『埼玉県の教会に旅の扉がある』
仮面ライダー零の命を賭けた放送は実を結び、全国の書き手達に届いた。
これで旅の扉に辿りつけないまま無念の内にリタイアしてしまう書き手も減るだろう。
仮面ライダー零も草葉の陰で安心しているに違いない。
「――ごめんなさい。あなたの努力は無駄になっちゃいましたね」
だが、そんな仮面ライダー零の決死の努力を無にするような事態が起こっていた。
この瞬間、埼玉に教会は存在しなくなった。
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「これでよし、と」
ここは山梨県の山中。
山中には不釣り合いな魔法少女の姿をした
Prince of Killer(以下Prince)はそこで一仕事終えた様子でリラックスしていた。
そのPrinceの目の前には古びた教会がある。
お察しの通り、この教会はオールロワ書き手の
教会の悪魔――つまり仮面ライダー零が命を賭けて皆に伝えた旅の扉の出現場所だ。
本来は埼玉にいるはずの教会の悪魔がなぜ山梨の山中にいるのか。
それはPrince of Killerの仕業である。
Prince of Killerと教会の悪魔の邂逅はこれより少し前になる。
仮面ライダー零の放送を聞いたPrinceは山梨県と埼玉県が隣同士という事もあって運良く早いうちに教会に辿り着く事ができた。
最初は自ロワのMAXのように待ち伏せを教会付近で行おうと考えていたのだが、件の教会の様子を見て考えを一変させた。
なんと教会の中にある祭壇上の十字架に首輪が掛かっていて、しかも教会自体小声で何か喋っているのだ。
首輪を付けているならこの教会もロワの参加者つまりどこかの書き手という事になる。
この時点で自ロワに出てきた古びた教会の姿という独特のフリーダムっぽさから自分と同じオールロワ書き手――恐らく教会の悪魔あたりだろうとPrinceは予想していた。
そこで周囲に人の気配がまだない事を確かめつつPrinceは到着するなりデイパックからある物を取り出していた。
それはオールロワにも出てきたキメラの翼、これで教会の悪魔ともども埼玉から山梨へとワープしたのだ。
(集まってくる参加者を相手にするのもいいけど、流石に人数が多すぎるみたいだから今は遠慮しておこうかな。
それによくよく考えればこの機会を他のマーダーが逃すはずないし、ここは存分に潰し合ってくれるといいな。
しかも肝心の旅の扉はもうあそこにはないから気付いた時には……)
Princeには参加者が埼玉にあるはずの旅の扉を探して勝手に騒いで勝手に自滅していく様が目に浮かぶようだ。
自分で殺すのもいいが、何はともあれ第一回放送までにどれだけ減るかが問題だ。
おそらくオールロワ並みに人数が多いだろう書き手ロワからして、この時間帯はどんどん人を減らしていかなければいけないのだ。
それに考えてみると埼玉に集まった書き手が旅の扉を見つける事ができなかったなら、間接的にPrince of Killerが殺した事になる。
これはこれでありかもしれない。
そうこうしているうちにようやく教会の悪魔もようやく質問する余裕ができたようだ。
今までそんな事もする余裕すらなかったらしい。
「え、え、あの、ここはどこ!?僕は誰!?」
「ちょっとこれは目立つね。えい」
「……ん、あれ――えええええ!?僕、人間の姿になっているよ!?」
今Princeが使ったのは
ニコロワで大活躍した支給品萌えもんパッチ。
これを使って古びた教会の姿だった教会の悪魔を幼女化させたのだ。
そしてその新しい姿とは――
「へぇ、幼児化した高嶺響なんだ。ぴったりだね」
――オールロワにも参加している高嶺響を幼児化させた姿だった。
教会の悪魔は実際に響を幼児化させる話を書いているので妥当と言えば妥当な姿だった。
擬人化した事によって旅の扉がどうなるのかは不明だが、Princeは深くは考えなかった。
いざとなったら萌えもんパッチを外せば済むからだ。
(さて、もう一つ場所が判明しているのは通天閣、大阪か。さすがに今から向かって間に合いそうにないか。
一応大阪を目指しつつ途中で出会った参加者は殺していく方針でいいかな)
皆が向かうであろう埼玉県はともかくとして埼玉県へ向かう途中の参加者なら各個撃破が可能だ。
Princeは西進しつつ参加者を狩るつもりでいた。
「あの、だから僕は――」
「(もしかして記憶喪失?)ん、ああ、そうね。君の名前はKYって言うのよ」
「KY?じゃあ、ここはどこなの?」
「これはゲーム。だからお姉さんと一緒に悪い奴らをやっつけて優勝しよう。そうしたら賞品がもらえるよ」
もちろんこれはPrinceの真っ赤な嘘だ。
こうすれば手駒として上手く使えるかなと思ったまで。
今は殺さずに旅の扉の役目を終えた後で教会の悪魔をさっさと殺す気でいる。
旅の扉をくぐれずにリタイアなど御免だ。
そして教会の悪魔はある程度納得したのか今はやや落ち着いた様子でデイパックから支給品のステッキを取り出して眺めている。
だがそれはただのステッキではなく、アニロワ2nd参戦作品のカウボーイビバップに出てきたマッドピエロ東風愛用のステッキ型の銃。
初め手見る武器に見る教会の悪魔の目は輝いて見えた。
その様子を眺めつつPrinceは心の中で埼玉に向かった参加者に励ましの言葉を送っていた。
(さあ埼玉に集まった書き手さん、あるはずの教会を巡って精々頑張ってくださいね)
【1日目 早朝/山梨県】
【Prince of Killer@オールロワ】
【服装】魔法少女沙枝の格好(ピンクのフリフリの魔法衣装)
【状態】健康
【装備】パニッシャー@
なのはロワ
【持ち物】デイパック×2、支給品一式×2、オレンジ49個@コードギアス
【思考】
基本:殺し合いを加速させる。
1:第一放送までは出会った相手を殺す(ただしマーダーなら放置、迷っていればマーダー化するよう扇動、自分より強ければ撤退)。
2:用済み(旅の扉を使ったら)になれば教会の悪魔は殺す。
【教会の悪魔@オールロワ】
【状態】擬人化(幼児化した高嶺響)、健康、若干混乱
【装備】東風のステッキ@アニロワ2nd、萌えもんパッチ@ニコロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
1:これはゲームか。
2:旅の扉ってなに?
3:なんか本とか読みたい。
【備考】
※元の外見はオールロワMAP「古びた教会」、口調はチェスワフ・メイエル+にゃははです。
※能力『教会の悪魔』で教会内に入った参加者一名に取り憑けます。
※パロロワに関する知識を全て失いました。もはや変な能力が使えるだけの喋る教会です。
※自分の名前を「KY」、ここはゲームの会場だと思っています。
※擬人化した事で旅の扉や能力にどんな変化があるかは不明です。
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最終更新:2009年05月10日 11:14