[ヘリック]:とりあえずコールちゃんは大丈夫かい?
ルナソル:ええ、バイタルも安定しております。ただ・・・フォトンの感受性が私視点からでも不安定である事は分かります。
[ヘリック]:そうか・・・。いくら使命感があるとはいえ、ここまで頑張るのは。仕方ない、彼女にはオペレーター役も頼んでおこう。
ルナソル:そうですね、前線に出れる人は沢山いますし。
ニル:このお姉さんは大丈夫なの?
ルナソル:ええ、少し無茶しただけですが。今はぐっすり眠ってますよ。
ニル:良かったー!私も戦いに行っても良かったのにな~。
[ヘリック]:それは分かるけどここにエネミーが出てくる可能性があるからね。
ラフィオ:でも出てこなかったね。デヅルモ~ナントカって奴また出てくると思ってた。
[ヘリック]:あの個体はまだまだいそうな気はするけどね・・・。
ニル:まぁまぁ、もし出てきてもアタシに任せて!
[ヘリック]:君はまず親御さんに会う事が優先事項かな。
ニル:た、確かになあアハハハ・・・ハナもアタシの家に行こう!
ハナ:そ、それは嬉しいけど。ごめんねニルちゃん、私ここから出られないの。
ニル:え?何でなの?
ハナ:私、この牢獄から出られないの。理由は詳しくは分からないけど、私の身体がそうだから。この島から出たら死んじゃうの。
ニル:そんな・・・。
[ヘリック]:島から出たら死ぬ・・・?それはどういう事だ。
ハナ:ごめんなさい、私も分からないの・・・他のモンスター達は大丈夫だけど、私や姉さん達は・・・。
[ヘリック]:なあ、ハナちゃん。その姉さんって人の名前って教えて貰ってもいいかい?
ハナ:名前・・・姉さんは沢山いるの。お父様は血の繋がりは無くとも、共に生きてこそ家族だと言って・・・だから沢山いて一緒に住んでる皆兄弟なの。だって40人くらいはいて・・・。
[ヘリック]:・・・なあ、その中に「クラディア」や「エルンスティング」という名前の子はいるかい?
ハナ:!?な、なんで・・・何で姉さん達の名前を・・・?
ルナソル:大丈夫、偶然本に載ってて名前だけ知ってたから。それ以上は知らないわ。
ニル:・・・アタシ馬鹿だけど何を言いたいのか分かるよ、言っとくけどハナはあいつ等とは違うからね。
[ヘリック]:ああすまない、詮索とか疑っている訳ではないんだ。ただ島の住人は他にいるのか気になっただけだからさ。
ハナ:駄目、姉さん達に会ったら。姉さん達は狂ってるから・・・。会えば殺されちゃう・・・。
ニル:ハナ・・・。
ラフィオ:少し休んだ方が良いよ。寝泊まりしてた所って一番安全な場所なの?
ハナ:ええ、あそこは何故か誰も近寄らないの。姉さん達も興味なくて入らないし、私の家みたいな所だから。
ニル:ねえハナ、私またすぐ会いに行くから!だから寂しがらなくてもいいからね!
ハナ:うん、ニルちゃんありがと・・・。
[ヘリック]:それじゃ、彼らが戻ってくるのを待っててくれ。
(ヘリックは一旦通信を切り、亡月と通信を開始しました。)
[ヘリック]:亡月、聞こえるか?
[亡月]:個人通話とはどうした?
[ヘリック]:お前の言う通り、あの子の「姉」と指している子はクラディアだった。
[亡月]:・・・やはりな。
[ヘリック]:ニルちゃんには悪いが・・・。
[ヘリック]:あの子も「界忌種」だ。
|