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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者)
序章
「だからお前は笑っていいんだよ。
妹達は絶対に、お前がたった一人で塞ぎ込む事なんか期待してないから。
お前が守りたかった妹達ってのは、自分の傷の痛みを他人に押し付けて満足するような、そんなちっぽけな連中じゃねーんだろ?」
この言葉によって美琴の悪夢のような幻想は真の意味で壊され、そして少年に対する新しい幻想が生まれた。
少し考えればその幻想を生み出した感情の正体はすぐに分かった。
ただ美琴はその感情を受け入れていいかどうか分からなかった。
例え少年や妹達が自分のことを許してくれたとしても、自分に人並みの幸せを送る権利があるのだろうか?
それに死んでいった妹達の本当の気持など誰にも分かるはずがなかった。
だから自分はこの罪を一生背負っていかなければならない。
だから美琴は敢えて少年の言葉を突き返すように言った。
「いい加減なことを言わないでよ。
例え皆が許してくれたとしても、私の罪が消えるわけじゃない。
それに死んでいった10031人の妹達の本当の気持ちなんて誰にも分かるわけないじゃない。
私は一生この罪を背負って生きていく。
アンタには感謝してもしきれないけど、あまり適当なことを言うと承知しないわよ!!」
病室の中には耳が痛くなるほどの沈黙が訪れる。
美琴はこれで良かったと思いながら病室を去ろうとした。
自分はこれから学園都市を敵に回した、学園都市そのものを崩壊させるための戦いを行おうとしている。
絶対能力進化の実験の中身を学園都市だけでなく、外部にも漏らそうとしているのだ。
そうすれば学園都市の体制そのものが瓦解する。
縦しんば学園都市の体制が変わらなかったとしても、非人道的な実験は行えなくなるはずだ。
そして上の人間はどんな手段を以ってしても、学園都市の危険分子になる自分を消しにくるだろう。
少年がそれを知れば自分のために一緒に戦ってくれるに違いない。
これは自惚れではなく、少年の性格を知った上での考えだった。
ここから先は誰の手も借りない。
自分と妹達を救ってくれた上条の恩に報いるためにも、絶対に勝たなければならない戦いだった。
しかし美琴が病室のドアの取っ手に手を掛けたその時…
「…お前、学園都市に喧嘩を売るつもりだろ?」
「え?」
美琴は上条が何を言っているか分からない。
何故自分が考えていることが分かった?
でも上条を自分の戦いに巻き込むわけにはいかない。
美琴は平静を装って茶化すように言った。
「アンタ、一体何を言ってるの?
学園都市の第三位で誰よりも学園都市の恩恵を預かってる美琴センセーが何で学園都市に喧嘩売らなきゃいけないのよ?」
「…馬鹿な俺でも分かるんだ、お前が気付いてないはずないだろう?
例えお前や妹達を救っても根本的な解決にならない。
まあ俺も裏の事情に詳しいわけじゃないけど、この件で学園都市に巣食ってる何かの一端は理解したつもりだ」
「…」
「ここまで来たんだ、最後まで付き合わせろよな。
まあ上条さん無能力者なんで出来ることは限られてるかもしれないが、お前が辛い時に支えてやることくらいは出来るはずだ」
「…どうして、どうしてアンタはそこまで!?」
「鉄橋でお前と対峙した時、俺はお前の強さを知った。
自分の命を賭して妹達を救おうとしているお前を見て、誰かのために戦うってこういうことなんだって初めて知った」
「アンタだっていつも誰かのために戦ってるじゃない?
虚空爆破事件の時だって、自分の危険を省みずに…」
「…昔のことは後で話すとして、とにかく俺はお前に誰かを救うための決意を教わったんだ。
それと同時にお前のことを理屈抜きに守ってあげたいと思った。
だからお前が一生罪を背負って生きていくっていうなら、俺にも一緒に背負わせてくれないか?」
「一緒に背負わせてくれないかって、人が聞いたら勘違いするようなこと言ってるんじゃないわよ!!」
「勘違いってどういう意味でせうか?」
「そ、それはその…プロポーズみたいに聞こえるじゃない!!」//
美琴の言葉を聞いた瞬間、上条は顔を赤くして俯いてしまう。
(なんだ、やっぱり勘違いだったじゃない。
でもアンタがそう言ってくれるでけで私は…)
しかし次に上条から出てきた言葉は美琴の幻想を殺すでもなく守るでもなく、一転させてしまうものだった。
「軽々しくプロポーズみたいな言葉を口にしたことは謝る。
でも好きな女の子のためなら、その覚悟はある!!」
「え?」//
(ちょっと、どういうこと?
好きな女の子って、そのまんまの意味に捉えていいの!?)
「でも私、アンタに好かれるようなこと何もしてないし…」
「まあ確かに二千円札を呑み込まれたのを笑われたり電撃ぶつけられたり、色々あったもんな」
「うっ…」
「でも自分を犠牲にしてまで妹達を守ろうとしたお前のことを、俺は他の誰でもない自分の手で守ってあげたいと思ったんだ。
それにお前、誰か傍にいないと無茶ばっかりしそうだし…」
「アンタに言われたくないわよ!!」
「とにかく俺はお前と一緒に歩いていきたい、お前のことを支えてあげたい。
それだけじゃ駄目か?」
「…駄目じゃないわよ、馬鹿!!」
そう言うと美琴はベッドの上にいる上条に駆け寄り、上条の胸に顔を埋めるようにして泣いた。
本当は死ぬのが怖かった、でもそうするしか道はなかった。
そして絶望の淵にいるのを上条に救ってもらい、日常に戻れるとそう思った。
しかし自分の罪を清算するために、美琴は再び死地に向かわなければならない。
だが上条はそんな自分のことを見透かしたように傍にいると言ってくれた。
この先の戦いに上条を巻き込んでいいのかは分からない。
でも上条と一緒なら学園都市に巣食う闇を取り払える、美琴にはそんな確信があった。
「お前はもう一人じゃない。
俺とお前は同じ道を歩んでる、そのことを忘れるな」
上条は美琴のことを優しく抱きしめながら、美琴のことをずっと傍で支える覚悟を固める。
それは美琴から教わった大切なものを守るための決意だった。
そしてここに学園都市に対する二人の反逆者が生まれた。
しかし二人は知らなかった。
特殊な力を持つ無能力者と学園都市第三位の反逆ですらも学園都市統括理事長のプランに含まれていることを…
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第一部
序章
「だからお前は笑っていいんだよ。
妹達は絶対に、お前がたった一人で塞ぎ込む事なんか期待してないから。
お前が守りたかった妹達ってのは、自分の傷の痛みを他人に押し付けて満足するような、そんなちっぽけな連中じゃねーんだろ?」
この言葉によって美琴の悪夢のような幻想は真の意味で壊され、そして少年に対する新しい幻想が生まれた。
少し考えればその幻想を生み出した感情の正体はすぐに分かった。
ただ美琴はその感情を受け入れていいかどうか分からなかった。
例え少年や妹達が自分のことを許してくれたとしても、自分に人並みの幸せを送る権利があるのだろうか?
それに死んでいった妹達の本当の気持など誰にも分かるはずがなかった。
だから自分はこの罪を一生背負っていかなければならない。
だから美琴は敢えて少年の言葉を突き返すように言った。
「いい加減なことを言わないでよ。
例え皆が許してくれたとしても、私の罪が消えるわけじゃない。
それに死んでいった10031人の妹達の本当の気持ちなんて誰にも分かるわけないじゃない。
私は一生この罪を背負って生きていく。
アンタには感謝してもしきれないけど、あまり適当なことを言うと承知しないわよ!!」
病室の中には耳が痛くなるほどの沈黙が訪れる。
美琴はこれで良かったと思いながら病室を去ろうとした。
自分はこれから学園都市を敵に回した、学園都市そのものを崩壊させるための戦いを行おうとしている。
絶対能力進化の実験の中身を学園都市だけでなく、外部にも漏らそうとしているのだ。
そうすれば学園都市の体制そのものが瓦解する。
縦しんば学園都市の体制が変わらなかったとしても、非人道的な実験は行えなくなるはずだ。
そして上の人間はどんな手段を以ってしても、学園都市の危険分子になる自分を消しにくるだろう。
少年がそれを知れば自分のために一緒に戦ってくれるに違いない。
これは自惚れではなく、少年の性格を知った上での考えだった。
ここから先は誰の手も借りない。
自分と妹達を救ってくれた上条の恩に報いるためにも、絶対に勝たなければならない戦いだった。
しかし美琴が病室のドアの取っ手に手を掛けたその時…
「…お前、学園都市に喧嘩を売るつもりだろ?」
「え?」
美琴は上条が何を言っているか分からない。
何故自分が考えていることが分かった?
でも上条を自分の戦いに巻き込むわけにはいかない。
美琴は平静を装って茶化すように言った。
「アンタ、一体何を言ってるの?
学園都市の第三位で誰よりも学園都市の恩恵を預かってる美琴センセーが何で学園都市に喧嘩売らなきゃいけないのよ?」
「…馬鹿な俺でも分かるんだ、お前が気付いてないはずないだろう?
例えお前や妹達を救っても根本的な解決にならない。
まあ俺も裏の事情に詳しいわけじゃないけど、この件で学園都市に巣食ってる何かの一端は理解したつもりだ」
「…」
「ここまで来たんだ、最後まで付き合わせろよな。
まあ上条さん無能力者なんで出来ることは限られてるかもしれないが、お前が辛い時に支えてやることくらいは出来るはずだ」
「…どうして、どうしてアンタはそこまで!?」
「鉄橋でお前と対峙した時、俺はお前の強さを知った。
自分の命を賭して妹達を救おうとしているお前を見て、誰かのために戦うってこういうことなんだって初めて知った」
「アンタだっていつも誰かのために戦ってるじゃない?
虚空爆破事件の時だって、自分の危険を省みずに…」
「…昔のことは後で話すとして、とにかく俺はお前に誰かを救うための決意を教わったんだ。
それと同時にお前のことを理屈抜きに守ってあげたいと思った。
だからお前が一生罪を背負って生きていくっていうなら、俺にも一緒に背負わせてくれないか?」
「一緒に背負わせてくれないかって、人が聞いたら勘違いするようなこと言ってるんじゃないわよ!!」
「勘違いってどういう意味でせうか?」
「そ、それはその…プロポーズみたいに聞こえるじゃない!!」//
美琴の言葉を聞いた瞬間、上条は顔を赤くして俯いてしまう。
(なんだ、やっぱり勘違いだったじゃない。
でもアンタがそう言ってくれるでけで私は…)
しかし次に上条から出てきた言葉は美琴の幻想を殺すでもなく守るでもなく、一転させてしまうものだった。
「軽々しくプロポーズみたいな言葉を口にしたことは謝る。
でも好きな女の子のためなら、その覚悟はある!!」
「え?」//
(ちょっと、どういうこと?
好きな女の子って、そのまんまの意味に捉えていいの!?)
「でも私、アンタに好かれるようなこと何もしてないし…」
「まあ確かに二千円札を呑み込まれたのを笑われたり電撃ぶつけられたり、色々あったもんな」
「うっ…」
「でも自分を犠牲にしてまで妹達を守ろうとしたお前のことを、俺は他の誰でもない自分の手で守ってあげたいと思ったんだ。
それにお前、誰か傍にいないと無茶ばっかりしそうだし…」
「アンタに言われたくないわよ!!」
「とにかく俺はお前と一緒に歩いていきたい、お前のことを支えてあげたい。
それだけじゃ駄目か?」
「…駄目じゃないわよ、馬鹿!!」
そう言うと美琴はベッドの上にいる上条に駆け寄り、上条の胸に顔を埋めるようにして泣いた。
本当は死ぬのが怖かった、でもそうするしか道はなかった。
そして絶望の淵にいるのを上条に救ってもらい、日常に戻れるとそう思った。
しかし自分の罪を清算するために、美琴は再び死地に向かわなければならない。
だが上条はそんな自分のことを見透かしたように傍にいると言ってくれた。
この先の戦いに上条を巻き込んでいいのかは分からない。
でも上条と一緒なら学園都市に巣食う闇を取り払える、美琴にはそんな確信があった。
「お前はもう一人じゃない。
俺とお前は同じ道を歩んでる、そのことを忘れるな」
上条は美琴のことを優しく抱きしめながら、美琴のことをずっと傍で支える覚悟を固める。
それは美琴から教わった大切なものを守るための決意だった。
そしてここに学園都市に対する二人の反逆者が生まれた。
しかし二人は知らなかった。
特殊な力を持つ無能力者と学園都市第三位の反逆ですらも学園都市統括理事長のプランに含まれていることを…
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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人は反逆者)
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