私の愛馬は凶暴です

東の空が徐々に白んでくる。
そんな明け方のハイウェイを一台の車が爆走していた。
誰もいない無人の名神高速を西に西に。

曲線的なフォルムを持つその車は日本車ではありえない速度で走っていた。
一見するとよくあるスポーツタイプの車のように見えるその外観。
しかし、ボンネットに記されたエンブレムがその車がただの車ではないことを如実に表していた。

前足を高く跳ね上げた馬をかたどったエンブレム。
少しでも車に興味がある者なら誰でも知っているエンブレム。
スーパーカーの最高峰とも言えるフェラーリシリーズの証なのだから。

「でもさー、この車って馬のマーク無かったらフェラーリに見えないよね~」

鼻歌交じりに車を運転している小柄な少女。
ちょっと遅めのディナーにありつけご満悦のブッチギリ平野である。

「フェラーリエンブレムを外して日産のマーク付けたら、ぶっちゃけスカイラインと見分けがつかないね☆」

などと車マニアが聞いたら激怒しそうな言葉を口走る。
彼女が運転してるのはフェラーリ・612スカリエッティ、2000年代になって制作された比較的新しいモデルである。
値段はおよそ3600万円、まさにフェラーリブランドに相応しい値段である。
なぜ彼女がそんな車を手に入れたかというと、京都市内のハ○テン中古車センターに置かれていたのを拝借したのである。
……なぜハナ○ン中古車センターにそんな高価な車が存在しているのかは全くもって謎だった。

「あなた、クルマ売る?  私高く買うわ ハナテ○中古車セ・ン・タ~♪
 このCMが頭にすぐに浮かんだ人は間違いなく関西人w ローカルネタでサーセンwwwフヒヒww」

と、一人言を言って含み笑う平野。
正直見た目がこなたでなかったらかなりキモイ光景であること間違いなしである。

「って、アホなこと言ってる間に豊中IC過ぎちゃったじゃん……まあいいや、次の尼崎ICで降りればいっか」

もうすぐ夜が明け、放送が始まる。
それまでに旅の扉を潜り抜けられねば即ゲームオーバーなのだ。
そして彼女は大阪を目指す。通天閣にあるらしい旅の扉へ。
本当なら豊中ICから阪神高速へ出て大阪市内に出るのだが、すっかり通り過ぎてしまっていた。

豊中ICを通り過ぎて数分、目の前に見えてくる尼崎ICの標識。
今度は通り過ぎないようちゃんと高速道路を降りる平野だった。
後は国道2号線を大阪方面に向かうだけ。
平野の駆るスカリエッティが大阪と兵庫の県境を流れる神崎川のたもとに差しかかかった時である。

「――――!?ッ」

川の先で見える異変に気づき大慌てでブレーキを踏む。
スカリエッティはタイヤの痕をアスファルトの刻み込み停止した。
川の先は大阪府。だが尋常ならざる光景が展開されていた。

大阪に今まさに落下しようとする巨大な大樹。
そしてそれが消滅したと思ったら大阪を一面に覆う金属質の触手のような物体が出現したのである。
あまりにありえない光景に呆然とする平野だったが……

キュピーン ←ニュータイプのアレ

「どういうこと……? ニェノチが死んだ……違う、消失(ロスト)?」

元々同じ書き手である平野とニェノチ。

お互いはある種の精神感応によって繋がっていたのだが、それが突然消えたのである。

「……いや、完全に消えたわけじゃない。気配が消えたり現れたりしてる」

もし、死んだならはっきりとその気配が伝わるはず。
しかしニェノチの気配と呼べるものはあやふやに消滅と出現を繰り返していた。
まるで、どこにでもいてどこにもいないシュレディンガーの猫のように。

そして、触手もまた青い光に包まれ消えていく。
大阪の街もすべて光に吸い込まれるように消えていく。
後に残ったのは湖面のように薄く輝く旅の扉だった。




大阪方面に向かって歩く一組の男女――6/とKX。
彼らもまた大阪で見える異常な光景に我を忘れていた。

「おいおい……いくら何でもありえんだろアレ……」
ニコロワでもここまで超展開はないですよ……」

大阪で行われている異変にあんぐりと口を開けたままの二人。
この異常事態のさなか大阪にいる書き手達の安否が気遣われるところだが……

「どうするよKX。さすがにこのまま大阪に突っ込むのはマズいんじゃね?」
「確かに……」

空を覆う大樹に見上げ考え込む二人。
すると道の向こうから猛スピードで走ってくる一台の車があった。
だが、その車のドライバーも目の前で起きている異変に気づき大慌てでブレーキを踏む。
タイヤのゴムが摩擦で焼ける厭な臭いをただよわせ急停車する。

「っと、えらく荒っぽい運転する奴だな……どこのどいつだ……」
「でも律儀にハザードランプ焚いてますね」

6/とKXは恐る恐る車に近づく。
運転者が凶悪なマーダーだった時に備えて臨戦態勢を取る。
そして――ゆっくりと運転席のパワーウィンドウが開いていき、一人の人間が顔を出した。

「やあ、どこの書き手か知らないけど大変なことになってるねっ」

顔を出した小柄な少女。
北高制服を身にまとった泉こなたの姿をした人間だった。

「えっと、アンタは――」

見た目はこなたそのものなのだが……
唯一オリジナルと違う点を挙げればエメラルド色の翠玉の瞳の代わりに血の様に赤い真紅の瞳。
瞳の色が違うだけでこうも印象が変わるものだろうかと6/は思った。

「私の名前はブッチギリ平野。らき☆ロワの書き手だよ。6/さん」
「えっ、何で俺の名前を」
「そりゃあ特徴のないのが特徴のジムカスタムみたいな青年の姿をした書き手なんて6/さんぐらいなものだよ」
「やっぱ俺ってそういうキャラなのか……」
「ま、あきらめたまへー」

肩を落とし凹む6/と対照的に怪訝な表情を平野に向けるKX。

「ごめん、こっちの人は?」

「……修正したあとすぐ熱血~狂気の@KX.Hw4puwg、ニコβの書き手です」
「ああ、三国志好きなニコβのKXさんだねっ。らきのほうのKXさんにお世話になってるよっ」

にっこりと微笑む平野にKXは警戒していた。
KXとてらきロワの書き手である。彼女の作品の傾向を考えると注意するに越したことがない。


なにせこいつはらきロワで6/を二人殺した人間なのだから――


「……俺はてっきり神(笑)の姿かと思ってましたよ」
「やだなぁ、私のイメージって神(笑)だけじゃないよー。書いたキャラで言うならこなたのほうがずっと多いんだから」

平野に少し揺さぶりをかけるも難なくかわされる。
この掴みどころのなさ、地球破壊爆弾の影響も受けているのだろうか……

「どうしたKX?」
「いや、何でもないです。ところで……これからどうします?」
「それだけど、このまま大阪に突入だね。どうしてかはわからないけど大阪そのものが旅の扉になってるぽいし」
「マジか……」
「何にせよ放送まで時間がないからね。他の旅の扉を探す余裕はないよ」

他に選ぶ道はなし。
ならば目の前に広がる超巨大な旅の扉に入るしかない。
いささか不安が残るが……

「んじゃ私のスカリエッティで大阪突入だねっ、二人とも後ろに乗って」
「あ、ああ……」
「……わかりました」

6/とKXは後部座席に乗り込むのを見届けた後、自らも運転席に乗り込む。
――うまく行ったとルームミラーに自らの表情が映りこまないようにほくそ笑む平野。

今回のテーマはステルスマーダー。
信頼しきった対主催を背後からズドン。
これぞマーダーの醍醐味の一つである。

(ま、ニコロワとは言えKXがいたのはちょっと誤算かな……完全にこちらを警戒してるよ)

らきロワのKXと違うとは言え、同じ書き手である以上記憶の共有がある。
故に平野を警戒するのは当然と言えよう。

(6/が私を比較的信用してるからねぇ……仲間割れフラグでも誘ってみよっか、きひひ……っと危ない危ない)

思わずHAL笑いが漏れそうになって慌てて口を噤む。
ここで神(笑)の笑いをしてしまえば全部が水の泡になってしまうのだから。

ふと平野は思う。
HALを生み出したあの書き手はどこにいるのだろうかと。
HALに魅入られた者同士、惹かれ合うのは必然のことかもしれない。

「さ、次のステージに向かってGO!」

平野は目一杯アクセルをふかし旅の扉に突っ込むのだった。



【現在位置・新フィールドへ】

【ブッチギリ平野@らきロワ】
【状態】健康、吸血鬼、贄の血の摂取より強化中
【装備】アイスソード@らき☆ロワ 北高女子制服@涼宮ハルヒの憂鬱
【持ち物】支給品一式、フェラーリ・612スカリエッティ
【思考】
基本:鬱グロ展開のために殺し合いに乗る
1:今度はステルスマーダーっ☆
2:こなたの姿って結構便利かも
3:歪みないデカマラとHALのバトルマスターに興味


【◆6/WWxs9O1s@テラカオスバトルロワイアル
【状態】健康
【装備】無し
【持物】基本支給品、銃(15/15)@ニコロワβ、不明支給品0~2
【思考】
1・殺し合いには基本乗らない
2・平野と一緒に行動することになったけど……
3・KXと行動。
【備考】
※6/は説明している人(天の声)と話せるようです
※精神的に追い詰められたり、怒りが頂点に達したりすると神憑依モードになり身体能力が大幅に上がります。


【修正したあとすぐ熱血~狂気の@KX.Hw4puwg】
【状態】健康
【装備】携帯電話@現実
【持物】PS3@ニコロワ、チョココロネ@らき☆ロワ
【思考】
1、ゲームには乗らない。
2、平野を警戒。
3、6/氏と行動。
4、ニコβの皆は来ているのかな?
【備考】
※俺、と言っていますが性別は女です。
※外見は萩原雪歩(赤髪)に賀斉@三国志の鎧ですが、移動に支障は出ないです。

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正義が正義である世界 ◆6/WWxs9O1s 平野と若本様
正義が正義である世界 修正したあとすぐ熱血~狂気のKX.Hw4puwg 平野と若本様

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最終更新:2009年06月17日 23:33
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