+ | 交流記録:① |
日時:14:14~
質問者:エクト、ホムンクルス、亡月(モニター越し) 質問内容:
(一部省略。ヴァレラニ宅にて、獰猛なレガトゥスが近辺には居ない事を確認したうえで対談開始となりました。)
[亡月]:さっきの様な狂暴なレガトゥスは近くにいない。安心して対談が出来るな。
メガロ:あの子らは私が近くに居れば下手な事はしない。しかし、君達アークスの事を酷く憎んではいるだろう。何せ彼女らへの実験がアークス生誕に関連しているのだから。
ホムンクルス:つまり・・・彼女達もアークスが生まれる前から存在するって事?
メガロ:ああ、この島でずっと・・・な。
エクト:おかしいな・・・そうなればハナちゃんが言ってた事は矛盾しちまうな。あの子は40年くらい前に目覚めたって。
メガロ:ハナ・・・ああ、彼女は違う。それに関しては後ほど話そう。今は私の事を聞きたいのだろう?お前達アークスはあのフォトナーと出くわした事があるとすれば、わざわざ蔑ろにする必要も無い筈だ。あの馬鹿者、フールも口が軽い・・・彼奴が余計な事を話した事が要因か。
エクト:まぁでも、お陰で解決の方向性が見えてきそうだけどな。まず・・・アンタはフールが言ってた通り、システムガーディアンの一人にしてコラプサーに反旗を翻そうとしているメガロ・アマルガムで間違いないんだな?
メガロ:反旗を翻す、と言えばそれは嘘だ。私は元々奴を殺せるものとは思ってない。私が求めているのは・・・そうだな、「救済」だ。
[亡月]:救済ってのは、この島にいる皆を救うって意味か?
メガロ:お前達からすれば、全てがエネミーの様なものかもしれない。しかし、中には不当な実験において普通ではなくなった者達が殆どだ。各惑星を転々とし、有益な研究材料を手にしたフォトナー達は、惑星の文化・生物・環境そのものを引用しようと企てた。その結果、この星の様な実験場がいくつか生まれた。私もその材料の一部だった。皮肉にも、深海の底が故郷だった私にとってこの島は居心地が悪くなかった。故郷にあった全ては存在しなかった筈なのにな。この様に人の形をしてお前達と悠々と話している訳だが、そういう種族ではない。云わば海王種の様な改造を施される以前の純粋な鮫だった。それで伝わるか?
エクト:鮫だった・・・と言われても何ともな。
メガロ:そう言われても仕方ない。規定守護獣・・・システムガーディアンと為った際に受け持った力らしい。しかし、ごく一部の者だけだがな。私とフール、ベラドンナ、ギズモくらいだろう。
ホムンクルス:ベラドンナ、ギズモは聞いた事ないな。
エクト:いや・・・ベラドンナは聞いた事がある。エンティがハナの事をそう言ってたはずだ。
メガロ:エンティが・・・ああ、元々彼女はベラドンナの姿を模している。だからエンティにとってはベラドンナそのものだ。彼女も気を遣い、ベラドンナと呼ばれて尚それを受け入れていた。幸い、エンティは錯乱している状態だったが故彼女に気づく事は無かった様だな。
ホムンクルス:ねぇ、話が逸れちゃうけど何でハナはあのレガトゥスから何というか・・・迫害というか。
メガロ:・・・彼女が幾度無く虐殺を受けている事だろう。
エクト:っおい、お前それ知ってんのか!なら何で顔色変えずに言えるんだ?
[亡月]:抑えろエクト、必要な情報が得られなくなるだろ。
メガロ:言いたい事は分かる。だがこの数百年間、歴史が変われど決して変わる事無く環境のみが廃れていく状況下。集団でいる事によって引き起こされる事態というものをお前達にも容易に想像が出来るだろう?彼女らの様に不老不死に近い身体能力を持っていれば、生死の境など既に崩れ去っている。
ホムンクルス:ハナちゃんの話はヘリックさん経由で聞いておいたけど、標的になったっていう事だね。でも、他の子達は協力して生活している。それは何故?
メガロ:信仰心だ、と言っても・・・お前達は鼻で嗤う様なものだろう。その中で唯一、私は「弱虫メガ」と呼ばれているがな。
エクト:つまり何だ?あの子達の言葉を汲み取れば、お前さんらアマルガムってのを神様扱いして気持ちを清らかにして善意を持たせましたってか?
メガロ:信仰に関してはあの馬鹿が詳しい。現に奴は核棲神の器だったからだ。島に幽閉状態だった頃、書物にあった遺物よりそれを参考にはしていた。まぁ、邪教の類だったがな。
[亡月]:カシュマドーリス崇拝譚か。生贄関係は実践していなければ健全だがな。
メガロ:都合の良い内容しか参考にはしていない。簡単だ、アマルガムは島の規定守護獣。云わば管理者の役割でもある。彼女らの住処を守護する事で信仰心という名の・・・ある種の「団結心」を持たせている。だが・・・既に狂った者の心までは操作出来なかった。幸い、私達に付き従ってくれる彼女達は実験を受ける時はあまりにも幼過ぎた。それ故に実験で生き延びてしまった彼女達の精神年齢は上がる事は無い。生活するうえでの知識に関しては自立しているがな。
エクト:アンタはまるで、あの子達の親代わりみてぇな事してんのか?
メガロ:親、か。一匹の鮫だった私が、102人の娘達を見る事になるとは思わなかった。
[亡月]:私から質問だが、何故寄りに寄って幼い少女限定なんだ?アークスってのは人種自体をフォトンに適合させて初めて成り立つものだと思うが、あのフォトナーは何を狙っていた?
メガロ:このレガトゥス計画の根本的な目的に、アークス生誕は間接的な要素でしか無かった。云わば応急処置だ。あくまでダーカーに対抗できる兵器を作る為の過程にて、彼女達が犠牲になった。現に各惑星で活躍したレガトゥスは存在する。尤も、この計画は極秘な上に暴走しやすかった個体が多かった為に終了処置及び武器素材化を施された。簡単だ、サンプルを処分兼ねて実験を行ったまでだ。虫唾が走る。
ホムンクルス:・・・使い捨て同然の扱いか。
メガロ:レガトゥスの適合者限定の理由は、「アポストルス遺伝子が未成熟な女性器の粘膜に浸透しやすく、脳経由で身体を組み換える事が可能」だからだ。
二人:ッ・・・!?
[亡月]:まるで寄生生物だな。子宮内膜に遺伝子細胞を浸透させるという事は、卵巣を形成する内分泌腺組織に侵食する事が可能って訳か。つまり生殖機能を犠牲にして遺伝子組み換えを行ったと言いたい様だ。
メガロ:初経を迎えた少女が限定されるがな。子宮内膜が排出された直後でなければアポストルス細胞は何故か浸透しなかった。メカニズムに関しては通信上で語っているお前の見解とほぼ一致している。違う点とすれば・・・生殖機能は無いと言い切る事は出来ない。唯一それを保持する者がいる。
エクト:待て、仮にあるとて機能を保持させた理由もあるのか?
メガロ:非人道的行為に関心を持っても、興を削がれるだけだぞ。生殖機能を持たせる理由は確かに存在した。強靭な細胞をその身に熟した個体は、適合させるとて少女を使用しなければならなかった。レガトゥスがレガトゥスを孕む事自体、危険視していた研究者にとっても生殖機能が無い事実は都合の良い事例でもあった。しかし、兵器の進化を求めた研究者達に歯止めを付ける事など・・・ああ不可能だった。その個体は「身籠る」という機能に特化し、それが災いとなったかアポストルスを使役する事も可能となった。だがその個体は発育が悪すぎた。再生機能は尋常ではない反面、普通の子供の用に脆く・・・いや、ただの子供の様だった。幾度無い実験の過程にて、彼女は暴走し規定守護獣に等しい個体を孕んだ。今思い出すだけで死に等しい恐怖に苛まれる・・・それが多くのフォトナー達の脅威となり、表舞台から隠蔽させる決断をさせた。元々、使い捨て同然の兵器産業としか思っていなかっただろう。内部の争いも含めて、全て海の底に沈める様に隠した。それを行ったのがコラプサーとルーサーだ。暴走した彼女をきっかけにこの研究所は・・・海底に眠る廃棄生物達の住処となった。
コ・ハナ。お前達が友好的原住民と認識している彼女こそ、機構島が海底に没する要因を作った「特異的レガトゥス」だ。
エクト:・・・その話、信じてもいいんだな?
メガロ:信じるか信じないかは勝手にしろ。また、彼女達は元々惑星ディスケィド出身者だ。生贄として収容されていたと同時に、あの星の数少ない生き残りと言っても良いだろう。彼女自身はその事を知らない。嘘の記憶を植え付けられているからだ。だから彼女に聞いても無駄だろう。
ホムンクルス:じゃあ何だ、コラプサーは彼女達を星からは救ったが・・・結局は実験材料同然に利用したって事なのか?
メガロ:・・・声が震えているな。
ホムンクルス:感情的になって悪いかよ・・・ハナも、ここに棲んでる子達も決して悪い事してる訳じゃないだろう?ふざけんなよっ・・・僕の実の親が、こんな胸糞悪い事をしていたなんて思いたくもない・・・。
エクト:ホム、席を外してもいいと思うぞ。
ホムンクルス:いや、いい。彼女達の情報は僕自身も知っておきたい。調査部隊の一人なんだ、僕だって。話を止めちゃったね、ハナの事で気になったけど身籠ったという事は、彼女は何を生んだの?
メガロ:身籠ったと言ったが、実際に言えば今の彼女の外見は・・・あくまで力の無い状態だ。制御不能となれば変貌し、ディスケィドにて崇拝されているメタリーエルスに近い外見となる。それが作った卵は様々なアポストルスを誕生させた。いわば母体同然の存在だ。これが研究者達の探求心を刺激させたと私は感じ取っている。彼女の細胞を適合時の潤滑油の様な役割としても活用した。副作用があり、多くの犠牲はあったらしいがな。その事もあり、研究者達はハナを昏睡させ、細胞抽出を実施していた。それらも知っている筈のコラプサーは彼女をどう扱うか解らん。
[亡月]:エネミーとしても驚異的な存在になり得る、という訳か。彼女と仲良くしているウチの仲間も心配って訳だな。
ホムンクルス:でも・・・それをニルちゃんやマーレさんに伝えるのは。
エクト:可哀想だが、知っておいて欲しい事実でもあるな。何かあった時、俺達がいないとなれば。
メガロ:彼女にはラウムは付いているだろう?あの相互関係が彼女の心身平常化を担っている。あの龍族だけだ、当時から何も変わらぬ意思を持ち・・・絶望的な状況下に屈する事が無い。
エクト:待て、ラウムの話をするのか?んじゃあ同じ龍族を呼んできてもいいか?
メガロ:・・・ああ、構わない。
(数分後、エクトは原住民達に「龍族式たかいたかい」を披露して疲弊しているロ・バクを呼び、ヴァレラニ宅へと誘導しました。)
バク:・・・・・メガロって事は、あのメチャクソ巨大グロモンスターの一味って訳か?
メガロ:・・・・・・・・・・・ルクス・アマルガムの事を指しているのか?
エクト:大丈夫、バク君この人は話せる人だから。
メガロ:ラウムの話を聞きたいのだろう?
バク:ああ、頼むわ。アイツ・・・都合の悪い事は絶対話す気が無さそうだなんよ。
メガロ:まず、私が知っている限りでは・・・「磁忌龍コ・ラウム」。龍族の中でも異端児として君臨し、驚異的な力を保持し・・・多くの同族殺しを行ったと聞いた。そしてアークスとの相互不可侵状態となった過程にて突如表舞台から去った龍族。その過程にてアークスとの関係再建に努めたとの記録が残っている。新光歴90年代に龍族との関係は始まった事は知っているな?
[亡月]:ああ、それからいつの日かヴォイドは龍族を使った実験を行った記録がある。それが相互不可侵の要因だな。
バク:ああ、俺が生まれた時には既に居なかった。龍族に死の概念はねぇ、祭壇で復活するからだ。だから皆、誰も棲まぬ境地に去っていったんだろうとか言ってた。俺がアークスに興味を示した時、長達の話からラウムを知った。まぁ・・・只の誹謗中傷だったけどな。許せねえよ、大事な同族を・・・兵器にした上に閉じ込めるなんてよ。理由だって。
メガロ:・・・この事を龍族であるお前に伝えるのは酷だろうが、聞く意義はあるか?
バク:何だよ、それ?
メガロ:ラウムは・・・龍機兵を創る為に素材として保存されただけの、廃棄同然の個体だ。
(メガロの発した言葉にバクは憤慨し、半龍化した状態でメガロの首を掴みかかります。)
エクト:バク!!その手を離せ!
[亡月]:武力行使を厭わずに止めろ!重要な情報源を損なうな!
バク:今・・・ッ何ツッタ!?アイツガ廃棄ダトッ・・・・!!!!
メガロ:言葉が悪かった、などと言えば気が済むか?それでは事実とかけ離れてしまう、だから事実を述べたんだ。造龍計画とは別ベクトルに採用された龍機兵計画、その犠牲となった個体がラウムだ。聞くぞ龍族の若者、お前にとってラウムは一体なんだ?
バク:同族デアリ・・・俺ニトッテ家族同然ダッ!!!テメェニトヤカク言ワレル筋合イハ無ェッ!!!
(一連の騒動に反応し、ヴァレラニが駆け付けていました。)
ヴァレラニ:ッ・・・メガから離れて!
メガロ:ヴァレラニ、お前は下がりなさい。
ヴァレラニ:メガは私達の神様・・・いえ、家族。あなたが殺そうとするなら、私は許さない!
バク:・・・ッカゾ・・・ク・・・。
(バクは龍化を解除し、人型に戻りました。)
バク:・・・ヴァレラニのその鱗、見た事ある。いや、感じ取れる・・・俺達龍族と同じだ。
メガロ:・・・レガトゥスはアポストルス細胞の適合と同時に、関連性の無い別個体の遺伝子をも取り入れる事が可能・・・これはまだお前達には話していなかったな。
[亡月]:ああ、だからそれぞれ違う特徴を持っていたのか。それで、その子は龍族とでも言いたいのか?
メガロ:ああ、ラウムではない別の個体の物だがな。
ヴァレラニ:・・・私達、この身体になった事、悲しい。でも、生きる事は幸せ。
バク:・・・待てよ、ここで何百年も棲むってのはスゲェ億劫じゃねえのか?ラウムだって、百年以上あんな所に閉じ込められて・・・。ヴァレラニだって外の世界を見てみたいとか思うよな?
ヴァレラニ:思わない。だって、外は私達に優しくない。変わらぬ世界に私達、慣れた。姉さん達と違って・・・苦しい、痛いとか・・・分からない。
ホムンクルス:バクさん、この子達はこの住処を再建したり、食べ物を調達して自分たちなりの生活を成り立たせてるんだ。ハナやラウムとは違う生き方で。
バク:そう、か。ああ・・・俺は知らなすぎるな、全くよ。
メガロ:・・・確かにラウムは廃棄扱いだった。しかし、彼は処分されなかった・・・情報漏洩だけでは理由として足りないと私は思う。推測上だが、言わせて貰う。
[亡月]:推測でも有力な情報の筈だ、教えてくれ。
メガロ:龍機兵は元々、機構島防衛機能の一部として開発され・・・お前達が想像しやすいものではそうだな、自律型AISの様なものだ。外見は機械仕掛けの大型龍族。機能としてはダーカー等の脅威的存在の殲滅兵器だ。しかしこれがフォトナー達に終止符を打った。
エクト:そういや、この島のフォトナー達ってマザーシップとの同化を拒んだんだよな・・・。
メガロ:そう、自らの研究の極限を知りたい者が大半だっただろう。星の脅威を滅ぼす筈が、野心に呑まれゆく者達の忌々しい喧騒にも感じた。そんな状況にて、多くのフォトナーはルーサー同様、ダークファルス同然の存在として変わり果てて行った。
ホムンクルス:え?待って・・・んじゃあ島の中にいたフォトナー達は、ダークファルスになったって事?
メガロ:結局、自らの技術を以て理解したのだろう。ダーカー因子の秘めた力に。それこそが、ランダルの開発した龍機兵達だ。成り果てたフォトナー達を葬り去り、海に沈下させる計画を企てた。この騒動の際に、私達規定守護獣は強制的に島と一体化させられてしまった為、事の発端は一部しか知らない。
[亡月]:結局、【深淵なる闇】に屈してしまったのか。
メガロ:私は沈んでいった島の中で、滅びの危機を感じていたが・・・ダーカーとの攻防戦は結局のところ自らが生み、隔離してきた兵器達によって蹂躙されダーカーの侵食は食い止められた。特に活躍したのが龍機兵、ラウムの細胞にて生まれた兵器だ。こいつ等が朽ちていくフォトナー達を根絶させた。そしてもう一つの機能がある。
バク:俺達龍族の力だけじゃねえのか?
メガロ:それだけでは通用しない筈だった。こういえば解りやすいか?フォトナーの力を自らに吸収する機能だ。
【亡月】:ああ、納得した。つまりこうか?島の中のフォトナーの形跡が殆ど無いのは、存在自体を龍機兵達の力として吸収されてしまった。云わば機械と同化させられてしまったという訳か!マザーシップとの同化を拒んだ私達の祖先は、とんでもない末路を遂げたもんだな。
メガロ:そして、ラウムはその機械達のルーツだ。龍結晶による干渉遮断が施された状況下では、奴を分析する事も叶わないだろう。ロ・バク・・・ロ・カミツを長とするロの一族よ、ラウムを同族であるという認識を改める必要がある。これは警告だ。
バク:・・・テメェの話は長ったらしくて分かり辛ぇ、でもよ・・・俺はアイツを見捨てたりはしねぇ!例え暴走したとしても、俺はロの一族だ!磁獄龍カッシーナの名に懸け、俺は一族の者として・・・いーや、漢として二言は絶対にしねぇ!絶対に助けっからな!
メガロ:・・・例え、その者が大切なものを壊すとしてもか?
バク:・・・っな。
エクト:はい、とりあえずラウムの情報は聞けたな、バク君。安心しろ、俺だってアンタの仲間だ。出来る限りでもよ、アンタの力にはなってやる。
ホムンクルス:悪いけどメガロさん。僕たちは往生際が悪い事で定評があるんだ、そういう人たちに鍛えられてきたからね。
バク:すまん。
エクト:これくらい気にすんなよ。その為にこの任務に参加したんだろ?
メガロ:・・・フン、楽観的である事にとやかく言うつもりは無い。まぁいい、喋り疲れた。少しの間休憩を取らせてくれ。レガトゥス達の様子を見に行きたい。お前達はそのまま離れずに居ろ。オウコ達も流石に今日は近付いてこない、そこは安心してもいい。
エクト:さて・・・小腹空いちまったし、焚火でもして飯でも食うか?
バク:火なら任せてくれ。そういや・・・ハナの事も話したんだろ?
エクト:・・・ああ、飯がてら教えてやる。でも、ニルちゃんやマーレちゃんにはまだ言わんでくれ。何てか・・・あまり思いつめて欲しくねえからさ。
バク:ラウムの話でだいぶキテるけどよ・・・そうだな、折角ニルも友達出来たしな。
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+ | 交流記録:② |
日時:15:22~
質問者:エクト、ホムンクルス、亡月(モニター越し)、バク、ニル、マーレ 質問内容:
(休憩中、バクは現状況をニルとマーレに報告した所、現地に向かうと告げられました。テレパイプ経由での移動を行い、ニルとマーレの二名は現地に到着しメガロとの対談に参加します。)
メガロ:休憩は済んだか?
エクト:ああ、物資の食料であったが、興味津々で料理を見ていたな。あの子達。
メガロ:文化のレベル等はお前達が見ると、拙いものだろうな。普及や便利さはあまり好まん。それに彼女らが持つ能力で充分だ。
ホムンクルス:確かに便利だけど、他の人達との共生は・・・。
メガロ:駄目だろうな。お前達も食料という前提を持っている。最初に接触したレガトゥスがヴァレラニで運が良かったと言っても良い。
ホムンクルス:うん、そこは感謝している。
(バクがニル、マーレを連れて屋内へと入ります。)
バク:連れてきたぜ。
ニル:ねーねー!この人が本当にハナの事知ってるの????
メガロ:この二人は?
バク:仲間だけど、ハナと特に仲の良い二人だ。
メガロ:なるほど、そうか。
マーレ:・・・見た事ある。
メガロ:人違いでは?私は初対面だ。
マーレ:ううん、この独特なフォトン・・・マキローナのお墓に向かった時にすれ違った人とそっくり!
エクト:っ・・・おい、んじゃあ待て。あの水棲族研究資料を研究部の端末から削除した改竄者って・・・!
メガロ:意思疎通が可能な原住民とは最低限の関わりは持っていた。頼み事に従ったまでだ・・・だが、その対象が今ここにいるとはな。
マーレ:マキローナの事、知ってるんだよね?
メガロ:・・・本当は、君に会わない事を願っていた。あの技術はウォパルという星から生まれるフォトンが無ければ生きていけないリスクを背負っていた。レガトゥスの欠点を背負わせるなど、あってはならないのだ。
マーレ:貴方にはいつか感謝したいってずっと思ってた・・・マキローナの話だって、沢山。
メガロ:・・・二人で話しておきたい。だから少し待って貰っても大丈夫かい?
マーレ:・・・うん!
ニル:良かったね、マーレ!
マーレ:本当に良かった・・・。
メガロ:そこの娘も、ハナの事を聞きたそうだな?
バク:な、なあその事なんだが。
メガロ:君の友達はここの住民同様、レガトゥスという原住民だ。コールドスリープしていた子達は力のある者に虐げられて各地へと散り散りになっている。その内のハナはラウムと仲良くしている様だが、それを君は知っているだろう。
ニル:勿論!ハナはここの子達と同じだったんだね~・・・良かったあ。怖いエネミーとおんなじじゃないって信じてたんだ、アタシ。
メガロ:・・・ああ、そうだな。
[亡月]:(エクトに向け「どうやら、上手く誤魔化した様だな。」とメッセージを送信しました。)
エクト:(亡月に向け「その様だな」と返信しました。)
メガロ:二人の疑問は少しは晴れた所で、お前達の質問に答えようか。
エクト:随分とご親切だな。中々ここまで答える奴は寧ろ怪しいと思っちまうな。
メガロ:アークスと言えど、私達を蹂躙する訳では無いだろう?別に拒絶する気は無い。
エクト:そうかい、んじゃあシステムガーディアンそれぞれの事を教えてくれ。俺達は今までルクス、エンティ、フール・・・そしてアンタと対峙した。だが詳しい情報なんざ全然掴めてねえってのが本音だ。
メガロ:では、第一節から説明した方が良いか?
エクト:ああ、頼む。
メガロ:長くなると思うが、覚悟して聞いてくれ。
まず第一節ルクス・アマルガム。0を司る規定守護獣だ。惑星ディスケィドに伝承される「信託の軍勢」を模したエネミー同然の存在だ。個にして群、群にして個という特徴を持ち、夥しい犠牲者達のフォトンが連なり、あの形となっている。統率者がいるが、アレも壊れてしまい、亡者の一角に過ぎない状態だ。ディスケィドの技術に関心を持ったオリュクスという研究者が起案し、生誕した。意思疎通は察しの通り無理だ。存在するだけで島の環境維持装置が稼働される、云わば機械の一部扱いと言うべきか。
第二節エンティ・アマルガム。1を司る規定守護獣。アルタロスの高密度な自然環境を維持させる事に従事している生命体群がヒントとなって生まれた人工生命体だ。循環システムの効率化だけではなく、フォトン生成技術も担ったり生命体内部に侵入し精神変性を行うといった能力を持つ。レガトゥスの精神治療にも役立っていたらしいが、デメリットとして精神脆弱を引き起こす事で悪循環が生まれ、彼なりに苦労した結果・・・お前達が対峙したから分かる筈だ。結局、自らも狂ってしまった。コラプサーがわざわざ手を下した理由は分からんが、お前達に自らを見せしめる為だったかもしれん。
第三節ルイン・アマルガム。2を司る規定守護獣。惑星パイロニアスに棲む獣鬼種の大陸支配者とも言わしめた原生生物だ。私と同じくこの島に収容され、フォトン適合の末に兵器改造を施された。私と違い、兵器特化を施された為か獰猛な怪物そのものだ。体内に炉心高炉を所持しているのは、多分この島に何らかの不都合が起きた際の自爆装置と言っても良い。アレを倒すならば、アレに匹敵する程の怪物を用意する事だな。勿論意思疎通は諦めろ。
第四節メガロ・アマルガム。3を司る・・・流れで分かる通り、私の事だ。生まれ故郷は・・・話せるほどの知能を持った頃、ダーカーによって滅んだと聞いた。ルインとは違い、人型形態を取らせる事に特化された。学習能力による機構島内部フォトンの活用概念の形成だと研究者は語っていた。未だにそれを理解しては無いが・・・結局、私は生き延びる事だけを考えて生きている。
第五節バラエナ・アマルガム。4を司る規定守護獣。惑星ルヴェリッサで確認されたクジラの様なエネミーだと聞いた。ルヴェリッサに設置された研究所を崩壊させた程だと聞いた事がある。この島では奴の強靭性を活用しようと島と一体化させたと聞いた。時々感じる地響き、轟々しい呼吸音は多分ソイツのものだろう。
第六節フール・アマルガム。5を司る規定守護獣。惑星ユールドゥルムの核棲神にして古代機構を束ねる、数少ない「話せる」バケモノだ。奴の性格上、協力するか否かは気紛れそのもので、この島が浮上した事にも関心を持たなかった。だが故郷の技術はアークスに匹敵する程か、モニター越しにアークスの動きを眺めていたり、そちらの所有する兵器を模した機械を製造したりしている。気紛れの一部であるが、それで何をしでかすが解らない。協力しているとは断言できない奴だ。たまに別エリアに顔を出す事がある。原生民達も彼女には親しみを持っている。
第七節ベラドンナ・アマルガム。6を司る規定守護獣。惑星リクジニアで伝承される「朽果ての魔女」を模していると聞いた。フォトンを使って思い描いたように力を放出させる事ができ、魔法と呼ばれる・・・云わばテクニックか、それを威力も規模も関係なく自由自在に放つ事が出来るらしい。リスクも背負わず・・・私やフールもソイツを恐れている。今は眠りに付いているらしいが、目覚めた際には確実に島の半分を破壊される危険性がある。多分コラプサーも排除しようと動くだろう。
第八節ギズモ・アマルガム。7を司る規定守護獣。これはAIに直結されており、分かりやすく言えば「AIが造ったプログラムの擬人化」だろう。加えて奴はルクスやエンティの様に群として増殖する事が可能で、自己増殖及びナノマシン技術を活用されている。意思疎通は可能だが・・・それが昨日話していた奴と同一人物とは言い切れない。結局のところ、機械に組み込まれたデータに過ぎない。
第九節は・・・この島のAI「島内管理システム MER-13e11」。これに関しては・・・いや、止めておこう。私はこのAIの管理下におかれている為か、詳細を話す事が出来ない様にされている。どの様な仕組みかさえも、知る事叶わずだ。
以上がこの島に存在するシステムだ。
エクト:・・・それで全部か。どうだナキさん?
亡月:ああ、どいつも厄介な存在である事は変わりなしだな。
メガロ:ルクスは今も何処かに彷徨っているだろう。お前達を執拗に監視しているとも感じる。
バク:あんだけ戦ったしな。恨み言も言われちまったしよ。
エクト:しっかし、あいつを倒すには色々と時間が掛かりそうだ。
メガロ:あのような状態だが、絶対死とさせるならば全ての生成核を停止させなければならない。アレも奴の心臓部に等しく、複製も不可能な代物だ。生成核自体も数は限られている筈だ。
マーレ:沢山の人達の辛い思いを感じ取ったのだけど、助けるのは難しいんだよね・・・。
ホムンクルス:あの状態じゃあ、もう手遅れなのかな。
メガロ:あいつを救う方法は、終わらせる事以外に方法は無い。何せ、合成に合成を重ねている。
エクト:割り切るってのは難しいが、これも島を止める為だな。
メガロ:この島を止める、どうにかしようとする事自体は私達も既に知っている。しかし、この島は生きている。バラエナがそうしている訳ではない。アレは一部に過ぎんからな。その真相にたどり着くまで、難航を辿る事は覚悟した方が良い。
[亡月]:既にそんな事は分かっている所だ。何せ私達のボスが軟禁状態だからな。
ニル:ヘリックさんクビじゃないよね・・・?
ホムンクルス:謹慎だから少ししたら復帰すると思うよ。
エクト:上層部だか解らんが、内部に何かいる可能性は高いと思う。ま、俺達は俺達で調べるしかねえ。なぁアンタに質問だけどよ、俺達はシステムガーディアンと戦っちまってるけど、それに関しては問題はある筈だよな?
メガロ:既に狂ってしまった者が元通りになる事に期待はしていない。そもそもマトモに関わっていた者は限られていた上、私達規定守護獣はあくまで島のエネルギーを供給され、生き永らえてきただけだ。もし島が消え失せたとて、本来の寿命を辿るか死に絶えるか。私は特に構わんがな、あの子達は違う。
ニル:それ、アタシも思ってる。ハナとかここの子達とかさ、勝手に改造されてずっと閉じ込められてるんだよね?そんなの酷過ぎだよ!それなら絶対助けられる方法を選びたい!
メガロ:その方針に決めるのは、リーダーの様な立場の者であろうな。私としても、それが理想だ。
ニル:エクト!この島の子達を助けるよ!ハナをいじめてる奴だって、おかしくなってるって事は勿論分かってるよ!
エクト:分かった分かった!胸倉掴むなって!
[亡月]:大体は分かったな、それで先程出た気掛かり名前を聞こうか。「島内管理システム MER-13e11」についてだ。これに関しては端末データで情報を手に入れる事が出来た。しかし、全貌が解らないというより掴めない状況だ。一体何者なんだ?
メガロ:「監視者」であり、「マザーブレイン」と言った方が解りやすいか。例えるならばシステムガーディアンはアレの眷属の様なものだ。だからと言って奴に指示されている訳ではないがな。一部感覚を共有している為、それぞれの規定守護獣の動向を感じ取る事が可能となっている。流石に気が滅入る機能だがな。
エクト:どこに設置されているのかとかはわかるのか?
メガロ:巨大樹メタリーエルスに設置されているとは記録されていたが、その記録はデタラメの様だった。結局、私自身探してみたが見つける事は叶わずだ。唯一、ラウムは知っている可能性はあるらしいが決して口を開く事は無かった。
バク:頑なに言わねえんだな。コラプサーの事、ぶっ潰してえ筈なのに。
メガロ:島の一部である私に対しては、不信感があるのだろうな。
[亡月]:結局、ラウムや龍機兵に関した情報が無い状況では考察も出来ん。状況が解るか新たな資料を手に入れるか、要調査だな。ここでの研究は結局のところ、一体何なんだ?ダーカーに対抗する為の生命体を造り出すだけではなさそうで、他の星の文化さえも保存しているから意図を掴めん。
メガロ:それぞれの惑星にしか無い特異性を引き出し、新たな技術へと貢献する為と語っていた。元々、実験施設として使われていた惑星ウォパルだがこの陸地のない大海の領域をフォトナー達は何かに活用したいと考えていた。その為、様々な研究材料を終結させた巨大実験施設を構築させたという訳だ。居住区はフォトナー達が寝泊まりする為にあっただろう。この島で発案された一つ一つの技術は現代に通ずるものが少なからず存在する。
[亡月]:アークスシップ内部の開発技術の急激な進歩も、そのセンもあったと言うべきか。結局、都合の悪い部分はひた隠しとはな。
バク:ああ、公表されたらまずい内容だってある筈だからな。
エクト:なぁ、ここで働いていたフォトナーもとい研究者達はどうなった?
メガロ:ああ、規模までは覚えていないが多くはいた。しかし、時代の流れにつれマザーシップと同化する事を選び・・・数は減っていった。数少ないフォトナー達は言わば「現存したかったフォトナー」だった。現状を見れば察するだろう。私の覚えているフォトナー・・・オリュクスは忽然と消えた。ランダルも部屋に閉じこもったと思いきや、システムの一部として消失した。グレンヴィル・・・都市名にもなった程の彼は、未だに彷徨っているのだろう?
マーレ:・・・。
メガロ:当時の彼はもう存在しない。あるのはアークスになり損ねた亡者だ。
ホムンクルス:敵の数、脅威は計り知れない状況だね。
エクト:ああ、困ったもんだ。知ってる奴ってそんなもんなのか?
メガロ:私が物心つく頃から少人数しかいなかった。その状況で、何を望んでいたのかも分からず経過した。
[亡月]:あまり期待できんな。それにしても、各エリアを構築したのは別に文化保存って訳では無い事は分かった。だが、第三下層やそれ以降になれば何かがある様に思うのだが、そこはどうなんだ?
メガロ:第三下層部は生きれる生物を選ぶ場所だ。元々そんな生物達の為に存在するエリアだ。更なる下層部は誰も立ち寄れぬ禁忌区域。興味本位で行ったとしても止める事も無いし、保証なんて一切しないぞ。
エクト:・・・未知の領域か。これならフールも知らなさそうだな。
メガロ:それは知らん。アイツは敢えてはぐらかす癖がある。
エクト:ナキさんあと聞きたい事あるか?
[亡月]:私はとりあえずここらへんで大丈夫だ。
エクト:じゃあ俺から質問、コラプサーや他に現存するフォトナーってのは分かってるか?
メガロ:模倣者も含めてか?
エクト:ああ。
メガロ:残念ながら、コラプサー以外のフォトナーは現存しない事はハッキリとしている。過去に私が知っているフォトナーでさえもあの有様だった。ああ・・・現存していたと言えばその通りだ・・・素材としてな。
マーレ:ひどい・・・。
ホムンクルス:創世器って訳か。
メガロ:創世器だったらまだ幸せだったろう、素材というのはコラプサーの装備の一部として分解・改造・合成を施された。
エクト:余計太刀がワリィな・・・。
メガロ:英雄として名を挙げられなかった者達の定めと云うものだ。あと聞く事は?
エクト:いや・・・あとは大丈夫と思う。
メガロ:そうか、私は暫くここに滞在している。何せコラプサーが活動を始めたからな。シップへの遠征も難しい状況だからな。
マーレ:あ、あの!私から質問いい?
メガロ:ん?ん?話なら後でと
マーレ:それとは別で、メガロさんはどうして規定守護獣さんなのに、この星から出られるのかなって・・・。
メガロ:ああ、そうだな・・・君と同じ、と言えば解るだろう?
マーレ:ッ・・・私と、同じ。
メガロ:この娘と話をしている。お前達はここで隙にしていればいいさ。
ニル:んー、じゃあみんなの話を聞いてくるかな。
エクト:ああ、外で三人居て貰ってたからな。
バク:また高い高い要求されそうだなあ・・・。
(一同はマーレを残し、ヴァレラニ宅を後にしました。)
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