二人は少しだけ、途方に暮れていた。
ロリショタロワ書き手・
深淵の教皇(ハイエロファント・アビス)と
真紅の悪魔(カーディナル・デビル)。
二人の遠大なる目的は人をいっぱい集めてごにょごにょといけない事である。
その内心を互いにさえ話せない素直になれない二人だが、息は完全に合っている。
ほら、あれだ。恋愛物とかであるよね、互いに同じこと考えてるのに気づかず擦れ違う二人って。
「どうするの、でびる。あれは……とっても目立つわ」
「そうね、はいえろふぁんと。あれは……すごく目立つわ」
二人の視線の先には、木が浮いていた。
木、である。
空を飛ぶ巨大な木。
ジョルノ・ジョバーナと
ラブハンターが動かす日本の新たな県、熊岡県である。
「マーダーの仕業にしては危険が大きすぎるし、対主催かしら」(あんな物が有ったら人があっちに集まるじゃない)
「そうかもしれないわ。でも早計は禁物よ、はいえろふぁんと」(あんな危険な物に手を出したく無いわ)
「ええ。判っているのは彼らは自分の力に自信が有る事だけね」(……そういえば私達の力ってどの位なのかしら)
「そうね、もし対主催だったら手を出しても足を引っ張るもの」(……そういえば私達の力ってどの位なのかしら)
「ねえ、でびる。そういえばあなたは戦えるのかしら?」(戦力になるのだったら利用したいわね)
「私の作風は知ってるでしょう。はいえろふぁんとは?」(これは……正直に教えるか)
「私はあなた程じゃないと思うわ。知ってるでしょう?」(危険な戦闘は押し付けたいわね)
「そんな事無いわ。大切なのは気持ちよ。あなたならできるわ」(戦場に引っ張り出せば囮にはなるでしょ)
「ダメよ、あなたの足を引っ張りたくはないもの」(引っ張り出されてたまるもんですか))
「はいえろふぁんと。『私達が皆を救う』、でしょ?」(ふふ、名言っていいものね)
「それは……ごめんなさい、でびる。私が間違っていたわ」(くっ、失言だったわ)
「判ればいいのよ、はいえろふぁんと。一緒にがんばりましょう」(最低でも囮を一人確保ね)
「でもあなたの力を見せてもらっていいかしら、でびる」(まあ良いわ、前衛を任せてやる)
「良いわ。あなたも案外強いかもしれないわよ、あのビルで試しましょう」(どうせ弱いでしょうけど)
「そうね、そうしましょう」(適度な技を選んで使えばいいか)
「行くわよ、はいえろふぁんと。準備はいい?」
「何時でも行けるわ、でびる」
「禁忌『エキストラバージン』!!」
まず放たれたのは真紅の悪魔の弾幕だった。
遠近中あらゆる距離に満遍なく襲い掛かる弾幕がビルに向けて吹き荒れる。
容赦無い無数の弾幕は瞬く間にごりごりとビルを削り取っていく。
その威力は正にバトルも全開書き手の真紅の悪魔の名に相応しい。
「天国『不思議の国の霧のしろ』!」
続いて深淵の教皇の叫びと共に、霧が満ちた。
それと同時に放たれた銃弾状の弾幕が、曲がった。霧の中に入るなり、方向を捻じ曲げたのだ。
これは作中の誤殺事件と、作中で霧の素となったのが方向感覚を狂わせる武装錬金だった事が要因だった。
更にその霧は先行するエキストラバージンの弾道までも捻じ曲げる。
結果、二つの弾幕はパターンを失い密度の濃い地獄のランダム弾幕と化した。
猛烈な弾の嵐がビルの全域に喰らいつき、チーズのように無数の穴を開けていく。
弾幕が終った時、ビルの柱という柱は完全に破壊されていた。
凄まじい轟音を立てて、ゆっくりとビルは倒壊していった。
二人の表情は今、等しかった。
「「( ゚д゚)ポカーン」」( (……あれ? 私って思ったより強くない?) )
◇
それからしばらく後、コーヒーショップからもう一杯分コーヒーを煎れた二人は急いで退散していた。
深淵の教皇はブラック、真紅の悪魔はだだ甘のコーヒーで乾杯する。
「やるじゃない、はいえろふぁんと。流石は私のライバルだわ」(こいつ思ってたより強いわね)
「あなた程じゃないわ、でびる。やっぱりあなたのバトルは凄いわ」(予想はしていたけどそれ以上ね)
「ねえ、はいえろふぁんと。それで思ったのだけど、対主催の方法について……」(毒★殺はいつか必ずしたいけど……)
「ええ、でびる。首輪を解析するなどの方向か、対主催集団を作るか、あるいは……」(今はそれよりも……)
「力を活かしたマーダーキラー路線という手も、有るわね」(こいつを利用できれば最高ね)
「でも覚悟は有るの、でびる。その手を血で汚す覚悟は」(特にLSの危険対主催はなのはやトリエラといい……)
「何を言っているの、はいえろふぁんと。私は必ずみんなを救うわ」(誤殺により精神的に傷つく事が多い……!!)
「そう。判ったわ、でびる。その覚悟が有るなら私も手伝う」(そこにつけこめば操れるわ、この戦力を!)
「ありがとう、はいえろふぁんと。私は良い仲間を持ったわ」(そう、あなたの力も、心も……)
「「これからも一緒にがんばりましょう」」( (あなたの全ては私の物よ) )
二人の手は互いに硬く握られた。
………………。
ちなみに二人揃ってうっかり忘れているが、ロリショタロワにおいて心神喪失キャラを操る企みは殆ど成功していない。
幸運なケースでも逆に依存してしまって救われて立場逆転してたり(雛○×木之本○)、
上手く行ってもすぐに使い捨てた挙句這う這うの体で逃げる羽目になったり(白○ン×イシ○ロ)、
実は相手がヤバイ精神状態で返り討ちにされたり(白レ○×な○は)、
相手が奉仕マーダーのふりをしてる事に気づかなかったり(○ルー×イ○)、
純情な女心を理解しない為に殺されたり(○ア×リ○ス)。
まったくもう呪われてんじゃねーかという位の成功率だったりする。
それ以前にどうやったら心神喪失するのか実に謎であったが。
【一日目・黎明/埼玉県さいたま市にあるコーヒーショップの近くの建物内】
【深淵の教皇(ハイエロファント・アビス)@LSロワ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、青酸カリ@現実、不明支給品0~2
【思考】あれ、私って思ったより強い?
基本:真紅の悪魔と共にマーダーキラーをし、出来るだけ誤殺させる。
1:真紅の悪魔を操って私の物にする。
2:それはそうと毒★殺にも浪漫があるよね。
【真紅の悪魔(カーディナル・デビル)@LSロワ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、必須アモト酸@
ニコβ、不明支給品0~2
【思考】あれ、私って思ったより強い?
基本:深淵の教皇と共にマーダーキラーをし、出来るだけ誤殺させる。
1:深淵の教皇を操って私の物にする。
2:それはそうと毒★殺にも浪漫があるよね。
※コーヒーショップ近くのビル(規模は不明)が弾幕により倒壊しました。
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最終更新:2009年05月22日 19:39