調査部隊-シーエンディ-の責任者である研究部惑星部門研究長アレンから救急要請を受けて31分経過し、救助隊一同は部隊編成を完了したうえで機構島に到達。
ヘリック班は周囲のエネミーの討伐及び生存者の救出を実施。前線は伊呂波の指揮下のもと戦闘を開始、未確認エネミーの為細心の注意を払っての迎撃戦となりました。
未確認エネミーは現地点では3種確認、2種の個体数は多く、残り1種は1個体のみで人型であることが確認されています。
研究長アレンは放心状態で会話も時間の無駄とヘリックは判断し、現場総指揮を担いました。アンニュイ、ネグロ、アージェンタムは生存者の救出及び負傷者の避難を担当、伊呂波、サーベラス、シーヴ、ZATO-1は調査部隊に属するアークスと共に敵性エネミーの対処を担当しました。
- 未確認エネミーA:4足歩行の獣の外見に体毛は無く、独特な鱗に覆われている。鱗の無い部分は透き通ったような皮膚組織と思われ、内蔵部分が目視できる。ガルフ系に近い顔面形状であり、二本の角は歪に伸びており他個体を見るに法則性は無く伸びていると思われる。
- 未確認エネミーB:バル・ロドスの頭部に近い形状だが視覚器官は見られず、異常に長い腕部とネプト・キャサドーラの様な歪な脚部が特徴。長い腕部を利用して移動している様で黒緑色の体液を吐き出し、建造物が溶ていることから強力な酸性液と推定。
- 未確認エネミーC:人型エネミー。外見は全身が鱗で覆われ、バル・ロドスのヒレの様な物が背部に2つ生えており、腕部にも鋭利なヒレが目視できる。また、腰部から細長いヒレの様な形状の尻尾が特徴的です。人語を話すことは無く、調査部隊によるとアークス数名を殺害し、一人は生きたまま捕食したとのこと。
<音声記録>
[ヤトノ]:前方に目視出来るあのアークス、状況的に助けようとすればエネミーに囲まれて此方が不利になるだろう。
アンニュイ:むー・・・もう長くは持たないかな。
伊呂波:長くなくても食い殺されてはは癪だ。突っ込んで守りながら潰してくる!
シーヴ:伊呂波!だからあれほど作戦方針を念頭に置いてと言ったのに!援護するわよ!
ヘリック:アレン、いいから答えろ。何が起きた?先日はあんな連中居なかった。潜んでいたとしてもどの様に出現した?
アレン:(目が泳ぎ、ヘリックと目を合わせることは無い)
アージェンタム:無駄だよヘリックさん。その人、どう言ったってこの状況が終わらないまでずっとこれだと思う。
ヘリック:恐怖に呑まれた末路って言うことか?あーくそ、とりあえず周りのエネミーをどうにかするぞ!
[ヤトノ]:ヘリックさん、見たところエネミー自体は強力という訳では無いです、地形と敵の数によって状況敵不利を強いられている様です。そうだよな、ヒルダ?
[ヒルダ]:そういう事だ。あと少しでも遅れていたら半数以上はあの犠牲者と同様になっていただろう。
ヘリック:あの肉塊か・・・。ああはなりたくねえよな、皆?
アージェンタム:出来れば早く帰りたいです・・・。なので迅速に片付けましょう。
シーヴ:重傷者の地点に到達!背中は頼んだわよ。
伊呂波:ああ、その言葉そのまま返すわ。
伊呂波とシーヴが救出に向かったアークスは既に未確認エネミーAにより約20%前後の身体を損傷しており、応急処置のみでは難しい状態でした。サーベラス、ZATO-1の奮闘により未確認エネミーの注意がそちらに向き、重症アークスをキャンンプシップへ避難させました。エネミーからの襲撃も伊呂波によって迎撃。
ネグロ、アンニュイ率いるアークスは重傷者が避難出来る様に自分に注意を向けさせる様奮戦。他アークスも周囲のエネミーとの戦闘を続けました。
負傷者の確保完了。致命傷レベルのアークス1名をメディカルセンターへ手配するため、現地に降り立っているキャンプシップ一隻をアークスシップへ転送。またエネミーA,Bの新たな増援を確認。エネミーCはエネミー群の背後で動かずアークス側を注視。
〈音声記録〉
ZATO-1:あの人型は高みの見物か・・・?
サーベラス:高みの見物とはエネミーにしては面白い、そう思わないか?【斑鳩】?
ZATO-1:その呼び名を出してくるのはお前くらいだ【黒狗】。
サーベラス:っと、お喋りする暇も無さそうだ、クヒヒッ!
ZATO-1:おっと、背中を守ってくれてありがとう、とでも言っとくよ。
伊呂波:ん・・・?お前ら知り合いだったのか?てかオメー敬語じゃねえの珍し。
サーベラス:ええ、昔色々とありまして。
ZATO-1:はい私語は後にしようか!
シーヴ:なんとか形勢逆転は出来た・・・けど、此方には護衛対象がいる以上気は抜けない。戦闘ヘリ防衛の時なんかと大違いって事は念頭に入れておきなさい。
伊呂波:あーーーめんどくせ。おっちゃん!あのでかいエネミーってのは何時頃来るんだ?調査部隊のまだ戦える連中含めて13人だけど、お守りしながらでも大丈夫そうか?
ヘリック:あと30分程と予測してる、多分だけどそこらの中規模エネミーと一緒と考えちゃいけないと思うね!それに
アンニュイ:あの人型、絶対何か持ってるよ。
ヘリック:さーてどうするか・・・ネグロちゃん。
ネグロ:(ストレッチを行い、ヘリックを注視する。)
ヘリック:何しようとしてるかはお見通しだよ。だがまだ「あの人型エネミーを殺せ」って指示は出さないよ。何せどう動くか分からん、嫌な予感する。
ネグロ:(少しテンション下がっている)
アージェンタム:増援エネミー含めなんとか討伐出来てます!でもまた出現するんじゃあ・・・。
[ヤトノ]:ヘリックさん、遠方の熱源反応が確認されています。現段階では動く様子はありませんので何か企んでいると踏んだほうが良さそうです。
ヘリック:あーもう何するか本当わかんね・・・皆、なんとしても抑えろ!今は襲い掛かってくるエネミーをどうにかする事からだ!
エネミーA.Bの約半数以上の討伐完了。各アークスから負傷者は出ましたがその都度回復措置を実施しています。
エネミーCはここでアークスに接近、ヘリックは厳戒態勢を指示。サーベラス、ネグロがエネミーCに対峙しました。
エネミーCとの戦闘開始。エネミーCは両腕の鱗を形状変化させ、ブレード状にしサーベラスに怒涛の斬撃を繰り広げ、サーベラスはそれを剣の打ち合いの様に対処。ネグロは不意打ちを行うも尻尾のヒレにより逆に攻撃を受けてしまい態勢を崩されました。暗影からの不意打ちでさえも対処した事から、聴覚等が優れていると予測。サーベラスは自分一人のみで対処すると言い、ネグロは一旦後退。その直後、水様の結界が出現。エネミーCを取り囲むように出現し、咄嗟にネグロとZATO-1は結界領域内に侵入。その後結界には入ることは不可能となりました。
ヘリック:サーベラス!聞こえるか?通信はまだ生きてる様だな・・・。
サーベラス:申し訳ございません、まさか敵がこんな手品を隠しているとは。
ヘリック:ホントだよ、嫌な予感当たっちまったよ。あー二人も大丈夫!?これから三人で対処してもらうことになるけど!
ZATO-1:いやーこれ・・・、初っ端から縛りアリのボス戦って奴かな?
サーベラス:クフッ・・・それくらいで弱音を吐く程でも無いだろう、斑鳩。まさか助太刀などするとはな。
ZATO-1:こんな黒狗でも大事に思っているお嬢さんがいるんじゃあ仕方ないじゃん。・・・えーと、ネグロちゃんだっけ?
ネグロ:(軽く頷く)
ZATO-1:情報部に所属する君には悪いけど要注意人物の私達二人との共同前線、頼むね?
ネグロ:(ナイフを構える)
サーベラス:と、言うことでヘリック殿。そちらは頼みますね。まぁどっち道、私には護衛なぞ不似合いですから。
ヘリック:そうは思わんけどね俺は。注意して戦ってくれ、機構島のヒューナルみたいなものと思っても間違いではないだろう。何せネグロちゃんの不意打ちを見破ったくらいだ、一筋縄ではいかないだろう。
ZATO-1:ええ、あの歪さはヒューナル並ですね。心して向かいます。
巨大敵性エネミー反応が目視出来る範囲まで接近。3体を補足し、いずれも同個体のエネミーであることが判りました。現段階にて対処可能であるアークスは11名であり、研究員を防衛しながらの戦闘となります。
現段階にてエネミーA,Bの約70%は討伐完了。残り30%のエネミーは後退を始めました。
[ホオズキ]:通達っス!これより巨大エネミー3体がそちらに到着予定っス、各自注意して下さいっスよ!研究部に映像データと即時分析情報を回して結果データが出たので回すっス。
アージェンタム:ありがとうホオズキさん!ええと・・・え。
シーヴ:ほおなるほど・・・。まさかな。
伊呂波:口頭で頼む。
ヘリック:おい、ホオズキこれ・・・マジで研究部が出した答えなの?
[ホオズキ]:自分も見たんスけど・・・マジっス。
伊呂波:なぁヤバイの?教えてって。
アンニュイ:もしかしたらアタシ達・・・貧乏くじ引いたかも。
ヘリック:貧乏どころか災厄くじってレベルだよねこれ。
伊呂波:おっさん早く教えろよ!
ヘリック:理論上あいつらフォトンエネルギーが俺らの30倍だってよ。
伊呂波:はぁああ!!!!????
ヘリック:って事は再生能力がヤバイから簡単には死なねえってことだな・・・ネグロちゃんだけでもこっちに居てもらったほうが良かったかもね。
シーヴ:まぁ、耐久性があるかは別だと思うよ。一点集中で突破口が比較場合もある。
ヘリック:AISさえ動けばなあ・・・。
[ヤトノ]:ヘリックさん、AISなんですがもしかしたら可能かもしれません。
ヘリック:まじで?
[ヤトノ]:信じてもいいのか?亡月。
[亡月]:おう、パパさんが調査部隊のAISをハッキングしてくれれば、私独自にAISの内部データを書き換えてエラー原因だって分析してやるよ。
ヘリック:亡月?龍さんの所は大丈夫なのか?
[亡月]:ああ、その貫禄あるリーダーとパパさんの可愛い娘が自由に暴れてくれてるお陰でね。それとバティスト君達が他アークスを先導して善戦してくれてるから私は暇なんだ。
ヘリック:今暇って言ったよね?暇って。こっち初っ端からボス格来そう。
[亡月]:という事は私の出番って訳だな。研究員達にAISのセキュリティを甘くするように指示しといてくれ。IDと暗証キー等は既にパパさんから教えてもらった。
[ヤトノ]:ヤトノで、だ。
[亡月]:はいはい、ヤトノさん。そんじゃヘリックさん、書換には10分程掛かるけど大丈夫かな?
ヘリック:10分ね。君達、10分持てる?
伊呂波:余裕じゃないかな。
アンニュイ:即席ラーメン3つ分だね。
シーヴ:爆発物は予め多めに持ってきたから、時間稼ぎには役立つと思うわ。
アージェンタム:なんとか頑張るしか無いですね・・・。
[ヤトノ]:では、AISのハッキングは割とすぐ出来たのでこれから10分持ちこたえて下さい。研究員には動作確認の指示を。
ヘリック:あれ?ハッキングもう終わったの?
[ヤトノ]:ええ、では早急に終わらせろよ。亡月
[亡月]:ほぉ?早急にねえ・・・、そんじゃお望み通りにやってやろうじゃないか。
ヘリック:AIS搭載機に絶対近づけるな!そこをやられたら死と思っとけ!
シーヴ:本当困ったものね、他の応援とかはまだ掛かりそう?
ヘリック:応援はまだ数十分掛かるだろうな。俺達は申請云々をスルーした挙句現地のアークス達だからこそ直ぐに到達できた。今は一分一秒が重要となる!
防衛ラインに巨大エネミー3体(今後はエネミーDと表記)の到達を確認。
4,3,3の区分にて各エネミーを対応する事とし、またその都度エネミーA,Bの対処も必要であるため、常に気を抜けぬ状況と見られます。
- 未確認エネミーD:エネミーBの成長した様な外見をしており、腕部は歪つに膨隆し、背部の夥しい触手が特徴。触手の突起部分と思われる部位は棘状になっており、黒緑色の体液が常に溢れ出ている。
伊呂波:案の上再生してんだけど。
アージェンタム:あわわわわ・・・・ムリ、何アレ・・・キモイ・・・怖いどうしよう。
アンニュイ:大丈夫、アレは只のタコと思えば。
シーヴ:スケール大きいタコよね!?
ヘリック:・・・アンニュイちゃん無茶振りオッケー?
アンニュイ:んー?過度でなければ。
ヘリック:一体のヘイト稼げる?
伊呂波:おまっ流石にキツイだろ!
アンニュイ:ふーん・・・AIS稼働まで?
ヘリック:いけるか?
アンニュイ:割と無茶振りじゃなかったね。ヘリックさんの事だから、アタシの特技は大体把握してたようだね。
ヘリック:頼むね!伊呂波ちゃんは雑魚共を。シーヴちゃん確か非フォトン搭載武器あるんだっけ?ちょっと試しに。
シーヴ:ええ、どうするつもり?
ヘリック:ここの地盤って割と緩いでしょ?
[亡月]:待て、それは面白い結果が見えるが嫌な予感がするぞ。
ヘリック:大丈夫、あの範囲内のみ限定して大爆破を起こせば崩落はここまで起きないはず。
[亡月]:ふむ・・・試してみる価値はあるな。いやなに、単なる探究心って奴さ。
伊呂波:ねえそれまじで言ってんの?
シーヴ:フォトンを扱えない一般兵向きの兵器だけど、ランチャーの爆破力の5倍は出せるわね。
伊呂波:壊すことには特化してんだよなあの連中って・・・。
ヘリック:ああ、お陰で敵性組織の連中がそれ流用して乱用してっから本当ムカつく。そんじゃ後は君達の器量に任した!
シーヴ:アンニュイちゃん!そいつを向こうまで誘導してちょうだい!
アンニュイ:ほーい・・・。ボチボチ頑張るよーー・・・っと!
アンニュイはエネミーD-1に斬り掛かり自らに注意を引きました。エネミーDはアンニュイの思惑通りに動き、彼女への猛攻撃を開始。多数の触手の突起部分を開口し、アンニュイに襲いかかりましたがそれを回避しつつ距離を維持。
シーヴは別個体のエネミーDの前方約30M先に非フォトン性対生物兵器地雷TM-46:Arkを設置。伊呂波と他2名はエネミーD-2と交戦を開始。ダメージを即時再生する事から消耗戦を避ける方針としました。
ヘリック、アージェンタムと他2名はエネミーD-3と交戦開始。残り2名はAIS付近にてエネミーA、Bと交戦となります。
ヘリック:あーザトーちゃん!?そっちは大丈夫!?
[ZATO-1]:すまないけどヘリックさん、そうも言ってられない状況だ!黒狗の馬鹿があの薬を導入した。五分五分の戦果を出してるけどこのままじゃ・・・。
ヘリック:オーバードーズを初めたのか・・・!?早めに対処しないとアークス側にも被害が出るぞ・・・。ネグロちゃん聞こえるか?
[ZATO-1]:ああ、頷いてる。
ヘリック:エネミーCを討伐後、もしサーベラスが敵性反応を示したら躊躇無くやってくれ。
[ZATO-1]:了承したみたいだ。私には聞かないんだね。
ヘリック:君も分かってはいるだろう?彼のことは。
[ZATO-1]:分かりたくはなかったけど・・・私は「難民解放前線」時に借りがある。だから【貴方達が用意している最終手段は選ばない】。それでも良いかな?
ヘリック:ああ、そこは君に任せる。
[ZATO-1]:頑固で申し訳ない。
ヘリック:いいさ。俺の部下も同じ事言うと思う。
AIS再稼働まであと二分。アンニュイは現状を維持させておりましたが、無数の触手により地形ごと削られ攻撃の回避に難儀していました。
伊呂波達アークスはエネミーD-2を地雷ポイントへ誘導。エネミーD-2は誘導されるがままに接近。
エネミーD-3は身体構造を変化させ、関節部分から新たに触手を発生させ、それらを巨大な腕部の様に連なせました。アージェンタムは右腕部の攻撃により負傷、左腕の稼働が困難となりました。
AIS再稼働を確認。AIS付近防衛をしていたアークス2名の内1名は早々とAISへ搭乗。エネミーD-1の対処へと入りました。アンニュイはAIS搭載機へと赴き、搭乗を図りました。
エネミーD-2地雷地点へと到達、爆破及び地盤沈下による落下を確認。エネミーD-2は這い上がること無く下層へと落下したと予測されます。
アンニュイ:よし・・・とりあえずAIS2機の稼働はしたみたい?
ヘリック:ナイスだ!そのままあのデカブツを何とかしてくれ。
伊呂波:こっちのエネミーは戻ってこないから気にしなくて良いな。他エネミーの対応に入るよ。
シーヴ:まさかこんな所で兵器が役立つとはね。
伊呂波:地形を利用すれば何とかなるみたいだな。
アージェンタム:ああ・・・これで僕も避難できそうですね。
ヘリック:そんじゃ俺一人でエネミー惹き付けてっから皆はAISに乗ってくれ!アージェンタムくんはご苦労だった、避難して安全確保してくれ。
[亡月]:どうやら成功の様だな。そっち片付いたら私や別の班に援護した方が良いかもしれん。
ヘリック:君ん所は大丈夫じゃなかったけ?
[亡月]:さっきまではな。私も通信は控える状況に入った。それじゃあ諸君頑張ってくれたまえ。
ヘリック:にしては緊張感の一欠片も感じないんだけどなあ・・・ホオズキ、後で他班の情報教えてくれ。AISで援護に向かう。
ホオズキ;了解ッス!そこまで苦戦はしてないッスけどエネミーの出現やらで大変そうッスね。詳しくはそっちを片付けてからが良いッスか?
ヘリック:そうみたいだね。
ホオズキ:ぶっちゃけ旦那さんの所が一番キッツイスよ~。
ヘリック:ははは・・・っと!やべ喋りながら相手すんのキツイわ。またね。
エネミーD-2の再出現は確認されず。そのまま下層エリアへと落ちたと思われます。ヘリックはエネミーD-3と対峙。損傷を防ぐ為に只管避けることに徹底しました。
各アークスはAISに搭乗し、計7機稼働を開始。エネミーD-1、エネミーD-3の討伐に向かいました。
AIS数機、エネミーD-1に集中砲火を開始。瞬時に再生が行われましたが被弾時は動きが見られず、再生時には動作が見られない事が確認されました。
ホオズキの敵分析の結果、エネミーDの内部構造内の心臓部と思われる部位が異常なフォトン数値を示している事が判明しました。
ヘリック:おいおいやっと判明したのか!
アンニュイ:ふーっ・・・危ない危ない・・・。流石に一人でボコスカするなんて無茶だよヘリックさん。
ヒルダ:ヘリックの安全確保、これで形勢逆転という訳だな。ホオズキは随時分析中だから結果が出た部分のみ伝えよう。まずエネミーDだが心臓部・・・まぁ体幹部は幸い人型で分かりやすい、心臓部分が弱点と思われる。だが心臓部を覆う鱗の様な箇所はAISの兵器で何とかなるだろう。
伊呂波:やっぱりなー・・・AISが頼りって訳ね。
シーヴ:あの触手、ブレード状になっているから注意した方が良いわ!
ヘリック:んじゃー皆!本領発揮と行こうか!
アージェンタム:まず貴方は避難してくださいよ!片腕吹っ飛ぶまで何で戦ってるんですか・・・。
AISによる迅速な心臓部破壊に伴い、エネミーD-1,D-3の活動停止を確認。
巨大敵性反応の鎮圧を完了とし、エネミーCと戦闘を続けている3人の援護に及びましたが結界領域への侵入は不可能であり、フォトングレネード、フォトンブリザードでの突破を試みましたが結界領域は微動だにしませんでした。
AIS1機が右前腕パーツを結界領域に接触させると、AISに搭載されているフォトンエネルギーが減少し、活動不可となりました。その為、領域内への侵入は不可能に近いと考えられました。
ホオズキ、ヤトノはその根底を特定しようと分析を続けています。
ZATO-1:嘘!?AISでの支援は出来ない?
[ヘリック]:ああ、その結界はフォトンエネルギーを吸収する作用を持ち合わせている上にフォトングレネードさえも防いでしまう。すまないがそちらへの援護は叶わない!
ZATO-1:困ったなぁ・・・このままじゃ。
[ヘリック]:サーベラスは?
ZATO-1:ええ、それなら。
サーベラス:GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!
[ヘリック]:おわっ!?
ZATO-1:あの通り・・・理性を失って喚き狂ってる。私やネグロちゃんは迂闊に彼らに近付けれない感じ。
サーベラス:クヒヒッ・・・嬉しい、嬉しいよ私はァ・・・・ッ!久しぶりだこの様に高揚感が収まらぬ事態はッ・・・ヒヒッ!殺す、味わうように殺してやるッッ!!!!
ZATO-1:んー?ああ・・・ネグロちゃんそうだね。確かに君の能力でここを抜け出せるかもしれないけど、私は彼をほっとけない様でさ。
[ヤトノ]:ヘリックさん、アレを打つしか無いようですね。
[ヘリック]:サーベラス専用鎮静剤の事かな?だがアレを使うと精神状態が・・・
[ヤトノ]:私の判断です、彼の身体・精神状態に関して一番熟知しているのは私の判断のもとです。
[ヘリック]:そこまで言うなら分かった。ネグロちゃん、一旦こっちに来てくれ。暗影移動は多分結界領域範囲外だ。
(ヘリックのもとに瞬時に現れたネグロはヤトノの説明を受け、ヘリックよりサーベラス専用鎮静剤を受け取りました。)
[ヤトノ]:一度だけ説明する。エネミーCを倒したとて、サーベラスは君たちを敵視し、襲い掛かってくる危険性が非常に高い。ここで無駄に労力を使いたくないだろう?サーベラスの頸部には薬液投与用の専用刺入部が存在する。そこに刺して注入まですれば良い。君の暗影操作でサーベラスの足元を硬直させれば良いが、抵抗は激しいと思われるから伊呂波に不意打ちをしてもらう。その隙を見て注入してくれ。
ヘリック:ちょっとした大仕事だ、頼めるかな?
ネグロ:(静かに頷く)
エネミーCは突然オラクル言語を使用し、サーベラスに語りかける様子が見られました。
エネミーC:クスクス・・・可哀想、可哀想に。狂うことで強くなれると思い込んでるんだわ。
サーベラス:喋れるのか?ああその方が良い、長年眠っていたのか判らんエネミーの命乞いを聞けるとは喜ばしい事だ、クヒッヒヒ・・・ッ!
エネミーC:もっと面白い事を教えてあげる、沢山生きてきた私からのアドバイス・・・本当の貴方はだぁれ?貴方を見てる人って誰なんでしょうね?
サーベラス:誰・・・?知らん、なんだそれは。
エネミーC:どうせ貴方には理解できないみたいで悲しいわ、フフッフフフフフ!穢らわしい、ドブ川に落ちた狗みたいに・・・。久しぶりに目覚めて良いものを見れて幸せだわ・・・!自らを保つ為に他を犠牲にしてきた愚者はこんなにも滑稽だなんて。貴方は貴方を大切に想う人達を虫を殺すように弄ぶんだわ。楽しそうな人生を送ってるんだわ!
サーベラス:判らん・・・何を言っているのかサッパリだ、しかしその声が気に食わない。頭に響く蝿の羽音の様に鬱陶しい・・・これで分かった。ああそうだ私はお前のような吠えるだけのメスが忌々しく、鬱陶しく、憎々しい・・・!嫌いなんだよ彷徨きまわる蛾の様になぁ・・・ああ虫唾が走る、どこまでも走る・・・ああ頭痛が収まらない・・・殺さねば・・・殺さねば・・・。
エネミーC:ねえねえ、そんなんじゃ・・・「いさねちゃん」までも殺しちゃうよ?
サーベラス:今・・・何と言った?なぜお前が?お前が彼女の名を知っている?おい、何故だ?何故だ!
ZATO-1:黒狗、私の声が聞こえるか!いや聞け!!!粗末な挑発に乗ってどうする!?クッソ・・・あんな安直な挑発に乗るなんて確かに異常だ・・・いつもなら相手がキレるまで煽り続ける癖に。
[ヤトノ]:カルラ、聞こえるか?
ZATO-1:んおおお!?その名前で呼ぶのはやっぱヤトノさんか!相変わらずの神経質ボイス。
[ヤトノ]:好きに言え。先程の説明は聞いていただろう?敢えて驚く振りをするのは相変わらずではないか。
ZATO-1:そりゃどうもー・・・。まぁ黒狗は多分勝てると思いますが、本当に鎮静掛けれるんですかね。
[ヤトノ]:無論そのつもりだ。長年彼の対策案を練っているのは私だからな。
ZATO-1:一個質問が、あのエネミーって人の心でも読めるんですかね?
[ヤトノ]:今疑問に思うところでは無い、任務のみに集中しろ。
サーベラスは飛び跳ねる様に攻撃を避けるエネミーCに怒涛の攻撃を繰り出しています。ZATO-1は彼を支援すべくバータ系テクニックを使用します。
その際にバータが結界領域に触れた際に一時的に氷結しているのを確認しました。
同時にネグロがZATO-1の元に到着。サーベラスは交戦中の為機械を伺っています。
ZATO-1:あの結界・・・フォトンブリザードは全く効かなかったのに何故テクニックは・・・?ああでも私一人しか法撃職いないし!何で脳筋面子なの・・・。
[ヘリック]:マジでごめん。
ZATO-1:まぁとりあえず・・・黒狗が勝負付けてくれるかと。
サーベラス:捕まえた・・・!遂に捕まえたぞエネミーもどき!
エネミーC:イタイイタイイタイイタイ!!!!離せ!!!!やめろ千切るな!ヤメッ・・・!
(サーベラスはエネミーCの左上肢を引き千切り、投げ捨てました。その刹那、金切り声が響きました。)
サーベラス:こっちはもう指数本欠損されたんだ、代償は払ってもらう・・・ヒヒックヒヒヒ!!!良いぞもっと鳴け!鳴け!!!
エネミーC:腕ッ・・・腕が・・・アアアア・・・・イタイ・・・。
結界領域が消失。エネミーCは研究所郡の方角に逃走しました。その際に隠れていたエネミーA,B残党が彼女を守るかのように出現しましたが残党もAISにより駆除。
サーベラスは暴走状態のままAISを襲撃。AISに搭乗しているアークスは応戦しますが、俊敏に死角を狙うサーベラスを補足できず関節部分を破壊されました。
伊呂波はAISから降り、白兵戦に持ち込みました。
伊呂波:テメェこの野郎!只でさえ数少ない戦力ぶっ壊しやがって!いい加減目を覚ませっての!!
サーベラス:邪魔だ・・・邪魔だ邪魔だ邪魔だ!!!!私・・・俺の・・・・俺の邪魔を・・・邪魔を・・・ヒヒッ。
伊呂波:おっちゃん、ネグロって言ったっけその子?私が羽交い締めにしてる間にその薬打つ様に言って。あとアンタら出なくて良い。間違えて攻撃当たるかも。
シーヴ:する気も無いわよ。
ヘリック:同じくね。んじゃあネグロちゃん、タイミングは君に任せた。あーそだ、AIS乗った子達は他班の援護に向かってくれ。今んとこ5機か。
アンニュイ:んじゃあ私はエクトがどんな有様になってるか見てくるかー・・・。
アージェンタム:悪趣味・・・。
AIS5機はそれぞれ分担し、他班への援護に向かいました。
伊呂波はサーベラスの攻撃を受けつつも両上肢を掴み、逃げれない様動きを封じました。サーベラスは必死の抵抗を行い、腹部への蹴撃を繰り返しますが微動だにせず。
その隙を狙いネグロはサーベラスの専用刺入部に鎮静剤を刺入及び注入。サーベラスは伊呂波やネグロを払いのけましたが即時型作用であった為、数十秒にて沈静化し昏睡状態に近い状態となりました。
ヘリックはアージェンタムに生存者と負傷者及びサーベラスをキャンプシップに乗せ、先に避難する様に指示し、伊呂波・ネグロ・ZATO-1と共にAISに搭乗し別班の援護に向かいました。
ヘリック班の状況報告は以上です。
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