ザトーは単身にて情報部支部の内部へと潜入。ザトーは現地情報部の使用していた衣類を着用し、現地職員に扮して端末操作を施行しました。前もって職員のID等を確保しており、またハッキングによるID認証改竄を行う事で容易にアクセスする事を可能としました。資料管理室にてザトーは現地のみに存在するデータの収集及び有力情報の抽出を実施中です。
ザトー:夜刀さん、聞こえます?
[ヤトノ]:どうだったか?
ザトー:やはり・・・ヴァミート研究機関が保持していたデータがそのまましっかりと管理されていた。これは以前の殲滅作戦で確認出来なかった内容だと思う・・・。それにこれは・・・イミテータープラン?それにアルターズ、「合理者」再現計画・・・何で、繋がりが全く見えないです。
[ヤトノ]:それぞれ敵性組織が保持していた研究内容だ。ヴァミートならやり兼ねん。しかしそれらは。
ザトー:ええ、言いたい事が解ります。何故その研究が秘密裏に管理されているのか。ですよね?
[ヤトノ]その通りだ。
(ハッチが開く音がし、ザトーは不意にデータを閉じ、関係のないページを開示しました。)
職員1:ん?見ない顔だな。別のシップから来た職員か?
ザトー:ええ、急遽こちらに赴く様にと指示を受けまして。それで端末にて情報整理を頼まれてたんです。艦橋管理者に確認依頼も申請しなければならなくて・・・。
職員1:ふむ、そうか。それはご苦労だった。
(職員はその場から離れ、ザトーは一安心し再び端末にアクセスを開始した所、職員はザトーへ銃口を向けました。)
職員1:私はここの資料管理室の責任者だ。私の許可無しでアクセスする者は誰一人としていない筈だ。
ザトー:ははーん、そうなんすか・・・。
職員1:目的は何だ?
ザトー:・・・ヴァミート研究機関の事について、何か知ってる?
職員1:知らん。そんな事はどうでもいい、早急に貴様を捕縛し・・・
ザトー:ああ、そうですか。それじゃあ・・・サイナラ!!!!!
(ザトーは瞬時にしゃがみ込む態勢を取ると、低空状態のまま職員1の下腹部へと飛び蹴りを仕掛けました。)
職員1:ぐあぁ・・・・っ!!????
(職員1は吹き飛ばされ、ハッチ付近の端末へと激突し端末が大破。これに伴い警報が鳴り響きます。)
ザトー:やっば・・・!気絶だけさせようとしたのになぁ。
[ヤトノ]:今私は会議室にて待機している。端末にハッキングし施設全体をシャットダウンさせるまで何としても逃げろ。いいな?
ザトー:やっぱこうなりますよね!
(5、6名のアークスがザトーの前に立ちはだかりました。ザトーは戦闘を回避する為、壁面に設置したフォトン爆弾にて破壊し各部屋、ゲートを介して撹乱可能なルートを探しながら逃避していきます。)
ザトー:夜刀さん、このまま逃げてれば本当に大丈夫なんですか!
[ヤトノ]:そろそろ夜間監視スコープに切り替え。3,2,1・・・。
(施設全体がシャットダウン。ザトーは専用スコープにて照明手段を扱う職員をよそに、施設から脱出しました。)
(ザトー、ヤトノは屋外へと脱出完了。そのまま街中へと紛れ込む事を企てましたが、強い殺気を感じ踏み留まりました。)
ザトー:・・・夜刀さん、これって。
ヤトノ:ああ、まさか奴から来るとはな。だがあれは、会話は出来んだろう。
(施設の玄関らしき場所より突如としてゲートが斬り裂かれ、建造物が次々と崩れ落ちていきます。その崩落の中、忽然とフルフェイスマスクの和服男が接近しています。)
ヤトノ:ビックリップか・・・。気を付けろ、アイツも模倣者だ。
ザトー:戦いたくない敵ですね。応援は?
ヤトノ:三人は今現場に急行している。どうにか持たせるしかない。
ビックリップ:・・・えく、と・・・は・・・?
ザトー:彼ならここにいないさ。無駄足だったな。
ビックリップ:むだ・・・あし?ちが、う・・・つご、うが・・・よい。
ザトー:どういう意味だ?
(突如として、情報部支部が大爆発し、火の海に包まれていきます。その爆発は幾多と繰り返しており、ビル様の建造物は完全に倒壊されました。)
ヤトノ:大丈夫か!?
ザトー:わ、私は・・・でも・・・!あの中に多くの職員がいた筈なのに・・・。
ビックリップ:ここ、ヴぁみ・・・のじょーほー、かくした。あのかた、かなしんで・・・た。
ヤトノ:只の命令に忠実な人形という事だな。
(大火災が生じている中、他3名も合流。計5名はビックリップと対峙します。)
ビックリップ:こ、ころすの、か・・・?こま、る。
(ビックリップは歪な形をした抜剣を取り出します。)
ザトー:あれは・・・邪魂カルマですよね?変形機構武器の廃棄指定物。
ヴィズ:へえ、ソイツでアタシ達を屠ろうってワケね。
ストレイト:・・・また、多くの犠牲を。どうしてこんな簡単に・・・!
ヤトノ:抑えろ、今はアイツを確実に仕留める事を考えろ。
(ヤトノは外骨格装甲[ルベル・ヘリファルコ-Y4]を起動。一同も戦闘態勢を整えました。)
ヤトノ:奴の武器は変形し相手の隙を狙う事に特化している。隙を見せるな!
アージェンタム:はい!では、確実に!
(アージェンタムは装填済のウィークバレットを放ちますが、ビックリップは容易に回避し、アージェンタムに向け急接近を仕掛けます。)
ザトー:させるか!
(ザトーはビックリップと剣撃を交わし、幾多と火花を散らします。)
ザトー:まるで・・・掴みどころが無いな・・・!
ストレイト:・・・っ!!!
(ストレイトはビックリップの右腹部に目掛けて抜剣を振るいました。ビックリップは回避し切れず腹部を斬り裂かれました。)
ストレイト:お前は・・・ここで、倒す!
ザトー:状況が状況だけど、今はとにかく短期決戦だ!
(ザトー、ストレイトは高速で抜刀術を繰り広げますがビックリップは武装変形させ、鎖仕込み型薙刀にて全ての攻撃を弾き返しました。)
ストレイト:そんな攻撃!
(ストレイトは急所を狙い刺突を行いますが、ビックリップはそれを寸での所で回避し、ストレイトに薙刀を振るい下げましたがヤトノに引っ張られた事で回避されました。)
ヴィズ:二型、紅蓮・・・隙ありよッ!!!!
(身体強化を施したヴィズはビックリップに向けて正拳突きを激突させました。これによりビックリップは吹き飛ばされ、その場にて倒れ込みます。)
ヤトノ:白鬼!
アージェンタム:喰らえ・・・!
(アージェンタムはランチャーにてフォトンアーツを炸裂し、ビックリップ目掛けて大爆発を引き起こしました。)
ヤトノ:そのまま警戒しろ。これで死ぬようなヤワじゃない。
(ヤトノの忠告通り、ビックリップは多少の傷を受けましたが物怖じせず、一同に歩み寄っています。)
ストレイト:どうして・・・どうして死なないんだ・・・?急速な再生?それともフォトンによるバリア?それとも外部フォトンの取り込みによる急速変異?こんな奴・・・!
ヤトノ:陣形を維持して戦え!気を抜くな!
(メンバーは総攻撃を繰り広げ、猛攻を維持しながらビックリップの隙を突く様に連携を取っていきました。)
(ビックリップは一同の猛攻を受け流し、無傷の状態を維持していきました。まるでこちらの戦闘力を計っているかのように積極的な攻撃を行わずにいました。)
ヤトノ:やはりな・・・。
ヴィズ:ええ、やっぱりこいつ・・・観察している。
アージェンタム:これは流石に相手が悪いですね・・・!
(アージェンタムによる射撃もビックリップは容易に回避し、そのままアージェンタムに向かい薙刀に仕込まれた鎖鎌を射出しました。)
アージェンタム:やばっ・・・!
ストレイト:させないっ・・・。
(ストレイトはアージェンタムを庇い、鎖により捕縛され身動きの出来ない状態となりました。)
ストレイト:あぐっ・・・!?
ヴィズ:こんのっ・・・。
(ヴィズはビックリップに向かい体術にて連撃を行いますが、薙刀にて舞う様に振り、迂闊に接近出来ない様に立ち回ります。)
ヴィズ:厄介・・・!
(ザトー、ヤトノによる不意打ちもジャンプにて回避し、そのままストレイトに急接近し薙刀を振り下ろしました。)
アージェンタム:遠雷さっ・・・!!
ストレイト:大丈夫、私は簡単には、死ねな・・・っ
(ヤトノはストレイトを突き飛ばし、ビックリップの攻撃を受け止めました。しかし完全に受け止め切れず胸部を斬り裂かれました。)
ヤトノ:ぐっ・・・!!!!
ストレイト:ヤトノさっ・・・!
ザトー:白鬼君治療をお願い!!!
アージェンタム:はい!
(ザトーはビックリップと剣撃を繰り出し、ヴィズも背後を取るように攻撃をしかけます。)
ストレイト:ごめんなさい・・・ごめんなさい!私の所為で・・・本当は私・・・っ
ヤトノ:言い訳は後でいくらでも聞く、戦え。いいか?一言も大丈夫等と腑抜けた言葉を軽々しく使うな。根拠もない行動を取るくらいだったらさっさと死んだ方が良い。それが嫌なら確実に任務を全うしろ、これ以上犠牲を生みたくなければ、確実にやり遂げて見せろ!
ストレイト:っ・・・分かりました。
(ビックリップは抜剣に切り替え、周囲フォトンを吸収しながら二人を抑え込みます。)
ヴィズ:何よアレ、反則じゃない!?
ザトー:同感!無理だよあんなの!
(ストレイトはビックリップの右手を狙い、攻撃を仕掛けました。ビックリップは寸での所で回避し、後退し態勢を整えます。)
ストレイト:相手はあの武器に頼り切っている面があります、また不死身に見えますが、所詮はフォトナーです。何か弱点がある筈なんです・・・それは、その・・・。
ヴィズ:ええ、言いたい事は分かってるわよ。腕狙うわよ!
ザトー:右手だね。。。よし、行こうか!
(ザトーは真正面よりビックリップと対峙、剣を交えて動きを封じるかのように押し込みます。)
ザトー:今だ!
(ストレイトは横から居合斬りを仕掛け、ビックリップは回避しようとしますが、完全に無防備な状況となりました。)
ヴィズ:腕も良いけど・・・脳天ブチまかすわよ!
(追い込んだ状況でヴィズはビックリップの顔面目掛けて正拳突きを繰り出しました。これによりビックリップは強く吹き飛ばされました。)
ザトー:今のは痛いな。
ストレイト:中々いたそうでしたね・・・。
(ビックリップはその場にてまた立ち上がりましたが、ビックリップのフルフェイスマスクは破壊され、素顔が見える状態でした。)
ストレイト:っ・・・!な・・・。
アージェンタム:あ、あれは・・・。
ヴィズ:なぁるほど・・・そういう事ね。
ザトー:発声機能の異常と思っていたけど、それなら。
(ビックリップの素顔は青年と少女の顔面をツギハギに接合された様な外見をしており、その目の焦点は全く合っていませんでした。)
ヤトノ:・・・フォトン強制合成による「造り物ハイブリット」か。
ビックリップ:ぁ・・・か、お・・・かおが・・・かおがかおがかおが・・・!!!だ、めだだめだだめだだめだ・・・・ああああっぁ・・あああああああああ。
(ビックリップはその場より颯爽と去っていき、現場には消火活動に逆らうかのように燃え盛る崩壊ビルのみでした。)
ザトー:これで、残された資料はもう抜き取れなくなりましたね。
アージェンタム:でも、こちらでいくらか情報は得ました。一旦帰りましょう。ヤトノさんの傷が心配です。
ヤトノ:・・・皆、ご苦労だった。その情報を解析させてもらう。しかし・・・模倣者の事を知る程、我々が固執していた要点が見えてくる可能性がある。
ザトー:ほんとう嫌な話ですよね。切り捨てたい内容ばかりで。
ヴィズ:まぁとりあえず、帰って休みましょう。
ヤトノ:では今作戦を終了とする。各自帰還とする。
一同:了解。
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