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運命計算

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kinoutun

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運命計算



L:運命計算 = {
 t:名称 = 運命計算(イベント)
 t:要点 = 開かれる口,それはすでに,計算されている
 t:周辺環境 = 戦場
 t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *運命計算のイベントカテゴリ = ,,藩国イベント。
  *運命計算の位置づけ = ,,{特殊イベント,自動イベント}。
  *運命計算の内容 = ,,運命計算によって一つの起こりえる事件の回避法が示される。
 }
 t:→次のアイドレス = 運命計算を超えるただの番長のパンチ(究極絶技),akiharu国からの番長団の援軍(イベント),力石、小宇宙とはるの友(ACE),じゃかじゃかじゃんけん(イベント)



解説文

運命計算。
それは全てを計算する魔法尺が、あらゆる情報からはじき出す絶対の計算。
彼がそれを口にしたとき、それは既に計算されている―


SS


 小宇宙は咆えた。
 戦場ですら見せることはない、心からの叫び。

 それは怒りではない。

「肉じゃがくいてー」

 空腹だった。


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 小宇宙の咆哮が、正午のメゾンドキノウツンを一階から屋上にわたって轟く。
ので床が揺れ、立っていた青狸がこけて昼寝中の火焔に覆い被さった。
 四人の子供たちが目を輝かせて、それに続いた。
 悲鳴のつぶれたような声。怒りの火焔が、小宇宙にも負けぬうなり声をあげ青狸たちをまとめてベランダに投げ飛ばした。
 歓声。
 ベランダ下の庭で同じく昼寝中だったコガが、青狸以外を受け止めた。
 青狸はそのまま飛んでいった。
 途中でコンドルにさらわれているようだったが、コガはそれを黙殺して昼寝に戻った。


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 高原は槍の刺さってない公園(新設)で、こぶし大のそれを手に取り眺めている。
 ジャガイモである。
 食糧問題の危機に浅田より「手から花でキノウツンジャガイモとかできないか」と聞かれたものだった。
 まあそれ自体はショップで買えるワケであるが、キノウツンで自生してなかったのである。
 ので、無茶を言うなと言った。
 それをいうと「そこをなんとか」と言われた。
 そう言えば本気でなんとかなると思ってる口ぶりだった。
 まあ、結果としてできあがってしまったのが、あいつ俺をしまむらかユニクロ程度にしか考えてないよなあ。

 もしくはドラえもん。

 そう、ひとりごちてると我が国の青狸がコンドルにぶらさがって空を飛んでいる。

「たすけてー」
「えー」

 高原らしく、物凄くめんどくさそうな顔をした。
 ため息をついてジャガイモを投げる。
 コンドルはギリギリで急速機動(技術)を行い、青狸を放り投げて空へ上昇。青狸はジャガイモと共に空から落ちた。


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 落ちてきたジャガイモをキャッチして、バックステップすると、目の前に肉の塊が落ちてきた。

 それは気にしないで、買い物帰りの船橋は口の端を上げた。
「ジャガイモだな」

「ほんとだ」隣の空歌が目を丸くしている。
「キノウツンでもジャガイモってなるんだ」

「いや、」空歌が知らないということはキノウツンの生鮮売り場のどこにも売っていないと言うことである。「そうか、成功させたんだな」
 ひとり頷く船橋。

「?」

「ところで、ジャガイモの料理といえばなんだろうな」
「え...っと」問われて空歌は一生懸命考えた。「か、カレー?」


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 キノウツンの図書館は静かである。
 主に利用客がいないからではあるが――

「はあ。ジャガイモ料理ですか?」
 文庫を畳んで、船橋夫妻を見上げる。

 管理委員長なおみは、図書委員長と言うわけではないが。
 しかし図書館の主みたいなものである。

「あるかな?」
「ある...かなあ...?」

 料理本もあるにはあるが、レシピはキノウツンで取れる食材メインである。
 お隣のフィーブルさんとこも麦がメイン。
 日常の食卓にジャガイモが並ぶことは、まあ、ないのだ。

「ちなみにどのようなお料理をお探し――」
「肉じゃがであーる!!」

 声は別方向からした。
 はるだった。図書館の中なのにマントをしている。

「めずらしいな、こんなとこで」砂漠で金魚を見つけたみたいな顔で船橋。

「語り部だからな」と、はるは意味不明の断言をした。両手を広げ、
「男なら肉じゃがなのである。手作りの肉じゃが、これで落ちない独身男性は地球上にいないが道理」

「ふーん。」
 と、これはなおみ。
「で、作り方は?」

「ふ、」その言葉に不敵に笑い、はるは踵を返した。
 翻るマントにあしらわれた桜吹雪が、図書館を舞う。

 そしてそのまま、図書館を去った。

「逃げたな」


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「はあ、それでメイド喫茶(こちら)に」

 沢邑はう~んと唸ってから、後ろを見た。
 背後には紙袋十数個分はある大量のジャガイモ。
 タイミング良く高原から差し入れがあったのである。

 目の前にいるのは、管理委員長なおみさん...
――含めたキノウツンの主婦さん達。
 どこをどう聞きつけたのかいつの間にか集まっていたのだった。
 まあ、メイド長から通達もあったことだし――
 どちらにせよジャガイモメニューは考えなきゃいけなかったのである。

「じゃあ、一緒に作ってみますか」

 おーとかけ声が上がった。


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 夜のメゾンドキノウツン...の、管理人室。

「と、というわけで、別にあんたのために作ったわけじゃないんだけど、
余ったからしかたなく、しかたなくよっ!!」
 余るというレベルではないぐらいに鍋一杯の肉じゃがを突き出すなおみ。玄関口の豆電球に照らされた顔は耳まで真っ赤だった。

――ことわざに曰く、風が吹けば、桶屋が儲かる。

ならば、

――番長が叫べば、委員長が肉じゃが作ってやってくる。

 開かれる口、
「――それはすでに,計算されている」

「なにかいった?」

「いいや、礼を言おう。あがっていくか? 茶でも出す」

「お、お茶だけだからねっ!!」

 小宇宙の鮫のような笑いが、メゾンに低く響くのだった。


スタッフ

イラスト:沢邑勝海
文章:高原鋼一郎・はる
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