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いわゆるちょっとした不幸属性

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授業が終わって、泉さんとつかささんが分からなかったことを聞きに来ました。
前の席と隣の席の人の椅子を拝借して座ってくるのは、いつもの事です。
私は先生ではないので上手くは教えれませんが、掻い摘んで教えているとつかささんはうんうんと頷いているのですが。
泉さんは……

「――で、ここの公式を当てはめるのですが……あの、泉さん?」

ンゴツッ!

「……いたい」

さっきから頭が舟をこいでいた泉さんが自分のノートに額をダイブさせました。
あからさまに痛そうな音がしたのにそのまま目を瞑って眠りに落ちようとしています。
余程眠そうなのですが、音が音だけに私もつかささんも泉さんを心配して起こそうとしました。

「こ、こなちゃん? 大丈夫?」
「眠いのなら無理をしないほうが……」
「いやー……中途半端に寝ちゃったほうが眠くなるんだよ……」

腕で踏ん張って上体を起こしても額は少し赤く、目はいつも異常に眠そうで。
しかもやっぱり痛かったのかちょっとばかり潤んでます。
私は泉さんには友達としての感情以上、厚かましいかもしれませんが親友としての感情を持っています。
愛情よりの感情ではありませんが……こんな泉さんをみるとかがみさんの感情も理解できます。
保護欲というか、放っておけないような。かがみさんの感情に比べるとちっぽけなものでしょうが。

「泉さん、額を冷やしたほうがいいのでは?」
「んー……だいじょーぶ」

またガクンとノートへ顔面ダイブをしそうになり、慌ててつかささんが泉さんの体を支えました。
驚くべき素早さです。でも、体だけを支えられて首に負担がかかりそうだったので私も慌てて泉さんの両頬を挟んで頭を支えました。
これでも起きずに眠りへ落ちようとしている泉さん、流石です。

「大丈夫かな、こなちゃん額赤くなってるよ?」

つかささんが心配そうに額を覗いて、私はこぶになっていないか確かめるために片手は頬に置いたまま額へ触れた時。


「こなたー、ちょっとい……い?」
「あ、お姉ちゃ……ん?」
「かがみ……さん?」


かがみさんがクラスに遊びに(実際は泉さんに会いに)来ました。
それだけなら全然問題ありません。あるはずがないです。むしろ微笑ましいです。
でも、何でしょう?
この居た堪れない空気は。
笑顔のまま固まっているかがみさんを見ているとなぜか背中が薄ら寒いです。
何故でしょうか?
別にやましい事はしていません。
つかささんは泉さんが額をぶつけないように体を支えただけ。
私は打ってしまった額を確かめようとしただけです。


では、事情を知らずに今、この状況を見たかがみさんはどう見てるのでしょうか?


かがみさんの方へ向いていた首を泉さんへと向けて、客観的に私たちの状態を確認します。

1:つかささんが泉さんに抱きついて顔を近づけています(体を支えたので&額を覗き込んでいるので
2:私の片手は泉さんの頬に添えられています(頭を支えたので
3:泉さんを支えようとしたので、私は椅子から少し立ち上がっていて泉さんと顔が近いです(あと少し近づけば額がぶつかる位には
4:泉さんの額を確かめようとした手は意味深に泉さんの顔の前に(恋愛小説とかではキスする前のポーズですね
5:泉さんは目を瞑ってなすがままです(寝ているので

1~5の結果から導かれる、今のかがみさんの心境は?


「な、なんかお姉ちゃん怒ってない!?」

怯えたつかささんがますます泉さんに抱きつきました。あ、あああっ……かがみさん、妹にまでやきもちはどうかと。
横恋慕なんてないと分かっていても嫉妬というのはコントロールできないのでしょうがこれは事故です事故なんです。
起きてください、泉さん。事件です。ピンチです。

「かがみさん、あの……泉さんが眠ってしまい頭をぶつけたので今度はそうならないように……」

しどろもどろです。説明文は大丈夫なのにアドリブは弱いのです。
でもかがみさんは納得してくれたのか「そっか、ありがと」と妙に弾んだ口調で笑顔のまま近づいてきました。
お、遅いかもしれませんが……心の中で言っても意味はありませんが……
泉さん、起きたほうがいいかと思いますよ?
かがみさんが泉さんの額に手を当て、笑顔で「あ、手はもう離してもいいわよ」と言いました。
はい、もちろんそうします。だから笑顔固定は止めてください。
つかささんも泉さんを抱きしめていた手を離して、思わず見つめあいました。
かがみさんは泉さんの体を片手で支えて、耳元にもう片方の手を添えて何かを言いました。
そして。

「ひゃ、ぁっ――――!?」

泉さん、飛び起きました。
ガバッと立ち上がった所為で座っていた椅子が膝で押されて飛んでいきました。凄い勢いです。
私とつかさんは呆然として周りの視線を集めている事に気づいて身を縮めましたが泉さんとかがみさんはその事に気づいていません。
かがみさんはようやく満面の笑みで、泉さんにいたっては何が何だか分かってません。当然です。寝てましたから。

「か、かがっ……かがみ!? え、ちょっ、ここ学校だよ!?」
「でも今ので起きたでしょ? あんまりつかさとみゆきに迷惑かけるんじゃないわよ?」

かがみさんが泉さんの額を突付き、泉さんはかがみさんに何か言われた耳をずっと抑えています。
というより顔が真っ赤です。何を言われたのか非常に気になります。
楽しそうに笑っているかがみさんが私とつかささんの方を向いて言いました。

「もうこなたの眠気は覚めたと思うから」
「そ、そうなんだ……」
「あの……一体何を言ったんですか?」

尋ねると、ツインテールを揺らしてかがみさんが……私的に見れば、とても悪戯っぽく笑いました。

「何も『言っては』ないわよ?」
「か、かがみっ!!」

泉さんが真っ赤になってかがみさんの口を手で塞ぎました。
……『言っては』ないということは、『何かした』んですね、かがみさん……
眠気もすっかり飛んだらしい泉さんがかがみさんと言い合いをしてます。
いつもと少し違う点はかがみさんが優勢というところでしょうか。クラス中の注目集めてると気づいてません。
私たち置いてけぼりです。しょうがないので泉さんが飛ばした椅子をつかささんと一緒に取りに行きました。

「……つかささん」
「何?」
「……かがみさんは……お二人が付き合っていること、隠してるつもりなんですか?」
「だと……思うんだけど」

前の人と隣の人の椅子を元の場所に戻し、戯れている二人を見つめます。
私の目にはどう見ても……あれです。言い方が悪いかもしれませんが『バカップル』です。
でも……止めるには勿体無い気がしました。


「幸せそうで何よりです」
「そうだよねー」


こんな微笑ましいシーンを見れる私たちも、きっと幸せ者ですから。













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  • ”耳の中をレロっと舐めた”に一票 -- 名無しさん (2011-04-28 23:19:23)
  • 二人ともいい娘だな… -- 名無し (2010-07-02 00:55:51)
  • ふうってしたのかも -- 名無しさん (2008-06-30 00:39:41)
  • きっと耳に舌をねじこんだなw -- 名無しさん (2007-10-08 05:35:42)

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