+ | 【ユールドゥルム:機装都市】 |
調査班一同はユールドゥルムへと進入。内部は他自然保護区にて確認された巨大照明は無く、建造物から発する光のみがエリアを照らしている状態です。その為、所在位置によっては探索者による照明を行う必要があると思われます。
一同が進行し10分も経たない頃、都市部に続くゲートを確認。外観はアークスシップ市街地エリアが襲撃を受けたかの様な状態であり、建造物殆どは倒壊しております。ネフィリズ・サーチネクトは現在分析中、別惑星の資料を引用させておりますが資料内の情報と現惑星状況が大きく変化している為、改めて情報整理中です。 亡月:・・・辛気臭いな。
ラフィオ:三回くらい言ってない?
コール:気持ちは分かる。
[ヘリック]:お疲れさん、ちょっとエクト達の状況が危ういからそっち集中する可能性がある。
亡月:こっちはなんとか大丈夫だ。なんかあったら連絡するぞ。
ランジュ:それでどうするの?中を探すと言っても、意外と広いわね・・・。
キーン:・・・位置情報は特定出来てはいないんですよね?でも確か、バティストさん達がルクス・アマルガムに襲撃する際に入った施設とかはどうなんでしょう?複数の部屋があったと聞きましたが・・・。
亡月:そこに行く予定だな、ある程度確認されている場所から調べるのが無難だ。だが違和感が一点あってだな・・・ここに棲息している古代機構は敵性反応を示さないという事か。
[ヘリック]:古代機構はモレグに出没したアブルやディアブル・パズと同種でもあったけど、そこの個体は暴走していた様に見えたね。
コール:ふむ・・・記録にもアブルは島内開拓用掘削機として活用されていたのだろう?しかも1000体も存在すると聞いたが。
キーン:それにしても、ラフィオさんはどちらを見てるんですか?
ラフィオ:ん?ああ何か視線を感じたんだけど。気のせいかな?
ランジュ:まぁ、見られても仕方ないと思うわね。私達はここじゃ部外者だから。
亡月:あの映像で目にした大馬・・・もしかしたらシステムガーディアンかもしれないな。
[ヘリック]:かもな。ルクスの様に脅威的かもしれない、皆無理せずに進んで行ってくれ。
亡月:ああ、そっちの奴らにもよろしく。
コール:あの三人が進んだルートとは全く違う様だな、ここからだと・・・。
キーン:どうやら・・・あの巨大都市を進んでいくしかない様ですね。
都市部内部の巨大橋を進行中。建造物自体は崩壊している箇所が多いですが一部の建造物・進行する為の通路や橋などは損壊が無く、コーティングを為されている様な印象を持たせます。
ラフィオ:わわわっ!!??
(ラフィオは橋の上で盛大に滑って転倒します。)
キーン:あらら・・・大丈夫ですか?
コール:何故か地面は綺麗だな・・・最近コーティングしたと思うくらいだ。
ランジュ:確かに滑りやすいわね。
亡月:何度もコーティングしてんじゃないのか?これ。しかし・・・この都市は奇怪な場所だ。まるで要塞みたいに建物が中心に集められている。水上都市グレンヴィルに劣らぬ歪さだな。
コール:・・・要塞か、私には一体のエネミーに見えるが。
亡月:エネミー?全く、研究者らしくない事を言うねえ。
ランジュ:じゃあ貴女は、これをどう見ているの?
亡月:ほお?そう来たか。そうだねえ・・・
大掛かりな墓場、とでも言っておこうか?
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+ | 古代機構研究管理施設 |
巨大橋を進み終え、中心部へと続く施設内に進入。「古代機構研究管理施設」と記された施設内は予想とは裏腹に乱雑しておらず、人によって管理されているかの様に内装が整えられております。端末はアクセス可能であり、データ内には古代機構の関連した研究データとユールドゥルムに存在する「核棲神」について記されています。
ラフィオ:神様って本当にいるのかな?
亡月:実在はしないかと言われると強く否定は出来んな。神はあくまで対象を呼称した事で初めて神がいるという事実が生まれるに過ぎん。つまりこの核棲神もユールドゥルムで神として扱われていたんだろう。
ランジュ:妙ね、機械だらけの星に神様だなんて。
亡月:例え無宗教な連中とて、死に際には神頼みしちまうものだろう?
コール:あまり聞くに耐えない話題だな・・・不毛というか。
キーン:あはは・・・神父として耳が痛い。
ラフィオ:そういえばキーンさんとこの神様ってどんな感じなの?
キーン:実の所、私にも分かりません。教会と云えど何の変哲も無い孤児院ですから。親のいない子供にとって、理不尽な仕打ちは酷な物です。救いの手となるのは、そうですね・・・理不尽から逃れる居場所を作る人達、私はそんな方々に救われた一人でもありますから。
ランジュ:素敵な話ね、人の人生を支える行為が直に解ると思う。
キーン:神と云う者は気まぐれです、いつ慈悲や仕打ちを与えてくるか分かりませんから。それだったら自らが動き出すしか無いと考えています。
亡月:神様ねえ・・・アルターズである私らの神様はおぞましい形してそうだなぁ。
管理施設は端末が設置されている設備以外は存在せず、あとは通路のみです。端末のある内部を調べていると、突然何かが起動した様な音が響き、地面や内壁が展開し巨大な端末や複数のモニターが設置されました。【第二下層部:絶対監視区域【ティターン・プリズナード】】セキュリティルームにて確認された監視設備と酷似しており、モニターの中心に巨大な樹木が3D上にて表示されている以外は機械もほぼ同じでした。
亡月:ここで初めてヤトミコの内部を知る事が出来たな。しかしこの5つは何のための監視なんだ?均衡維持施設の場合は同階層の自然保護区を監視する為の様だったが。まとまりを感じないな。
ランジュ:ここにも敵性反応が無い様ね。テレパイプを設置しても良いと思わない?
キーン:そうですね。ここにも充分フォトンが存在しますし。
ラフィオ:ねぇナキさん、この3Dで映ってる樹ってこの島の中心のあるらしいって奴かな?
亡月:だと思うぞ。しっかし、どこまで島の中に侵食しているか分からんがな。
ランジュ:あの卵、なんか嫌な予感がするわね。
コール:・・・ネフィリズ・サーチネクトが分析した姉妹の内容に、卵というワードがあったらしいな?関連していないとは言い切れない、かも・・・。
ランジュ:あれが絡んでるのは流石に嫌ね・・・。
[ヘリック]:皆、ネフィリズの分析が漸く完了した。亡月、確認出来るかな?
亡月:ああ、まぁ今必要なのは地図っちゃ地図だが・・・ほぉ、このまま進めば司令塔に着くのか。詳しくは不明だが。
[ヘリック]:情報は後でまたまとめるしかないか・・・こちゃ骨が折れるな。
亡月:責任者として頼むぜ?
[ヘリック]:こういう時ばっかだな。
ラフィオ:・・・何か、変な感じがする。
コール:フォトンに違和感を感じる・・・?
ランジュ:・・・サーチ。
(ランジュのテクニックにより自らのフォトンを散りばめ、周囲の生体反応を感知させようとします。)
亡月:使ってくれてありがたいが、どうやらコイツも反応したようだな。
ネフィリズ・サーチネクト:[警告、未確認エネミーと思われる存在が接近中。分析率:32%。更新の為には接触が必要です。警告、大規模な未確認反応が接近中。戦闘態勢を維持して下さい。危険度:守護獣。]
コール:なっ・・・!?守護獣って・・・もしや。
亡月:ああ、システムガーディアンだ!
ランジュ:・・・ヤバいわね・・・。ここまでの規模は初めて。
[ヘリック]:大丈夫か皆!?
ラフィオ:気持ちは大丈夫じゃないかも・・・。
キーン:くっ・・・やるしかない様ですね・・・。
(戦闘態勢を維持している一同の前に、老朽化によって崩れていた天井の痕より雷を纏った大馬が飛び降りてきました。)
(轟々しい衝撃音と共に雷撃が響き渡り、一同の警戒心がより一層強くなっています。)
亡月:チィ・・・!コイツも通用しないだろうなぁ!
(亡月は弓の弦を引いたまま、態勢を維持しています。)
[ヘリック]:モニターで見たアイツか!?今の戦力では・・・。
ランジュ:骨が折れそうね・・・。
大馬:[お主ら、アークスか?]
(大馬の一声により、一同の警戒は緩みました。)
コール:私達の言葉を・・・?
キーン:一旦、戦闘態勢を解除しましょう。もしかしたら対話が可能かもしれません。
ランジュ:油断大敵よ!例え話せても友好的かどうかは・・・!
大馬:[その通りだ、若造。安易に知らぬ者を信用してはならぬ。]
ラフィオ:あれ?説教されてる?
キーン:これは・・・。
[ヘリック]:警戒を維持しながら対話をしてみてくれ。
亡月:・・・私達は浮上してきたこの島の調査に赴いた。と言えば信じてくれるか?
大馬:[調査とは言え、その人数で良くここまで来たものだ。ルクスに一泡吹かせたのは誰だ?お前達では無いだろう?]
ランジュ:そうね、他の子達もいたわね。
亡月:ルクスも知ってるって事は、お前もシステムガーディアンなのか?
大馬:[ああ、その名を使う者はランダル以来か。懐かしいものだ。]
亡月:ここの研究者か。お前さんの名前は何て言うんだ?
大馬:[我が名を聞いてどうする?面白い子らだ、アークスよ。我はフール。お主らが対峙したルクスと同様に、この島を守護する礎の一端である。]
[ヘリック]:フール・・・第六節【凶刃の雷帝】の事か。
(ネフィリズ・サーチネクトはフール・アマルガムの簡易分析を完了。)
ネフィリズ・サーチネクト:[分析完了。対象:第六システムガーディアン「フール・アマルガム」。惑星ユールドゥルムにて対地球外兵器殲滅システム、及び惑星防衛システムとして稼働されていました。惑星に棲息していたオリジナル「核棲神:フール」は既に人類滅亡時に自滅したと記録されています。対象個体はフォトナーの遺伝子合成技術を活用して複製され、被検体と適合させる事で顕現させる事に成功されました。その為、全盛期のフォトナー以上の能力を持ち合わせております。それ以外の戦闘力は不明です。]
亡月:ああもうっ・・・肝心なところで役に立たんな・・・。
フール:[ほぉ?面妖な機械を扱うのだな、お主ら。まぁしかしだ、儂はお主らを殺す気は無い。折角の客人だ、他の生物らと一緒にはしないでくれよな?]
ランジュ:とは言っても簡単には信用出来ないわね。
コール:でも武器くらいは降ろしてみないか?勘で済まないが、殺意を感じないんだ。
フール:[お主は分かっている様だな、気に入ったぞ小娘。だが残念だ・・・儂が見た所、もって数年か?]
コール:・・・。
ランジュ:待って、それはどういうこと!?
フール:[警告だ小娘、この命を削る様な真似はしたくなければ・・・この島に関わらぬ事だ。老婆心とでも思って聞いて流しても構わんがな。]
ラフィオ:コールさん・・・。
コール:すまないが、それは出来ない約束だと言っておこう。私はここでやるべき事を見つけてしまったからな、それをやり遂げてから、気ままに生きるつもりだ。
フール:[そうかそうか、ハハハ!まっこと残念だなぁ、お主らは短命故に面白き事をいつもしてくれよう。残念でならぬ。]
亡月:・・・話を戻すが、フール。お前はここで何をしている?
フール:[無論、浮上の時まで儂は長く眠りについておった。とは言っても、暇つぶしに他の者達を眺めておったがな。]
亡月:そうか、んじゃもう一個。お前たちは何を企んでる?
(一同は、一瞬現場の空気が凍り付いた感覚に襲われます。)
[ヘリック]:亡月!慎重にいけってアレほど言ったじゃねえか!
亡月:大丈夫だっての、ここで豹変する様な相手じゃないだろう?
フール:[ククッ・・・そうさなぁ。儂は外を知りたいが、いかんせんフォトナー共に幽閉同様の扱いを受けてきた。言っておくが儂はこの島で生まれた訳ではない。無理矢理蘇させられたのだ、しかも当事者は今も生きておる。お主らも知っておるだろう?「滅びの名を持つ者」。]
キーン:・・・コラプサー。
フール:[彼奴はまた増えているのだろう?]
亡月:ああ、殺害したと思いきや蘇ったとかで有名だぞ。というか随分と詳しいな、こりゃ色々聞く必要があるみたいだ。
フール:[コラプサーという名はあくまで呼び名だ。当の本人が気に入って名乗っているに過ぎぬ。「深淵なる闇」がこの銀河全てを壊すならば、彼奴は崩壊前提の進化を目論んでいるだろうな。]
ラフィオ:・・・・????
亡月:無理に理解しようとしなくていいぞ。
フール:[彼奴が生きている限り、我々は武器として活用されるだけで終わるのみ。それでは癪なのだ。折角蘇ったのだ、蘇ったなりに知らぬ地へと赴きたいというのが儂の望みだ。他の者の望みは知らぬがな。]
コール:しかし、コラプサーというのは貴方ほどを制御する程に強いのか?
フール:[認めたくはないがな。しかし、儂も無能ではない。同胞と共に彼奴を滅する為の下準備はしていたものだ。長き時の中、儂は諦め永続の眠りに着こうと思ったがの・・・全く、気まぐれに付き合った甲斐があったわ。この様子では、お主ら未だにメガロに会っていないのだな?]
亡月:そうだな、まだ会ってないがもしや・・・システムガーディアンか?そいつも。
[ヘリック]:メガロ・アマルガムの事だな、どうやらシステムガーディアンの中でも反旗を翻す者は複数いるって認識で良いかな。
フール:[他の者は、協力を得る以前の問題であったからの。まぁ儂は対話などする気にもならぬ。全てメガロに任しておった。して、お主らは何処に向かうのだ?どれ・・・案内の一つや二つ、してやっても構わんぞ。]
亡月:案内か、私は是非ともって奴だが。
コール:賛成で。必要となる情報を得る可能性があると思うんだ。
キーン:危険があれば、私がなんとかします。
ラフィオ:まぁ、嫌な予感はそこまでしないし。
ランジュ:・・・分かったわよ、でも皆に危険が無いように厳戒態勢は維持するわ。
フール:[決まりか?では何処に行きたいか教えてくれ。]
亡月:まずは資料を漁りたい。確か均衡維持施設にも繋がっている研究所があっただろう?そこに行こうと考えていたんだ。
フール:[そうか、では着いてくると良い。]
(一同はフールの後を追う様に着いて行きました。進行中、フールはアークスの現状やダーカーとの戦況などを興味津々に聞く事が多くありました。)
フールに誘導された一同は目的地である「監視室」に到着。現場は別フロアへと繋がる通路が複数存在する他、多くの資料が保管されております。それぞれの部屋は空き室が殆どでしたが、人が住む為に必要な設備が存在します。
亡月:ヘリック、モニター上で見れているか?
[ヘリック]:ああ、何ていうか誰か住んでるのか?ってくらいに整ってる。
フール:[メガロが使っているのでな、アブルにもこの場を整えるよう命じている。]
コール:アブル・・・古代機構を従えているのか?
フール:[アブルの他にも多くおるが、他の者達は戦いしか知らぬ。通路が異様に整っているのも解るだろう?これもアブル達の所業よ。]
ラフィオ:道理で滑ると思った。
キーン:この資料・・・夥しい量ですね。
亡月:ああ、ここに滞在したいくらいだな。
フール:[ここを拠点にしても構わんよ。どうせメガロしか使わぬからな。]
ラフィオ:メガロって人に怒られない?
フール:[まぁその程度で叱咤してくる輩でも無い。余程でなければ怒る事の無い臆病者だ。]
ランジュ:ボロクソに言ってるわね。
亡月:ネフィリズにも記録させとかないとな。ここにテレパイプを設置させる。
コール:ふむ・・・古代文書は仕方ないが・・・上層部の方で自動翻訳はまだ実装されてないのか?
亡月:ああ、無いから私が独自に作った。言うの忘れていたな。
(亡月はコールの端末に自動翻訳機能を転送しました。)
コール:本当に唐突だな・・・。他にも何か持ってそうだ。
亡月:言うほど無いがな。
ラフィオ:あるんだ。
キーン:それにしても、他のエリアの古代機構と比べるとやっぱり暴走してなさそうというか・・・しっかりメンテナンスを受けてそうですね。
フール:[研究者共がいなくとも維持できるように出来ている。尤も、ベルの存在が大きいがな。]
亡月:ベル?今度は誰だ?
フール:[メル・ベル。この島を統治する頭脳、と言うべきか。]
ランジュ:・・・AIの事を指しているの?
フール:ああ、そう言った者もおった。マザーブレインとも言う者もいたが、アレに母なる名称は合わん。何せ小娘同然だからの。
ラフィオ:AIも子供を使ってるんだ・・・。
キーン:あまり、知りたい事実ではなかったですね。
フール:[いずれ嫌でも知る事だ。今の内に受け止めておくのも吉であろう。今後の来たるべき事実も含めてな。]
ランジュ:ここを調べる間、私達は暇になりそうね。外を調べてきても良いかしら。
[ヘリック]:一人で行くのは危ない。キーン君、ラフィオちゃんも同行でいいかい?
ランジュ:ええ、助かるわ。他の建物も気になるから。
フール:[遠出は禁物だぞ。眷属はアークスを殺そうとせぬが、それは壊れておらぬ者だけだ。]
ランジュ:ご忠告どうも。
|
+ | 廃塔付近 |
ランジュ、ラフィオ、キーンは機装都市の中心部となる塔付近とへ到達。塔は半壊状態ではありましたが、倒壊まで及ばず内部に進入可能でした。しかし周囲は瓦礫の山に積まれており、進むためには飛び越える必要があります。
ランジュ:私のテクニックで何とか行けそうだけど、二人が居る時が良さそうね。
ラフィオ:ねえランジュさん。
ランジュ:ん?
ラフィオ:もしかしてさ、フールさんを信用してない?
ランジュ:・・・貴女には筒抜けの様ね。
キーン:確かに、この島の守護を司る巨大なエネミーですが・・・敵性存在であるかと言われると今の所言い切れない所でしょう。それに、嘘を付いている様には見えませんし。
ランジュ:ええ、それは私も解るわ。でも・・・不安なの。笑われても仕方ないと思うけど、私はこの惑星の事をリゾート地なんて思ってたわ。そんなふざけた事言ったらコールに怒られそうだけど。
ラフィオ:普通に苦笑いすると思う。
キーン:こら。
ランジュ:まぁ、そうよね。でもウォパルが故郷であるマーレの事、友達や家族の為に頑張るあの子達の事を見ていたら・・・生半可な気持ちじゃダメよねって思う様になってきたわ。それと同時に漠然とした不安が迫ってきている。それは皆も同じと思うけど、何か大きな脅威が迫っている気がして。
キーン:現に、ディスケィドの様な恐ろしい場所やエネミーだって多数存在しているのは確かです。それに犠牲者だって出てしまっている・・・そんな人達の命が無意味になる事が怖いと感じています。だからこそ、立ち向かうしか無いと思うんですよね、私は。
ランジュ:しっかりしているのね、貴方。
キーン:これでも神父ですから。
ラフィオ:ボクは頼まれて来たからなあ。でも、仲間が傷つくのは嫌だと思って頑張ってるよ。
キーン:それくらいが一番良いと思いますよ。
ランジュ:それにしても、ここから見る光景も悪くないわね・・・端の方には自然が出来ているのね。
(ランジュが外観を眺めている中、キーンは遠方の建造物上部より膨大なフォトンが集中している事を目視にて確認しました。)
キーン:あれは・・・?
ランジュ:どうしたの?え、一瞬何か光って・・・。
(ランジュの腹部辺りに赤い光が当たり、消えたと同時に遠方箇所から眩い赤い閃光が目視されます。)
キーン:ッ・・・!ランジュさん伏せて!
ランジュ:え!?
(キーンはランジュを腕を掴みラフィオの元に投げる様に送り付け、ランジュの居た位置にキーンは立ち尽くします。)
キーン:しまったな・・・。
(その刹那、赤い閃光がキーンの右四肢を木っ端微塵に粉砕し、キーンはその衝撃で吹き飛ばされました。)
ランジュ:!?キーン君!
ラフィオ:キーンさん!!!
キーン:逃げてください!奴は狙撃してきます!赤い光を見たら回避して下さい!こちらキーン、ヘリックさん緊急事態です!
[ヘリック]:キーン君!状況は見ている!くっそ・・・狙撃とは予想にもしてなかった・・・!二人にも伝える!ランジュちゃんとラフィオ君は気を付けろ!今の破壊力、ディアブル・パズを思い出すぞこりゃあ。
キーン:私は大丈夫です、行ってください!
ランジュ:何を言っているの!?貴方も逃げるのよ・・・!
(ランジュ、ラフィオはキーンの肩を持ち、彼を引きずる様にその場から離れていきます。しかし屋内まで距離があり、狙撃側から筒抜け状態です。)
ランジュ:どうすれば・・・。
[ヘリック]:ボルテックを使って逃げるんだ!
ランジュ:ッそうだった、ボルテック!
(ランジュは二人にもボルテックを使用し、高速移動にてその場を回避しました。)
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+ | 古代機構製造庫 |
三人は一番近い施設だった古代機構製造庫へ避難しました。他の二人、フールとも合流し、状況確認を行っています。
ランジュ:どういう事!?私達を攻撃する様な古代機構がすぐ近くにいるなんて聞いてないわよ!
フール:[予想に反した状況が起きた。多分だが、あの狙撃はディアブル・パズであろう。]
キーン:ランジュさん落ち着きましょう、とりあえず命は無事なんですから。
亡月:流石元・遭難者、タフだな。
コール:ディアブル・パズ・・・モレグの方に出てきた奴で最後だったんじゃないのか?
フール:[お主ら、奴を知っておるのか?]
亡月:一回だけ戦った事がある。結局倒せず床下に落としただけだが。
フール:[やはりな、あれがここに運ばれた時とても悲惨であった。あそこまで脆くなったのもお主らの所業か、褒めたくなる程だな。]
ランジュ:でも・・・アレを放置してたの?
フール:[修理を施した。発見した時は見た物全てに攻撃を仕掛けたのでな、いくらか修理を施したが、プログラムまでは直せなかったらしいな。]
ラフィオ:それって?
フール:[「自らを追い詰めた者達を破壊するというプログラム」だ。]
亡月:・・・はぁ~~~~、ここに来てしわ寄せが来たって事か。
ランジュ:外を見たいだなんて言った私にも責任があるわ。確実にここで倒す・・・!
フール:[儂も協力しようか、儂も並べば自然と儂も攻撃対象となろう。それと、質問だが・・・エンティは死んだか?]
[ヘリック]:・・・ああ、死んだ。コラプサーの模倣者によって殺された。
フール:[そうか。結局、狂気に抗えなかったか。愚か者め。ではあの暴走体を破壊する為、お主らはどうする?]
亡月:なぁに、あいつ用に戦略は考えておいた。こういう想定はするものさ。
キーン:私は動けそうにないですね・・・。
コール:早めにメディカルセンターに送りたいが、テレパイプも近辺へ転送までしか出来ないからな・・・。
亡月:本当不便だなこれ。
[ヘリック]:まぁそういうなって。
亡月:では今から作戦を説明する。
一言一句、聞き逃すなよ?
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