いつもに増してあきら様の機嫌が悪い。それは本編出演を目の前に風邪をこじらせてしまったから。
顔の半分を覆い隠すほど大きなマスクをして、机に突っ伏しています。いつもならすぐに帰ってしまわれますが、今日は本当に辛いみたいで収録が終わって30分は過ぎているのに、まだそのまま。
さすがにヤバいんじゃないか?
顔の半分を覆い隠すほど大きなマスクをして、机に突っ伏しています。いつもならすぐに帰ってしまわれますが、今日は本当に辛いみたいで収録が終わって30分は過ぎているのに、まだそのまま。
さすがにヤバいんじゃないか?
「あきら様?」
「…なに」
「そろそろ帰られた方が…」
「わかってるわよ」
「なら早く出ましょうよ。もう遅いですし…」
「うっさいわねー!そんなに帰りたいなら一人でっ…ゴホッ」
「…なに」
「そろそろ帰られた方が…」
「わかってるわよ」
「なら早く出ましょうよ。もう遅いですし…」
「うっさいわねー!そんなに帰りたいなら一人でっ…ゴホッ」
あー、また怒らせてしまった。いつもは元気なのに真っ青な顔色で咳き込むあきら様を見るのは正直胸が痛みます。暫く僕を睨んでいましたが、疲れたのかまた突っ伏してしまわれた。うーん、困った。
いつもは怖いあきら様だが、こんな僕をずっとアシスタントでいさせてくれる。それなのに僕はあきら様に何もしてあげられない。
いつもは怖いあきら様だが、こんな僕をずっとアシスタントでいさせてくれる。それなのに僕はあきら様に何もしてあげられない。
あきら様の小さな方が辛そうに上下する度に胸が痛む。
そうだ。今ならあきら様に恩返しができるんじゃないか。小さなことしかできないけど、それが少しでもあきら様の為になるのならと思うと体が勝手に動いていた。
いつもあきら様のマネージャーさんがここであきら様の為にホットカルピスを作ってたっけ。今日はなぜかマネージャーさんは不在だから僕が作ろう。
熱すぎないように、でもぬるくなりすぎないように。注意して温度調節をする。
ここだ、と思う温度でマグカップを持ってあきら様の元に向かう。
熱すぎないように、でもぬるくなりすぎないように。注意して温度調節をする。
ここだ、と思う温度でマグカップを持ってあきら様の元に向かう。
「あきら様」
「あ?」
「ホットカルピスです」
「は?」
「あったまりますよ」
「へぁ…」
「飲んでください」
「あ、うん。ありがと」
「あ?」
「ホットカルピスです」
「は?」
「あったまりますよ」
「へぁ…」
「飲んでください」
「あ、うん。ありがと」
マスクを取ろうと、あきら様はサイズの合っていない袖を捲ろうとしている。そんなモタモタしてると絶妙な温かさが損なわれる。それは困るから手を伸ばしてあきら様のマスクを取ると真っ赤になって睨まれた。怖いな。
マグカップに触れる小さな唇に魅入ってしまう。
「どう…ですか?」
恐る恐る聞いてみると、深くため息をつかれた。
「薄いわね」
「マジ…ですか?」
「マジだっつーの。しかも熱いし。あたしは猫舌なの。そんなことも知らないの?アシスタントでしょー?」
「すすすすすみませーん!」
「マジ…ですか?」
「マジだっつーの。しかも熱いし。あたしは猫舌なの。そんなことも知らないの?アシスタントでしょー?」
「すすすすすみませーん!」
猫舌?そんなの初耳ですよ。いつもホットカルピスぐびぐび飲んでんじゃないですかー。あ、マネージャーさんはそれも考慮した上で?
かなわないな。まだまだあきら様と過ごしてきた時間もマネージャーさんとは桁違いだな。
かなわないな。まだまだあきら様と過ごしてきた時間もマネージャーさんとは桁違いだな。
「でも」
「え?」
「嬉しかったわ、ありがと」
「えー!」
「なによ、その"えー!"って」
「だってあきら様がお礼を言うなんて」
「悪い?」
「いえいえ、そんな」
「じゃー、素直に"どういたしまして"でしょ?」
「ど、どういたしまして」
「よろしい。んじゃ帰るわよ。送ってって」
「体の方は…?」
「カルピス飲んだらちょっとは楽になったわ。白石さんのもなかなか美味しかったかなー」
「え?」
「嬉しかったわ、ありがと」
「えー!」
「なによ、その"えー!"って」
「だってあきら様がお礼を言うなんて」
「悪い?」
「いえいえ、そんな」
「じゃー、素直に"どういたしまして"でしょ?」
「ど、どういたしまして」
「よろしい。んじゃ帰るわよ。送ってって」
「体の方は…?」
「カルピス飲んだらちょっとは楽になったわ。白石さんのもなかなか美味しかったかなー」
おや、なんだか目頭が熱いぞ。おかしいな。
怖いけど一生ついていきます、あきら様!
おわる