提督×大鯨「き・ん・い・ろ 幼妻大鯨ちゃん」16-844

4月29日は国民の祝日の一つ、みどりの日である。

「みどりの日は5月4日じゃないの?4月29日は昭和の日でしょ?」

21世紀に生まれた少女の暁が疑問を投げかける。
ああ、そうだった。昭和の日だったな。

「すまない、間違えたよ。
 もうみどりの日が昭和の日に変わってから10年近くになるのに未だに間違えるよ。
 俺の父親も今でもみどりの日は4月29日って思っていたし」
「でも昔の人ならむしろ昭和天皇誕生日として記憶しているはずでしょうけど、
 みんなみどりの日って思っていますね」
「昭和から平成に変わったのですから天皇誕生日だって変わりますよ」

鳥海と大鯨も他愛のない話に乗ってくれた。

「でもなんで5月4日をみどりの日にしたんだろ?
 国民の祝日にはさまれて休みになってたんだから
 5月1日を祝日にしたら日曜日の代休もふくめて8連休になったのに」
「5月1日はメーデーで世界では休みになっている事が多いから
 何かしらの形で祝日になってもいいのにな」
「でもどうせ私たちにはあまり関係のない話ね」
「そりゃあ俺達のすべきことは日本の防衛だからな。あまり自由に休みは取れないさ。
 それに今は第十一号作戦の最中だ。各鎮守府の主力級の艦娘達が横須賀鎮守府に集まり、
 深海棲艦打倒の為に日本を離れている。
 日本を守る艦娘が少なくなっている今、尚更俺達が頑張らなきゃならん」
「みんな去年の夏の事がよほどトラウマになっているんですね……」
「AL/MI作戦……多くの艦娘が戦いに参加した重要な作戦。
 それゆえに本土の守りが手薄になったあの時の…
 深海棲艦の大規模な本土襲撃は本当に大変でした」
「司令官とのデートの予定が目茶苦茶になっちゃったからね」
「如月ちゃん!」
「な~んちゃって。でもお盆の時期でしたから艦娘の中には帰省した人達もいましたからね。
 去年のこの時期はまだ本土襲撃なんてありませんでしたからGW休暇を取った人もいましたね。
 もし本土襲撃がなければ今年のGWもゆったりとできたかもしれないのに……」
「……とにかくあれ以来、体制もがらりと変わった。
 その結果君達の自由な時間もほとんどなくなってしまった。
 人々を守る為とはいえ君達には苦労をかけ過ぎてしまってすまない」
「気にしないで司令官。そのために私たちがいるんじゃない」
「そうよ。それにみんなが出かけている中で私たちも出かけたりしたら
 渋滞に巻き込まれちゃいますわ。そうなったらつまらないでしょうし」
「まあそういう考え方もあるな……
 みんな、第十一号作戦が終わるまで頑張ってくれ」
「了解!」

みんなの元気な声が司令室に響いた。
しかし少し前まで日本のその憲法9条が変えられようとしていたのだ。
それは戦争を知らない世代によって。
だが憲法は変わることはなく、少なくとも今は護られたのだった。
ある日突然『彼女達』は現れた。
深海棲艦。そう命名された正体不明の謎の存在により、世界の全てが侵略に晒されたからだ。
日本もその深海棲艦と戦わざるを得なくなったわけだが、
皮肉にも未知なる存在である彼女達との戦いが、
9条を変えてしまう為に論ずる時間を失わせたのだ。
また、世界各国も共通の敵という存在があったからか、争い合うことをやめ、手を取り合った。
過激な武装集団も協力こそしようともしなかったが他の存在を攻撃する事がなくなった。
もしかしたら他の存在に戦わせて疲弊させ、漁夫の利を狙うという考えかもしれない。
このように多少の思惑は入り乱れていたものの、
人類同士の武力を伴った争いはこの地上から消えていった。
それは有史以来初めての出来事だったのかもしれない…………

「て・い・と・く」
「っ!?」

耳元で囁かれた甘い声が、考え事をしていた俺を現実に戻した。

「提督っ!」
「あっ、す、すまない如月、仕事中に」
「わかっちゃいましたか、うまく真似したつもりですのに…」

少し残念そうに落ち込む如月。当人としては上手く真似たつもりだろうけど
微妙な艶っぽさに大鯨との違いが出ていた。
ちなみに大鯨は隣で少し恥ずかしそうにしていた。

「提督、本日の仕事はもう全て終了致しました」
「そうか…………大鯨、如月、今日も一日ご苦労様。本日の業務はこれで終了だ」

俺は最終報告書に目を通し、今日の業務の終了を告げた。

「今日も一日何事もなく終わりましたね。それじゃ司令官、大鯨ちゃんと仲良くね」

そう言いながら如月は部屋から出ていった。

「もう…如月ちゃんったら……
 ところでさっき私達の呼びかけに全然応じませんでしたけど……」
「あ、あれはだな…」

俺は仕事中なのに考え事をしていて気付かなかった事を謝りながら、
今日という日に対する様々な思いや不安など、何を考えていたかという事を言った。

「そうですね。確かに深海棲艦が現れて以来人間同士の争いがなくなった気はします」
「だがそれも深海棲艦という、人類全て…いや、地上に生きる者達全てにとっての共通の敵の存在あってのこと。
 もし深海棲艦がこの世界からいなくなったとしたら次は人間同士の争いになるかもしれない。
 そして艦娘達も人間同士の戦いをさせられるかもしれない」
「そんなことはさせません!それは私達艦娘に受け継がれた戦いの悲惨な記憶が絶対にさせません!
 私達が戦っているのは戦争がしたいからではなく、戦いのない平和な世界を望んでいるからなのです。
 かつての大戦に参加した兵士達も、みんなそうなのです!
 彼等の魂を受け継ぐ艦娘は、平和への意思なのです!!」

普段は控え目で表情も優しく、囁くかのような口調の彼女が
いつもとは違うはっきりとした口調で熱く語っていた。

「あ……ごめんなさい、大声あげちゃって……」
「いや、気にしないでいい。君の言う通りだ。
 絶対に戦争をしない。その意思こそが大事なことだ」
「ありがとうございます」

彼女の顔と口調はいつものような雰囲気に戻っていた。
激しさのある口調は大鯨ではなく龍鳳のものかもしれない。
彼女は大鯨の艦娘であったが、龍鳳としての一面も時々覗かせていた。
今は『あの時の記憶』が彼女の中にはないが、もしそれが彼女の中に入り込んだら……
いや、考えるのはやめておこう。今はまだ大丈夫なはず。
もし『あの時の記憶』が彼女を押し潰そうとするのなら、その時は俺が支えればいい。
彼女がいつもとは違う姿を見せたからか、
俺もいつもとは違い不必要なまでに不安に思うなんてことはなかった。

「俺は信じるさ。悲劇を知る艦娘達が戦争の悲しみを伝え続け、
 戦争のない世界が作られることを…
 たとえ俺達がこの世からいなくなったとしても、
 悲しい記憶を受け継いだ次の世代が、それを伝え続けてくれるはずだ」
「だからそれを伝える次の世代を作りましょっ」
「は?」

いきなりの言葉にそう言うしかなかった。

「最近忙しくてご無沙汰でしたし、連休の中日にあたりますから調度いいかもしれないですし、
 作戦もほとんど終わりで、主力艦隊がもうすぐ横須賀に帰ってきますし…」

珍しく真面目そうな話をしていたのになんて凄い話題転換だろうか。
酔った勢い…ではさすがにないな。少しだけ恥ずかしそうだし、
そもそもさっきまで仕事していたのだから酒なんて飲んでいられないだろう。
迫り来る彼女に気圧されながら俺は股間に迫る彼女の手を払えなかった。
払う必要もなかったけど…………その時だった。

「大鯨ちゃん、大丈夫!?」

如月の声が聞こえた。直後にドアが開く。

「ど、どうしたの!?」
「さっき大鯨ちゃんの叫び声が聞こえたんだけど…」
「……さっきの大声出したからそれが外に響いたのかしら……でも…」
「さっき開く一瞬前にドアの方を見たけどどうやら少し開いていた」
「閉まっていたならともかく開いていたら結構聞こえますわ。
 でも大鯨ちゃんから司令官を……」
「な、なんでもないから!」
「本当に?」
「今日は憲法記念日だからそれについて言い合ってたんだ」

すかさず俺は言った。憲法が関係した話をしたというのは事実であるから多少は誤魔化せる…はず。

「まあいいけど……うるさくして周りに迷惑はかけないでね。明日も早いし、それじゃ……」

如月は去っていった。冷静に考えたら大声をあげてから如月が来るまで時間があったから、
もしかしたら俺達が夜戦に突入しようとしていたところを見ていたのかもしれない。
あえて言わなかったのは彼女なりの気遣いか。

「もう……如月ちゃんったら……」
「まあ彼女の言いたいこともわかる。今は作戦中だ。
 俺達が呑気に楽しんでいるわけにもいかないよ」
「…ごめんなさい、我慢できなくて……
 あなただって誰も沈まないでほしいという願掛けのために禁欲していたのに……」
「気にしないで。大人なら過ちは気にせずに次への糧にしたらいいじゃない」

暁がどこかの本で見たようなセリフを言いながら部屋に入ってきた。

「暁!?」
「さっき如月ちゃんとすれ違ったときに司令官たちが夜更かしするといけないから見てきてって言っていたから」

この口ぶりだと俺達が夜戦しかけた時に如月と一緒に見ていたというわけではないのだろう、多分。

「そうね…ごめんね暁ちゃん」
「まあお寝坊しないように私が起こしにきてあげてもいいんだけどね」
「その時は頼むよ。それじゃ、お休み」

そう言って俺達は寝ることにした。
翌朝、起床時間前に暁の寝室へ行ったら暁が寝ていた事は言うまでもなかった。


5月5日は子供の日。端午の節句である。
男の子を祝う日と思われているが、かつては女の子をお祝いする日であった。
ここら辺が雛祭り…桃の節句が
昔は女の子を祝うためのものではなかったということに似てなくもない。
しかし今回は子供の日の祝い事をやってる暇はなかった。
第十一号作戦はあったが、それはもう終わった。今日はそれの祝勝会と、
新たなる仲間、イタリアの艦娘のリットリオとローマの歓迎会を兼ねた催しを行うからだ。

「Vittorio Veneto級戦艦 2番艦 リットリオです」
「Vittorio Veneto級戦艦4番艦、ローマです」
「二人とも、これからよろしく」
「よろしく。でもなぜ私たちが横須賀ではなくここに来たのかしら?」
「確かに……リットリオさんもローマさんも、
 かつて私たちが戦った未知なる艦と同じくらいの速度と射程を持った戦艦なのに……」
「リットリオさんたちがイタリア人だから、
 私たち駆逐艦娘たちにイタリア語を教えるための教員として
 ここに迎え入れられたというのがだいたいの理由なのです」
「それだけ……?」
「私だってドイツ語講師としての任務でここに居るのよ」
「あなたはビスk…ビスマルク?」

金髪の女性が話に割り込んできた。ドイツ戦艦の艦娘ビスマルクである。
ローマがさっき言いかけた(であろう)ビス子というあだ名で呼ぶ者もいるらしい。

「いきなりあだ名、しかも不名誉な名で呼ぶなんて失礼じゃないかしら?」
「ではビスケと呼びましょうか?」
「ビスマルクはれっきとした姓なんだからそっちで呼びなさい。
 あなたのローマなんて地名じゃない!」

会って早々いきなり喧嘩である。変に拗れたりはしないだろうが早く止めなくては……

「二人と落ち着け。とりあえずビスマルク、早くスパゲッティを」
「わかったわよ。まったく…なんで私がウェイトレスみたいな真似を……」
「じゃんけんで負けたんだからしゃあないだろ」
「じゃ、じゃんけん……この鎮守府ってそうやって物事を…」
「そんなわけはないだろう。さすがに軍務ならそんな決め方はしないさ。
 まあとりあえずスパゲッティを食べよう。
 名古屋名物のあんかけスパゲッティとインディアンスパゲッティだ」
「インディアンスパゲッティ、なんてアメリカンな……ってカレースパゲッティじゃないですか!」
「このインディアンは『インドの』、っていう意味だ。カレーといったらインドだからな」
「はぁ…単純ですね…まあいただきますね」
「いただきます」

そう言って二人ともスパゲッティを食べはじめた。

「…………うん、あんかけスパゲッティ、おいしいわね」
「気に入って貰えて嬉しいよ」
「でもカレーのスパゲッティは少し甘いわね」
「甘い!?嘘でしょ、とーっても辛くしたのに…」

暁が!かすんぷしていた。そういやインディアンスパゲッティは彼女に作らせたんだった。

「あんまり辛くしたらリットリオさんやローマさんが食べられないかもしれないでしょう。
 だから私がついてあげて味見してあげたんですよ」
「でもちゃんといいって言ってくれたじゃない!」
「あなたのやり方を尊重しましたから。
 あまりにも辛かったり甘かったりしたら私が味付けし直しましたよ。
 でも甘いといっても極端に甘くなかったし、味付けも甘さ辛さ以外はちゃんと出来てましたよ」

!かすんぷしていた暁を大鯨が優しく諭していた。

「気にしないでいいのよ、少し甘いだけで味はおいしいから。
 それにしても……親子仲がよろしいわね」
「えっ?」

リットリオの発言に二人は声を出して驚いた。周りのみんなも驚いていた。

「待てって、それじゃ俺がとんでもない奴になっちゃうじゃないか!二人は他人同士だぞ!」
「あら、この二人は親子じゃなかったの?ごめんなさいね、結構似てましたから」

トンデモ発言に焦った俺に対しリットリオはあくまでも落ち着いていた。
だけど大鯨と暁が似てると言われてもそんなに間違ってはいないと思う。
外見も色合いが似ているし、着ている服も似ているからあまりおかしくはなかった。

「はあ…」
「どうしたのローマ?そういえばさっきから静かじゃない」
「カレー食べた人がパトロールするとかいう組織もあるから、
 明日私たちがパトロールに行かされるんじゃないかって思ってね」

なんでこの子そんなネタ知ってるんだろう。

「さすがに軍務関係はそんなことでは決めないさ。
 それよりもローマ、君にあだ名を考えてんだが」
「勝手にどうぞ」
「じゃあ…ロムっていうのはどうだ?」
「由来がブルガリアにあるロム川からだったら断るわ」
「違う。ローマ建国の祖となった神ロムルスからだ」
「ロムルス……リュウホウの父親と戦った者かしら?」
「…………君とはきっと話が合いそうだ。ちなみに彼女は龍鳳ではなく大鯨だからな」

そこそこディープなサブカル知識を披露したローマだった。
ちなみにこの鎮守府の艦娘は俺の影響か、突飛な話を聞いても
『ああ、なんか漫画やアニメとかの話か』と思って流すらしい。

「まああだ名の件は考えておくわ」
「じゃあ私にも考えてみてくれないかしら?」
「ならば君は……リタ、だな」
「……それ、私の本当の名前ですよ」
「なんだって!?」

俺は思わず大声を出して驚いた。

「知らなかったのですか?」
「ああ…『リタ』はリットリオとイタリア、両方に通じそうなネーミングだと思ってな……」
「でも私がリタって名付けられたのも
 リットリオ・イタリアの艦娘になる運命を表していたのかもしれませんね。
 提督、ここに集まったみなさんはきっと運命にひかれたのだと思っています。
 私やローマがやって来たのも日本国とイタリア国を結ぶ懸け橋になるためだと思います。
 みなさん、これから妹共々よろしくお願いしますね」
「ああ、よろしくな」

こうして、色々あって歓迎会はいい雰囲気で終わったのだった。

「ねぇ~、あなたぁ…作戦が大成功したのですから早くしましょうよ~」
「私がここにいてもお邪魔ですから、この辺で失礼させていただきますね。
 じゃ、大鯨ちゃんと燃えるような夜戦を楽しんでね」
「如月、お前も介抱するのを手伝……ああっもう!」

……歓迎会はいい雰囲気で終わったのだが、妻が飲み過ぎたのである。
もう大鯨にしろ、とでも言いたくなるが、
歓迎会の最中には一切酔っ払っていなかったのでまあ少しは…と思うしかなかった。

「ほらほら、提督の猛《たけり》だって我慢しきれないようですよ」

彼女はそう言うや否や俺のズボンのチャックを下ろした。

「あら……元気ないですね……でも大丈夫です。私がすぐに元気にしてあげますから」

そう言って躊躇いもなく俺のちんちんをしゃぶり始めた。
こんなこと最近やってなかったせいか俺のものがすぐに大きくなった。
最大まで大きくなった後も彼女の口での奉仕は止まることはなく、
むしろさらに激しくなった。しばらく射精していなかった為当然……

びゅるん

すぐに達してしまったのだ。
彼女は驚くこともなく、ただ口内で俺の欲望を受け止めていた。

「ん……カルボナーラよりも濃厚でこってり……」

酔っているせいで感覚が少しおかしくなったのか、
それとも酔っ払いを演じているのか、
俺には分かりかねていた。

「でも口に出しちゃうなんて勿体無い……ココに出してほしかったのに……
 だけどまだまだ元気みたいですね。今日は子供の日だから子作りしまし…………」

最後は言葉になっていなかった。彼女は酔いつぶれたのか寝てしまっていた。
俺は正直まだまだ満足しきっていなかったが、俺も疲れからくる眠気には勝てなかった。
一週間以上休みなしだったからなあ……しかも明日から横須賀で報告会があるし……
俺は愛する妻を抱きしめながら眠気に身を任せ眠りについた……


5月10日は2015年5月の第二日曜日、つまり母の日である。

「私が働かなくていいのでしょうか……」
「今日は母の日だ。鎮守府の母も同然な君も休むべきだよ。
 君はいつも働いてばっかりだからね」
「鎮守府の母も同然、ですか……でも私は本当のお母さんになりたいです……」

彼女の望みはわかっている。今はもうやることがないのなら、するべきことはただ一つである。
俺は彼女を後ろ向かせた。そして既に準備できていた所に
俺のちんちんを突っ込み、激しく動かした。

「ん……気持ちいい……」

かなり久々だったからか、彼女はとても嬉しそうな声を上げた。

「あんっ……もっと……奥……強く……」

彼女の艶かしい声に俺の腰の動きも早くなる。
そして久々のセックスだった為かすぐに果てた。

「ああ……奥に……たくさん……中に……」

随分と待ちわびていたかのように、彼女も達していたようだった。
実際結構な期間してなかったからなあ。

「これで…赤ちゃん……できるかな……」

バックでのセックスは子供が出来やすいという俗説がある。
実際深い所にささるから精液が子宮内に入りやすいという話もある。
しかしそんな理屈よりもまるで獣の交尾のようなセックスに興奮を感じるというところもあった。
鯨の交尾は向かい合ってするものというのは今は忘れよう。
俺達はただ欲望のままに交わり続けたのだった。


「久々だったので沢山しちゃいましたね……」

彼女はとても蕩けた表情だった。

「来年の母の日はきっと本当のお母さんになれるかな……
 もしなっていたらどんな気持ちになっているんでしょう……」

そしてまだ見ぬ日々を夢想する彼女。

「……今までごめんな。ずっと君をじらしてしまって……」
「いいんです。待っている間、とても思いが募りましたけど、
 でも今のこの瞬間が訪れることを考えていたら、待たされるつらさも心地よくて……
 それにあなたとずっと一緒にいたから何気ない日々もとても輝いていました。
 ……これからもよろしくお願いしますね」

俺も彼女と同じ気持ちだった。
地上の愛と正義の為に戦う俺達にゴールデンウィークなんてなかった。
だけど、愛する人と過ごす何気ない日常は金色に輝いていた。
彼女と出会ってもうすぐ一年。あの日から俺の人生は変わった。
彼女とまだ結ばれていない時も金色に輝く日々だった。
そして彼女と結ばれて以降、もっと輝いていった。
これからも色々なことがあるだろう。
でも、愛する人が一緒にいてくれるならその輝きは消えることはないだろう、永遠に……


―完―


+ 後書き
以上です
前書きで独自設定多数の注意書きを忘れてました
ちなみにタイトルはもともとゴールデンウィーク中に投稿する予定だったものの名残です
母の日関係のタイトルが思い浮かばなかったので母の日の話も混ぜました
それではまた


これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2016年03月22日 19:44