激突! 獣拳対超人レスリング!!  ……特別ゲスト古泉くん

(なんでこんな事になったんでしょうかねえ……)

ネームレスは、心の中でそう呟くと同時に溜め息を漏らした。
今、彼はスタート地点である大阪城にいた。そう、そこは確かに大阪城のはずだった。
なのに彼の目の前にはリングが存在し、上を見れば満天の星が夜空に輝いていた。
リングには二人の青年が立っており、ネームレス自身は謎のたこ型生物と並んでマイクが設置された長机の前に座っている。
いったい何がどうなって、このような状況に陥ったのか。それを説明するには、少し時間をさかのぼらなければならない。


◇ ◇ ◇


数分前、牛丼を食べながら今後の方針について話し合っていたネームレスと29NIKUマニアの前に、一人の青年が現れた。
その青年は戦隊ロワの書き手、黒き翼と名乗り、対主催のための仲間を集めていると二人に告げた。
二人も対主催であり、またネームレスと黒き翼の探し人に同じ人物がいたことから交渉はスムーズに進んだ。
しかし対主催チーム結成も時間の問題かと思われた時、29NIKUマニアが放った一言が流れを変えた。

「ヒーローに関わる者同士、仲良くやりましょう」

その言葉を聞き、黒き翼はいかにも不快そうな表情を浮かべた。

「何を言っている。所詮キン肉マンは漫画とアニメだろう? ヒーローは特撮こそが至高。一緒にしてもらっては困る」

黒き翼のこの返しに、今度は29NIKUマニアの方が顔を歪めた。

「よくもまあ、そこまで大口をたたけるものですね。なんなら、正義超人のすばらしさを叩き込んで差し上げましょうか?」
「面白い。やれるものならやってみるがいい」
「いやいや、何を言ってるんですかお二人とも。対主催同士で戦う必要なんてないじゃないですか」

険悪な空気を見かね、ネームレスが仲裁に入る。だが、残念ながらそれもさしたる意味を持たない。

「心配ご無用です、ネームレスさん。我々がやろうとしているのはあくまでスパーリング……練習試合のようなものですから」
「その通りだ。どのみち、手を組むのならその強さを知っておきたいからな」

火花が見えそうなくらいに視線をぶつけ合いながら、二人は言う。

「たこルカ、例のやつを」
「Yes,my master」

29NIKUマニアの命令を受けたたこルカは、いきなり床の一部を持ち上げその下にあったスイッチを押す。
すると、大阪城全体が大きく揺れ始める。何が起こったのかわからないネームレスの前で、とんでもない変化が起こり始めた。
彼らの頭上にあった天守閣がまっぷたつに割れ、スライドして自分たちがいる階の横についたのだ。
さらに部屋の中央からは、プロレスのリングがせり出してくる。

「こ……これはいったい……」

呆然とするネームレスと黒き翼に対し、29NIKUマニアはややテンションの高い声で解説を始める。

「ここ、大阪城は『キン肉マン』において王位争奪サバイバルマッチ決勝、キン肉マンチーム対知性チームが行われた場所。
 そして我がkskロワでは、マップの各所にリングが隠されています。
 kskロワ書き手の中でも肉キャラをひときわ多く書いている僕がここからスタートというので、もしやと思いましてね。
 ロワが始まった直後に調べてみたら、案の定でした。ご説明いたしましょう。
 これぞ『キン肉マン』最終決戦の舞台! 大阪城パノラマリングです!」

◇ ◇ ◇


そして、時は現在に戻る。リング上の二人は、揃ってすでに臨戦態勢。
29NIKUマニアは上半身裸になってたくましい筋肉を晒し、黒き翼は理央の戦闘形態である黒獅子リオへと変身している。

※これよりしばらく、格闘技中継の雰囲気を出すため台詞のみでお送りします。

「さあ間もなく、獣拳対超人レスリングという前代未聞の異種格闘技戦が行われようとしております。
 実況は私たこルカ。解説は古泉ネームレスさんでお送りします。ネームレスさん、よろしくお願いします」
「え、ええ。よろしくお願いします」
「さあ、今ゴングが鳴ったー! というか、私が鳴らしたー!」

「いきますよ、竜巻地獄!」
「先に動いたのは29NIKUマニア! 竜巻を作って黒き翼へ飛ばすー!」
「くだらん。ゲンギ・反重力鎧!」
「なにっ!?」
「あーっと! 黒き翼、竜巻地獄をはじき返した! はじき返された竜巻が、NIKU自身を襲うーっ!」
「クッ……!」
「飛び道具とはこういうものだ。リンギ・剛勇吼波!」
「おーっと! 黒き翼から、ライオンの形をしたエネルギー弾が放たれたーっ!
 竜巻に吹き飛ばされたNIKU、避けられない! 直撃だー!」
「ぐあっ!」
「黒き翼、さらに追撃! 落ちてきたNIKUに、さらに蹴りを叩き込むーっ!」
「まだ終わりではないぞ!」
「拳、拳、蹴りーっ! 黒き翼、怒濤のコンビネーションだーっ! NIKU、反撃の余地がなーい!」
「リンギ・烈蹴拳!」
「ここでいい蹴りが入ったーっ! NIKU、ダウンーっ!! ネームレスさん、このままNIKU選手はいいところ無しで負けてしまうのでしょうか?」
「いえ、彼のキン肉マンへの愛が本物なら……。勝負はこれからでしょう……」

「所詮プロレスなどショーに過ぎない。実戦で磨き抜かれた拳法に、敵うはずがない!」
「黒き翼、ダウンしたNIKUにも容赦なく蹴りを浴びせるーっ! 一発、二発、さんぱ……い、いや、三発目は入らない!
 NIKUが足をつかんで受け止めたーっ!」
「拳法なんてものは……楽でいいですね……。相手の攻撃を避けていいんだから……」
「なんだと?」
「プロレスは違う……。相手の攻撃は全て受け止める!」
「NIKU、黒き翼の足を引っ張り強引に倒したーっ! そして自分は立ち上がり……おーっと! これは!
 NIKUの額に、『肉』の文字が燦然と輝いているーっ! ネームレスさん、まさかこれは!」
「ええ、あれこそまさしく……」


「火事場のクソ力ーっ!!」


「出たーっ! 伝家の宝刀、火事場のクソ力だーっ! スパーリングとか言っておきながらこの男、本気と書いてマジだーっ!」
「正義超人はね……最初は敵の攻撃をひたすら受け続けるのがお約束なんですよ!」
「NIKU、取ったままの黒き翼の脚を、自分の脚に絡ませる! そして、体を回転させた!
 こ、この技はまさしく、テリー一族伝統の必殺技!」
「スピニング・トゥーホールド!」
「ぐああああああ!!」
「黒き翼の悲鳴が、大阪城にこだまするーっ! しかし回転は止まらない!
 二回転! 三回転! 四回転! 五回転!」
「調子に……乗るな!」
「黒き翼、強引にトゥーホールドを外した! そして頭突きーっ!」
「いいですねえ……。そう来なくては面白くありません!」
「NIKU、頭突きを返すーっ! ぶっちゃけ攻撃した側が痛そうだが、お構いなしだーっ!
 そして黒き翼を抱え上げ、走る!」
「カリフォルニア・クラッシュ!」
「そして投げ捨てるーっ! 黒き翼の体が、キャンバスに叩きつけられたー!」
「まだまだぁっ!」
「NIKU、倒れる黒き翼へ追撃のフライングニードロップ! しかし黒き翼、かろうじてこれを回避!
 反撃のパンチがもろに入ったー!」
「この程度で俺は倒せんぞ!」
「さらにラッシュ! ラッシュ! ラッシュー! NIKU、ガードは固めているが防ぎきれないか!」
「黒き翼の動きが、先程よりもよくなっています。追いつめられて本領を発揮するのは、特撮ヒーローも同じだということですね」

「そりゃあっ!」
「はっ!」
「NIKUの、反撃のハイキックーっ! しかし、黒き翼もハイキックでこれを相殺したー!」
(向こうも盛り返してきましたか……。ここは勝負を急いだ方が良さそうですね)
(また流れが向こうに行かないという保証はない……。ここで一気に決めるぞ!)
「あーっと! 両者共に距離を取った! これはお互い、大技で勝負を決めに来たかー!!」


「火事場の……」
「リンギ……」

「メガトンパンチ!!」
「剛勇掌打!!」


「これは……!」
「相討ち! お互いの攻撃が顔面に炸裂し、壮絶な相討ちとなったー!!
 二人の体が崩れ落ちるーっ!! さあ、立ち上がれるのでしょうか!
 おーっと! これは! どうやら二人とも、完全に気絶しているようです!
 ダブルノックアウト! 痛み分けの引き分けだーっ!」


◇ ◇ ◇


試合終了から数十分後。意識を取り戻した29NIKUマニアと黒き翼は、お互いの健闘をたたえ合っていた。

「この俺の意識を奪うとは……。やるな」
「いえ、あなたの方こそ素晴らしいファイトでした」
「さっきは馬鹿にしてすまなかった。正義を思う心に、媒体など関係ないことが言葉ではなく拳でわかったよ」
「わかっていただけて何よりです」
「改めて言おう。俺と一緒に戦ってくれ!」
「もちろんです!」

がっちりと握手を交わす二人。今ここに、戦いを通じて一つの友情が芽生えたのであった。


一方、その頃ネームレスは……。

「積み重ねた想い空を駆け抜けて……♪ はい、まずはここまで」
「積み重ねた想い空を駆け抜けて……♪」

入っていけそうにないので、たこルカを調教して時間を潰していたのでした。


【一日目・黎明/大阪府・大阪城内部】

【ダブル古泉】
【古泉ネームレス@書き手ロワ2nd】
【状態】健康
【装備】クラールヴィント@書き手ロワ2nd、バリアジャケット(機動六課の制服・男性用)
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】基本:対主催
1:もう好きにしてください
2:空気王、ヨッミーと合流
※外見は古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱です


【29NIKUマニア@kskロワ】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【装備】なし
【道具】支給品一式、牛丼一週間分(19/21)@書き手ロワ2nd、たこルカ@ニコロワβ、不明支給品0~1
【思考】基本:正義超人として主催者打倒!
1:ネームレス、黒き翼と行動する
※外見は古泉一樹@涼宮ハルヒの憂鬱、身体能力はキン肉万太郎@キン肉マンⅡ世です
※たこルカは牛丼音頭をマスターしました


【黒き翼@戦隊ロワ】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、強い決意
【装備】なし
【道具】支給品一式×1、不明支給品1~3
【思考】
 1:この地で対主催の戦隊を組み主催者打倒
 2:あいつらはレッド、ブルー、ピンクとして……。あと一人か。
※黒獅子リオに変身できます。技は理央とサンヨのものが使えるようです。他のキャラの技も使えるかもしれません。

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古泉ネームレスの憂鬱 古泉ネームレス 通りすがりの○ロワ書き手だ。覚えておけ!
古泉ネームレスの憂鬱 29NIKUマニア 通りすがりの○ロワ書き手だ。覚えておけ!
3分待ってね♪ 黒き翼 通りすがりの○ロワ書き手だ。覚えておけ!

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最終更新:2009年03月22日 10:06
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