防具についての詳細
自動修復
- 自ら補修する
- 燃料(感情)を啜って使用者の体と鎧を補修する。
- 使用者の肉体が損壊していれば自らの形状を変えて手足になる。
虹の上ではおぞましい光景が具現していた。闇の中で獲物を貪る蜘蛛のごとく、鎧から
伸びた牙がマグサリオンの千切れた身体に食い込んで繋ぎ合わせ、血を、肉を、あるいは
さらに致命的な何かを啜り、破損した箇所を瞬く間に補修していく。
我力生成装置
- 脳の偏桃体を変異させ我力を使えるようにする
- 義者ならば我力を獲得し、不義者ならば我力を増幅する。
その正体は我力の生成装置だった。すなわち使用者が不義者なら増幅器となり、逆に
義者ならば本来持ち得ぬはずの力を手にする。有り体に地力の底上げを成す支援機械で、
弱者の補強を目的とした代物ゆえに得られる効果も底が知れる。
欠点
- 短期間で使用者が廃人になる
- 我力が使えるように脳を変異させてオーバーヒートさせるため。
孔雀王はその垣根を取り払う。我力の発現に適さない脳の偏桃体を異形化させ、果てに
跡形もなく焼き尽くす。
効率面を語るなら、至極順当な等価交換だった。表裏を入れ替えるにせよ、弱い不義者
を強化するにせよ、持って生まれた在り方を変えるには根本を弄らねばならず、そこに重
度の負荷が生じるのは当たり前な話だろう。
- 使用できる層が限られる
- 弱者を支援するためのものなので強者には意味がない。
- 魔王クラスが使うと出力する我力が許容限界を超えて自壊する。
黒い騎士の怒りは吸い切れない。凶気の中枢が凄まじすぎて逆に鎧が変えられている。
仮に魔王級の不義者が孔雀王を使用すれば、超高密度の我力を増幅できずに道具のほうが
破壊されてしまうはずだ。弱者の支援が目的である以上、圧倒的な強者に使われるケース
は想定されておらず、これが二つ目の限界点。
使用者との関連性
マグサリオンの孔雀王
- 消化しきれない凶気と怨念を吸わせて変異させた
- 許容限界を超えても自壊が許されず異常な強度を有した。
- 使用者が許可を出すまで壊れない。
- 使用者の体の延長として魔王の攻撃を受けても壊れない不変性を持たされている。
しかし、ならばこの状況をなんと表現するべきか。マグサリオンは鎧の器を完全に上回
っていながらも、自壊など許さんと哀れな道具を隷属させ、異形の駆動を続けさせている。
- 使用者の肉体を変換している
- 使用者の戒律によって物質的に消滅していく肉体を再構築している。
結果、孔雀王は自我を跡形もなく呑み込まれ、主人をあるべき姿へ再構築するのみの道
具と化した。現に今このときも、鎧の下では黒々とした闇の炎だけが渦巻いている。
サムルークの場合
- マシュヤグによる複製品
- 肉体補修の機能により使用者の戒律を破ることなく肉体を修復させた。
- オリジナルと違って記憶を喰らい我力を生成する
- 記憶を失うためエピソード、手順も徐々に忘却し最終的に廃人になる。
機能の面では姉弟ともに我力の生成装置だが、餌にするものが異なっている。姉が感情
を啜るのに対し弟が喰らうのは記憶で、一時の力と引き換えに使用者を廃人へと導くのは
どちらも同じだ。
とはいえ、恐ろしさの面では弟のほうが明確に上だと分かる。
なぜなら記憶は、想い一つで果てなく湧きいずるものではない。必ず量に限界があり、
さらには感情の大元であるとすら言ってよいため、そこを抑えておけば“もしも”の事態
を封じられる。
元ネタ
マラク・ターウース(アラビア語:Melek Taus)、
タウセ・メレク(クルド語:Tawusê Melek)、メレケ・タウス(クルド語:Melekê Tawus)
ヤズィーディー教に登場する天使。孔雀の天使。
名前は「孔雀の天使」あるいは「孔雀の王」を意味する。
ターウースがアラビア語で「孔雀」、マラクはアラビア語で「天使」だが、「王」を意味するマリクと混濁した。
七大天使の一人であり、神ではないが重要な信仰対象となっている。
アダムにひれ伏すことを拒んだシャイターンと似た逸話を持つことや、ヤズィーディー自身がアザザエルやイブリースと同一視したことから
イスラム教では悪魔と見なされることが多かった。
ヤズィーディー教の創世神話によれば、天地創造の第一日に生まれた天使である。
マラク・ターウースは一万年地上を支配する天使だったがとされ、今から6000年前より支配していたとされる。
反逆の罪で一度地獄に落とされるも神に許された後、神とともにアダムを作った。
アダムが楽園を享受し何もしないため神からアダムを唆すことを許され、アダムに禁断の麦を食べさせたとされる。
関連項目
孔雀王の武器分類。
孔雀王から生成されるエネルギー。
関連タグ
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最終更新:2023年04月10日 20:52