「…………。」
「あの、あきら様…?」
「……の……か」
「へっ?」
「白石の…ばかあああっ!」
「あの、あきら様…?」
「……の……か」
「へっ?」
「白石の…ばかあああっ!」
あたしはおもいっきり白石を殴ってから、街の中を走った。
こんなに走ったのは、きっと持久走以来だと思う。
全ては、アイツのせいだ。
この全身の疲れも、
止まらないこの涙も。
こんなに走ったのは、きっと持久走以来だと思う。
全ては、アイツのせいだ。
この全身の疲れも、
止まらないこの涙も。
収録のとき、また白石と喧嘩した。
アイツ、あたしに刃向かうようになってから、喧嘩することが増えた。
アイツ、あたしに刃向かうようになってから、喧嘩することが増えた。
アイツには、つまんないことかもしれない。
けど、あたしには重要なことで。
あいつは何もわかってない、
あたしのこと、わかったつもりでいる。
けど、あたしには重要なことで。
あいつは何もわかってない、
あたしのこと、わかったつもりでいる。
だから、大嫌い。
「あー、クリスマスかぁ…」
「そうですね、今日なんですね。僕気づかなくって。」
「…気づかなかった?」
「だって、クリスマスのときの放送って、事前に収録しちゃいますし。」
「あー…で、今日は1月放送予定だから?」
「そうですね、鏡割りなんてしてましたしね。」
「で?」
「…で、と言いますと…」
「収録終わったね?」
「終わりました、ね…」
「…………。」
「あの、あきら様…?」
「そうですね、今日なんですね。僕気づかなくって。」
「…気づかなかった?」
「だって、クリスマスのときの放送って、事前に収録しちゃいますし。」
「あー…で、今日は1月放送予定だから?」
「そうですね、鏡割りなんてしてましたしね。」
「で?」
「…で、と言いますと…」
「収録終わったね?」
「終わりました、ね…」
「…………。」
「あの、あきら様…?」
あきら様が黙った瞬間、僕は何の間違いを犯したかと考えた。
あきら様の科白の空白部分に、なんの言葉が入るのかを考えた。
そして僕は面白いくらいに殴られた衝撃でひっくりかえり、
頭の中に光る星の数を数えた。
8つだった。
そして、目が覚めた。
あきら様の科白の空白部分に、なんの言葉が入るのかを考えた。
そして僕は面白いくらいに殴られた衝撃でひっくりかえり、
頭の中に光る星の数を数えた。
8つだった。
そして、目が覚めた。
「あれ?あきら様?」
あきら様のコートも鞄もそのままの位置にあったのに、
あきら様だけは居なかった。
僕はようやく事の重大さに気付き、残されたコートと鞄、そして僕のコートと鞄を抱えて、
白いドアを急いで開けた。
あきら様だけは居なかった。
僕はようやく事の重大さに気付き、残されたコートと鞄、そして僕のコートと鞄を抱えて、
白いドアを急いで開けた。
随分走った頃、僕はあきら様を公園で見つけた。
一人で、ブランコに腰掛けていた。
一人で、ブランコに腰掛けていた。
時計は午後8時を指している。
寒いのに、あきら様はいつもの格好で、
とても、寂しそうに。
寒いのに、あきら様はいつもの格好で、
とても、寂しそうに。
「ねぇ。」
「…はい。」
「あんたは、あたしのこと、どう思ってるの?」
「あきら様は、僕の大事な人で、その、」
「その?」
「えっと…」
「言葉に詰まるくらいの薄い関係だっけ?あたしたち。」
「いいえ、そういうわけでは…」
「ふーん、じゃ、何?」
「何、とは…?」
「…はい。」
「あんたは、あたしのこと、どう思ってるの?」
「あきら様は、僕の大事な人で、その、」
「その?」
「えっと…」
「言葉に詰まるくらいの薄い関係だっけ?あたしたち。」
「いいえ、そういうわけでは…」
「ふーん、じゃ、何?」
「何、とは…?」
あきら様は、ひとつため息をついた。
僕は、その姿が嫌いだ。
何か、すべてをあきらめている感じがして、
大嫌いだ。
僕は、その姿が嫌いだ。
何か、すべてをあきらめている感じがして、
大嫌いだ。
あきら様は、ブランコから降り、
僕の前に立った。
僕の前に立った。
僕は久しぶりに、
あきら様を正面から見たかもしれない。
まだ、こんなに小さかったのか。
顔も、耳も、手も足も、
まだ、ほんの14歳の子なんだ。
あきら様を正面から見たかもしれない。
まだ、こんなに小さかったのか。
顔も、耳も、手も足も、
まだ、ほんの14歳の子なんだ。
明かりに照らされて、
彼女はスポットライトを浴びているみたいで。
格好いいのに、今はそんな場合ではなくて。
彼女はスポットライトを浴びているみたいで。
格好いいのに、今はそんな場合ではなくて。
僕はどうすることも考えられず、
彼女の前にひざをつき、
ただ、彼女を抱きしめた。
彼女の前にひざをつき、
ただ、彼女を抱きしめた。
「ば、ばか、白石?!」
その体は冷え切っていて、
氷のように冷たいのに、
彼女の心の温かさが、
僕の全身に伝わってくる。
氷のように冷たいのに、
彼女の心の温かさが、
僕の全身に伝わってくる。
「なに、してんの…」
ごめんなさい、
彼女に言うことも出来ないほど、
その細い肩に僕は顔をうずめていた。
彼女に言うことも出来ないほど、
その細い肩に僕は顔をうずめていた。
彼女が何を考えているか、
だんだん分かってきていた。
でも、それを口に出したときに、
全く違う、と言われるのが怖くって。
だんだん分かってきていた。
でも、それを口に出したときに、
全く違う、と言われるのが怖くって。
でも分かった。
僕は、彼女を理解しつつある。
それに、自信を持ってもいい。
僕は、彼女を理解しつつある。
それに、自信を持ってもいい。
「もっと、わがままでも、良いのに。」
「なに…言ってるの?」
「なに…言ってるの?」
彼女の頭をそっと、なでる。
顔が、すごく驚いてる。
めったに見ないような表情が、
僕にはとても新鮮に見えた。
顔が、すごく驚いてる。
めったに見ないような表情が、
僕にはとても新鮮に見えた。
「もっと…僕には正直で居てください。」
「え?」
「あきら様はどうして、そんなに我慢するんですか…」
「何を…」
「え?」
「あきら様はどうして、そんなに我慢するんですか…」
「何を…」
自分の言いたいことを十分に言えない。
それを、僕にも同じようにする。
『僕』なのに?
それを、僕にも同じようにする。
『僕』なのに?
『僕』は、あなたの、何なのですか。
「僕は、あきら様の隣に居るのに、どうしてそんなに我慢するんですか…」
「だって…」
「そして、何をして欲しいのか言わなければ、誰にも伝わらない。」
「……。」
「僕、あきら様が何を言いたいのか、分かりましたよ?けどね、」
「…?」
「あきら様の口から聞かないと、いやです。」
「なっ…」
「言ってください、あきら様の口から。このあと、どうしたいんですか?」
「だって…」
「そして、何をして欲しいのか言わなければ、誰にも伝わらない。」
「……。」
「僕、あきら様が何を言いたいのか、分かりましたよ?けどね、」
「…?」
「あきら様の口から聞かないと、いやです。」
「なっ…」
「言ってください、あきら様の口から。このあと、どうしたいんですか?」
彼女は、一旦うつむいて、
また開いて、にっこり笑った。
また開いて、にっこり笑った。
「あたし、クリスマス、白石と一緒にすごしたいな…」
「もちろん、僕もあきら様と一緒に、今日を過ごしたい、です…」
「もちろん、僕もあきら様と一緒に、今日を過ごしたい、です…」
あきら様は、いつものように笑って。
僕は、ゆっくり顔を近づける。
僕は、ゆっくり顔を近づける。
あきら様は驚いた顔をひとつ、
でも、ゆっくり目を閉じる。
でも、ゆっくり目を閉じる。
さぁ、はじめましょう?
僕たちの、クリスマスを。
僕たちの、クリスマスを。
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- しろいしのくせに...... -- マッガーレ (2010-06-14 21:45:41)
- 白石のくせに……… -- 名無しさん (2010-05-21 02:47:29)
- 白石がカッコいいだと・・・
GJでした -- オビ下チェックは基本 (2009-06-29 03:33:09) - こんな二人みてみたい・・ -- 名無しさん (2009-06-10 17:47:50)
- 白石キザだなぁ・・ -- 名無しさん (2009-05-26 03:43:00)