策略家はギャグキャラと相性が悪い

その頃、ジャングルに棲むものはジャングル(ジム)に棲んでいた。


「……というギャグをやろうと思ってスタンバイしていたのに、誰も来ないや」

ここは兵庫県の、とある公園。安価漫画ロワの書き手であるジャングルに棲むもの(以下ジャングル)は、もう2時間以上ジャングルジムの中で待機していた。
一発ネタをやるという、ただそれだけの目的のために。
しかし、せっかくの一発ネタも気づいてくれる人がいないのではどうしようもない。

「さすがにこのまま誰かを待ち続けて、誰も来ないまま終了じゃおいしくないわ。
 しょうがない、動くか。ぶっちゃけ、西日本って言ってもこの季節だと夜は南国ファッションじゃ寒いしねー。
 どっか適当な漫喫でも見つけて暖まりますか」

誰もいない空間に向かってそう呟くと、暇つぶしに読んでいた「涼宮ハルヒ全巻セット」をデイパックに戻し、ジャングルは移動を始めた。


◇ ◇ ◇


大阪を出て、兵庫までやってきた真夜中のターミネーター。彼はそこで、偶然にも移動中のジャングルを発見した。

(んー、僕の知らないキャラだな。どこの書き手さんだろう? まあいいや。
 見たところ一般人っぽいし、ちょっとか弱い子供の振りしてればコロッと騙されてくれるよね)

その予測が全くの見当外れであることなど知るよしもなく、ターミネーターはジャングルと接触すべく彼女に近づいていく。

「ねえ、そこの人!」
「んー?」

ターミネーターに話しかけられたジャングルは、気だるげに返事をしながら首を彼の方向に向けた。

「よかったら、僕と一緒にいてくれない? 僕、なんの力もないのにロワなんかに放り込まれてすごく心細いんだ。
 お姉ちゃん、お願いだから一緒にいてよ!」

ターミネーターは瞳を潤ませ、上目遣いになってジャングルに言う。

(とりあえず話を聞いてくれてるってことは、マーダーじゃないはず。対主催やるようなお人好しなら、これでイチコロだよ)

内心で、ターミネーターはほくそ笑む。しかし、彼の予想はあっけなく裏切られた。

「知るかボケー」
「むぎゃっ!」

ターミネーターの情けない悲鳴が、夜の兵庫に響く。ジャングルの手刀が、ターミネーターの脳天に炸裂したのである。

(な、なに今の! 全然見えなかった……)

反応すらできなかった一撃に、ターミネーターは大きく動揺する。だが表面にはそれを出さず、あくまで無力な子供を装う。

「い、痛いじゃないか! いきなりなにするのさ!」
「うっさいわ、ガキ。甘えてんじゃねー。ロワで生き残ろうと思ったら、他人に頼らんで自分でなんとかせんかー」

毒混じりの言葉を吐きながら、ジャングルはもう一度手刀をターミネーターに喰らわせる。

(なんだよ、こいつ。僕みたいな可愛い男の子が頼んでるのに、無視かよ。
 もういいよ。こいつの力は借りない。ちゃっちゃと死んじゃえ)

「そんな冷たいこと言わないでよ……」

ジャングルにすがりつく振りをして、ターミネーターは「純白の手」を喰らわせようとする。しかし。

「ん?」

突如、ジャングルが走り出した。目標を失ったターミネーターの手はむなしく空を切り、バランスを崩した彼は地面に倒れ込む。

「ちっ、光ったから小銭かと思ったら、ガラスの破片かよ。しけてんなー」

一方のジャングルはしゃがみ込んで何かを拾い上げたが、それが目当てのものでないとわかりすぐさま投げ捨てる。
そして振り向き、ターミネーターが倒れているのに気づいた。

「んー? どうした?」
「どうしたって……。お姉ちゃんが急に避けるから転んじゃったんじゃないか!」
「やれやれ、すぐ他人のせいにするとは……。これもゆとり教育の弊害か……」
「何でもかんでもゆとり教育で片づければいいってもんじゃないでしょうが!
 だいたい、お姉ちゃんも見た感じ僕とそんなに歳変わらないじゃん!」
「ちっちっちっ、甘いですなあ。これは書き手ロワだよ? 我々の外見は書いたキャラに影響されるのであって、実年齢には関係ないのだよ」
「あー、なるほど……って、その理論で行くと僕もゆとり教育世代かどうかわからないじゃないか!」
「黙れゆとり」
「ぐぎゃっ!」

今度はジャングルのビンタが、ターミネーターの顔面に見舞われる。

「お前のその甘ったれた態度が、ゆとり丸出しなんじゃい」
「言ってることもやってることもむちゃくちゃだよ、お姉ちゃん!」
「よし、決めた。君のその甘えきった根性を、私がこのロワの中で鍛え上げて進ぜよう」
「なんでそんな話になるのさーっ! というか、人の話聞けーっ!」

ターミネーターの抗議も、ジャングルにはまったく聞いてもらえない。
それどころか、彼の体はいつの間にか鎖でがんじがらめにされていた。

「ちょ、こんなのいつの間に! いや、それ以前になんで縛るのさ!」
「貴様のような軟弱者は途中で逃げ出すかもしれんからなー」
「逃げないよ! だからこれ解い「だが断る」断るの早っ!」

なおも抵抗を続けるターミネーターだが、ジャングルはまったく意に介さず彼の体を引きずっていく。

「ちょっと、どこ行くの!?」
「うーん、大阪辺りにしておくか。なんか激戦区になりそうなところやし」
「微妙にメタ視点入ってない? というか、なんでわざわざ激戦区に突っ込むの!」
「やだなあ、敵の強いところの方が経験値が稼げるのはゲーマーの常識ですぜ?
 まあ、かくいう私は安価漫画ロワの書き手なわけですが」
「ゲーマーじゃないじゃん!」
「まあそこは元キャラがゲーマーってことで」
「納得いかねー! はーなーせー!!」

この女、いつか殺す。そんなことを考えながら、ずるずると引きずられていくターミネーターであった。

【一日目・黎明/兵庫県・どこかの公園】

【ジャングルに棲むもの@安価漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】天の鎖@アニロワ2nd
【道具】支給品一式、『涼宮ハルヒの憂鬱』全巻セット@アニロワ2nd、不明支給品0~1
【思考】基本:面白ければ何でもいいんじゃー
    1:ターミネーターをいじって遊ぶ。
    2:大阪に向かう。
※外見はグゥ@ジャングルはいつもハレのちグゥです。本物ほどではありませんが、ある程度理不尽パワーが使えます。


【真夜中のターミネーター ◆Nfn0xgOvQ2@ロボロワ
【状態】健康、鎖でがんじがらめ
【装備】ソードサムライX
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】基本:ステルスマーダー。
  1:ステルスマーダーとして活動。
  2:状況に応じて対主催に変更してもいい。
  3:こいついつか殺す……。
【備考】
※外見はドラス@ロボロワです。
※ドラスの特殊能力は一切使えませんが、体力や素早さなどの基本的なスペックはドラスと一緒です。
※『純白の手』『深緑の手』『緋色の手』が使えます。
※コロンビーヌの『蟲使い』としての能力を持っています。

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ジャングルに棲むもの 大阪はいつもズガンのちGuu!
生存反応ありません 真夜中のターミネーター 大阪はいつもズガンのちGuu!

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最終更新:2009年06月12日 21:52
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