へ:【黒衣】活動報告-③「朽ちる心臓事件」潜入

へ:【黒衣】活動報告-③「朽ちる心臓事件」潜入

オペレーター:ヤトノ(緊急事態に応じ現地赴任)
現地諜報部:ザトー、ヴィズ、アージェンタム、ストレイト

任務概要:
A.P.235/01/27に発生した「朽ちる心臓事件」とほぼ同様の事件がA.P.240/03/15に確認された。これについては情報部にて敵性組織を疑ったが、結局未解決事件として捜査は凍結状態となっていた。

事件の経過

A.P.235/01/27、[アンスール]市街地水上区にて貨物移送を担っている作業員が、水面に漂っていた黒いプラスティック製のバッグを発見した。中身を調べると人間の下半身や脚の一部が詰められていた。警部関係者による水中探索を開始、港とその周辺の海中を徹底して捜索、2/3までに約3.5km離れた海底位置から同じくバッグに詰められていた頭部や腕の部分も発見したことで全体が揃った。警部からヒューマン系と見られる遺体の歯形や血液型などの特徴を情報部を通じて各区画に手配すると、同年6月に情報部外部組織対策班が遺体とよく似た特徴を持った女性を見出した。現地から取り寄せた指紋をその女性のものと照合した結果一致したために、急遽情報部も捜査に協力することになったのである。女性は当時、市街地中央地区に居住していた25歳の女性民間人で、当時研究部にて募集されていた「フォトン数値変動治験ツアー」に参加して事件に巻き込まれた。
被害者の参加したフォトン数値変動治験ツアーとは、研究部管理官(当時)のオルコス・マーグリ氏が総企画し、アークスの適性の無い民間人がある程度のフォトンを有する事で、最低限のフォトンバリアを構築する為に必要なフォトン量を確保する事を目的とし、某製薬会社と連携し、最終的にアトマイザー式薬物として販売する為の治験として募集したものであった。
参加者は全員で37名。いずれも特に体調変化も無く治験は終了していたとの事。
しかし捜査を進めると、その内4名が謎の失踪を遂げていた事が判明した。
7/9、オルコス氏の自宅より異臭がするとの報告を確認、警部により訪問するとリビングでオルコス氏の遺体を発見した。損傷は酷く、心臓部の周辺組織がくり抜かれており、心臓が露出している状態であったが心臓自体腐食していた。
調べると、何故か心臓のみが薬物による腐食が施されていた。
また自宅を調べた結果、行方不明であった4名の冷凍保存されていた遺体を発見。いずれも心臓のみが腐食していた。
オルコス氏は当時、研究部関連の不祥事により辞職したばかりだった。

変動治験の背景

変動治験自体は高額な報酬を出され、尚且つ治験参加者達のアフターケアが良心的であった事から評判自体は良かった。
しかし、フォトン変動システムのコストが高額である事から総務部より規制が為されてしまった経緯がある。

近況

この事件は一時期メディアにおいて不可解な未解決事件としてオカルトとして話題となった。その後、無法地帯として有名な55番艦[エーギル]に調査に赴いていたフアンが当事件と同様の遺体を確認した。更なる調査を行ったが、その者はオルコス氏の直属の部下だった事が判明。先日にエーギルへ移転したばかりである事が解り、彼自身は[アンスール]研究部本部にて従事していたという。
当人の名はリュカオ・エリノス。85番艦[グリトニル]出身でもある。

※リュカオ・エリノス
種族:ヒューマン(当時)
年齢:推定30代
Dr.オルコス氏の直属の部下だった人物。
彼に関した詳細情報などは意図的に削除されている事から、今事件での重要人物として注目されていた。フアンがエーギルの調査時に発見するまで行方不明扱いとなっていた。

任務状況記録
日時:A.P.240/10/23
+ 本部:第7会議室-現場確認及びリュカオ氏居住周囲地区確認
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現場には上記のメンバー一同が集い、今作戦の内容について検討を兼ねて調査対象地区の状況についてミーティングを実施しています。

  • 09:34(【エーギル】-ロビーエリア)

ザトー:あのー、単刀直入に言いますけど・・・この事件と私達の任務にどういった関係が?

ヤトノ:それは順を追って説明する。まずリュカオという人物の人事ファイル自体抹消されており、消された時期は明確には言えんがヴォイド解体時期と近い事は判明している。そして彼と当時親しかった人物がいたが、とある研究機関に所属していたらしい。斑鳩と黒狗、まずお前が潰した研究機関の人物だ。

ザトー:ええ・・・嫌なとこで世間が狭いなあ。

ヴィズ:その黒狗ちゃんは今回欠席なの?

ヤトノ:ああ、元々所属しているチームでの仕事があるからな。今回は不参加だ。

アージェンタム:ヴァミート研究機関ですか、しかし残党も居なかったのでは?

ヤトノ:実は残党は少なからず存在していた。だが、私達が介入する時既に全滅していた。それも研究機関を解体させて半月後の事だ。

ストレイト:情報隠蔽の為に情報部が実施したんじゃなかったんですか?

ヤトノ:そう噂する者も少なくはなかった。その為カバーストーリーはある程度用意させて貰った。その中で唯一行方不明扱いだった人物がいたのだが、ソイツはマルクドと言う名の人物で・・・何せ「コラプサー崇拝者」だったらしい。

(ヤトノの発した一言で一同は沈黙します。)

ヤトノ:・・・やはり、嫌な予感はしたな。

ザトー:まさか、ソイツが模倣者になったなんて言いませんよね?

ヤトノ:だとしたら、どうする?

ヴィズ:最悪じゃない。現にソイツはどっかにいるって事でしょ?

アージェンタム:マルクドという人物の人事データはもしかして無いのですか?

ヤトノ:案の定そうだ。以前の任務で遭遇した模倣者がそうなったという可能性がある。

ストレイト:・・・許せない、民間の人達も巻き込んで。

ザトー:私情は抜きでやった方が良いよ。今後支障に来すから。

ストレイト:分かってます・・・でも、こんな残酷な事をして一体何の意味があるんですか!?

ヤトノ:無い。

ヴィズ:って、言い切っちゃうのね。

ヤトノ:実験が為にわざわざ民間人を使った上に、その内数名を拉致したのか分からないが殺害するこの手間自体に全くと言っていい程、無意味で非効率だ。身内や知り合いが殺されたなら感情的になるのも仕方ないとする。だが今、お前は何処に所属している?

ストレイト:・・・こ、黒衣・・・です。

ヤトノ:課せられた任務だけに集中しろ。他人に対して思いを募るのは自由だが、それで仲間に迷惑を掛けるのはやめろ。

アージェンタム:ヤ、夜刀さんそれくらいで大丈夫と思いますから。

ヴィズ:いいえ、白鬼君はちょっと優しすぎるわよ。過大な正義感は身を滅ぼすだけだからね。

ストレイト:分かりました・・・すみません、少し熱くなってしまいました!

ヤトノ:・・・では概要は分かったな?任務について説明をしよう。まずこのメンバーでエーギルへ潜入し、事件現場の調査に赴く事。どうやら、現地の情報部は我々を信用していないようでね。想像は付くが。そこで有力な情報を引き出していく事。以上だ。
+ 【エーギル】市街地区-リュカオ・オルコス宅
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一同は現場へと到達。リュカオ宅は調査の為、閉鎖中となっていました。
その為情報部の調査員として扮装した三名による調査を開始。ヤトノは外部組織対策班として現場情報と交渉を実施する為本部へと赴任。
ザトーは本部の各職員より有力情報は無いか単独潜入を実施しています。

情報部外部組織対策班として潜入:ヤトノ
扮装者:ストレイト、ヴィズ、アージェンタム
情報聴取者:ザトー

  • 11:46(リュカオ・オルコス宅)

(扮装し、現場にて調査を続けている三名。内部は散乱しておらず、神経質な性格だった為か規律よく物品が整理されていました。書類関係は既に回収されていたのか、本部に保管されている事はヤトノより通告されました。)

ヴィズ:夜刀さん聞こえる?見ているけど、もぬけの殻って感じよ。

アージェンタム:敵性組織に所属していたとなれば、多分何かしら隠してそうなんですけどね。書類関係には只の研究員だった事しか分からない様な都合の良い内容しか書いてませんし。

[ヤトノ]:やはり、な。そこで亡月の探査機を使用して見てくれ。

ヴィズ:ああ、このお借りしてるって奴ね・・・ホイっと。

(起動すると探査機は展開し、施設内部を3Dホログラムにて可視化。内部の設備状況を確認する事が出来ます。)

ストレイト:・・・あれ?ここって入る為のゲートみたいなのも無かったですよね?

ヴィズ:ははーん、なるほど。

アージェンタム:行ってみる価値はありそうですね。

[ヤトノ]:隠し扉があるかもしれん。なるべく壊さずに行けよ。

ヴィズ:私達の事信頼してよ夜刀さん・・・って言っても仕方ないわね。

[ヤトノ]:別に問題児扱いはしていない。念の為だ。

(端末機の裏に迷彩効果による不可視化を施されたゲートを発見。端末にアクセスするとパスワードを要求されました。)

アージェンタム:・・・ふむ。

[ヤトノ]:アクセスコードは多分「CORRUPT」だ。

ヴィズ:やだ・・・本当に開いた。何で知っていたの?

[ヤトノ]:コラプサー崇拝者が共通して使用していたパスワードだ。いずれ同格者として人格変性する為か統一化を施しているらしい。

アージェンタム:な、なるほど。

  • 12:15
(三名は物色した結果、リビングにある本棚を動かし小さい隠しゲートを発見。内部へと侵入すると小型端末が3つ設置されており、それぞれ調べると各市街地区の治験ツアー参加者の詳細情報がまとめられたリストや「合理者」についてのレポート、「カシュマドーリス崇拝譚」の本書が確認されました。)

ヴィズ:これって・・・機構島の廃棄生物監視エリアのアレじゃない?

[ヤトノ]:やはり関与していたか。

アージェンタム:これは「卵の片鍵適合実験ファイル」と書かれています・・・内容は、今から送ります。

ストレイト:片鍵の適合・・・治験による人選・・・拒絶反応として急速な局所細胞死・・・反応としては心臓部のみ・・・?

ヴィズ:ああ、それで心臓だけが腐り溶けたって訳ね。

アージェンタム:治験による人選したメンバーは全て不適合で終了した、と書かれていま・・・いえ、一人だけ適合者がいたらしいです。

[ヤトノ]:それは誰だ?

アージェンタム:・・・リュカオ・エリノスの娘であるリリー・エリノスです。しかし彼女は、イミテーション・プランの被験者です。

ヴィズ:模倣計画・・・ってもう破棄された代物でしょ!?ヴァミート研究機関も関連してたってワケ?

[ヤトノ]:あの連中は様々な研究を引用し新たな実験物を生み出すような太刀の悪い連中だ。現に残存資料から模倣計画を活用した実験は行っていた。

ヴィズ:・・・これ、家族の写真ね。奥さんがいたって話も無さそうだし穏やかな父子家庭って所かしら。

アージェンタム:何かメモみたいのがありました・・・ええと、「私は嵌められた。唯一の家族も奪われ、もう私の娘じゃなくなった。どうかフォトナーを」・・・ここまでしか書いてません。

ヴィズ:成程、弱みを握られていたのかしらね。

[ヤトノ]:意図的に情報を消されているのも、元より使い捨てのつもりだったのだろうな。

ストレイト:・・・何だよそれ。

アージェンタム:遠雷ちゃん?

ストレイト:散々、民間人を材料にしていた癖に・・・自らの身内は特別って事なの・・・?身勝手だ・・・!ふざけるな・・・ふざけるな!

ヴィズ:その手、いい加減離しなさい。証拠品や参考物を壊されちゃ困るんですけど?

(ヴィズが硬く掴みかかったストレイトの右手を注視すると、ひび割れた写真立てのガラス破片が散り散りに落ちています。)

アージェンタム:一旦、それを置いて。犯罪者は確かに許せない、でもその元凶を叩かなければ犠牲者はまた出てしまうから。ここで感情を爆発したって意味が無いよ。

[ヤトノ]:・・・ハァ、掛ける言葉も今は無い。頭を冷やせ。

ストレイト:すみません・・・、一人にさせて貰ってもいいですか?

[ヤトノ]:ああ。戻る時は伝えろ。

ストレイト:了解です。

(ストレイトは隠し部屋から退室し、一人で待機状態になりました。)

ヴィズ:・・・もう限界かしらね、あの娘。

アージェンタム:彼女の記録は拝見した事がありましたが、流石に不向きなのではと。

[ヤトノ]:経験で言えばお前達よりは上の筈だがな。ただ討伐対象の相手をしてくれれば良い。

ヴィズ:ってまるでアタシ達の事を傭兵どころか道具だと思ってない?

[ヤトノ]:・・・何故私が非正規アークスだけを絞ってこの部隊を結成させたか分かっているな?

ヴィズ:まぁ、そうでしょうね。勿論知ってて聞いちゃった。そんじゃ引き続き調べてみるからね。

アージェンタム:書類は随時送りますので。ただ、有力な情報は殆ど抹消されてそうですけどね・・・。

[ヤトノ]:予想の範囲内だ。斑鳩と通信を取る。何かあったら教えてくれ。
+ 【エーギル】情報部支部-情報収集
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ザトーは単身にて情報部支部の内部へと潜入。ザトーは現地情報部の使用していた衣類を着用し、現地職員に扮して端末操作を施行しました。前もって職員のID等を確保しており、またハッキングによるID認証改竄を行う事で容易にアクセスする事を可能としました。資料管理室にてザトーは現地のみに存在するデータの収集及び有力情報の抽出を実施中です。

  • 12:38(資料管理室端末前)

ザトー:夜刀さん、聞こえます?

[ヤトノ]:どうだったか?

ザトー:やはり・・・ヴァミート研究機関が保持していたデータがそのまましっかりと管理されていた。これは以前の殲滅作戦で確認出来なかった内容だと思う・・・。それにこれは・・・イミテータープラン?それにアルターズ、「合理者」再現計画・・・何で、繋がりが全く見えないです。

[ヤトノ]:それぞれ敵性組織が保持していた研究内容だ。ヴァミートならやり兼ねん。しかしそれらは。

ザトー:ええ、言いたい事が解ります。何故その研究が秘密裏に管理されているのか。ですよね?

[ヤトノ]その通りだ。

(ハッチが開く音がし、ザトーは不意にデータを閉じ、関係のないページを開示しました。)

職員1:ん?見ない顔だな。別のシップから来た職員か?

ザトー:ええ、急遽こちらに赴く様にと指示を受けまして。それで端末にて情報整理を頼まれてたんです。艦橋管理者に確認依頼も申請しなければならなくて・・・。

職員1:ふむ、そうか。それはご苦労だった。

(職員はその場から離れ、ザトーは一安心し再び端末にアクセスを開始した所、職員はザトーへ銃口を向けました。)

職員1:私はここの資料管理室の責任者だ。私の許可無しでアクセスする者は誰一人としていない筈だ。

ザトー:ははーん、そうなんすか・・・。

職員1:目的は何だ?

ザトー:・・・ヴァミート研究機関の事について、何か知ってる?

職員1:知らん。そんな事はどうでもいい、早急に貴様を捕縛し・・・

ザトー:ああ、そうですか。それじゃあ・・・サイナラ!!!!!

(ザトーは瞬時にしゃがみ込む態勢を取ると、低空状態のまま職員1の下腹部へと飛び蹴りを仕掛けました。)

職員1:ぐあぁ・・・・っ!!????

(職員1は吹き飛ばされ、ハッチ付近の端末へと激突し端末が大破。これに伴い警報が鳴り響きます。)

ザトー:やっば・・・!気絶だけさせようとしたのになぁ。

[ヤトノ]:今私は会議室にて待機している。端末にハッキングし施設全体をシャットダウンさせるまで何としても逃げろ。いいな?

ザトー:やっぱこうなりますよね!

(5、6名のアークスがザトーの前に立ちはだかりました。ザトーは戦闘を回避する為、壁面に設置したフォトン爆弾にて破壊し各部屋、ゲートを介して撹乱可能なルートを探しながら逃避していきます。)

  • 13:03

ザトー:夜刀さん、このまま逃げてれば本当に大丈夫なんですか!

[ヤトノ]:そろそろ夜間監視スコープに切り替え。3,2,1・・・。

(施設全体がシャットダウン。ザトーは専用スコープにて照明手段を扱う職員をよそに、施設から脱出しました。)

  • 13:19(情報部支部前)

(ザトー、ヤトノは屋外へと脱出完了。そのまま街中へと紛れ込む事を企てましたが、強い殺気を感じ踏み留まりました。)

ザトー:・・・夜刀さん、これって。

ヤトノ:ああ、まさか奴から来るとはな。だがあれは、会話は出来んだろう。

(施設の玄関らしき場所より突如としてゲートが斬り裂かれ、建造物が次々と崩れ落ちていきます。その崩落の中、忽然とフルフェイスマスクの和服男が接近しています。)

ヤトノ:ビックリップか・・・。気を付けろ、アイツも模倣者だ。

ザトー:戦いたくない敵ですね。応援は?

ヤトノ:三人は今現場に急行している。どうにか持たせるしかない。

ビックリップ:・・・えく、と・・・は・・・?

ザトー:彼ならここにいないさ。無駄足だったな。

ビックリップ:むだ・・・あし?ちが、う・・・つご、うが・・・よい。

ザトー:どういう意味だ?

(突如として、情報部支部が大爆発し、火の海に包まれていきます。その爆発は幾多と繰り返しており、ビル様の建造物は完全に倒壊されました。)

ヤトノ:大丈夫か!?

ザトー:わ、私は・・・でも・・・!あの中に多くの職員がいた筈なのに・・・。

ビックリップ:ここ、ヴぁみ・・・のじょーほー、かくした。あのかた、かなしんで・・・た。

ヤトノ:只の命令に忠実な人形という事だな。

(大火災が生じている中、他3名も合流。計5名はビックリップと対峙します。)

ビックリップ:こ、ころすの、か・・・?こま、る。

(ビックリップは歪な形をした抜剣を取り出します。)

ザトー:あれは・・・邪魂カルマですよね?変形機構武器の廃棄指定物。

ヴィズ:へえ、ソイツでアタシ達を屠ろうってワケね。

ストレイト:・・・また、多くの犠牲を。どうしてこんな簡単に・・・!

ヤトノ:抑えろ、今はアイツを確実に仕留める事を考えろ。

(ヤトノは外骨格装甲[ルベル・ヘリファルコ-Y4]を起動。一同も戦闘態勢を整えました。)

ヤトノ:奴の武器は変形し相手の隙を狙う事に特化している。隙を見せるな!

アージェンタム:はい!では、確実に!

(アージェンタムは装填済のウィークバレットを放ちますが、ビックリップは容易に回避し、アージェンタムに向け急接近を仕掛けます。)

ザトー:させるか!

(ザトーはビックリップと剣撃を交わし、幾多と火花を散らします。)

ザトー:まるで・・・掴みどころが無いな・・・!

ストレイト:・・・っ!!!

(ストレイトはビックリップの右腹部に目掛けて抜剣を振るいました。ビックリップは回避し切れず腹部を斬り裂かれました。)

ストレイト:お前は・・・ここで、倒す!

ザトー:状況が状況だけど、今はとにかく短期決戦だ!

(ザトー、ストレイトは高速で抜刀術を繰り広げますがビックリップは武装変形させ、鎖仕込み型薙刀にて全ての攻撃を弾き返しました。)

ストレイト:そんな攻撃!

(ストレイトは急所を狙い刺突を行いますが、ビックリップはそれを寸での所で回避し、ストレイトに薙刀を振るい下げましたがヤトノに引っ張られた事で回避されました。)

ヴィズ:二型、紅蓮・・・隙ありよッ!!!!

(身体強化を施したヴィズはビックリップに向けて正拳突きを激突させました。これによりビックリップは吹き飛ばされ、その場にて倒れ込みます。)

ヤトノ:白鬼!

アージェンタム:喰らえ・・・!

(アージェンタムはランチャーにてフォトンアーツを炸裂し、ビックリップ目掛けて大爆発を引き起こしました。)

ヤトノ:そのまま警戒しろ。これで死ぬようなヤワじゃない。

(ヤトノの忠告通り、ビックリップは多少の傷を受けましたが物怖じせず、一同に歩み寄っています。)

ストレイト:どうして・・・どうして死なないんだ・・・?急速な再生?それともフォトンによるバリア?それとも外部フォトンの取り込みによる急速変異?こんな奴・・・!

ヤトノ:陣形を維持して戦え!気を抜くな!

(メンバーは総攻撃を繰り広げ、猛攻を維持しながらビックリップの隙を突く様に連携を取っていきました。)

  • 13:39
(ビックリップは一同の猛攻を受け流し、無傷の状態を維持していきました。まるでこちらの戦闘力を計っているかのように積極的な攻撃を行わずにいました。)

ヤトノ:やはりな・・・。

ヴィズ:ええ、やっぱりこいつ・・・観察している。

アージェンタム:これは流石に相手が悪いですね・・・!

(アージェンタムによる射撃もビックリップは容易に回避し、そのままアージェンタムに向かい薙刀に仕込まれた鎖鎌を射出しました。)

アージェンタム:やばっ・・・!

ストレイト:させないっ・・・。

(ストレイトはアージェンタムを庇い、鎖により捕縛され身動きの出来ない状態となりました。)

ストレイト:あぐっ・・・!?

ヴィズ:こんのっ・・・。

(ヴィズはビックリップに向かい体術にて連撃を行いますが、薙刀にて舞う様に振り、迂闊に接近出来ない様に立ち回ります。)

ヴィズ:厄介・・・!

(ザトー、ヤトノによる不意打ちもジャンプにて回避し、そのままストレイトに急接近し薙刀を振り下ろしました。)

アージェンタム:遠雷さっ・・・!!

ストレイト:大丈夫、私は簡単には、死ねな・・・っ

(ヤトノはストレイトを突き飛ばし、ビックリップの攻撃を受け止めました。しかし完全に受け止め切れず胸部を斬り裂かれました。)

ヤトノ:ぐっ・・・!!!!

ストレイト:ヤトノさっ・・・!

ザトー:白鬼君治療をお願い!!!

アージェンタム:はい!

(ザトーはビックリップと剣撃を繰り出し、ヴィズも背後を取るように攻撃をしかけます。)

ストレイト:ごめんなさい・・・ごめんなさい!私の所為で・・・本当は私・・・っ

ヤトノ:言い訳は後でいくらでも聞く、戦え。いいか?一言も大丈夫等と腑抜けた言葉を軽々しく使うな。根拠もない行動を取るくらいだったらさっさと死んだ方が良い。それが嫌なら確実に任務を全うしろ、これ以上犠牲を生みたくなければ、確実にやり遂げて見せろ!

ストレイト:っ・・・分かりました。

  • 14:08

(ビックリップは抜剣に切り替え、周囲フォトンを吸収しながら二人を抑え込みます。)

ヴィズ:何よアレ、反則じゃない!?

ザトー:同感!無理だよあんなの!

(ストレイトはビックリップの右手を狙い、攻撃を仕掛けました。ビックリップは寸での所で回避し、後退し態勢を整えます。)

ストレイト:相手はあの武器に頼り切っている面があります、また不死身に見えますが、所詮はフォトナーです。何か弱点がある筈なんです・・・それは、その・・・。

ヴィズ:ええ、言いたい事は分かってるわよ。腕狙うわよ!

ザトー:右手だね。。。よし、行こうか!

(ザトーは真正面よりビックリップと対峙、剣を交えて動きを封じるかのように押し込みます。)

ザトー:今だ!

(ストレイトは横から居合斬りを仕掛け、ビックリップは回避しようとしますが、完全に無防備な状況となりました。)

ヴィズ:腕も良いけど・・・脳天ブチまかすわよ!

(追い込んだ状況でヴィズはビックリップの顔面目掛けて正拳突きを繰り出しました。これによりビックリップは強く吹き飛ばされました。)

ザトー:今のは痛いな。

ストレイト:中々いたそうでしたね・・・。

(ビックリップはその場にてまた立ち上がりましたが、ビックリップのフルフェイスマスクは破壊され、素顔が見える状態でした。)

ストレイト:っ・・・!な・・・。

アージェンタム:あ、あれは・・・。

ヴィズ:なぁるほど・・・そういう事ね。

ザトー:発声機能の異常と思っていたけど、それなら。

(ビックリップの素顔は青年と少女の顔面をツギハギに接合された様な外見をしており、その目の焦点は全く合っていませんでした。)

ヤトノ:・・・フォトン強制合成による「造り物ハイブリット」か。

ビックリップ:ぁ・・・か、お・・・かおが・・・かおがかおがかおが・・・!!!だ、めだだめだだめだだめだ・・・・ああああっぁ・・あああああああああ。

(ビックリップはその場より颯爽と去っていき、現場には消火活動に逆らうかのように燃え盛る崩壊ビルのみでした。)

ザトー:これで、残された資料はもう抜き取れなくなりましたね。

アージェンタム:でも、こちらでいくらか情報は得ました。一旦帰りましょう。ヤトノさんの傷が心配です。

ヤトノ:・・・皆、ご苦労だった。その情報を解析させてもらう。しかし・・・模倣者の事を知る程、我々が固執していた要点が見えてくる可能性がある。

ザトー:ほんとう嫌な話ですよね。切り捨てたい内容ばかりで。

ヴィズ:まぁとりあえず、帰って休みましょう。

ヤトノ:では今作戦を終了とする。各自帰還とする。

一同:了解。
最終更新:2019年03月05日 03:50