絶し不変なる魔道の誓い

サオシュヤント・アストワトウルタ
作品名:黒白のアヴェスター
使用者:マグサリオン

神座万象シリーズに登場する能力。
戒律の一つ。
ワルフラーンを否定し彼と同じことをしないという誓約に対してワルフラーンの要素が消えていく能力。
戒律の改良後は兄ができなかったことをするという誓約を加えて万神軍を形成する覇道神となる




能力についての詳細

誓約

  • 兄であるワルフラーンを否定し二の舞にならない
    • 思想、行動、評価全般が兄と被る行いであったり、使用者自身が「これは兄と同種の選択・体験だ」と認識することが破戒となる。
      • 仲間から期待や好意を向けられるだけで破戒となる。
 勝手に期待をかけられたようで、勇者の代わりにされたみたいで。破戒の罰が曖昧なが
らも確実に、アルマの思慕を感じるたび激痛となって襲い来た。彼女に限った話ではなく、
他者から好意を寄せられるだけで死線ぎりぎりの綱渡りを強いられた。
 覆面を被り、下手な素振りを休まず続け、兄とは似ても似つかぬ様を自他に示し続けな
ければ息もできない。それがマグサリオンの真実である。
  • ワルフラーンが何者かを知らない間は破戒の罰が緩和される
    • 破戒しても常人ならば狂死する激痛程度の天罰で済んでいた。
      • これを解消するためか、超越すべき兄の鼓動を感じ取れるようになる。
    • 見返りの能力も効果が緩和されていた。
 なぜなら彼自身、ワルフラーンの正体をずっと掴めずにいたのだから。我が兄はこうで
あると明確な定義ができない以上、いったいどう振る舞うのが正解なのかぼやけてしまう。
よって破戒の線引きが甘い反面、見返りも期待できない仕組みだった。少なくとも、攻撃
に使える力は一切得られなかったと断言していい。

兄との差別化

  • ワルフラーンの要素が消えて、兄とは似つかない要素が顕在化する
    • 肉体が消失し、剣の才能のなさが浮き彫りになった。
      • 最終的に完全な“無”の炎となる。
 そうした日常を重ねるたび、彼の身体は消えていった。戒律の見返りと鎧の機能が合わ
さって、ワルフラーンと近しい部分をあらゆる意味で無くしていく。バフラヴァーンとの
戦いで一線を超えて以降、加速度的に進む流れは止められなかったし止める気もない。

ワルフラーンに対する特攻

  • ワルフラーンの正体を完全に理解するとワルフラーン否定の力を発揮する
    • 同時に他の戒律も相乗し、今のワルフラーンを消し去ることができる。
 まさに限定的だが究極的な特効能力が、ワルフラーンに巣食っていた“零”を消した。
あちら側との繋がりを断たれた彼は、死の間際に生まれ変われたからここにいる。


Ver.2

誓約

  • “兄ができなかったことをする”という新たな誓約を加える
 ワルフラーンがやろうとした戦いを、より進んだ領域で具現するのだ。兄の真似をしな
いという既存の形を進化させ、兄ではできなかったことをやる。

覇道神化

「誰にも理解されず、他者から様々な印象を持たれ、無数のアイオーンを統べるワルフ
ラーンは百貌の男でした。後世、ある意味ではマグサリオンもそんな風に見られるでしょ
うが、本質は別にあります。"みんな"の祈りを外に纏い、多重人格者めいた在り方で覇道
を会得し、あなたを超えた先に生むのはまったく新しい万神軍———」


使用者との関連性

戒律の元となった渇望

  • 兄を殺したい
    • 母親から生まれた自滅因子としてではなく使用者が己の意志で誓った殺意。
      • 自分の道は自分で決めて走るという信念とも言える。
 たとえ血を分けた肉親でも、彼と我は違うのだと証明してやりたかった。ゆえに兄と同
じ道は辿らないし、兄が望んだ生き方も否定する。仮に魂の造りから弄られて、この反発
心すら掌の上だったとしても覆してやろう。
 その誓いがマグサリオンの第三戒律。


元ネタ

サオシュヤント(Saoshyant
ゾロアスター教における救世主の名称。
意味は「(人々に)利益をもたらす者」。
ゾロアスター教においてゾロアスターの誕生から三千年後に世界の終末が訪れるとされる。
この三千年の間に千年ごとに霊的に保存されたゾロアスターの精子が聖なる処女に宿り処女懐胎で
サオシュヤントが計三名誕生する。
文脈からゾロアスターを指す場合もある。

アストワトウルタ
ゾロアスター教における救世主(サオシュヤント)の一人。最後の救世主。
名前は「正義の具現者」を意味する。
神話によると母はウィースパ・タルワリーで、聖なるカンス海で水浴した際にアナーヒターがゾロアスターの精子を運んで妊娠させた。
生まれたときのアストワトウルタは全身が太陽のように光輝いていたという。
三十歳になるとアフラマズダと対話し、対話の後に男女合わせて三十名の協力者を得て世界再建の事業に取り掛かる。
ヤシュト19章では終末においてアストワトウルタはスラエータオナがアジ・ダハーカ竜を殺した時に使った槍を持ち、
義者の軍勢を率いて邪教徒とそれが呼び出した竜を討つとされている。
また幸運の両眼と呼ばれる目を持ち、彼が見た具象世界の全てを不死にするとされている。


関連項目

絶し不変なる魔道の誓いの能力分類。

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最終更新:2023年05月01日 23:14