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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/8スレ目ログ/8-541 - (2010/04/25 (日) 14:24:07) の編集履歴(バックアップ)




上条の意識が戻ってからおよそ二週間、上条は無事退院することができた。
なんだかんだ言っても一週間以上眠り続けたわけである。
体もうまく動かせない状態からの回復だったので、二週間といっても最速記録である。
そこには、上条の必死のリハビリとそれを支える誰かさんの努力があったわけだが。



「またいろいろとお世話になりました」
「いいよ、これが僕の仕事だからね。もっとも、これからは僕の仕事を増やさないようにしてくれると嬉しいかな」
カエル医者は飄々とした答えを返す。やはり、頼りになる人だ、顔はアレだが。

「そういえば、毎日お見舞いに来ていたあの女の子にはちゃんとお礼するんだよ」
「はい……って、なんでわざわざ?」
「知らないのかい?君たちのことは話題になってるんだよ。まあ、『お似合い』じゃないかな?余計な御世話だけど」
「よっ、余計なお世話ですよ!!」
面と向かって言われると照れずにはいられない。赤面しながら強い口調で照れ隠し。純情少年である。
「ともかく、『彼女』はそんなに待たせたらいけないよ?」
「だから……!って、やべっ、御坂!すいません、失礼します」
あせったように走っていく。
「若いっていいね……」






「わりい、御坂。待たせたな」
息を切らせて美琴に走り寄る。
「まあ、別にいいわよ。一応聞くけど、何があったの?」
「いやぁ、あのカエル医者にな、俺と御坂のこと話題になってるって聞いてさ。なんでも『お似合い』だってさ」
言い終わった瞬間、上条は「しまった」と思ったが、後の祭りである。目の前には頭から湯気を出すお嬢様が一人。
「あ、アンタと私が……えへ、えへへへへ」
なんだか、うつむいたまま何かをつぶやいている。そんな美琴をよそに、上条はあのカエル医者の言葉を思い出す。

「あの女の子にはちゃんとお礼するんだよ」

そうだよな、忘れないうちに……っと。
「なあ御坂、いろいろとありがとな」



今度は、美琴の意識が闇に落ちた。

「あれ、ここは……?」
「病院だよ、まさかこんなに早く戻ってくるとはな、あの医者も驚いてたぞ。まあ、病室が空いてるみたいで助かったな。
だいたいお前な、なんでいきなり気絶するんだ?体調が良くないなら休んでいろよ」
「それはアンタが……まあ、いいわよ」
気絶した理由がわからないあたり、上条は成長していないのだろう。
「今さっきはお前が気絶したおかげでちゃんと言えなかったからもう一度言うぞ、御坂、いろいろと……」
「ちょっと待って!!」
美琴は上条の言葉をさえぎる。「?」と首をかしげる上条をよそに、美琴は二回、三回と深呼吸をする。
「いいわ、続けて」
「じゃあ、行くか。御坂、いろいろとありがとうな。毎日見舞いに来てくれたし、リハビリだってすっげえ助けてくれた。
お前がいなかったらどうなってたんだろうな?まあ、もしいなかったら入院してなかっ……って、嘘だよ!!だからそんな顔すんなって!」
美琴は今にも泣き出しそうな顔になってしまった。紳士上条、女の子を泣かせることがあっては大変である。だからと言ってオロオロするしか能のない上条は無能なのだろう。
「やっぱさ、いろんな奴が見舞いに来てくれたのはわかったんだけど、お前がいるときが一番……なんていうか、心地よかったんだ。ありがとな、御坂」
言い終わっても彼女はまだ泣き出しそうな顔である。今度はうれし涙なのだが、その違いを見分けろなどというのは紳士上条には少しハードルが高いようである。


ここまでで、あの医者が言っていた「お礼」は終わったわけである。でも、上条にとっては、ここからが本番である。
「なあ御坂、俺とお前って『お似合い』だと思うか?俺はそうは思わないんだ」
「えっ……」
美琴はとても切なげな顔になっている。だが、上条は続ける。
「だって、お前は学園都市第三位、おれは無能力の落ちこぼれ、補習ばっか受けてるアホだからな、釣り合ってないっての。
でもな、御坂、お前は俺が好きだと言ってくれた。それを聞いた時、俺、うれしかったし、ほっとした。それまで嫌われてるんじゃないかって思ってたからな。
だってお前も嫌だろ、自分の好きな人に嫌われてるなんて」
その言葉を聞いた時、美琴は驚きを隠せなかった。なんだか夢のようである。
「だから、お前のために、俺のために、お前と俺が『お似合い』になるように努力する。だから、俺のそばにいてくれないか?」

「ダメなわけないじゃない、バカぁ……」

病室での抱擁、今度は上条と美琴の位置は逆になっていたが、この前と同じように、美琴は上条の胸の中で上条の優しさに包まれていた。



さて、二人はお似合いになれるのか。二人にとって、上条にとって、ここからが本番である。


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