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『えす☆えふ』外伝 ~新機動奥様・かなたさんW~

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匿名ユーザー

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 点けっぱなしの液晶モニターの中で、『こなた』がフラフラよろよろと踊っている。
 スクリーンセーバーのプロパティから[3Dテキスト]を選び、[カスタムテキスト]を選択。
 文字列は「~(=ω=.)~」、回転の種類は「よろよろ」に設定。あとはお好みでどうぞ。


 ―― ※この作品は『らき☆すた』の二次創作SSであり、決して『で○るWindows』ではありません※ ――


 PCの前には、水色と紺色の長い髪。まるで双子のような二人の少女が陣取っている。
 こなつーがマウスを軽く振ると、ネギを両手に農大踊りを踊る初音ミクの勇姿が現れた。
 こなたが傍らのマイクをたぐり寄せ、軽くぽんぽんと叩いてからマイクテスト。

「あー、あー、まいくてすつ、まいくてすつ。かがみんは俺の嫁、か・が・み・ん・は・俺の嫁~」

「……んもう、こなたったら。何よそれ?」
 [マイ コンピュータ]の影からもう一人。呆れ顔の三人目が顔を出した。

「ただいまー、お母さん」
「はい、おかえりなさい。こなた、こなつー」

 『お母さん』と呼ばれた、画面の中の彼女。どう見ても二人と同年代にしか見えない。
 身体は子供、頭脳は大人。その名は!!
「えっと、バーロー……じゃなくて、泉かなたです。よろしくお願いしますね」
「おかーさん、誰に挨拶してんのさ?」
 かなた、華麗にスルー。
「……あら? 二人とも制服のまんまじゃない。だめよ、先に着替えていらっしゃい」
「緊急大ニュースなんだよー。それ話したら着替えてくるからさ」
「……緊急大ニュース?」

『うんっ、[お母さん/かなたお母さん]の身体が完成したってさ』
 微妙にズレはあるものの、こなたとこなつーの声がハモった。


――――――――――――――
  『えす☆えふ』外伝
~新機動奥様・かなたさんW~
――――――――――――――


~~~~~~


 説明しよう。彼女が……泉かなたが、こんなアビサル=ディジョンみたいな状態なのにはワケがある。

 十八年前。こなたを産み落としたかなたは、産後の肥立ちが振るわず、そのまま帰らぬ人となった。
 天界に召されたかなたは、自ら志願し、記憶を封じられて『下っ端の神様』となった。
 時には生霊となった少女を支え、時には平安の世に飛ばされた少女とともに世界を救った。
 相手の少女がみんな同じだったような気がするのは、気のせい、森の精。

 功績を認められたかなたが、主神の第一秘書へと大抜擢されたのが十年前。
 そしてつい先月、めでたく『定年退職』とあいなった。
 退職にあたり、『一つだけ奇跡を起こす権利』を認められたかなたは、迷うことなく人間界への帰還を選んだ。
 天界に留まれば、何不自由なく暮らせるにもかかわらず。

 その理由を主神に問われ、かなたはこう答えた。
「今でも……十八年経った今でも、私だけを愛し続けてくれている男性(ひと)がいるからです」
 いやー、いい話だねぇ。

 こうして、かなたは人間界へ……そうじろうの元へと帰ってきた。
 かなたは帰らぬ人となったが、帰って来た。帰らないけど帰って来た! ふしぎ!!

 だがしかし、かなたさんはしくじった。帰ってきたのはいいけれど、『身体』がないぢゃありませんか。
 元の身体は荼毘に付され、とうの昔に墓の下。二十年ぐらい早く転生していれば……と後悔してももう遅い。
 結局、かなたは霊界のインターネットより、恐山のIXを介して泉家の家庭内LANに侵入、愛する家族と奇跡の再会を果たした。

 かくして、現在に至る。ご清聴ありがとじゅした。
「……んー。ダラダラと説明長すぎ。ダメダメだね」

 !! ひ、ひどいっ! ひどいわ、こなつーさんっ!!


~~~~~~


 閑話休題(それはさておき)。身体が完成した、という朗報にもかかわらず、かなたの反応は微妙なものだった。
「そ、そうなの……」
「あれ? お母さん、嬉しくないの?」
「ううん、嬉しいわ。……だけど、お母さんあんまりパソコンとか詳しくないし、うまく扱えるかしら……」
 PCに住み着いておいて、言うことかねえ。
「大丈夫だよ、私だって全然違和感なく扱えてるし」
 太鼓判を押したのは、こなつー。泉こなたの頭脳をそのままコピーした、レプリカ・アンドロイド。
 完璧超人改め完璧超常生物・高良みゆきの手による泉こなた量産計画『プロジェクト☆こなたん』から生まれたモンスターマシンである。

「……『もんすたぁましん』? どゆ意味さ、それ」
 あ、膨れてる。かぁいいなぁ。いやごめんごめん。

「だといいけど……」
 まだ少し不安そうなかなた。気持ちはわかる。製作者のあの天然っぷりを見てれば……ねぇ。
「だいじょーぶ、だいじょーぶ♪」
 液晶モニタをぽんぽんと叩きながら、こなつーが笑った。


 その後、聞こえないような小さな声で「……たぶん」と付け足したのは、君と僕との内緒だぞ!


………………


 都内西部の某高級住宅地。その一角に、高良家はある。
「みゆきさん、こんちゃー」
「えっと、ただいま……なのかな?」
「泉さん、いらっしゃいませ。こなつーさん、お帰りなさい。お待ちしてばしだばだば」
 首から洗面器を吊るして、みゆきが現れた。準備いいなみゆきさん。
「お世話になるよ、みゆきちゃん」
 二人に続いて、そうじろうが玄関をくぐる。その後ろにゆいとゆたかが続く。
「いらっしゃいませ、いつもお世話になっております。……そういえば、おじさまがうちにいらっしゃるのは初めてですよね」
「お、『おじさま』っっ!! ……だばだば」
 こちらは鼻血ではなく、滂沱の涙。小さくガッツポーズを決めるそうじろう。視線が生暖かい娘二人さ。

「……ここです」
 なんの変哲もない廊下の途中で、不意にみゆきが立ち止まった。『鶴の構え』を取り、片足をそろりと伸ばして廊下の真ん中あたりをつんつんと突く。
「ここ? ……何もないじゃん」
 不審そうなこなた。『仕掛け』を知っているこなつーが、むふふと笑う。

「野球盤の『消える魔球』をご存知ですか? あれと同じ仕組みです」
 ポケットからリモコンを取り出して、
「ぽちっとな」
 ういんういんと、かすかなモーター音が響く。
「あー、なるほど。床が沈むワケね」
「そうそ……」

 ばんっ。
 大音響とともに、みゆきが消えた。

「うぉ、リアルで消えたっ!?……あれ?」
「う」
 こなつーの目が、点になっている。

 廊下の踏み板が跳ね上がり、びよんびよんと揺れている。
 天井から、みゆきの悩殺ボディがぶらーんと垂れ下がっている。
 うん、死んだ。これは間違いなく死んだ。

「……何やってるんですか、姉さん?」
 踏み板の下に現れた、地下へと続く薄暗い階段から、白衣姿のみつきが呆れたように見上げている。

「あー、みつき姉さん。ただいまー」
「お帰りなさい、こなつーさん」
 そう言うなり、こなつーを抱きしめて濃厚なディープキス。
 こなつーはしばしの間もがいていたが、お尻の穴から媚薬プログラムをぶち込まれて力が抜ける。
 意識朦朧となった彼女をその場に寝かせ、みつきがこってりとした責めを開始した。
 もうすっかり慣れっこなのか、放ったらかされたそうじろう他三名は、コンクリートブロックで危険なジェンガに興じている。

 こなつーを立て続けに三回イかせて、みつきはやっと落ち着いた。
「ふぅっ……もー、相変わらず無茶するなぁ、みつき姉さんは」
「うふふ、ほんのご挨拶ですよ♪」
 やれやれといった顔で、こなつーが起き上がる。君もたいがいタフやね。
 ともあれ、この場につかさがいなくてよかった。もしいたら、二人がかりで七回イかされていたところだ。

「……お、お恥ずかしいです。『新魔球』のほうのボタンを押してしまいました」
 頭上から、くぐもった声が聞こえてくる。あ、生き返った。

「よいしょ……っと」
「……失礼しました。大変にお見苦しいところをお見せしてしまいまして」
 みつきとこなつーに引き抜いてもらったみゆきが、恥ずかしそうに笑う。鮮血に染まった笑顔が怖い。
(……大丈夫かな、この人)
 無意味にパースのついたアオリ構図で、ゆたかは思った。

「さあ、気を取り直して行きましょう。ご案内しますね」
 ぶるぶるっと頭を振ると、もう傷が塞がっている。
(……ホントに人間なのかな、この人)
 無意味に陰影の強い劇画タッチで、ゆたかは思った。

「それでは、今度こそご案内しますね」
 地下へ続く階段に足を乗せた途端、階段がバタンと坂になり、みゆきは勢いよく滑り落ちていった。
 少し間をおいて、ばぃん、と金ダライの湿った音が響く。
(……何がしたいのかな、この人)
 無意味にメルヘンチックな絵柄で、ゆたかは思った。


………………


 研究室の扉を前にして、かれこれ一時間。みゆきご一行様は、延々と足止めを食らっていた。
 網膜認証、指紋認証、発声認証、通行手形、レジストコードに公開鍵、torrentファイルに認め印。
 次々と現れる認証ステップは、いっこうに終わる気配がない。

「ね~、みゆきさん、まだ~?」
「もう少しです。えーと……確か、あと三十七ステップです」
 背中ですぅすぅと寝息を立てるゆたかの髪を、ゆい姉さんが優しく撫でる。萌え。

「……あと三つ……あぁ、もう面倒ですっ! ショートカットしましょう」
 さすがに業を煮やしたみゆきは、鍵のかかっていない隣の勝手口から中へ入った。
 もはや何も言うまい、という顔で、こなた達が後に続く。


 眠るように作業台に横たわっているのは、泉かなた。……いや、かなたそっくりのアンドロイドだった。
「『KONATA-00X・W-KANATA ZERO CUSTOM』。『KONATA-02』の量産検討用試作筐体をベースに、極限までのチューニングを施した機体です」
「こりゃまたなんとも……厨のひとっぽい設定とネーミングだねぇ」
「それは、厨性能アンドロイドですからね」
「なにソレ?」
「厨のひとが考えるような超高性能、という意味です」
「はあ……そうですか」
 こなたとこなつー、二人揃ってげんなり顔。
「……言っておきますが、私やこなつーさんもそうなんですよ?」
 みつきが、フォローになってないフォローを入れた。

 かなたがとり憑いた八キロバイトのSDカードを端末に挿し込み、エクスプローラを開く。
 Gドライブのアイコンに描かれたスリットから、『にゅーぃ』という擬音と共にかなたが現れる。かなたうにょーん。
「な、何ですか、今の音?」
「はい、『ドラ○もん』のSEをお借りしました」
「あー……先行こ、先」
「スルーですか。……まあいいです、Xドライ『ヴ』から身体に入れますよ」
 発音にこだわるみゆきは、下唇を軽く噛んで「ヴ」をことさらに強調した。

「うひー、高良、発音うめーな!……けどな、日本じゃ二番目だZE☆(ちっちっち)」
 みさお、それだけ言って退場。再び背景に溶け込んで見えなくなる。
『二月二日、親友の峰岸あやのの出番を奪ったのはお前か?』
 ズバッと退場、ズバッと背景。人呼んで背景ズバッt(ry

 バカキャラ(みさきち可愛いよみさきち)は置いといて、LANケーブルを伝い、かなたがおずおずと身体へと向かう。
 ケーブルの先は、ネットワークスイッチではなくピタゴラスイッチになっていた。
 あっちへ飛ばされこっちへ弾かれ、やっとの思いでかなたは身体にたどり着く。

 拍動ポンプが起動し、人工血液を送り出し始める。
 冷たい機械の身体に熱い血潮が行き渡り、人形のようだった肌に赤みが差す。

 開発期間、一ヶ月と六日十三時間四十八分三秒六。
 『KONATA-00X W-KANATA ZERO CUSTOM』は……いや、泉かなたは、長い沈黙を破り目を覚ました。

「……かなた?」
「……そう……君?」

 ぼやけた視界が、ゆっくりと像を結ぶ。
 その先には、モニター越しとは違う、リアルな質感を持った夫の顔。
 ゆっくりと手を伸ばす、かなたの小さな手。
 そうじろうの節くれだった手が震えながら伸び……しっかりと握り合う。

「……そう君っ!!」
「……かなたぁぁっ!!」

 ――十七年ぶりの抱擁。
 かなたの細い身体を抱きしめて、そうじろうの目から涙が溢れる。
 そうじろうの広い胸板に顔を埋め、かなたは子供のように泣きじゃくる。

 そんな二人の姿を、こなたとこなつーは微笑みを浮かべて見つめていた。
「くはーっ、いーなぁ……」
 単身赴任の愛する夫を思い出し、ゆい姉さんが羨ましそうに呟く。
 かたや、ゆーちゃんは…………耳まで真っ赤である。
 それもそのはず、かなたはマパパー、法律用語で言うところの、いわゆる『全裸』だったのであるからして。

「ちょ、ちょっと待ってください小早川さん。それじゃ、先ほどの私とこなつーさんの立場は……」
「えっと、見てませんでしたぁ。ごめんなさい、みつきさん」
「……ど、どんだけぇぇぇええええっ!!」
 号泣とともに、みつきは扉に大穴を開けて走り去っていった。('・ω・`)テラカワイソス。



~~~~~~~~



「ひゃ……はふぅっ……」
 薄暗がりの中。そうじろうの指が、かなたの胸の頂を撫でる。
 堅くしこっていく胸の先を、唇が優しく包む。
 頂から脇へ、そして背中へ。そうじろうの爪が肌を滑るたび、かなたは悦びに打ち震える。

「わ、わたし・も……んんっ!」
 『お返し』をしようとなんとか身を起こした、かなたの腰が小さく跳ねる。
「ひゃぅぁ……はぁぁんっ……」
 濡れそぼった秘所を、愛する男性(ひと)の指が弄ぶ。

 しとどに溢れ出る愛の雫を助けに、その指が秘裂へと滑り込む。
「ひ、ひぅんっ!!」
「……うぉ……すげ……」

 かなたの秘肉が生き物のように蠢き、指を奥へと迎え入れる。
「んはぁぅ……あつい……とろけ・ちゃうぅ……」
 その動きは、そうじろうの指と欲望を刺激するだけではなく、かなたの心をも絶頂へと追い立てていく。

 内蔵されたフィードバックシステムが、与えられる性的な刺激に対し、的確かつ絶妙な不随意運動を返す。
 同時にその刺激を学習し、それがかなたにとって最上の快楽となるように、頭脳へと返す性感信号をコントロールする。
 言わば、オーダーメイドの性感帯。二人がハマらないわけがなかった。

「よい・しょ……っ」
 横になったそうじろうの身体を跨ぎ、かなたが馬乗りになる。
 そうじろうの指が、クレバスの先の襞を剥く。
「ふっ……ふゅぅぅっ・」
 顔を出した秘芽をそっと摘み、揉みしだく。
「きゅふぅ……ふ・うぅっ、ぅやぁぅ……」
 猫のような泣き声をあげ、首を左右に振ってかなたが悶える。


「……行くぞ、かなた」
 割り開いた愛しい妻の太股の下で、そうじろうが囁く。
「……ええ……きて、そう君……あふぅ」
 愛する夫を見下ろし、蕩けた瞳でかなたが囁く。

 そうじろうの分身が、膝立ちになったかなたのクレバスにあてがわれる。
 白く細い太股に手をかけ、ゆっくりと力を入れる。
 膝の力を緩め、かなたはゆっくりと体重を預けていく。

「……っ! 痛ぅぅっ!!」
「か、かなた? 大丈夫か?」

 そうじろうのそれを包み込んだ、かなたの秘唇から滴るのは……赤い雫。
 じんじんと疼く甘い痺れが痛みを和らげ、かなたの全身から力が抜けていく。

「……も、らいじょ・ぶ……ゆ……くり、うご・か・ひてぇ……」
 いつもの芯の強さは影をひそめ、呂律の回らない声で哀願の言葉を口にする。
 薄く閉じられた瞳が涙の海を泳ぎ、僅かに開いた口から滴る雫が、ディムライトを浴びて光る。

「あ、ああ、わかった……うわっ!?」
 『そうじろう』の形状をスキャンした『かなた』が、その形に合わせた何段もの括(くび)れを作り出す。
 ゆっくりと気遣うように、そうじろうは腰を浮かせて抽送を開始する。

 『そうじろう』をその再深部へと導くように、『かなた』が蠢き始める。
 その刺激に反応し、びくびくと震える『そうじろう』。その先端が『かなた』の内壁をこする。
 『かなた』はこすられている部分を性感帯と判断し、性感センサーの感度を上げていく。

「ふぅっ!?……ん・んふっ・ん・ふぅっ・んはっ・あっ」
 小ぶりながら柔らかい尻の肉が、そうじろうの内股を打ち付ける。
「あ・あ・あっ・あっ・はっ・はっ・ぁはっ・あぁぅ」
 刺激と反応が交互に訪れ、腰がリズミカルに跳ねる。
「ゃぅっ・お・うふっ・う・ん・んんっ・ぁぅ・ぁ」
 『そうじろう』が膣壁をこするたび、人工粘膜が受ける触覚が快楽となって、かなたの理性を溶かしていく。

「はんっ・ん・ん・ん・んはっ・はぁん・はぅ・い・いっ・い・」
 鼻にかかった嬌声。口元に淫靡な微笑を浮かべ、かなたは本能のままバネ仕掛けのように腰を振る。
「うっ、く、う、ま、ちょ、ダメだ、もう、保たん……っ」
 そうじろうの切羽詰まった声が、かなたの耳に届く。
 『かなた』のフィードバック機構が反応し、わずかに締め付けを緩めて小休止を与える。
「ふっ、ふぅっ……ふぅっ…………ん・ふぁぁっ!?」
 少し時間を置き、再び締め付けを開始。二人の嬌声が、再び大きくなる。


 そんな『焦らし』が何回か続き、いよいよ二人の限界が近づいていた。
「ひぁ、あぅ、あぅぅ、そ、そぅ、くぅぅん、ぁうっ、ぅあぁ」
「うくっ、ぅ、くっ、か、かなた、かなたぁっ」
 かなたの秘唇はとろとろにほぐれ、そうじろうの小さくはないそれを根元まで受け入れている。
 かなたが腰を振るたびに、そうじろうの怒張が人工子宮の入口を叩く。
 深く腰が沈むたび、かなたの下腹がぽこり、と膨らむ。
 赤く色づいた秘裂から、くちゅくちゅという淫靡な音と共に、透明な粘液が噴き出す。
 膣口が、内壁全体が、そして子宮口が『そうじろう』を包み込み、微細な振動をもって追い込んでいく。

「……うっ・く・もぅ・だ、……だ、出すぞっ!」
「ぁ・ぁあ・ぁ・あっ・あぁぁ…… き、きて、きてぇぇ、そぅ・くぅぅん……っ!」
 『かなた』が『そうじろう』をがっちりと締め付け、その子宮口と鈴口とを押し付ける。
 子宮口の微細な振動が、『そうじろう』の鈴口を震わせる。

「ぅっ……くぅぅぅううっ!!」
「ひゃ・ひゃくぅっ、あひっ、ぅ・……んっ・あぁはぁぁぁぁっ!!」

 白く熱い生命のマグマが噴き出し、かなたの人工子宮へと叩きつける。
 その信号が、かなたの快感を一気に振り切らせ、思考を真っ白に塗りつぶす。

「ひ・ああっあっあっああああああぁぁぁぁ!!!」」
 背中を弓なりに反らせ、かなたが小刻みに痙攣する。
 ぷしゅ・ぷしゅっと音を立て、そうじろうの股間をかなたの潮が濡らす。

「……ぁ……ふ…………ぅ…………」

 大きく、吐き出される吐息。
 かなたの全身から力が抜け、そうじろうの腕の中へと倒れ込む。
 力なく投げ出された、腕と脚。赤く色づき、とろとろに綻んだ秘裂から、そうじろうのマグマが溢れ出る。
 強烈な快感に蕩けた瞳が、宙を泳ぐ。

 そうじろうの骨太な腕が、かなたの背中を包み込む。
 朦朧とした意識のまま、かなたは身を丸め、そうじろうの胸板に頬を寄せる。


 ……柔らかいディムライトに照らし出され、二人はしばし、快楽の余韻の中で揺れていた……。



~~~~~~~~



「……まさか、こうしてもう一度お前を抱ける日が来るなんてなぁ」
 オレンジ色の小さな灯りが照らし出す、かなたの横顔。長い髪を撫でながら、そうじろうが言った。
「……そう君、煙草辞めたのね」
 シーツの波に頬杖を突いて、かなたが呟く。
「十八年前に辞めたよ。お前が嫌いだって言ってたからさ」

 静寂の中、時計の音だけが響く。

「……それにしても……凄かったなぁ~、今の」
 そうじろうの鼻の下が、にへらと伸びる。
「ちょ、もうっ、恥ずかしいこと言わないでっ;」
 先刻の痴態を思い出し、かなたの頬が真っ赤に染まる。

 『KONATA-00X』のナイトレクリエーション機能の中核をなす、その名も『ドラマチック・えっち・システム』。
 田村ひよりコンセプト・高良みゆき設計によるそれは、古今東西のエロ漫画を研究し尽くして作られていた。
 『全自動焦らしプレイ機能』『絶頂同調システム』等々。性行為を楽しむための様々な機能を持つそれは、泉夫妻にはおおむね好評だったようである。
 もっとも、そんなものが組み込まれているなんて、当のかなたはつゆとも知らなかったわけだが。

「……でも……ごめんなさい」
「何がだい?」
「こうして、そう君にまた触れられるのは嬉しいけれど……身体、高価(たか)かったでしょ?」
「お金なんかより、今お前がここにいることのほうが大事さ」
 かなたの小さな頭に手を乗せて、わしゃわしゃと髪を撫でる。
「ありがとう、そう君……でも、機械の身体じゃ成長もできないし……」
「なぁに、老けないなんてそれこそ人類の永遠の夢じゃないか。……おまけに、まさかもう一度初物を拝めるとは、あ、いてて、痛いぞかなた~」
 かなたに摘まれた、そうじろうの頬が伸びる。そう君うにょーん。

「その代わりといったらなんだけど……ほんの少しだけど、身長やプロポーションを変えることができるみたい」
 行き当たりばったりのこなつーとは違い、真面目な彼女は自分の取説をきちんと読み込んでいた。……『ドラマチック・えっち・システム』についてはうまくぼかされていたようだが。
「見ててね……ほら」
 胸の頂を隠すように、そっと手を当てる。小さな駆動音とともに、胸と腰が盛り上がっていく。

「……いかぁーーん! かなたは幼い容姿が萌えるんじゃないかぁーーっ!!」

(うぉ!?)
(うひゃぁっ!?)
 細く開かれた扉の向こうに、二つの悲鳴と三本のアホ毛。
 幸いなことに、二人には気づかれていなかった。もしかなたが気づいたら、恥ずかしさのあまり自爆していたかもしれないぞと。

「え、あ、……うん」
 かなたの胸がしゅるしゅるとしぼみ、いつもの『極小』クラスの胸に戻る。
 うんうんと頷くそうじろうを見ながら、
(喜んでいいのかしら、悲しむべきなのかしら……)
 ……なんとも、複雑な気持ちのかなただった。


~~~~~~~~


 時は流れてその翌日。そろそろ日も傾こうか、という時頃。
 元からてきぱきしている上に、並外れたパワーまで手に入れたかなたにとって、ひととおりの家事など午前中あれば十分だ。
 暇を持て余したかなたは、縁側に腰掛けてぼんやりと庭を眺めていた。

「あはは、もろみ黒酢~~」
 何の気なしに、ぽつりと呟いてみる。健康にいいんだぞっ。

 庭の片隅の家庭菜園に、立派な茄子と胡瓜が育っている。
 ……私がいない間も、ずっと大切に世話をしてくれてたのね……
 かなたは『再びここにある幸せ』を噛み締める。一緒におしゃぶり昆布も噛み締める。

 こなた達は学校。そうじろうは連載ものの締め切りを前にして、書斎に缶詰状態である。
 かなたが戻ってきたとあって、そうじろうも入る気合が違う。
 筆者の記憶が確かならば、昨晩はほとんど一晩中『おたのしみ』だったはずなのだが。お盛んだねえ。

「『さくやは おたのしみでしたね』……か」
 下腹部に残る、微かな破瓜の痛みと異物感。
「まさか、二回もそう君に奉げちゃうなんて……」
 にへら、とかなたの頬が緩む。

「……さてと、お買い物に行きましょうか」
 今夜は何を作ろうかしら……やっぱりマムシとスッポン、それにニンニク料理かしらね。


………………


 かくして。夕飯の買い物のため、かなたは久しぶりに一人で街に出た。

 ♪でれでれでれでれ♪
 ――――――――――――――――
  *モンスターが あらわれた!*
 ――――――――――――――――
 んなわけねー。

「はぁー、どこも変わっちゃったのねぇ……」
 生身だった頃は、まだ瓦屋根が目立った住宅街。今ではそのほとんどが、モダンなツーバイフォー住宅に装いを変えている。
 昔も今も変わらず同じ場所に佇む、通い慣れた老舗のスーパーも、CIとやらで洒落たロゴマークをまとっている。
 見上げる視線の先には、大合併が進んだ都市銀行の看板。
「……『太陽神戸三井住友三菱三和第一勧業銀行』?」
 ないない。いくらなんでもそれはない。

「……変ね……」
 ふと、かなたは呟く。はいはい、変なSSですいませんね。

 ――そうではない。彼女は、この街に漂う異様な雰囲気を指摘しているのだ。

 あちこちの電柱に隠れ、ぶつぶつとこなたの名を呟くストーカー。
 おもちゃ屋の軒先には、『こなたん人形品切れ・次回入荷未定』の張り紙。
 パン屋の軒先では、うず高く積み上げられたチョココロネの下敷きになってお婆さんがもがいている。
 こなたを求めて徘徊する、立木文彦とくじらの群れ……
 まさにアウトブレイク。『こな☆フェチ』の集団発症だった。

(まさか、これほどだなんて……急がないと、こなた達が危ないわ!)
 うんしょ、と手近な家の屋根によじ登り、かなたは天を仰いで叫んだ。

「でーーびーーる、ういーーんぐ!!」
 だが、何も起こらない。

「……あら、違ったかしら? えっと……えんじぇる・ういーーんぐ!!」。
 やっぱり、何も起こらない。

「……あ、あれ?」

 屋根に立ち天に向かって叫ぶ、ストレンジスメルのする少女(に見えた)の姿に、野次馬がざわざわと集まり始める。
「おかーさん、あの人なにー?」
「しっ、見るんじゃありません!」
「あら? あの人、泉さんの奥様じゃありませんこと?」
「やっぱり、亡くなったなんて嘘だったみたいねぇ。ほら、ご主人がああでしょ?……」
 くじらとくじらの世間話は、その後たっぷり二週間にわたって盛り上がったという。

「えぇぇっ!? ちょ、注目の的ですか私!? ……ええと、ええっと……」
 なんとか思い出そうと、ぶつぶつ呟く。その間にも、どんどん野次馬が増えていく。

「……あっ、思い出した! ……かなた・ういーーんぐ!!」
 なぜそれを忘れますか、かなたさん。

 かなたの身体が眩い光に包まれ、身体の三倍はあろうかという大きな翼が背中に現れる。
「ウイングかなたさん、……見っ参っ!!」
 金田伊功ばりの大げさなパース。腕を振り上げ、くるっと回って決めポーズ、なぜかバックで轟く雷鳴。
「私が……ガ○ダムですっ!!」
 言語明瞭、意味不明。
「お、おぉーーー!!」
 空気を読んだ野次馬から、とりあえず歓声が上がる。
「あ、どーもどーも……はっ!?」
 観衆の声援に笑顔で応え、我に返ってかなたさん赤面。

「……ううっ、私もそう君に染まっちゃってるのかしら……」
 思わず涙目。その場を逃れるように、そそくさと風に乗る。
 風を読むのがうまいな、かなたさんは。


………………















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コメント:
  • 「風を読むのがうまいな、かなたさんは」www
    そうですよね、本編で中の人は・・・イヤみなまで語るまい。 -- kk (2010-08-15 22:11:41)
  • そういや、かなたさんって八キロバイトで事足りるのかw


    いやいやきっと天界のことだ、
    超圧縮技術の賜物で、
    展開すればきっとあんなところやこんな所まで余さz


    (通信途絶) -- 名無しさん (2009-02-25 23:55:53)
  • シュールwwwwwww -- 名無しさん (2009-02-25 08:10:55)

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