「死、死んでる……!」
突然、目の前の男が致死量を遥かに超えた鼻血を噴いた。
そんなショッキングというかなんというかな光景を目撃して、サービスだっちゃMK2は地面に倒れる513へと駆け寄った。
そして、その男の心臓が、既に動きを止めているのを確認すると、MK2は……
「うーん、あんまり好みじゃないっちゃね、この服」
……人を殺してしまったことを嘆きもせずに、死体の服を検分しはじめた。
「うるさいっちゃ。今、私に必要なのはまとも服。人が一人死んだくらいで、ゴチャゴチャぬかすんじゃないっちゃ」
……いや、普通対主催なら人が死んだら、もっと、こう……さ。
「朝倉さんはクールビューティーだから問題ないっちゃ。うーん、やっぱりこの水着を着るしかないっちゃか」
……まあ、いいけどさ。
……それより、今あんたは誰と喋ってるんだ?
「え? ってああ!?」
ようやく、あたしに気付いてくれたらしい。
彼女が513を(結果的に)殺したその一部始終を、あたしは陰ながら見ていた。
どうやら対主催らしいから、近付いて話しかけてみたのだけれど。
しかし、元が朝倉さんだけあってスタイルいいなあ……。
それにあのよく手入れされた長い髪。
あわよくばぜひ一度、味わってみたいなあ……。
「あ、貴方は!?」
そう、あたしは、
kskロワの筆頭書き手。
知的であり、変態でもある……
「人がこんな恥ずかしい格好なのに、何そんな服を着てるっちゃ!」
へ?
えええええええっ!?
「貴方みたいな奴には、お仕置きが必要だっちゃね……!」
あ、あの、何いきなりスペシウム光線みたいなポーズをとってやがりますか?
「喰らうっちゃ、『鬼娘専用変身光線』ー!」
「な、なんだよそれええぇぇぇぇぇぇ!」
突如としてMK2から発射された不吉な名前をしたビームみたいな何かが、あたしを直撃して。
あたしは……知的変態ヘアニストは、意識を失った。
▽
十分後。
無事に目を覚ました、まるきゅー……もとい、ノーヴェの姿をした書き手、知的変態ヘアニストと、サービスだっちゃMK2が向かい合っている。
「……まあ、対主催同士が不幸な行き違いで争いを始めるのも、ロワの醍醐味って奴だっちゃ」
「誤魔化すな」
「ごめんなさい」
「よろしい」
まあ、そんなやりとりで、全て済んでしまった。
同じ主催への反逆を決意した同志ゆえに、協力することのもすんなりと決まる。
お互い大した被害があったわけでもなかったので、これにて一件落着、かと思われた。
「……で、何だよこの格好は?」
ヘアニストの格好を除いては。
ノーヴェの姿をした彼女は、水着姿だった。
御察しの通り、目の前のだっちゃと同じく、虎柄のラムちゃんビキニである。
無論、初めからこの状態だったわけでは決してない。
「くくく……これぞ私の特殊技能、『鬼娘専用変身光線』!
この光線を浴びた者は、全員私と同じ虎柄ビキニになるっちゃ!」
「な、なんだってー」
「こんな恥ずかしい姿でロワに出されて、私はとても苦しんだっちゃ……でもそんな私に、脳内のジョージが言ってくれたっちゃ。
『逆に考えるんだ。自分の姿が恥ずかしいなら、他の参加者も恥ずかしい姿にしてしまえば恥ずかしくないと考えるんだ』って」
「いやそのりくつはおかしい……。
……というか、アンタの能力はそれでいいのかサービスだっちゃmk2……」
「さて、行くっちゃよ! 目指すは参加者一人残らず虎柄ビキニだっちゃ!」
「聞けよ話。目的も間違ってるし」
「あ、そうそう。あくまで私の光線はオリジナルの『鬼娘専用変身銃』の劣化版みたいなものだっちゃから、
空も少ししか飛べないし電撃も大した威力は無い、さらに口調が変化したりもしないっちゃ」
「……なんだか随分都合のいい能力だな」
「だってそうでもしないと、会話文が『~だっちゃ』ばかりで解り辛(ry」
「解ったもういいそれ以上言うな」
「そういえば前回からの流れで『私』って言ってるけど、ラムちゃん口調なら『私』じゃなくて『ウチ』だっちゃよね?」
「だから前回とか言うなよ!」
「それ以前に作者がラムちゃん口調を把握しきれてないから、微妙に偽者っぽいイメージが拭いきれてないんだっちゃよね」
「もう止めろ! 不穏な発言が多すぎる!」
「あ、偽者と言えば新装版うる星やつらのオマケで色々な漫画家がラムちゃんを描いてたっちゃけど、どう見てもラムちゃんに見えないのが何人かいたっちゃよね」
「何の話だ!?」
「いとうのいぢのなんて、うまいはうまいっちゃけどあれラムちゃんと言うよりはユニゾンシフトのエロゲに出てきそうな……」
「のいぢ絵のお前が言うな!」
「どうでもいいけど、いとうのいぢさんの絵と伊東雑音さんの絵って似てるっちゃね」
「お前絶対わかってて言ってるよな!? 話を戻せ話を!」
「むぅ……固いこと言うんじゃないっちゃ。大事なのはノリと勢いとkskだっちゃ」
「その言葉を言い訳に使うんじゃない」
「で、話を戻すとして『驚愕』はいつになったらでるんだっちゃ?」
「戻ってないよ? 一ミリたりとも戻ってないよ? むしろ数億光年程進んじゃってるよ?」
「謎の敵性宇宙人の手により、絶体絶命の長門。そんな彼女を救ったのは、
伝説のスーパーバックアップとして目覚めた朝倉涼子だった――そんな展開を、私はもう二年ほど待っているっちゃ」
「安心しろ。百年経ってもないからそんな展開。――とにかく、だ」
「ここでいたずらに時間を費やしていても、何も得られない」
「……っちゃね」
二人は頷き、しっかりとした足取りで歩き出す。
唯、一つの思いを胸に。
「私達を呼び寄せたこと!」
「あのいけすかない野郎に、後悔させてやる!」
【栃木県宇都宮駅前・一日目・深夜】
【サービスだっちゃMK2@ksk】
【状態】健康、虎柄ビキニ
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】
基本:悪は許さない
1:ヘアニストと行動
2:あわよくば、全員虎柄ビキニに。
【知的変態ヘアニスト@kskロワ】
【状態】健康、虎柄ビキニ
【装備】無し
【道具】支給品一式、不明支給品0~3
【思考】
基本:主催を叩きのめす
1:ひとまずMK2と行動
2:あわよくば、綺麗な髪を味わいたい。
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最終更新:2009年06月15日 21:06