さぶ(荒)

日本国語大辞典
辞書 品詞 解説 例文 漢字
広辞苑 自動詞 生気・活気が衰え、元の姿などが傷つき、いたみ、失われる意。
あれる。荒涼たるさまになる。
万葉集1「ささなみの国つ御神のうら―・びて荒れたる都見れば悲しも」。
日葡辞書「サビタトコロ」
荒ぶ・寂ぶ
②心にさびしく思う。わびしがる。 万葉集4「まそ鏡見あかぬ君に後れてや 旦夕 (あしたゆうべ)に―・びつつをらむ」
③(色などが)あせる。みすぼらしくなる。衰える。 玉葉集秋「夕づく日色―・びまさる草の下に」。
誹風柳多留8「踊り子も鮎と一所に―・びるなり」
④古びて趣がある。枯淡の趣を持つ。寂寥簡古の趣などを評する歌論用語としても藤原俊成以来使われた。 慈鎮和尚自歌合「難破の蘆に通ふ松風、殊に―・びきこえ侍り」。
平家物語灌頂「岩に苔のむして―・びたる所なりければ」。
「―・びた声」「―・びた芸」
大言海 自動詞 〔活用ハ異ナレド、()むト通ズルナルベシ、 不樂 (サブ)しき義(萬葉集、二 三十九 長歌「 心不樂暮 (ウラサビクラ)シ」)殺風景ニナル意ナリ、後世ノさびれる(衰微)ト云フ語ハ、此遺ナリ〕
(カハ)リユキテ、スサマジクナル。スサブ
萬葉集、一 十七 樂浪 (ササナミ)ノ、國津御神ノ、 心佐備 (ウラサビ)テ、荒レタル都、見レバ悲シモ」(近江國、大津ノ舊都)
同卷 三十 (ウラ)佐夫流、心(サマネ)シ、ヒサカタノ、(アメ) 時雨 (シグレ)ノ、(ナガラ)フ見レバ」(ながらふハ、降るナリ)
同、四 廿八 「マソ鏡、見()カヌ君ニ、後レテヤ、 朝夕 (アシタユフベ)ニ、佐備ツツ居ラム」
玉葉集、五、秋、下「(ユフ)ヅク日、色さびマサル、草ノ下ニ、アルトシモナク、弱ル蟲ノ音」
動詞活用表
未然形 さび ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 さび たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 さぶ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 さぶる も、かも、こと、とき
已然形 さぶれ ども
命令形 さびよ

日国は同じ見出し語の扱い。「かれ(涸・乾)」を参照。

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附箋:上二段 自動詞

最終更新:2024年09月15日 22:40