソコナ)フ。鼻緖ズレヲナス。肉刺 金葉集、十、連歌「賀茂ニ參リケルニ、 草履 (ワラウヅ)ニ足ヲくはレテ、紙ヲ卷キケルヲ」
(四) ()ミツク。(餌ニ) 榮花咄(貞享)「ヨクくふモノハ、川口ノはぜ釣」
(五)()ミ取ル。 十返舍一九「借金ヲ、質ニオキテモ、初鰹、求メテくはム、利モくはバくへ」
「借金ガ、利ヲくふ」
(六)()ミ入ル。クヒコム。侵シ入ル。 「敵ノ領土ニくひ込ム」
動詞活用表
未然形 くは ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 くひ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 くふ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 くふ も、かも、こと、とき
已然形 くへ ども
命令形 くへ

日国と広辞苑は同じ見出し語の扱い。「くふ(食)」を参照。

検索用附箋:他動詞四段

附箋:他動詞 四段

最終更新:2024年06月16日 19:57