「ハア……ハア……」
繋ぎ・SH・ナイツは、全速力で走っていた。彼女は今まで大阪にいたのだが、その大阪がなんかもうすごいことになっていたので全力で逃げてきたのだ。
「こ、ここまで逃げれば……」
走りに走り、もう体力も限界かというとことでSHは足を止める。
とりあえず背後の状況がどうなったか確かめようと振り向いて、彼女はその顔を驚愕に染めた。
「な、何よこれ!」
彼女が向いた先には、もはや「大阪府」という地域は存在していなかった。
そこにあったのは、光り輝く巨大な渦だ。
「これって、もしかして……」
「おー、旅の扉ですなー」
SHの言葉を、別の声が繋ぐ。慌ててSHが声の方向へ視線を移すと、そこには白髪の少女と彼女に鎖でグルグル巻きにされた青髪の少女(?)がいた。
ジャングルに棲むものと、
真夜中のターミネーターの二人組である。
(この二人、いつの間に……。まあいいわ。これが旅の扉だとしたら、ひとまずのゴール地点を目の前にして少しは気が緩んでいるはず。
その隙を突いて……死んでもらう!)
決断を下してからの、SHの行動は早かった。疲労にきしむ体を無理に動かし、ジャングルに棲むものに接近。
そして包丁を、ジャングルの胸に突き立てようとする。だが、ジャングルの対応もまた素早かった。
「ターミネーターガード!」
「ちょっとー!!」
ジャングルがとっさに前に突き出したターミネーターが、SHからジャングルを守る盾となる。
幸い彼の身体に巻き付いた天の鎖が包丁を防いだため、ターミネーターは無傷で済んだ。
「危ないな、もう! たまたま助かったからいいものの、死んでたらどうするのさ!」
「おやおや、君は私を信用できないのかね? 100%の自信がなければ、あんなことやりませんよ」
「信用できるかー!」
襲撃者が目の前にいるというのに、漫才的な会話を始める二人。
隙だらけの彼女たちにもう一度攻撃をしかけようとするSHだったが、包丁を持った手を素早くジャングルに押さえられてしまう。
「不意打ちとは感心しませんなあ、どこぞのお嬢さん」
「いや、不意打ちって言うか、そっちが勝手に油断したんじゃない」
「やれやれ、これだからゆとり世代は……」
「だから、何でもかんでもゆとり教育の弊害にするなってば!」
自分の時と同じ結論に持っていくジャングルに、ターミネーターはたまらずツッコミを入れる。
「よし、ちょうどいい。君の初戦の相手はこのお嬢さんだ。きっちり勝って経験値を稼ぎたまえ」
「はい?」
唐突に話を進めると、ジャングルはターミネーターの拘束を解く。そして、SHの前に放り出した。
(あーもう、なんか変なことになっちゃったなあ……)
心の中で愚痴りながら、ターミネーターは煩わしげに頭をかく。
彼とて、それなりに戦闘力は持ち合わせている。しかし、あくまで無力を装っての不意打ちが彼の基本スタイルなのだ。
正面から堂々とぶつかる真っ向勝負など、彼の流儀ではない。
(けどまあ、あのお姉さんが僕たちの命を狙ってるのはたしかみたいだし……。戦わないわけにはいかないか)
諦めの溜め息を漏らし、ターミネーターは戦闘に備えて構える。
一方のSHも、次の一撃を放つべく包丁をかざす。
今まさに、二人が激突するかと思われた、その時。
SHの身体が、突如として崩れ落ちた。
「!!」
予想外の事態に、ターミネーターは思わず目を丸くする。そしてSHの背後から壮年の男が姿を現したのを見て、彼はもう一度驚いた。
その男の正体は、女プーチン書き手。彼はひぐらしと伝道者の二人を襲撃したあと、SHたちを発見。
目の前の二人に気を取られているSHの背後に忍び寄り、針で彼女を暗殺したのだ。
「くっ、深緑の……」
女プーチン書き手もまた危険人物だととっさに判断したターミネーターは、先制攻撃をしかけようとする。
だが彼の技が発動するより早く、女プーチン書き手のスタンドがその力を行使した。
「キングクリムゾン! 我以外の時間は全て消し飛ぶ!」
女プーチン書き手の宣言と同時に、世界は灰色に染まる。
ターミネーターの手から放たれた空気弾が女プーチン書き手に向かって飛んでいくが、彼は避けようとしない。
避ける必要がないからだ。
空気弾は女プーチン書き手にダメージを与えることなく、その体をすり抜ける。
原作でエアロ・スミスの銃弾がディアボロをすり抜け、その向こうにいたリゾットの体を貫いたのと同じ理屈だ。
どういう理屈かはよくわからないが、これもキングクリムゾンの能力の一端なのだ。
ただしあくまで一端であり、これはメインの能力ではない。
キングクリムゾンの能力は、「時間を吹き飛ばす」こと。
もっとも、これだけではジョジョ未見の人にはなんのことやらわからないだろう。
噛み砕いて言えば、これは「自分以外の人間が認識できない時間」を作り出す能力だ。
吹き飛ばされた時間の中では人々は時間の流れを認識できず、直前に行っていた行動を続ける。
そして能力が解除されると、「いつの間にか数秒間時間が進んでいた」という不思議体験をすることになるわけだ。
とにかく、時を吹き飛ばしている間は使用者がやりたい放題なのである。
「貴様らには……死を後悔する時間も与えん!」
原作再現しつつ、ターミネーターの首を刈り取るべくキングクリムゾンの腕を伸ばす女プーチン書き手。
だがその彼を、予想外の衝撃が襲う。
「なに~~~~~!!」
女プーチン書き手は、今まさに自分を襲っている現象が信じられなかった。
ジャングルがターミネーターの背後から腕を伸ばし、自分の顔面を殴りつけていたのである。
「バカな! なぜ貴様は、吹き飛んだ時間の中で動ける!」
女プーチン書き手の問いに、ジャングルはニヤリと笑いながら答える。
「ギャグ漫画の理不尽パワーを舐めるなよ」
そのまま、ジャングルはデイパックから最後の支給品であるバットを取り出す。
そして、理不尽な展開についていけず硬直した女プーチン書き手にフルスイングをかました。
「アディオ~ス♪」
「qあwせdrftgyふじこlp!」
日本語で表現できぬ悲鳴を上げながら、女プーチン書き手は大きく吹き飛ぶ。
そのまま彼の体は、旅の扉に吸い込まれていった。
自分の肉体を転送される奇妙な感覚を味わいながら、女プーチン書き手は思う。
ああ、ディアボロの真似とかカオスロワ的に死亡フラグじゃん、と。
「あれ? あいつどこ行った? 何があったの?」
状況がまったく飲み込めず、ターミネーターはきょろきょろとあたりを見渡す。
そんな彼に対し、ジャングルは再び鎖を巻き付けた。
「ちょ、またこれ?」
「放っておくといつ逃げ出すかわからんからのー。次のフィールドでこそびしばし鍛えてやるから、覚悟しときんしゃい。
今回はついつい私が手を出しちゃったし」
「はーなーせー!」
こうして、ジャングルとターミネーターもまた次のフィールドへ旅立ったのであった。
【1日目・早朝】
【新フィールドへ】
【女プーチン書き手@カオスロワ】
【状態】ダメージ(中)
【装備】暗殺用針@カオスロワ
【道具】支給品一式×3、キング・クリムゾンのDISC@
漫画ロワ、CD-ROM、ののワさん@
ニコロワβ、
不明支給品0~5
【思考】
基本:参加者をズガン、大量虐殺する
※外見はウラジーミル・プーチン@ムダヅモ無き改革です。
【ジャングルに棲むもの@
安価漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】天の鎖@
アニロワ2nd、ホーミングモードの鉄バット@
kskロワ
【道具】支給品一式、『涼宮ハルヒの憂鬱』全巻セット@アニロワ2nd
【思考】基本:面白ければ何でもいいんじゃー
1:ターミネーターをいじって遊ぶ。
※外見はグゥ@ジャングルはいつもハレのちグゥです。本物ほどではありませんが、ある程度理不尽パワーが使えます。
【真夜中のターミネーター ◆Nfn0xgOvQ2@
ロボロワ】
【状態】健康、鎖でがんじがらめ
【装備】ソードサムライX
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】基本:ステルスマーダー。
1:ステルスマーダーとして活動。
2:状況に応じて対主催に変更してもいい。
3:こいついつか殺す……。
【備考】
※外見はドラス@ロボロワです。
※ドラスの特殊能力は一切使えませんが、体力や素早さなどの基本的なスペックはドラスと一緒です。
※『純白の手』『深緑の手』『緋色の手』が使えます。
※コロンビーヌの『蟲使い』としての能力を持っています。
【繋ぎ・SH・ナイツ@ニコロワβ 死亡】
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最終更新:2009年07月30日 11:53