ななこが目を覚ますと、そこは見知らぬ部屋だった。
「……?」
もう少し脳が覚醒するのを待って室内を見回してみても、やはり見覚えがなかった。
壁の模様も天井の色も家具の配置も、パソコンが無いことも、自分の部屋とは全く異なる。
ましてや、自分の住居に人が寝られる大きさのソファやそれが似合うリビングなどなかった。
「あー……」
おぼろげな記憶を少しずつ辿ってみた。確実に覚えているのは、明日が休日だから酒を飲もうと
繁華街を練り歩いていたら偶然ゆいと出会い、一緒に居酒屋に入っていったことだ。
そこでゆいを相手に独り身の辛さを愚痴り、ゆいには旦那が単身赴任でどうこうと愚痴られた。
飲んだのは大ジョッキのビールを二杯にジントニック、カシスオレンジ、モスコミュール……いや、
そんなことはどうでもいい。とにかく、何杯目かを飲んだところから記憶がなくなっている。
だが、そこまで思い出せればあとは大体想像がついた。正体なく酔っ払ったななこをゆいが自分
の家まで連れて帰り、こうして寝かせてくれたのだ。
「あちゃー……」
ななこは頭を抱えた。
これはまずい。大の大人が、ましてや教職にある者がこんなことをしでかすとは。
「……とにかく、成実さんに挨拶せんとな」
まずはお礼とお詫びをするのが大人として当たり前の行動だ。それに、なんとなく尿意を覚えて
きたことだし、できればトイレを借りよう。
そう思ってリビングのドアを開けると、ゆいのものと思われる声が聞こえてきた。
「ぁんっ、やぁっ、きよたかさぁん……!」
それも、ただの声ではない。普段の生活では決して聞かない種類の声だ。
「まさか……」
ななこも大人だから、その声が何に起因するものかはすぐにわかった。これは間違いなく……。
「きよたかさん、もう我慢できないよぉ」
「ゆい、いくよ……!」
きよたかというのがゆいの夫の名だと知っている。直後に、男の声が聞こえてきた。
他には考えられない。これはゆいときよたかがセックスをしている声だ。
しかも、それが行われていると思われる部屋は、ドアが開いていた。
「やる時くらいドア閉めんかい……」
とはいえ、急に転がり込んできたのはななこの方なのだから文句は言えない。
もしかしたら、本来きよたかはここにいるはずではなかったのかもしれない。彼が帰宅する予定
があったなら、ゆいは酒を飲んでいなかったはずだ。不意の帰宅に夫婦は喜び、ドアなど気になら
ないほどに互いに夢中になっているのだろう。
(……ま、ええか)
トイレのことを諦めたのだ。
成実家の設計を知らない以上、トイレを探さなければならないが、家主の断りなくやってしまう
わけにもいかないし、この状況で声をかけるなど言語道断。仮に勝手に家捜しをするとしても、それ
をするためには必ずドアが開けられた二人の部屋の前を通らなければならない。彼らが夢中になって
いるなら気付かれずに通ることもできるかもしれないが、水洗の音が聞かれないはずはない。それを
やったなら、二人の行為に文字通り水を差すことになるだろう。若い夫婦の営みを邪魔するなど、
人として出来るはずがない。
まだ尿意は深刻ではない。ここはひとまず我慢。そう結論した。
ではこれからどうするか。気付かぬふりをしてもう一眠りするのが正解だろう。
「きよたかさんが入ってきたぁ……」
「僕も久しぶりで……我慢できないよ」
「動いてっ……もっと私の中に入ってきて」
(な、成実さん……)
あの陽気で呑気なゆいがこんなことを言うとは。その声も艶を帯びており、人を愛することは
こんなにも女を変えるものなのかと驚愕した。
その声は男を虜にする魔力を持っている。ななこもそれにあてられてしまい、その心の中にある
感情が生まれた。
それは、好奇心。見たい、知りたいと思う心。
あのゆいがどんな表情で喘ぐのか、どんな声をあげるのか。
そんなことやってはいけないと、もちろん思った。だが二人の声が持つ魔力の前に、その抵抗は
些細なものでしかなかった。まだ酒が残っていたせいかもしれない。
ななこは慎重に身を乗り出しながら、部屋の中をそっと覗いた。
「……?」
もう少し脳が覚醒するのを待って室内を見回してみても、やはり見覚えがなかった。
壁の模様も天井の色も家具の配置も、パソコンが無いことも、自分の部屋とは全く異なる。
ましてや、自分の住居に人が寝られる大きさのソファやそれが似合うリビングなどなかった。
「あー……」
おぼろげな記憶を少しずつ辿ってみた。確実に覚えているのは、明日が休日だから酒を飲もうと
繁華街を練り歩いていたら偶然ゆいと出会い、一緒に居酒屋に入っていったことだ。
そこでゆいを相手に独り身の辛さを愚痴り、ゆいには旦那が単身赴任でどうこうと愚痴られた。
飲んだのは大ジョッキのビールを二杯にジントニック、カシスオレンジ、モスコミュール……いや、
そんなことはどうでもいい。とにかく、何杯目かを飲んだところから記憶がなくなっている。
だが、そこまで思い出せればあとは大体想像がついた。正体なく酔っ払ったななこをゆいが自分
の家まで連れて帰り、こうして寝かせてくれたのだ。
「あちゃー……」
ななこは頭を抱えた。
これはまずい。大の大人が、ましてや教職にある者がこんなことをしでかすとは。
「……とにかく、成実さんに挨拶せんとな」
まずはお礼とお詫びをするのが大人として当たり前の行動だ。それに、なんとなく尿意を覚えて
きたことだし、できればトイレを借りよう。
そう思ってリビングのドアを開けると、ゆいのものと思われる声が聞こえてきた。
「ぁんっ、やぁっ、きよたかさぁん……!」
それも、ただの声ではない。普段の生活では決して聞かない種類の声だ。
「まさか……」
ななこも大人だから、その声が何に起因するものかはすぐにわかった。これは間違いなく……。
「きよたかさん、もう我慢できないよぉ」
「ゆい、いくよ……!」
きよたかというのがゆいの夫の名だと知っている。直後に、男の声が聞こえてきた。
他には考えられない。これはゆいときよたかがセックスをしている声だ。
しかも、それが行われていると思われる部屋は、ドアが開いていた。
「やる時くらいドア閉めんかい……」
とはいえ、急に転がり込んできたのはななこの方なのだから文句は言えない。
もしかしたら、本来きよたかはここにいるはずではなかったのかもしれない。彼が帰宅する予定
があったなら、ゆいは酒を飲んでいなかったはずだ。不意の帰宅に夫婦は喜び、ドアなど気になら
ないほどに互いに夢中になっているのだろう。
(……ま、ええか)
トイレのことを諦めたのだ。
成実家の設計を知らない以上、トイレを探さなければならないが、家主の断りなくやってしまう
わけにもいかないし、この状況で声をかけるなど言語道断。仮に勝手に家捜しをするとしても、それ
をするためには必ずドアが開けられた二人の部屋の前を通らなければならない。彼らが夢中になって
いるなら気付かれずに通ることもできるかもしれないが、水洗の音が聞かれないはずはない。それを
やったなら、二人の行為に文字通り水を差すことになるだろう。若い夫婦の営みを邪魔するなど、
人として出来るはずがない。
まだ尿意は深刻ではない。ここはひとまず我慢。そう結論した。
ではこれからどうするか。気付かぬふりをしてもう一眠りするのが正解だろう。
「きよたかさんが入ってきたぁ……」
「僕も久しぶりで……我慢できないよ」
「動いてっ……もっと私の中に入ってきて」
(な、成実さん……)
あの陽気で呑気なゆいがこんなことを言うとは。その声も艶を帯びており、人を愛することは
こんなにも女を変えるものなのかと驚愕した。
その声は男を虜にする魔力を持っている。ななこもそれにあてられてしまい、その心の中にある
感情が生まれた。
それは、好奇心。見たい、知りたいと思う心。
あのゆいがどんな表情で喘ぐのか、どんな声をあげるのか。
そんなことやってはいけないと、もちろん思った。だが二人の声が持つ魔力の前に、その抵抗は
些細なものでしかなかった。まだ酒が残っていたせいかもしれない。
ななこは慎重に身を乗り出しながら、部屋の中をそっと覗いた。
そこから見えるベッドの上で、夫婦は正常位で繋がっていた。きよたかがゆいの上に覆い被さっ
ていて、部屋の入り口、つまりななこはきよたかから見て下というか後ろに位置している。
その位置からは、二人の結合している部分が丸見えだった。
(うわ、すごっ……)
ドアからベッドまで二メートルか三メートルか、大した距離はない。こんな間近で他人の性行為
を目撃するのは、無論初めてだった。ななこの位置からはきよたかの顔は見えないが、少し視点を
ずらせばゆいの表情は覗くことができる。
「きよたかさぁん」
旦那ののろけ話をするときの緩みきった顔に色気をミックスした、という表現が相応しかった。
その二つの要素が一つの顔に共存できるのだと、妙なことで感心した。
きよたかは一心不乱に腰を振り、それを受け止めるゆいは心の底から幸せそうだった。
そう、幸せだ。好きな人が自分を愛してくれるのはとても幸せなことだ。
それのために人は生きていると言っていいくらい、幸せなことだ。
現在のななことは全く無縁な、幸せなことだ。
(ええなぁ……)
二人の姿を見て、ななこの中にもう一つ感情が生まれた。
それは、羨み。強く憧れ、そうなりたいと思う心。
(ウチも……って)
ななこは、自分の手がいつのまにか股間に伸びていたことに気が付いた。
恋人を羨む気持ちは、有り体に言えば性欲である。
僅かな躊躇いは、やはり酒気が吹き飛ばした。今の自分は服の上からでは物足りないと実行する
までもなく悟り、下着の中に手を差し入れた。
「あぁっ、あぁっ、あぁっ、きよたかさんっ!」
「んっ……んっ……」
ゆいが味わっている快感に比べれば何分の一にも満たないだろうと思いながら、それでも指を
自分の中に入れて弄る。
ゆいときよたかの姿を見ながら、自分が誰かに愛してもらっているところを想像しながら、指で
中をかき回す。
「ええな……ゆい、んっ、んんっ」
女性の性欲は二十代の後半から強くなってくるという。ななこ自身がご無沙汰だったこともあり、
強く求めていた。右手で口を押さえながら、左手のオナニーは最初から激しかった。
ななこの身体が温まってきた。身体の内側が熱くなってきた。
「ゆい、ごめん、もうすぐ……」
「いいよっ、きよたかさんの、ぜんぶ、わたしにっ!」
せっかくいい感じになってきたのにもう終わってしまうのか。そんなことを考えた。人の情事を
勝手に見ておいて一体何を考えてるんだと自分に突っ込むのはもっと後のことである。
「ゆい……ゆい!」
「きよたかさんっ!」
きよたかの腰の動きが止まった。ゆいの中に思いの丈をぶちまけているのだろう。そんな様子を
見ながらも、ななこの指は止まらなかった。二人の行為の余熱だけでもいいから欲しい。
「んっ……んぅっ……」
欲しい。快感が欲しい。ただそれだけを考え、自分の指で満たしていった。中で指を曲げて自分
の好きな箇所を擦る。指でもなんでもいいからもっと欲しい。
「ゆい……もう一回、いいかい?」
「いいよ、何度でも来て」
一回目が終わってからさほど時間が経っていないにも関わらず、再開した。
(さすが新婚さんやなぁ……)
ゆいもまた二十代後半の女性なのだ。さらに心の中でグッジョブと付け加える。
「ま、また……ぁあっ、あんっ……すごいの、きよたかさん」
きよたかは再び激しいピストン運動でゆいを攻め立てる。きよたかの肉棒がゆいの中に出入りする
度に白濁液が溢れ出してくるのが見えた。
「うわっ、すごっ……」
ななこ自身の指を激しく出入りさせ、ピストン運動に置き換える。ななこの中からも愛液が溢れ
出しており、水音を響かせたが、ななこはそれを気にする余裕はなかった。
ていて、部屋の入り口、つまりななこはきよたかから見て下というか後ろに位置している。
その位置からは、二人の結合している部分が丸見えだった。
(うわ、すごっ……)
ドアからベッドまで二メートルか三メートルか、大した距離はない。こんな間近で他人の性行為
を目撃するのは、無論初めてだった。ななこの位置からはきよたかの顔は見えないが、少し視点を
ずらせばゆいの表情は覗くことができる。
「きよたかさぁん」
旦那ののろけ話をするときの緩みきった顔に色気をミックスした、という表現が相応しかった。
その二つの要素が一つの顔に共存できるのだと、妙なことで感心した。
きよたかは一心不乱に腰を振り、それを受け止めるゆいは心の底から幸せそうだった。
そう、幸せだ。好きな人が自分を愛してくれるのはとても幸せなことだ。
それのために人は生きていると言っていいくらい、幸せなことだ。
現在のななことは全く無縁な、幸せなことだ。
(ええなぁ……)
二人の姿を見て、ななこの中にもう一つ感情が生まれた。
それは、羨み。強く憧れ、そうなりたいと思う心。
(ウチも……って)
ななこは、自分の手がいつのまにか股間に伸びていたことに気が付いた。
恋人を羨む気持ちは、有り体に言えば性欲である。
僅かな躊躇いは、やはり酒気が吹き飛ばした。今の自分は服の上からでは物足りないと実行する
までもなく悟り、下着の中に手を差し入れた。
「あぁっ、あぁっ、あぁっ、きよたかさんっ!」
「んっ……んっ……」
ゆいが味わっている快感に比べれば何分の一にも満たないだろうと思いながら、それでも指を
自分の中に入れて弄る。
ゆいときよたかの姿を見ながら、自分が誰かに愛してもらっているところを想像しながら、指で
中をかき回す。
「ええな……ゆい、んっ、んんっ」
女性の性欲は二十代の後半から強くなってくるという。ななこ自身がご無沙汰だったこともあり、
強く求めていた。右手で口を押さえながら、左手のオナニーは最初から激しかった。
ななこの身体が温まってきた。身体の内側が熱くなってきた。
「ゆい、ごめん、もうすぐ……」
「いいよっ、きよたかさんの、ぜんぶ、わたしにっ!」
せっかくいい感じになってきたのにもう終わってしまうのか。そんなことを考えた。人の情事を
勝手に見ておいて一体何を考えてるんだと自分に突っ込むのはもっと後のことである。
「ゆい……ゆい!」
「きよたかさんっ!」
きよたかの腰の動きが止まった。ゆいの中に思いの丈をぶちまけているのだろう。そんな様子を
見ながらも、ななこの指は止まらなかった。二人の行為の余熱だけでもいいから欲しい。
「んっ……んぅっ……」
欲しい。快感が欲しい。ただそれだけを考え、自分の指で満たしていった。中で指を曲げて自分
の好きな箇所を擦る。指でもなんでもいいからもっと欲しい。
「ゆい……もう一回、いいかい?」
「いいよ、何度でも来て」
一回目が終わってからさほど時間が経っていないにも関わらず、再開した。
(さすが新婚さんやなぁ……)
ゆいもまた二十代後半の女性なのだ。さらに心の中でグッジョブと付け加える。
「ま、また……ぁあっ、あんっ……すごいの、きよたかさん」
きよたかは再び激しいピストン運動でゆいを攻め立てる。きよたかの肉棒がゆいの中に出入りする
度に白濁液が溢れ出してくるのが見えた。
「うわっ、すごっ……」
ななこ自身の指を激しく出入りさせ、ピストン運動に置き換える。ななこの中からも愛液が溢れ
出しており、水音を響かせたが、ななこはそれを気にする余裕はなかった。
「あっ、んっ、あぁっ、もっと、もっときてぇ」
二人の結合部が卑猥な音を立てる。ななこの音など聞こえはしないだろう。
「んぅ、んむっ、も、もうあかん……」
ペース配分を考えなかったためか、早くも自分に絶頂が訪れることを自覚した。もはやこれ以上
引き伸ばすような精神的余裕もなく、一気にやってしまおうと決めた。
指で自分の中を感じる。襞が指を柔らかく刺激し、指は襞をめくるように激しく擦る。膣内が
蠢くのは、本来は男の精を絞りとるため。今はただイきそうだという自己主張のため。
「もっときて、もっと、もっと」
ゆいも絶頂が近いのだと、ななこはその声から感じた。ゆいはさっきはまだイってなかったはず。
「んっ、あんっ、はぁっ、はぁっ……」
限界は間近だった。尿意にも似た、下腹部から何かが湧き上がってくるような感覚。
それは――
(あ、あかん)
ななこの指が止まった。
確かにもうすぐ絶頂だった。しかし、それと同時に尿意もやってきた。それは尿意に似た感覚で
はなく、まさしく尿意だった。
これはまずい。このまま指でイってしまうことはできるだろうが、それと同時に漏らさずに済む
という自信はなかった。他人の家の廊下に放尿してしまう自分がありありと想像できた。それだけ
は避けなければならない。
「ぁあっ、いやっ、もう、わたしっ、いっちゃう!」
「いいよ。何回でもいっていいから」
意識すればするほど尿意は強くなり、ななこは急いで指を引き抜いて下着やズボンを穿き直した。
急速に酔いと熱がさめていくのを自覚し、自分のしていたことに恥ずかしくなってきた。
「きよたかさん、いく、わたし、もういく、いくぅぅぅぅ!」
中を覗くと、愛する夫に抱かれたゆいは心の底から満たされているように見えた。
それを見るとまた下半身が疼いてくるが、オナニーを再開するわけにはいかない。
――どうする? ななこは考える。
無理をしてでもトイレを借りたほうが良いのだが、一度熱が冷めてみると情事を覗き見したという
罪悪感が強くなり、声をかけるとか家捜しをするとかいうことが躊躇われてしまった。
仕方なくななこは自分が寝ていたソファのあるリビングに戻った。
意外と寝心地のいいソファに横たわっても尿意が引っ込むはずはなく、中途半端で終わってしま
ったという物足りなさと下腹部を圧迫する尿意に苦しみながら身悶えしていた。
「あん、やぁっ、こんなすぐに、すごいよぉ」
若い夫婦はすぐさま三回戦を始めたらしい。一体それが終わるのはいつになることか――いや、
終わったとしてもすぐに声をかけるわけにはいかないわけで……。
いっそのこと漏らしてしまいたいと思うほど強い尿意に襲われ、理性で必死に耐える。数分に
一度の感覚で強い波がきて、その度に限界が近づいていると思い知らされる。
「きよたかさん、もっと、もっとお願いっ」
(も、もう勘弁……)
ななこは気が遠くなりそうになりながら、ゆいの喘ぎ声をただひたすら聞いていた。
二人の結合部が卑猥な音を立てる。ななこの音など聞こえはしないだろう。
「んぅ、んむっ、も、もうあかん……」
ペース配分を考えなかったためか、早くも自分に絶頂が訪れることを自覚した。もはやこれ以上
引き伸ばすような精神的余裕もなく、一気にやってしまおうと決めた。
指で自分の中を感じる。襞が指を柔らかく刺激し、指は襞をめくるように激しく擦る。膣内が
蠢くのは、本来は男の精を絞りとるため。今はただイきそうだという自己主張のため。
「もっときて、もっと、もっと」
ゆいも絶頂が近いのだと、ななこはその声から感じた。ゆいはさっきはまだイってなかったはず。
「んっ、あんっ、はぁっ、はぁっ……」
限界は間近だった。尿意にも似た、下腹部から何かが湧き上がってくるような感覚。
それは――
(あ、あかん)
ななこの指が止まった。
確かにもうすぐ絶頂だった。しかし、それと同時に尿意もやってきた。それは尿意に似た感覚で
はなく、まさしく尿意だった。
これはまずい。このまま指でイってしまうことはできるだろうが、それと同時に漏らさずに済む
という自信はなかった。他人の家の廊下に放尿してしまう自分がありありと想像できた。それだけ
は避けなければならない。
「ぁあっ、いやっ、もう、わたしっ、いっちゃう!」
「いいよ。何回でもいっていいから」
意識すればするほど尿意は強くなり、ななこは急いで指を引き抜いて下着やズボンを穿き直した。
急速に酔いと熱がさめていくのを自覚し、自分のしていたことに恥ずかしくなってきた。
「きよたかさん、いく、わたし、もういく、いくぅぅぅぅ!」
中を覗くと、愛する夫に抱かれたゆいは心の底から満たされているように見えた。
それを見るとまた下半身が疼いてくるが、オナニーを再開するわけにはいかない。
――どうする? ななこは考える。
無理をしてでもトイレを借りたほうが良いのだが、一度熱が冷めてみると情事を覗き見したという
罪悪感が強くなり、声をかけるとか家捜しをするとかいうことが躊躇われてしまった。
仕方なくななこは自分が寝ていたソファのあるリビングに戻った。
意外と寝心地のいいソファに横たわっても尿意が引っ込むはずはなく、中途半端で終わってしま
ったという物足りなさと下腹部を圧迫する尿意に苦しみながら身悶えしていた。
「あん、やぁっ、こんなすぐに、すごいよぉ」
若い夫婦はすぐさま三回戦を始めたらしい。一体それが終わるのはいつになることか――いや、
終わったとしてもすぐに声をかけるわけにはいかないわけで……。
いっそのこと漏らしてしまいたいと思うほど強い尿意に襲われ、理性で必死に耐える。数分に
一度の感覚で強い波がきて、その度に限界が近づいていると思い知らされる。
「きよたかさん、もっと、もっとお願いっ」
(も、もう勘弁……)
ななこは気が遠くなりそうになりながら、ゆいの喘ぎ声をただひたすら聞いていた。
-おわり-
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- 結局漏らしたんですか?(←変態) -- 名無しさん (2010-10-15 15:39:05)
- ゆい姉さんってあんまり人気ないみたいだけど好きだよ
同じ人妻なのにお母さんズとの違いってなんだろう・・・・ -- 名無しさん (2009-04-24 12:56:35) - ななこ先生哀れ。 -- 名無しさん (2009-04-24 10:56:12)