「ねえ、もし私が男だったらどんなんだったと思う?」
「またあんたは唐突に……」
とはいえ、四人で教室に集まればそこで行われるのは文字通り四方山話であって、
いちいち文脈を気にするものでもない。
「一度は考えたことない? もし自分が男だったらとか、そうじゃなくても自分が
自分じゃない何かだったらって」
「まあ、あるにはあるわね」
「変身願望は誰にでもあるものですからね」
「私は、私がお姉ちゃんだったらって考えたことあるよ」
下らない話であればあるほど、みんな乗ってしまうものである。
「そうね、こなたが男だったら……」
「またあんたは唐突に……」
とはいえ、四人で教室に集まればそこで行われるのは文字通り四方山話であって、
いちいち文脈を気にするものでもない。
「一度は考えたことない? もし自分が男だったらとか、そうじゃなくても自分が
自分じゃない何かだったらって」
「まあ、あるにはあるわね」
「変身願望は誰にでもあるものですからね」
「私は、私がお姉ちゃんだったらって考えたことあるよ」
下らない話であればあるほど、みんな乗ってしまうものである。
「そうね、こなたが男だったら……」
『限定フィギュア手に入ったよー。このお尻の形がたまらないよねぇ……ハァハァ』
『かがみとつかさの巫女さん姿かわいいよー。ところで、パンツは穿いてるの?』
『おはよーみゆきさん。今日も胸おっきいね!』
『い、泉さん!?』
『い、泉さん!?』
「……最悪だな」
「ひどっ!」
冷たい目でこなたを見るかがみと、流石にショックを受けるこなた。
「あんたが男になったらただのオタクでセクハラ親父じゃない。女だから許されてる
部分ってあるわよ」
「なるほど、私が女の子だからみゆきさんの胸を揉んでもいいってことだね」
「よくねーよ」
なぜかこなたがみゆきの胸に手を伸ばし、それをかがみが掴んで阻止した。
「いくら私でも男だったらこんなことしないって。お父さんだってまだ捕まるような
ことしてないし」
「まだ?」
かがみは眉を顰めた。
「お父さんだったらいつかやっちゃうと思わない?」
「同意を求めるなよ」
「お姉ちゃん、そこは否定しようよ……」
「私が男だったらゆーちゃんに手を出しちゃうかもしれないね。まんま『それなんて
エロゲ?』な展開だし」
「そろそろこの話、ストップしていいか?」
強制終了。
「ひどっ!」
冷たい目でこなたを見るかがみと、流石にショックを受けるこなた。
「あんたが男になったらただのオタクでセクハラ親父じゃない。女だから許されてる
部分ってあるわよ」
「なるほど、私が女の子だからみゆきさんの胸を揉んでもいいってことだね」
「よくねーよ」
なぜかこなたがみゆきの胸に手を伸ばし、それをかがみが掴んで阻止した。
「いくら私でも男だったらこんなことしないって。お父さんだってまだ捕まるような
ことしてないし」
「まだ?」
かがみは眉を顰めた。
「お父さんだったらいつかやっちゃうと思わない?」
「同意を求めるなよ」
「お姉ちゃん、そこは否定しようよ……」
「私が男だったらゆーちゃんに手を出しちゃうかもしれないね。まんま『それなんて
エロゲ?』な展開だし」
「そろそろこの話、ストップしていいか?」
強制終了。
「ゆきちゃんが男の子だったらどんな感じなんだろ?」
「私ですか?」
「ちょっと想像しづらいわね」
少しの時間、うーんと唸って。
「みゆきさんはお嬢様だから、男の子だったら紳士なんじゃないかな」
「紳士っていうと、レディファーストかしら。バスに乗るときに先を譲ったり」
「毎日アフタヌーンティーは欠かさないよね」
「馬術やフェンシングも嗜んでるよね」
三人の頭の中では、バスの入り口で手を引いて自分をエスコートしたり、日の当たる
テラスで読書に勤しみながら紅茶を味わったり、爽やかな笑顔で華麗に馬を乗りこなし
たりするみゆき(男)が展開されていた。もちろん掛け値なしの美少年である。
「あの、なぜ英国紳士のイメージなのでしょうか……」
「そんな紳士でも何も無いところで転んだり虫歯があったりするわけだ。うーん……
それって男がやっても萌えないよね」
「あんたはまた萌えとかいう方向に行くのか」
腕組みして真剣に考え込むこなたに対して、突っ込みを入れるかがみはやや呆れ気味
の表情であった。先ほどの美少年像に、やや傷をつけられた気がしないでもない。
「いや、全てが萌え要素で構成されているみゆきさんがそうじゃなくなるってのは
存在が根本から揺らぐ大問題だよ」
「その存在の根本を否定するところから始まってる話なんだから当たり前じゃない」
「やっぱり女の子女の子してるみゆきさんが男だったらって考えるの難しいよね。
単純に考えれば胸が大きいみゆきさんは男になったらアレが大きいとか」
「やめい!」
強制終了ふたたび。
「私ですか?」
「ちょっと想像しづらいわね」
少しの時間、うーんと唸って。
「みゆきさんはお嬢様だから、男の子だったら紳士なんじゃないかな」
「紳士っていうと、レディファーストかしら。バスに乗るときに先を譲ったり」
「毎日アフタヌーンティーは欠かさないよね」
「馬術やフェンシングも嗜んでるよね」
三人の頭の中では、バスの入り口で手を引いて自分をエスコートしたり、日の当たる
テラスで読書に勤しみながら紅茶を味わったり、爽やかな笑顔で華麗に馬を乗りこなし
たりするみゆき(男)が展開されていた。もちろん掛け値なしの美少年である。
「あの、なぜ英国紳士のイメージなのでしょうか……」
「そんな紳士でも何も無いところで転んだり虫歯があったりするわけだ。うーん……
それって男がやっても萌えないよね」
「あんたはまた萌えとかいう方向に行くのか」
腕組みして真剣に考え込むこなたに対して、突っ込みを入れるかがみはやや呆れ気味
の表情であった。先ほどの美少年像に、やや傷をつけられた気がしないでもない。
「いや、全てが萌え要素で構成されているみゆきさんがそうじゃなくなるってのは
存在が根本から揺らぐ大問題だよ」
「その存在の根本を否定するところから始まってる話なんだから当たり前じゃない」
「やっぱり女の子女の子してるみゆきさんが男だったらって考えるの難しいよね。
単純に考えれば胸が大きいみゆきさんは男になったらアレが大きいとか」
「やめい!」
強制終了ふたたび。
「女の子らしいといえばつかささんもそうですが……」
「つかさが男の子だったらショタだよね、やっぱ」
「しょた?」
「こなた、つかさに余計なこと吹き込むな。こなたの言ってるのは『女の子みたいに
可愛い男の子』って意味で捉えといて」
「うん……私は男らしくなれないかも……」
そう言って落ち込んで見せるつかさには、本人は納得しないだろうが、守ってやり
たいと思わせるような愛らしさがある。
「でも料理が得意な男の子って需要あるよ。年上にモテそう」
「つかさがねぇ……大丈夫かしら?」
「母性本能をくすぐるというタイプではないでしょうか? 複数の姉を持っている末弟の
男子は女性に優しく接する人に育つことが多いみたいですよ」
「女性の扱いに関して英才教育を受けてるようなものだからね。ついでに甘え上手」
つかさを除く三人の頭の中に現れたのは、顔つきもリボンもそのままで、学ランを着た
つかさの図。そのつかさがかがみに『お姉ちゃん』とか言って甘えている。
「――結構イケるかもね」
「いけるって何よ。こなたはそういうのが好みなの?」
かがみの声には、少しだけ怒りが混じっていた。
「いや、つかさは(性的な意味で)お姉ちゃんたちに苛められそうだなぁって。ちょうど
苗字が柊だし」
「なんかイヤな予感がするからそこでストップ!」
強制終了みたび。
「つかさが男の子だったらショタだよね、やっぱ」
「しょた?」
「こなた、つかさに余計なこと吹き込むな。こなたの言ってるのは『女の子みたいに
可愛い男の子』って意味で捉えといて」
「うん……私は男らしくなれないかも……」
そう言って落ち込んで見せるつかさには、本人は納得しないだろうが、守ってやり
たいと思わせるような愛らしさがある。
「でも料理が得意な男の子って需要あるよ。年上にモテそう」
「つかさがねぇ……大丈夫かしら?」
「母性本能をくすぐるというタイプではないでしょうか? 複数の姉を持っている末弟の
男子は女性に優しく接する人に育つことが多いみたいですよ」
「女性の扱いに関して英才教育を受けてるようなものだからね。ついでに甘え上手」
つかさを除く三人の頭の中に現れたのは、顔つきもリボンもそのままで、学ランを着た
つかさの図。そのつかさがかがみに『お姉ちゃん』とか言って甘えている。
「――結構イケるかもね」
「いけるって何よ。こなたはそういうのが好みなの?」
かがみの声には、少しだけ怒りが混じっていた。
「いや、つかさは(性的な意味で)お姉ちゃんたちに苛められそうだなぁって。ちょうど
苗字が柊だし」
「なんかイヤな予感がするからそこでストップ!」
強制終了みたび。
「お姉ちゃんが男の子だったら……」
「多分あんまり変わらないよね」
「それは私が男っぽいって言いたいのか?」
かがみの声と目線が鋭くなる。
「それだけじゃなくってさ、私やつかさへの対応もあんまり変わらないんじゃないかな
って思うんだよね。つかさの勉強見てやったり、私にはツンデレだったり」
「デレじゃねえよ」
「デレてるじゃん。なんだかんだで私に付き合ってくれるし」
「それは友達としてでしょ!」
かがみが少し赤くなる。第一段階。それと共に、こなたはニヤニヤと意地の悪い笑みを
浮かべる。
「それでも、傍から見ていて微笑ましいですね。羨ましいです」
「うんうん、さっきからずっとこなちゃんとお姉ちゃんだけで話してるもん」
「五分で済む話を三十分続けられるなら、その二人は恋人として付き合えると言いますね」
「ちょっと、あんたたちまで……」
もう一段階、赤くなった。こなたの口の端の吊り上り具合も一段階増した。
「もしかがみが男だったら、私かがみと付き合ってるかも」
「なっ、何言ってんのよ!? 私にも選ぶ権利ってものがあるんだからね!」
さらにもう一段階。
「それに、男だったら萌えないってさっき言ってたじゃない」
「それはドジっ子属性の話だよ。かがみだって可愛いところあるからさ……」
「多分あんまり変わらないよね」
「それは私が男っぽいって言いたいのか?」
かがみの声と目線が鋭くなる。
「それだけじゃなくってさ、私やつかさへの対応もあんまり変わらないんじゃないかな
って思うんだよね。つかさの勉強見てやったり、私にはツンデレだったり」
「デレじゃねえよ」
「デレてるじゃん。なんだかんだで私に付き合ってくれるし」
「それは友達としてでしょ!」
かがみが少し赤くなる。第一段階。それと共に、こなたはニヤニヤと意地の悪い笑みを
浮かべる。
「それでも、傍から見ていて微笑ましいですね。羨ましいです」
「うんうん、さっきからずっとこなちゃんとお姉ちゃんだけで話してるもん」
「五分で済む話を三十分続けられるなら、その二人は恋人として付き合えると言いますね」
「ちょっと、あんたたちまで……」
もう一段階、赤くなった。こなたの口の端の吊り上り具合も一段階増した。
「もしかがみが男だったら、私かがみと付き合ってるかも」
「なっ、何言ってんのよ!? 私にも選ぶ権利ってものがあるんだからね!」
さらにもう一段階。
「それに、男だったら萌えないってさっき言ってたじゃない」
「それはドジっ子属性の話だよ。かがみだって可愛いところあるからさ……」
『かがみ~ん、一緒にアニ○イト行こーっ』
『こら、寄るな! 鬱陶しい! 体を摺り寄せるな!』
『そんなこと言っちゃってるけど、体は正直だよね。ここ、こんなに大きくなってるよ』
『こら、寄るな! 鬱陶しい! 体を摺り寄せるな!』
『そんなこと言っちゃってるけど、体は正直だよね。ここ、こんなに大きくなってるよ』
「ちょっと待て! あんたは男友達にそんなことするのかっ!?」
「そんなわけないじゃん。かがみだからするんだよ」
「なっ……」
絶句。
「想像した? 想像した?」
「するわけないでしょ、そんなこと!」
「子供は何人がいいかな? 新婚旅行はどこにする?」
「話が早すぎるわ!」
「じゃあ段階を踏んで、プロポーズの言葉は?」
「まだ付き合ってもいないでしょ!」
「まだってことはこれから付き合うってことだよね」
「言葉の綾よ!」
かがみがヒートアップしてしまい、会話を強制中断する者がいない。
「やっぱり仲いいよね。どっちかが男の子だったらもしかして……」
「もしかするかもしれませんね」
「そんなに嫌なら、この話、止めればいいのに」
「ですよねぇ」
そんな二人を、こちらはまったりのんびりと眺めていた。
「そんなわけないじゃん。かがみだからするんだよ」
「なっ……」
絶句。
「想像した? 想像した?」
「するわけないでしょ、そんなこと!」
「子供は何人がいいかな? 新婚旅行はどこにする?」
「話が早すぎるわ!」
「じゃあ段階を踏んで、プロポーズの言葉は?」
「まだ付き合ってもいないでしょ!」
「まだってことはこれから付き合うってことだよね」
「言葉の綾よ!」
かがみがヒートアップしてしまい、会話を強制中断する者がいない。
「やっぱり仲いいよね。どっちかが男の子だったらもしかして……」
「もしかするかもしれませんね」
「そんなに嫌なら、この話、止めればいいのに」
「ですよねぇ」
そんな二人を、こちらはまったりのんびりと眺めていた。
-おわり-
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- 癒された~! -- 名無しさん (2009-03-20 03:21:15)
- 「おす☆つか」を読んで(見て?)みたいです。 -- 桜花 さくら (2008-03-07 23:12:47)
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