さま(方)

日本国語大辞典
広辞苑
辞書 品詞 解説 例文 漢字
大言海 名詞 ()(オモ)ノ約、そも、さまト轉ジタル語ナルカ(()(カミ)、さがかみ。(カモメ)、かまめ。 羚羊 (カモシシ)、かましし)〕
(一) 其方 (ソノカタ) (ムキ)。(多クハ、(アテ)()ニ、樣ト書ク)
宇津保物語、藏開、下 五十四 「世ノ中ニ、ユユシク、サガナキ事ヲシツツ、己ガさまノアヤシキヲバ知ラデ、泣キ恨ミタテマツレド」
蜻蛉日記、中、下 十四 (マウ)デツキテ、 幣帛 (ミテグラ)奉リテ、初瀨ざまニ趣ク」
增鏡、第二、新島守「東ざまニモ、ソノ心ヅカヒスベカメリ」(關東方)
中務內侍日記(弘安)「中將、久シク內裏ざまヘモ參ラズ」
著聞集、十五、宿執「ツブヤケルガ、御所(ザマ)ニ漏レ聞エニケリ」
太平記、七、先帝船上臨幸事「 上樣 (ウヘザマ)ニハ、イマダ(シロ)シメサレ候ハズヤ」
同、三十五、北野通夜物語事「ナド、關東(ザマ)ヘハ、御歎キ候ハヌヤラム」(以上、皆、連濁ナリ、是レ等ガ、淸音トナリテ、次條ノ敬稱ニ移ル徑路トナレルナリ)
「橫さま」西ざま」()ざま」(サカ)さま」(カミ)ざま」(シモ)ざま」アフノケさま」
(二) 差向 (サシムキ)ノ時。ヲリコロ。(行キしな、歸リがけノ意) 古今集、八、離別「慕ハレテ、()ニシ心ノ、身ニシアレバ、歸ルさまニハ、路モ知ラレズ」(歸リしな)
拾玉集、五「神無月、木ノ下蔭モ、ナキ空ヲ、有明ざまニ、眺メ入リヌル」( 明方 (アケガタ)
玉葉集、十四、雜、一「次ノ年ノ秋ざまヨリ」
「行キチガヒさま」

日国と広辞苑は同じ見出し語の扱い。日国は「さま(状・様態)」、広辞苑は「さま(法)」を参照。

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最終更新:2024年09月16日 17:19