書き手として物語を綴る上で最も大切なものは何か?
私は即答する。
それは『愛』だと。
愛さえあれば何を憚ることはない。
終盤参加だろうが恐れ、迷い、その上で飛び込んでいける。
クオリティに自信が無い?
大丈夫だ。
キャラへの、原作への、パロロワへの『愛』さえあれば、自ずと『愛』に追いつこうと腕は磨かれるものだ。
一部のキャラ信者がやるような自慰行為ではない。
キャラ達が置かれた苦難や絶望すらも尊び、包括し、その先を示すこと。
それが、『愛』なのだ。
紹介が遅れた。
私の名は◆2PGjCBHFlk――
語り写し叫ぶ愛情《ラヴ・アヴェスター》。
ロワへの『愛』を予約に込め、キャラへの『愛』を作品に込め、己が『愛』をタイトルに込める男である。
「なななななななななな、なぁぁぁぁぁぁぁんとっっっっ!?
貴様は、いや、あなたが! あの過疎期の
アニロワ2を救った稀代のラブ氏となっ!
何たる光栄、何たる幸運! やった……やったのである! 我輩はついについに書き手2ですら成し遂げられなかった領域を踏破したのである!
思い起こせば一年ほど前。 書き手ロワが発足した時は当時の書き手紹介に乗っていた書き手のみが参加であった。
だからこそ、我輩がエピローグで書き手3の世界に引きずり込まれる多元宇宙があっても、死者スレに出張しても氏に会うことはできなかった。
この我輩の超展開をもってしても! チーート全開の書き手ロワにおいてさえ『ぶっちぎってんなw』と評された我輩でさえも!
おお、それは何たる不幸、なんたる悲劇っ! 我輩、我輩、流した涙でMAPに一つ海のエリアを増築できそうであるっ!
だがしかし、だがしかああっし! 天は我輩を見捨ててはいなかったあああ! 否、見捨てれるはずがないのであるっ!
天才とは天に選ばれた才能の持ち主! 故に我輩には神の加護が付いているのである!
星に願いよ、媛星キラリ☆ って、そうだったのかあああああああ! それではこの書き手ロワ3は我輩の手によって開かれたということであるかー!?
恐ろしい……恐ろしいぞ! 我輩は己の才能が恐ろしいのである! 我輩こそが超展開の王!!世紀の天才!!
一億年に一度と呼ばれた天才、ドクタァァァァァ・ヨッミィイイイーーー!!
む?よく考えたら一億年では世紀どころでないのであるっ!?まずい、まずいであるぞ!?NO-------!!」
そんな私の前で何やらくねくねのたうっている一つの物体。
白亜の大理石を思わせる肉体が黒きラインで彩られている様はどこぞのギリシャの彫像のように美しい。
加えて補足しておくと、書き手2の主催者たるwiki管理人が変身したゼストは女性体だ。
この地では超神の肉体となっているユーゼフォンがユーゼスの顔をした神聖綾人なら、
WIKI管理人が変化したのは彼女がなりきっていた稲田瑞穂の顔をした真聖久遠なのである。
つまり、だ。
登場話からではわかりにくいことこの上なく現に彼扱いされてしまったが、書き手ロワWiki管理人の最終形態と同じゼストであるこの書き手
ヨッミーは
――女性なのである。
私が若干引き気味なのも当然だ。
ドクターウェストなノリで真っ裸で羽も生えてる稲田瑞穂顔な女神像。
ぶっちゃっけもうこいつ存在自体が超展開だよと言いたくなるのをぐっとこらえ、本題を切り出す。
「サインならいくらでもあげますので、少し話を聞いてはくれませんか?」
「サインとな!? 我輩を更なる歓喜の境地へと案内してくれると! 任せるのである!
さあ、泥船に乗り遅れたつもりで何でも我輩に聞くのであるっ!
とはいえ我輩にも答えられない質問はあるのであって、ああ、あれは甘く切ない我輩の青春時代。恋と夢を天秤にかけたあの日。
後から乗せた我輩の科学への情熱の重さによって、ジャンプ台と化した天秤から飛んで行く恋心!
行くのである、誰も見たことのない宇宙の彼方へ!!あれ、なんか熱い!?た、大気圏!?ぎゃー!」
なんかどこまでも一人しゃべっていそうなヨッミーの言を聞き流す。
というかまともに相手をしていたら疲れることこのうえない。
ぶっちぎりな書き手だとは聞いてはいたが、なるほど、中身もかなりはっちゃけている。
だが、それでも。
『愛』の書き手である自らの勘が言う。
大丈夫だと。
彼女は自分が求めている回答を返してくれるだろうと半ば確信を込めて問いただす。
「あなたにとって書き手として物語を綴る上で最も大切なものは何ですか?」
「ふん、何を聞くかと思えばそんなことであるか。簡単過ぎる質問であるぞ、ラブ氏」
一転、それまでのはしゃぎっぷりが嘘のように静かになるヨッミー。
「答えは『愛』である」
果たして続く言葉はラブの期待通りのものだった。
「ロワに参加している作品をキャラクターを愛しえいるからこそ、彼らの命を書き綴る。自作の引用であるがな」
「では、あなたの言う愛とは? 書き手ロワ書き手であるあなたからすればその対象はキャラクターではなく書き手。
姿形もなく、目にも見えない偶像のような存在に過ぎない相手です。
ぶっちゃけ読み手色も強いあなたからすれば、作者が誰であれ面白い話を読めればいいだけなのでは?
仕上げとばかりに私は畳み掛けるがヨッミーは揺るがない。
「違う、それは違うであるぞ、ラブ。 我輩は書き手諸氏を敬愛している。
彼らが紡ぐ数々の物語に惹き込まれ、遂には読み手だった我輩に筆を取らさずには要られないまでの衝撃を与えた先人達。
その彼らに負けず劣らずの作品を描きあの手この手でいつも我輩を楽しませてくれている新規書き手。
もっともっと世界には面白い話があるのだとこの胸を高鳴らせてくれる未読の者。
全てが、全ての書き手とロワが大好きだと胸を張って言える。これが我輩の、書き手ロワ書き手としての『愛』である!」
条件はオールクリアだ。
ほくそ笑みある一つの計画を持ちかける。
「了承!!」
ヨッミーは快く彼の頼みを聞き入れた。
♪
――かくして、物語は急転直下に進行する。
♪
「さあ、年貢の納め時であるぞ、ゾフィー!」
ゾフィーは焦っていた。
それはもうすんごく焦っていた。
突如としてM78星雲に殴り込みをかけてきたのは、自分が倒したと報告したゼスト。
これはどういうことだ、ユーゼスはゾフィー隊長が倒したはずではなかったのかと一般ウルトラ人達は騒然となっている。
実際
スパロワ事件(仮)をよく知るものからすれば目の前の人物はゼストと別物だとすぐにわかるのだが、
そもそもゾフィーの捏造に騙される程度の情報しか得ていない一般ウルトラ人にそれを求めるのは酷というものだ。
「君は、ヨッミー!?」
流石に当事者であるゾフィーはすぐに相手の正体を見抜き、その名を呼ぶ。
クロススレの常連でもある彼は、確かに目の前の女性の姿――というよりも無駄に高いテンションに覚えがあった。
しかし、理解できたのはそこまでだ。
自分が漁夫の利を狙っていた殺し合いに巻き込まれていたはずの参加者が、どうしてあっさりロワの舞台を抜け出して自らの前に立っているのか。
自分が当分かかるだろうと光の国に戻ってバカンスを楽しんでいる間に、まさかもう書き手3は完結してしまったというのか。
思った疑問をそのままゾフィーは口にする。
「いや、しかし君は新たなバトルロワイアルに巻き込まれていたはずだ。どうやってこの地に?」
「甘い、甘いであるぞ、ゾフィー! 我輩の力『チート頂上決戦 / 刻め、我が存在を!!』、
及び『此方より彼方まで』を併用すれば、宇宙空間に飛び出るどころか次元跳躍すらこのとおり!
大人しくスパロワ書き手が味わった屈辱! 倍返しにしたうえにお釣りは取っといて貰うとしよう!
倍返しでは許さん!この屈辱は万倍!万倍返しなのであーるっ!
さらには+-で利子が付く予定。オラオラ、趣味を舐めるんじゃねえぞおおおお!」
ちなみにこのヨッミー、書き手や絵師やMAD職人さんや管理人さん以外が『書き手ロワ』に出るのを疑問視し、
書き手に準ずるものを除いて片っ端から意思持ち支給品を書き手2で破壊していたりする。
だからまあ、書き手さん関係以外による外部介入なんて問題外というわけで。
「レッツPLAYなのである、ゼスト! 禁じられた歌を! 捏造を暴き訴訟する歌を! 『THE GREATEST BATTLE』!」
額の真実の目も全開にし、巨大化したヨッミーがその全ての力を解き放つ。
ウルトラ兄弟が総掛りでなければ倒すきっかけさえ作れなかったゼスト。
それをも余裕で上回るエクシードゼストたる彼女を相手に、捏造に頼り己が力を磨くことを怠っていたゾフィーが適うべくもない。
ならばとスパヒロ時代よりも増えた兄弟達から力を借りようと周りを見渡すも、父も含め冷たい視線が降り注ぐのみ。
「ゾフィー兄さん……」
「おお、メビウスは分かってくれるか! 見ろ、奴はどう見ても偽ウルトラマン! 共にヤプールの陰謀を打ち砕こう!」
「じゃあ、後ろにいる人は、なに?」
「うし、ろ?」
唯一声をかけてくれたメビウスを、早速設定をでっちあげて懐柔しようとしたゾフィーは恐る恐る振り向いてみる。
目にしたのは一体の機神の姿。
頭部には炎を模した角飾りを。右手には全てを砕くショベルアーム。胸に輝くは鳳のエンブレム、背に煌くは白き翼。
自ら存在を誇示し宙に君臨する巨大な人型のロボット。
全体的にやや黄ばみがかっているが、幾つもの並行世界にでしゃばる計画を立てたゾフィーは知っていた。
「まさか!」
「ふはははははは!そう!これが我輩の新作、スーパーヨッミー無敵ロボ28号虎DX改――通称っ」
ゾフィーの驚愕に応えるべく、口上を述べる声は、言うまでもなくヨッミーのもの。
もったいぶるかのように一度タメを置き、彼は、己がデウス・エクス・マキナの名を声高らかに宣言する!!
「蝶火炎合体、スーパーファイヤーダクオン!!」
「馬鹿なっ!? 宇宙警察機構が介入してきたとでも言うのか!」
「っは、馬鹿は貴様であるぞ、ゾフィー!!
所詮、単なる捏造屋に過ぎない隊長の貴様がこの世紀の天才たる我輩に嫉妬するのはよぅぅく解るが、
だからと言って、現実から眼を逸らすのは良くないのであるっ!
貴様も知ってのとおりさっきまでは確かにこのショベルはただのとは言い難いが、ショベルであったのであるっ!!
しかあ~し! 我輩の異能『そのチートに賭ける!!』と支給品『技術手袋』の手に掛かれば、
けろぴーをファイヤーショベルに改造することなぞ、朝飯前を通り越して夜食前に可能なのである!
そしてここに来る前に関西空港やら交番やら消防車から現地調達したジャンボジェット機他も以下同文!
ぬ? なんとおおーー、あまりにも速すぎて前日に戻ってしまったのである!
以下同文の部分も合わせれば4日前にタイムスリップ!?
我輩一体何時の間にタイムマシーンを完成させたのであるかあ!?
嗚呼、恐ろしい、我ながらなんて恐ろしい才能であるかあああ!
って、おわ、あべしっ、タイムパラドックスが発生して世界が我輩を消そうとしているのである。
ぬおおおおお……だ、誰か……誰か、助け……たす……もはや、ここまでか……総員退艦……我輩は艦と運命を共にする……ガク」
ウェスト再現にしても長すぎるセリフに込められた意味を理解したゾフィーは茫然とする。
このキ○ガイ、ちゃっかりミニリピ時代の願望を書き手3で叶えやがったのである。
考えてみればもう自分以上に色々捏造してるんじゃね?
色々と言いたい事はやまやまだが、勤めて冷静なふりをしつつ、一番の謎を解くことに専念する。
「い、一応分かった。しかし、どうして君は二人もいるのだ!?」
前門のエクシードゼスト、後門のスーパーファイヤーダクオン。
どちらも紛うことなくヨッミーだ。
こんな変態がそうそう何人もいてたまるものか。
けれども、それは愚問だ。
超展開書き手、ヨッミー。
彼女のなしえた中で最も有名なネタといえば、あれしかない。
「『正義の味方』」
またの名を繋ぎ師戦隊ブッチギルンジャー。
てつをなとある書き手を用いてやってのけた、同一人物の仮面ライダーで戦隊を組ませてしまうという超展開。
その原作再現さえ使えば、ヨッミーの一人や二人増やすことは造作もない。
ほんと、自重しないな、こいつ。
いったいこれで一話でいくつ能力を使ってるんだ、おい。
「かあくうごーはーできているであるか~?」
「ま、待て、話せば分かる! そ、そうだ! 君にウルトラ警備隊副隊長の称号を」
「問答無用! スーパーファイヤーバーン」
「ぎゃー、火がー! 頭に火がー!」
「まだである、我輩たちの戦いはまだまだこれからなのである!」
「ちょ、おま!? ……おっと、3分経ってしまった。それでは皆、さらばだ! ジュワッ!!」
「「逃がすかあああああああああああ!!」」
地の文のぼやきなんてなんのその、お約束とばかりにゾフィーの頭を燃やすヨッミーその2。
光の国では時間制限もないのに関わらず言い訳して逃げ出すゾフィー。
もちろんヨッミー達は逃がすわけもなく、追いかけっこが始まった。
――その後ゾフィーがどうなったか。それはまた別の話である。
【ヨッミー@書き手2 離脱確認】
【ゾフィー@クロススレ他 フルボッコ開始確認】
♪
「やれやれ、本当にぶっちぎったお方でした」
話を聞くや否や次元の壁に穴を開けて旅立っていったヨッミーのことを思い出し、私は苦笑する。
なるほど、初期位置が大阪府だったという彼が埼玉付近であるこの地の上空を飛んでいたわけだ。
現地調達したジャンボジェット機の試運転だったそうだが見つけれたのは幸運か。
おかげで私達の望みは叶った。
「ねえ、あなたもそう思うでしょう、Kさん」
「ふんっ、俺はフラグさえ折れればそれでいい」
木陰から姿を現したKはにべもなく言い捨てる。
「フラグを折り損なったことで傷ついたプライドを、特大のフラグを折ることで取り戻す……。あなたらしいですね」
「あれだけ見え見えのフラグを立てられたのだ。この俺が見逃すわけがない」
とはいえ、舞台外にはさしもののKもフラグを折りにはいけない。
外部からの介入者の本拠地に乗り込んでふんじばる。
通常のパロロワじゃまずありえない超展開をなすには、ヨッミーはうってつけの人物だった。
故に、近くにいた私に頼み、ヨッミーがゾフィーを倒すよう仕向けたのであろう。
「ヨッミーはヨッミーで奴を探している参加者も多かったからな。一石二鳥だ」
死んだはずなのに何の説明もなく後続シリーズに平気で登場したりもするゾフィーのことだ。
いくら超絶チートでも懲らしめるにはいたちごっこを繰り返すしかないだろう。
事実上、ロワからヨッミーは脱落したと見てもいい。
これでヨッミーに立っていたいくつかのフラグもまとめて折れた。
Kの目論見は大体こんなところか。
「世話になったな、ラブ。フラグを立てないように大人しく去るがいい」
「ええ、そうさせてもらいますよ」
背を翻し、私はKから離れいく。
本当はKにもヨッミーにしたのと同じ質問をしたくはあったのだが。
◆kOZX7S8gY.。
ジャンプロワ1stから時代は流れ、今や彼は只のフラグクラッシャーとさえ思われることのある書き手だ。
でも違う。
Kが書いた作品はキン肉マンVS志々雄真実をはじめ、そのどれもが単体では完成度が高く、素晴らしいものだったのだ。
すさまじく暴走しがちではあったが、そこには紛れもなく『愛』があった。
でなければ、アヴェスターの名を冠しているとはいえ、ゾフィーへの仕返しともとれるフラグクラッシュに手は貸さなかった。
とはいえ、私ももふもふやロリへの『愛』などこの地ではまだ学びたいこともある。
このチミルフの身体ではもふもふにはほど遠いのだが。
地味ルフやチミフルにならなければそれでいい。
うっかり口に出したりはせず、心の中で思うに留め、私は殺し合いの舞台を駆ける。
参加者達の愛を見極めるために。
♪
◆kOZX7S8gY.という名の男がいた。
旗・即・斬という名の信念があった。
その事実を知る者は、今の世界にいかほどか。
その中で、旗・即・斬に『愛』を覚えた者がここに一人。
例えその思想が違えど、『愛』貫くという信念に、揺ぎ無し。
【一日目・黎明/福岡県】
【K◆kOZX7S8gY.@ジャンプロワ】
【状態】健康
【装備】勇者スポポロスの剣@オリ
【道具】支給品一式×2、エリクサー@FFDQ、不明0~4
【思考】基本:旗・即・折
【顔】:るろ剣斉藤
【一日目・黎明/福岡県と埼玉県の境界】
【ラブ・アヴェスター@アニロワ2】
【状態】健康 外見は怒涛のチミルフ
【装備】
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
1:参加者達の愛を見極める
2:地味ルフやちみふるにはならないように気をつける
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最終更新:2009年06月15日 21:07