[ヘリック]:皆、聞こえるか!?
亡月:っと、やっと繋がったか!全く、とんでもない所に飛ばされたぞ。
ラフィオ:まずここ臭いしまともに息すんのも辛い・・・・。
コール:クッ・・・ゴホッゴホッ!!!
ランジュ:大丈夫?流石に空気悪いわね・・・。
亡月:どうやら・・・未開拓エリアのディスケィドに飛ばされたんだな。例のオブジェクトもここにあるぞ。しかも起動しない、やられた。
キーン:・・・皆さん、この地面と谷を見てください。これって・・・。
ランジュ:っ・・・死骸の山じゃない!腐臭がすると思ったら・・・それに骨が溶解したのかしら・・・?所々形が残っている。
[ヘリック]:土壌化が進行している状況か。急遽このエリアに関連した資料を翻訳している、その都度送信するから参考程度に読んでくれ。と言いたい所だが・・・。
亡月:ああ、察しの通り・・・簡易的に外気フォトンの分析を行ったが、通常フォトンの他に外気自体が毒ガス以上の危険分子が含まれているな、こりゃ。
ラフィオ:え、やばくないそれ・・・?
亡月:良いかお前達?このまま居たら約1時間足らずに私達は死ぬ。
一同:!?
[ヘリック]:良く冷静だね亡月!?
亡月:それじゃあこれを装着してくれ。
(亡月はアイテムバックからガスマスクを人数分取り出します。)
コール:ふむ・・・幾らか呼吸が楽になったか・・・。
亡月:と言ってもその場しのぎ程度だ、ざっと2時間の生存率を上げてくれたと思うしかない。という事で、制限時間は3時間としよう。それ以上居たら毒ガスによって苦しみながら死ぬ事になる。
キーン:・・・マップ表記、出ました!
(マップ掲示機によりマップが3Dで展開されました。エリア全体は表記されませんでしたが、第三層の約1/3を占めている事が確認されています。唯一上層部へアクセス出来る【ユールドゥルム】への経路はこの自然保護区唯一のアクセス箇所と思われるルートと推定されます。)
ランジュ:どうやら、ユールドゥルムに入るしかないのね。
コール:これは長旅になりそうだ・・・。
キーン:兎に角、渓谷やら湖もある事から・・・建造物の多い地帯を渡るしかない様ですね・・・。
亡月:まずはここを抜けるしかないな。
ラフィオ:・・・うーん。
亡月:どうした?
ラフィオ:いや、なんか視線を感じたけど・・・気のせいかな。
亡月:今気にしても仕方ないだろうさ。
[ヘリック]:こっちで監視と分析を続ける。何かあったら教えてくれ。
一同:了解。
渓谷地帯を進行中。小型の軟体生物が確認されていますが、緊急事態の為回収作業は保留としております。現時点では敵性反応は確認されていません。
亡月:ディスケィドについて、何か分かった事は?
[ヘリック]:ディスケィドは今も残存する惑星の一つだけど、アークスが介入した時点で人類が壊滅していた惑星だね。赴任した部隊から聞いた事はあったけど、環境破壊の末とも言うべき惨状だったらしい。この現場の様にね。
ランジュ:この環境を再現して、何を考えていたのかしらね。
コール:腐食は循環に不可欠な自然現象なんだ、島の中で廃棄扱いとなった個体をここに落とし、この地で分解させ他施設のエネルギーに変換させようと考えたんじゃないかな。
亡月:だとしたら、制御システムは何処と関連してるんだ?システム自体は一種につき一個だけとは限らんからな。ここまでエネルギー豊富な環境が揃った島だからな。
[ヘリック]:バクテリア、変換とか関連しそうな気はするけど調べる余裕は無さそうだな。
亡月:そこが本当に残念な所だ。皆、体調の方は?
コール:私は何とか、このマスクが無ければ早死にしてたかもな。
キーン:冗談はやめてください・・・私もキャストですので、何とか持つでしょうね。
ラフィオ:ボクも何ともないよ。
ランジュ:私も大丈夫よ。というか、フォトン操作でどうにか身体保護を施せるからそれで浄化まではいかないけど何とかなるんじゃないかしら?
コール:残念ながら、私はフォトンの扱いが皆無に近くてルーン魔術に頼っている状況なんだ。すまないけどフォトン操作は危険かもしれない。
ランジュ:ふむ・・・でも防壁を作るように私がテクニックを
[ヘリック]:いや、止めた方がいい。彼女の体内フォトンにどう反応するか分からないからね、レスタとかの基礎的なテクニックなら安全を確認出来てるけど自己流であれば尚更だね。
コール:まぁ気を遣ってくれて言ってくれたから、私は気にしないさ。
ランジュ:・・・ごめんなさいね、少し無神経だったかもしれないわ。
コール:虚弱体質で面倒を掛けてしまうかもしれないが、負担を掛けないよう努力はするよ。
亡月:それに、今回は主戦力は向こうに集中させたってのもある。男でのキーン君に頼るしかないな。
キーン:ハハハッ・・・勘弁を。
亡月:しっかし・・・この古代文書はなんだ?資料を見てもこの惑星で起きた出来事も指していると思うが・・・。
[ヘリック]:アークスが所持している情報でも、結局は踏み入れる事が不可能な危険惑星と断定されていたせいか情報が少なすぎる。当時のフォトナー達はひた隠しにしていたんだろう。
ラフィオ:オリュクリスが望まなかった世界へと変貌・・・?この退廃的な世界になった事を嘆いでいるのかな。
コール:かもな、こんなにも禍々しい環境を悲嘆する他無いだろうな。かつての惑星が、どの様な姿だったかも誰も知らない可能性がある。それに、文章から変貌する以前から知っていたのかもな。
亡月:この死骸の山ももう少しで抜ける事が出来るな。向こうに熱源反応は?
[ヘリック]:割とあるね、個数は5体。敵性反応の有無は分からないからいつでも武器を出せるようにしてくれ。
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