とりあえず上琴、一方通行、騎士団長、フィアンマ、トライアングルカップルは急いでその場から離脱、第七学区のとある公園に来ていた。
一方通行とフィアンマの戦いの現場に居たら言い逃れが出来ないとの騎士団長の賢明な判断によるものだ。
一方通行とフィアンマの戦いの現場に居たら言い逃れが出来ないとの騎士団長の賢明な判断によるものだ。
「ここまで来れば大丈夫だな。……それにしてもだ、やり過ぎだ二人とも」
「フン、騎士派のリーダーともあろう男が小さいことだ。俺様のようにあだっ! 何をする、俺様のライバル当麻よ」
「黙れバカ。俺のライバルになろうってんならな、少しは周りの配慮を考えろ!」
「何を言う。ライバルとは常に自分のことと倒すべき相手のことを優先するもの。他の配慮など後回しだ。ゆえに見える世界もぐおっ!」
「フン、騎士派のリーダーともあろう男が小さいことだ。俺様のようにあだっ! 何をする、俺様のライバル当麻よ」
「黙れバカ。俺のライバルになろうってんならな、少しは周りの配慮を考えろ!」
「何を言う。ライバルとは常に自分のことと倒すべき相手のことを優先するもの。他の配慮など後回しだ。ゆえに見える世界もぐおっ!」
傲慢を絵に描いたような反省の色を見せない当麻は彼の体に右手で触れながら、幾度と無く拳骨を振り下ろす。
一方通行はフィアンマと違い、それなりに反省しているのか大人しくしていた、あくまでそれなりに。
一方通行はフィアンマと違い、それなりに反省しているのか大人しくしていた、あくまでそれなりに。
「おい腐れトウガラシ。てめェとの決着はまだ付いてねェことを忘れンじゃねェぞ。後で必ず殺してやっからよォ!」
「それは俺様の台詞だ、セロリっ娘。貴様を俺様の右で捻じ伏せ、叩き潰し、そして完膚なきまでに殺してやる」
「それは俺様の台詞だ、セロリっ娘。貴様を俺様の右で捻じ伏せ、叩き潰し、そして完膚なきまでに殺してやる」
行動こそ起こさないものの、睨み合う一方通行とフィアンマに二人の気付いていない真実を真昼が容赦なく告げる。
「つーかお前らさ、殺意ゼロで殺すとか言っても説得力ねーぞ。気付いてねーかも知れねーけどお前ら、お互いのこと認め合ってんだからよ」
真昼が見てる一方通行とフィアンマが互いに向けてる感情のベクトル、それは相手の力量を讃え、認めているいわば好意的な友情を表すものだった。
フィアンマは真昼の言っていることを少し考え、納得した風だが一方通行は素直じゃないので認めていなかった。
フィアンマは真昼の言っていることを少し考え、納得した風だが一方通行は素直じゃないので認めていなかった。
「ふむ、確かに俺様相手にここまでやれたからな。それなりに認めてやっても不思議は無いということか。俺様のライバル候補に名を連ねておくとしよう」
「ちょっと待てェ! なンで俺があンな腐れトウガラシ相手に友情感じてンだァ! てめェの目は節穴ですかァ!」
「事実は事実だ。俺の見えてる感情のベクトルに嘘はつけねーぞ。本当はアクセラ、お前だってあの赤い奴のことは強いって認めてんだろ?」
「ちょっと待てェ! なンで俺があンな腐れトウガラシ相手に友情感じてンだァ! てめェの目は節穴ですかァ!」
「事実は事実だ。俺の見えてる感情のベクトルに嘘はつけねーぞ。本当はアクセラ、お前だってあの赤い奴のことは強いって認めてんだろ?」
一方通行もフィアンマ同様、彼の戦闘能力は認めていたが素直じゃないのでまだ認める気にはなれなかったで、真昼から視線を逸らすことで誤魔化すことに。
目の前の学園都市最強の素直じゃない態度に呆れる真昼だが、一方通行に胸倉を掴まれてることに気付くと注意を促す。
目の前の学園都市最強の素直じゃない態度に呆れる真昼だが、一方通行に胸倉を掴まれてることに気付くと注意を促す。
「ま、認めたくないならそれでいいけどあくまで本心だってこと忘れるなよ。それと俺を掴んでる手、離したほうがいいぞ」
一方通行は真昼の言ってる注意が理解出来なかったが突如聞こえてきた“ドゴンッ!!”という大きな音のした方を見やり、納得した。
それは真昼に突っかかった一方通行に軽いやきもちを覚えた真夜が地面を踏み砕いた音だった。
それは真昼に突っかかった一方通行に軽いやきもちを覚えた真夜が地面を踏み砕いた音だった。
「あ、ゴメン。ちょっと力が入っちゃった。一方通行、悪いけど真昼さんから離れてくれるか?」
「お、おゥ……」
「お、おゥ……」
真夜の目が一ミクロンも笑っていない笑顔と彼らしからぬ怒気に一方通行は柄にも無く怯え、慌てて真昼から手を離した。
真昼が真夜にギュッと抱きつくことで真夜の怒りは鎮静、いつもの真夜の雰囲気に戻ったのだった。
真昼が真夜にギュッと抱きつくことで真夜の怒りは鎮静、いつもの真夜の雰囲気に戻ったのだった。
「さて、アクセラ君とフィアンマ。二人は上条当麻のライバル、ひいては一番の友達だと思っているな?」
「「当然」」
「なら場所を変えて思いっきり戦うといい、上条当麻への挑戦権を賭けて。第二学区の兵器試験場とやらを使えるように手配は済んでいる」
「「当然」」
「なら場所を変えて思いっきり戦うといい、上条当麻への挑戦権を賭けて。第二学区の兵器試験場とやらを使えるように手配は済んでいる」
騎士団長の提案をあっさり呑んだのは一方通行とフィアンマ、猛反対したのは巻き込まれた当麻だった(フィアンマから手を離して)。
当麻に事情を説明する為に騎士団長は当麻に小声で誰にも聞こえないように話し合う。
当麻に事情を説明する為に騎士団長は当麻に小声で誰にも聞こえないように話し合う。
「どーゆーことだよ! あの二人のうちの一人と戦えって俺に死ねって言ってるのか!」
「心配するな。あの二人が戦えばどちらも無事では済まない、上手くいけば共倒れだ。仮にどちらかが戦えても私が気絶させる。弱ってる彼らなら問題は無い」
「……騎士団長、あんた酷ぇな」
「心配するな。あの二人が戦えばどちらも無事では済まない、上手くいけば共倒れだ。仮にどちらかが戦えても私が気絶させる。弱ってる彼らなら問題は無い」
「……騎士団長、あんた酷ぇな」
当麻に酷いと言われた騎士団長は少し傷付いたが、それでも当麻が納得してくれた風なので安心した。
言うまでも無いがこの作戦の立案者は土御門で騎士団長に兵器試験場まで秘密にしてくれと頼んでいたのだが、理由は驚かせたいだけだったりする。
早速、兵器試験場に向かおうとしたがフィアンマがとんでもないワガママを言ってのける。
言うまでも無いがこの作戦の立案者は土御門で騎士団長に兵器試験場まで秘密にしてくれと頼んでいたのだが、理由は驚かせたいだけだったりする。
早速、兵器試験場に向かおうとしたがフィアンマがとんでもないワガママを言ってのける。
「この記念すべき戦いに観客が少しは居ないと盛り上がりに欠けるな。そこの三人の一般人、お前達も来い。後はそうだな、教会に居た連中も呼べ」
「何を言ってるんだフィアンマ! 彼らは私達の事情を知らない一般人だぞ! それを勝手な」
「俺様が穏便に済ませてやろうと言っているのだ、融通を利かせろ。場所を選ばず、ここで暴れてもいいのなら話は別だがな」
「何を言ってるんだフィアンマ! 彼らは私達の事情を知らない一般人だぞ! それを勝手な」
「俺様が穏便に済ませてやろうと言っているのだ、融通を利かせろ。場所を選ばず、ここで暴れてもいいのなら話は別だがな」
フィアンマの嘘偽り無い言葉に騎士団長は心底悩むが、そこへ真夜が進言する。
「俺達のことは気にしないで下さい。あなた達の、上条達の事情を進んで知ろうと思っていませんから。話したくないならそれでいいですよ」
「そうだぜオッサン。少なくとも真夜は嘘は言ってねーし、俺も赤音も同意見だ。教えたくなったら聞く、そうだろ?」
「うんうん♪ あの赤い人もあなたのことも能力者じゃないけど凄い人って思う程度ですから」
「そうだぜオッサン。少なくとも真夜は嘘は言ってねーし、俺も赤音も同意見だ。教えたくなったら聞く、そうだろ?」
「うんうん♪ あの赤い人もあなたのことも能力者じゃないけど凄い人って思う程度ですから」
普通は魔術の存在を知ったら進んで聞きたがる者が殆どなので、トライアングルカップルの反応に面食らう騎士団長。
騎士団長は当麻の方を見て、彼が頷いたことを受けて納得し、三人の同行を許可することに。
騎士団長は当麻の方を見て、彼が頷いたことを受けて納得し、三人の同行を許可することに。
「ねえ当麻、本当にいいの?」
「いいんじゃないか? 三人がああ言ってるんだから」
「いいんじゃないか? 三人がああ言ってるんだから」
美琴の心配をよそに当麻はトライアングルカップルが嘘をつかない人間だと知っているので全く気にしていなかった。
こうして一行は兵器試験場へと向かうことになり、その際に騎士団長は教会にいるキャーリサにフィアンマの要求を伝えた後、何故か胃薬を買いに行くのだった。
こうして一行は兵器試験場へと向かうことになり、その際に騎士団長は教会にいるキャーリサにフィアンマの要求を伝えた後、何故か胃薬を買いに行くのだった。
その頃、兵器試験場ではタキシード姿の土御門とバニーガール姿の月夜の二人がノリノリで司会進行のリハーサルに励んでいた。
「うふふふふふ………」
「にゃはははは………」
「うふふふふふ」
「うふふふふふーい!!」
「にゃははははーい!!」
「にゃはははは………」
「うふふふふふ」
「うふふふふふーい!!」
「にゃははははーい!!」
二人はそんな格好をしながら笑っていた。何故かと言うと……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「カメラ?」
「そうだぜい!!アクセラとフィアンマの激戦をカメラに収める!!これを一端覧祭で売れば大儲け!!
更に更に、カミやんは『学園都市最強を倒した男』として認識されてるし、どちらが勝ってもお客さんは文句を言わないんだぜい!!
つーか激戦を見られれば、誰だっていいんだぜい!!たとくに外の人間とかにゃー!!」
「……でもそのフィアンマって人はどう説明するの?」
「にゃー、フィアンマはローマ正教の能力者って事にすればいいんだぜい!!」
「成る程、確か学園都市はそんなこといってたよね!!」
「これで俺達ゃ年がら年中遊び放題だにゃー!!」
「さすが元春!!いやっほー!!」
「そうだぜい!!アクセラとフィアンマの激戦をカメラに収める!!これを一端覧祭で売れば大儲け!!
更に更に、カミやんは『学園都市最強を倒した男』として認識されてるし、どちらが勝ってもお客さんは文句を言わないんだぜい!!
つーか激戦を見られれば、誰だっていいんだぜい!!たとくに外の人間とかにゃー!!」
「……でもそのフィアンマって人はどう説明するの?」
「にゃー、フィアンマはローマ正教の能力者って事にすればいいんだぜい!!」
「成る程、確か学園都市はそんなこといってたよね!!」
「これで俺達ゃ年がら年中遊び放題だにゃー!!」
「さすが元春!!いやっほー!!」
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…………友を人に売ったひどい計画だった。(もちろん上条達にも報酬が渡るが……)
そんな笑っているところにご一行がやって来た。
そんな笑っているところにご一行がやって来た。
「……おい、まず色々と突っ込むところがあるぞ土御門」
「なんぜよ井ノ原弟?」
「なんだその格好!!そしてなぜ白雪もバニーガールやってんだ!!」
「なんぜよ井ノ原弟?」
「なんだその格好!!そしてなぜ白雪もバニーガールやってんだ!!」
上条がすぐさま突っ込むが二人は不思議そうに首を傾ける。
「いや、ただの司会だけどそれがどうかしたのかにゃー?」
「その方がよっぽどおかしいわ!!それになんでバニーが白なんだ!!バニーは赤だろ!!」
「その方がよっぽどおかしいわ!!それになんでバニーが白なんだ!!バニーは赤だろ!!」
なぜそっちに話が行くんだと、女たちは心の中で突っ込むが、男たちの目(一方通行、フィアンマ、騎士団長、真夜)が光る。
「ナニふざけた事言ってンですかァ?バニーは黒だろうォが」
「俺様は赤に賛同する!!いかにも大人のいけない香りがするからだ!!」
「大人のバニーには確かに興味がある………。だが赤はいただけない!!大人のバニーは黒だろう!!」
「……俺はその前に足に着目する、バニーは網タイツだ!!」
「俺様は赤に賛同する!!いかにも大人のいけない香りがするからだ!!」
「大人のバニーには確かに興味がある………。だが赤はいただけない!!大人のバニーは黒だろう!!」
「……俺はその前に足に着目する、バニーは網タイツだ!!」
それにすかさず土御門が反論を開始する。
「テメら何言ってやがる!!バニーは純白の白!!なぜそれがわからんのだ!!
それにアクセラ!!ロリコンのくせに何で黒なんだにゃー!!ロリには白だッッッ!!
そして井ノ原!!網タイツなんてありえねーにゃ!!そこはニーソだろう!!」
「ロリコンじゃねェ!!だがロリにあえて黒にするのがいいンだォがッッッ!!テメェにはナゼそンなことがわからねェんだ!!」
「はぁ!!ニーソとかありえないだろ!!そこは黒のタイツだろ!?」
それにアクセラ!!ロリコンのくせに何で黒なんだにゃー!!ロリには白だッッッ!!
そして井ノ原!!網タイツなんてありえねーにゃ!!そこはニーソだろう!!」
「ロリコンじゃねェ!!だがロリにあえて黒にするのがいいンだォがッッッ!!テメェにはナゼそンなことがわからねェんだ!!」
「はぁ!!ニーソとかありえないだろ!!そこは黒のタイツだろ!?」
バニー大論議の中、バニーこそ神のあの男がやってくる。
「浜面仕上!!ここに参上!!」
「ちょっと待て!!お前滝壺と麦野って女に連行されなかったか!?」
「はっ!!高額のアルバイトを土御門から誘われたから来ただけのこと!!それにバニーは白だッッッ!!」
「にゃー!!浜面!!よくいtt」
「「「「お前らは何の話をしとるんじゃ!!」」」」
「ちょっと待て!!お前滝壺と麦野って女に連行されなかったか!?」
「はっ!!高額のアルバイトを土御門から誘われたから来ただけのこと!!それにバニーは白だッッッ!!」
「にゃー!!浜面!!よくいtt」
「「「「お前らは何の話をしとるんじゃ!!」」」」
いい加減我慢できなかった女たち(美琴、白雪、真昼、赤音)が男たちに厚い拳をかました。
女性陣に殴られて自分を取り戻した男達、その中でフィアンマが兵器試験場を面白そうに眺める。
「ほほぉ、ここが俺様と当麻の友情ストーリーの始まりとなる場所か」
「言ってろ腐れトウガラシ。てめェは上条とは戦えねェ、俺に負けるンだからなァ。指を咥えて上条と俺のバトルを眺めてろ」
「言ってろ腐れトウガラシ。てめェは上条とは戦えねェ、俺に負けるンだからなァ。指を咥えて上条と俺のバトルを眺めてろ」
兵器試験場に着く前から一方通行とフィアンマはこんな感じで、他の面々は最初は楽しんでいたが途中で呆れ始めていた。
「ここが兵器の実験をする場とは聞いても、あの二人の能力は兵器の範疇を超えてるからな……。審判をする私も少し不安になってきた……」
「大丈夫だって騎士団長! アクセラだろうとフィアンマだろうと俺は絶対に負けないからさ! 美琴という女神がついてる俺は無敵だぜ!」
「その通りですよ! 当麻がいれば何も問題はありません! 私の旦那様は世界で一番強いんですから♪」
(いや、そうゆうことを言ってるわけでは……。うっ、胃が痛くなってきた)
「大丈夫だって騎士団長! アクセラだろうとフィアンマだろうと俺は絶対に負けないからさ! 美琴という女神がついてる俺は無敵だぜ!」
「その通りですよ! 当麻がいれば何も問題はありません! 私の旦那様は世界で一番強いんですから♪」
(いや、そうゆうことを言ってるわけでは……。うっ、胃が痛くなってきた)
自分や兵器試験場の心配を履き違えた自信を惚気に乗せる上琴に騎士団長は胃に穴が開きそうな思いだった。
そんな悩める大人を心配するのはこの中で誰よりも人を気遣う真夜がミネラルウォータを差し出した。
そんな悩める大人を心配するのはこの中で誰よりも人を気遣う真夜がミネラルウォータを差し出した。
「だ、大丈夫ですか? これでまた胃薬を飲んで下さい。少しは楽になるでしょうから」
「済まないな少年。初対面の私をここまで何度も労ってくれて」
「困った時はお互い様ですから。それと少年は止めてください、真夜でいいですから。えっと」
「私のことは上条当麻が呼んでるように騎士団長で構わんよ、真夜(……スカウトしようか?)」
「済まないな少年。初対面の私をここまで何度も労ってくれて」
「困った時はお互い様ですから。それと少年は止めてください、真夜でいいですから。えっと」
「私のことは上条当麻が呼んでるように騎士団長で構わんよ、真夜(……スカウトしようか?)」
今日、おそらく初めて触れる人の優しさに騎士団長は真夜を騎士団に勧誘しようか少し迷っていた。
真夜の恋人の真昼と赤音はというと、土白が妙な格好をしていることにようやく食いついていた。
真夜の恋人の真昼と赤音はというと、土白が妙な格好をしていることにようやく食いついていた。
「月夜ちゃん、可愛いバニーさんやってるから記念に撮っておこうっと♪」
「土御門もお笑い芸人みたいな格好してんなー、面白そうだから俺も撮るか」
「土御門もお笑い芸人みたいな格好してんなー、面白そうだから俺も撮るか」
真昼と赤音が携帯で自分達の姿を撮っていることに気付いた土白が慌てて当麻の所へと駆け寄る。
「どーゆーことぜよカミやん! 何であの三人が一緒なんだにゃー!」
「そうだよ上条くん! 赤音ちゃんにこんな恥ずかしい姿見られるなんて心の準備出来てなかったんだよ!」
「五月蝿いぞお前ら。あの一般人は俺様が招待した客だ、反論は認めんぞ。俺様と当麻の友情ストーリーの始まりの目撃者は多い方がいいからな」
「そうだよ上条くん! 赤音ちゃんにこんな恥ずかしい姿見られるなんて心の準備出来てなかったんだよ!」
「五月蝿いぞお前ら。あの一般人は俺様が招待した客だ、反論は認めんぞ。俺様と当麻の友情ストーリーの始まりの目撃者は多い方がいいからな」
魔術の事情を知らないトライアングルカップルにようやく気付いた土御門、彼が金儲けに目がくらんでいるいい証拠である。
当麻の代わりに答えたフィアンマに言い募ろうとした土白だったが、彼の威圧的な視線に押し黙ってしまう。
そこへ当麻と騎士団長からフォローが入る。
当麻の代わりに答えたフィアンマに言い募ろうとした土白だったが、彼の威圧的な視線に押し黙ってしまう。
そこへ当麻と騎士団長からフォローが入る。
「あの三人なら大丈夫だぜ、土御門。俺達の事情を知る気は全く無いからさ」
「上条当麻の言う通りだ二人とも。特に真夜は信頼出来る、何といっても私をただ一人気遣ってくれたからな」
「上条当麻の言う通りだ二人とも。特に真夜は信頼出来る、何といっても私をただ一人気遣ってくれたからな」
信用できる二人の言葉に土白は納得したが、自分達の格好に突っ込んでくれないのは少し寂しかったりする。
役者が揃った土白は早速司会進行を始めようかと思うが、ワガママが服を着て歩いてるフィアンマから待ったが掛かる。
役者が揃った土白は早速司会進行を始めようかと思うが、ワガママが服を着て歩いてるフィアンマから待ったが掛かる。
「何を勝手に始めようとしてる? 俺様の為の観衆がまだ来ていないではないか。来なければ俺様は好き勝手やらせてもらう。初春という子供が来なくてもだがな」
性格はお茶目になっても実力は化け物すら可愛く思えるフィアンマの言葉に土御門が逆らえるはずもなく、素直に彼の言う観衆達を待つことに。
その中で初春の名前を指定した意図が掴めない土御門だが、彼女がフィアンマに恐怖を抱きつつも気丈に接した事実を知らないので観衆達が来るまで頭を悩ませるのだった。
その中で初春の名前を指定した意図が掴めない土御門だが、彼女がフィアンマに恐怖を抱きつつも気丈に接した事実を知らないので観衆達が来るまで頭を悩ませるのだった。
その頃、第二学区へ向けてキャーリサを先頭……とはいかず唯一兵器試験場を知ってる初春の案内で教会に居たメンバー全員が向かっている最中だった。
「飾利、大丈夫ですか?」
「あぅ、はい、大丈夫ですよ、はい~」
「……いえ、全く大丈夫じゃないですよ飾利!!」
「あぅ、はい、大丈夫ですよ、はい~」
「……いえ、全く大丈夫じゃないですよ飾利!!」
正直初春は全くフィアンマが怖かった。今までの臆病な自分は捨てたと思ったのだが克服できていなかったらしい。
「飾利、フィアンマを恐れているのは恥じることではありません。むしろあの者に普通に接しられていられるのが化け物です」
「神裂、それは上条当麻のことかい?あいつならまた会っても『よお、久しぶりだな』とでも言いそうなんだけどね」
「確かにそうだな、まああんな化け物をぶっ飛ばした時点で人間じゃないだろ」
「それは確かにそーなの、あいつは体とか色々異常だし。もうぶっとんでいるの」
「神裂、それは上条当麻のことかい?あいつならまた会っても『よお、久しぶりだな』とでも言いそうなんだけどね」
「確かにそうだな、まああんな化け物をぶっ飛ばした時点で人間じゃないだろ」
「それは確かにそーなの、あいつは体とか色々異常だし。もうぶっとんでいるの」
うわー、お兄ちゃんの扱い酷いなー。と思いつつ、自分もそう思っているので反論はしなかった初春なのだった。
「……おいちょっと待て土御門、これは色々となんだ」
「何って、カメラのセットとか色々ぜよ」
「なんだよカメラって!!そしてこのセットはひどいぞ!!」
「何言ってるぜよ!!カミやんには最高の環境を用意したつもりだにゃー!!」
「その環境が問題だろうが!!」
「何って、カメラのセットとか色々ぜよ」
「なんだよカメラって!!そしてこのセットはひどいぞ!!」
「何言ってるぜよ!!カミやんには最高の環境を用意したつもりだにゃー!!」
「その環境が問題だろうが!!」
上条はセットの玉座に座っていた。ちなみに一方通行とフィアンマは玉座の下に、浜面はカメラをまわしている。(その他は観客席に座っている)
「だから何でこんなところに座ってんだよ!!」
「いや、『第一回 世界最強決定戦!!上条当麻に挑戦しよう』の撮影のセットだにゃー」
「何それ!!なんで世界最強決定戦で、そして俺に挑戦するんだよ!!」
「それは簡単……派手なアクションと、金がほしいからだ!!」
「理由になってねえよ!!」
「いや、『第一回 世界最強決定戦!!上条当麻に挑戦しよう』の撮影のセットだにゃー」
「何それ!!なんで世界最強決定戦で、そして俺に挑戦するんだよ!!」
「それは簡単……派手なアクションと、金がほしいからだ!!」
「理由になってねえよ!!」
上条のこめかみでプツンという音がした。
少なくとも玉座の下にいた二人には聞こえた。
少なくとも玉座の下にいた二人には聞こえた。
二人は肝を冷やした。
上条が言う。
「なあ、俺が玉座で二人下ってことは俺の言う事何でも聞くんだよなあ?」
「なあ、俺が玉座で二人下ってことは俺の言う事何でも聞くんだよなあ?」
「な、内容にもよるけどよォ」「ま、まあ内容にもよるな。」
もどる二人。
もどる二人。
そして上条のいった内容は。
「土御門の幻想、もとい撮影道具をすべてぶっ壊せ!」
「土御門の幻想、もとい撮影道具をすべてぶっ壊せ!」
二人は即答する。
「「イエッサー!!!」」
「にゃーっ!!!!!!!!!」
「「イエッサー!!!」」
「にゃーっ!!!!!!!!!」
恐怖とそして自分たちも壊したかったためもあろう、二人は初めて手を組んで機材を破壊しにかかる。
ちなみに土御門頼みの綱の月夜は現在赤音たちに見られるのは恥ずかしいという事で更衣室で普通の服に着替え中。
ちなみに土御門頼みの綱の月夜は現在赤音たちに見られるのは恥ずかしいという事で更衣室で普通の服に着替え中。
すなわち、魔術と科学の際教による破壊を止める者は一人もおらず。
「カミやん!!その玉座は最強という証で!!二人は手下じゃなくて挑戦者って設定だから!!
ねー!!ギャラ弾むから言うこと聞いて!!」
「ギャラ弾もうが玉弾もうがこっちには関係ねえんだよ!!」
ねー!!ギャラ弾むから言うこと聞いて!!」
「ギャラ弾もうが玉弾もうがこっちには関係ねえんだよ!!」
土御門はしょうがなく、最後の切り札を使う。
「……百万」
「ん?」
「ギャラ百万円だにゃー!!」
「ん?」
「ギャラ百万円だにゃー!!」
上条の目が…………光った。
「その話乗った!!」
「「乗るのかよ!?」」
「お二人さんにもお金は弾むぜい!!」
「「乗るのかよ!?」」
「お二人さんにもお金は弾むぜい!!」
二人の損得勘定は一秒もかからず、答えは決まっていた。
「「乗った!!」」
「にゃー!!これで決定!!」
「にゃー!!これで決定!!」
そこで、セットを壊している光景をもカメラに収めていた浜面が土御門に不安そうに聞いてきた。
「俺のギャラは……?」
「もちろん百万くれてやるぜい」
「俺、この仕事絶対降りない!!」
「そんじゃ、月夜ー!!そろそろ始めるから出てきてくれー!!」
「わかった、ちょっと待っててー!!」
「にゃー、わかったぜよ!!」
「もちろん百万くれてやるぜい」
「俺、この仕事絶対降りない!!」
「そんじゃ、月夜ー!!そろそろ始めるから出てきてくれー!!」
「わかった、ちょっと待っててー!!」
「にゃー、わかったぜよ!!」
土御門は月夜の機嫌を確かめると、三人(不思議な右手を持つ者達)に振り向く。
「そんじゃあ一応お前らには、がんばってもらうぜい!!」
「「「了解」」」
「「「了解」」」
そこにちょうど教会居残り組こと観衆一同が到着する。
「どうやら間に合いましたねー。あっ、美琴お姉さんがあそこに居ますよ。行きましょう、皆さん」
「飾利、そんなにはしゃいでると転んでしまいますよ。まったく、放っておけない可愛さですね♪」
「ま、転んだら転んだでそれはそれで可愛いけどな♪ むしろ転んで半ベソかいてる飾利が私は見たい」
(この二人、本当に初春が絡むと壊れるな……)
「飾利、そんなにはしゃいでると転んでしまいますよ。まったく、放っておけない可愛さですね♪」
「ま、転んだら転んだでそれはそれで可愛いけどな♪ むしろ転んで半ベソかいてる飾利が私は見たい」
(この二人、本当に初春が絡むと壊れるな……)
シェリーの提案に少し悩んだ後で同意した神裂を見て、闇咲は適切な判断を下したが声に出さない辺りは賢明である。
そんな中、過去にフィアンマに『自動書記の遠隔制御霊装』にて不幸な目に遭ったインデックスが不安そうにしていることにステイルが気付く。
そんな中、過去にフィアンマに『自動書記の遠隔制御霊装』にて不幸な目に遭ったインデックスが不安そうにしていることにステイルが気付く。
「大丈夫だよインデックス。フィアンマは君にもう何もしないだろうし、たとえ何かしても皆が君を守ってくれる。……これで気分を落ち着かせるんだ」
「チョコ……? ありがとうなんだよステイル。ステイルの優しさ、すっごく嬉しいかも」
(ほー、こちらはこちらで面白そーだなー♪ これが終ったらそれとなくからかってやろーか♪)
「チョコ……? ありがとうなんだよステイル。ステイルの優しさ、すっごく嬉しいかも」
(ほー、こちらはこちらで面白そーだなー♪ これが終ったらそれとなくからかってやろーか♪)
ナチュラルな感じでインデックスにバレンタインのチョコを渡したステイルは心の中で自分を褒め称えていた、キャーリサの視線に気付かずに。
楽しそうに美琴たちの居る観客席へと走る初春をまるで姉と母親のように見守る神裂とシェリーの視界に、初春に近づくフィアンマの姿を捉える。
初春もフィアンマが近づいてることに気付き足を止めるが、不思議と先ほどまでの恐怖は感じなかった。
楽しそうに美琴たちの居る観客席へと走る初春をまるで姉と母親のように見守る神裂とシェリーの視界に、初春に近づくフィアンマの姿を捉える。
初春もフィアンマが近づいてることに気付き足を止めるが、不思議と先ほどまでの恐怖は感じなかった。
「よく来たな初春。ふむ、俺様に未だ恐怖を抱いている様子だがその度合いも少なくなってるようだ。俺様が見込んだだけのことはある、誇っていいぞ」
「は、はぁ、ありがとうございます……(何だろう? フィアンマさんがあまり怖くない……って私も化け物? ううっ……)」
「は、はぁ、ありがとうございます……(何だろう? フィアンマさんがあまり怖くない……って私も化け物? ううっ……)」
フィアンマなりの褒め言葉を受けた初春、自分でも分かるくらいにフィアンマへの恐怖が薄らいでいくと同時に自分も化け物の類になってると考えて落ち込んでしまう。
しかしフィアンマにそんな初春の心情が読めるわけも無く、マイペースにとんでもない言葉を初春に投げかける。
しかしフィアンマにそんな初春の心情が読めるわけも無く、マイペースにとんでもない言葉を初春に投げかける。
「俺様は当麻のライバルになる男。そしてライバルには優れた補佐役というものが付きものだ。初春、お前には俺様の補佐という栄誉ある役職に就かせてやろう」
「…………はい?」
「途惑うのも無理は無いか。俺様はお前が気に入ったのだ、この戦いも元はお前の言葉が発端だ。こうなるように仕組んでいたのだろう? さすがは魔術側のサポーターというところか」
「え? え? ええっ? い、いや確かに考えはし、しましたけど、この戦いのお膳立ては土御門さんで……」
「…………はい?」
「途惑うのも無理は無いか。俺様はお前が気に入ったのだ、この戦いも元はお前の言葉が発端だ。こうなるように仕組んでいたのだろう? さすがは魔術側のサポーターというところか」
「え? え? ええっ? い、いや確かに考えはし、しましたけど、この戦いのお膳立ては土御門さんで……」
謙遜、自分には無いものを持っている初春にフィアンマはますます上機嫌に(実際初春は謙遜してはおらず事実を言ってるが)。
今までの二人だけにしか聞こえない声量から兵器試験場に居る人間全てに聞こえるような声でフィアンマが初春に爆弾発言をする。
今までの二人だけにしか聞こえない声量から兵器試験場に居る人間全てに聞こえるような声でフィアンマが初春に爆弾発言をする。
「ますます気に入った。初春、俺様の相棒になれ」
魔術側の事情を知ってる者達(浜面は除く)がフィアンマの発言に凍りつく中、神裂、シェリー、何故かキャーリサが初春を連れてフィアンマから引き離す。
「何の真似だ? 俺様は初春と話をしているのだ、邪魔をするな。それとも何か? お前達は俗に言うレズビアンなのか?」
「だ、誰がレズですかっ! 私はそのようなものではありません! 確かに飾利のことは好きです! ですがそれはお姉ちゃんとして! 昔の土御門とは違います!」
「私もだ! レズだとかふざけたこと抜かすな! 私の親友との接し方はこれがデフォルトなんだよ!」
「言っとくが私もとーぜん違うからな。この子をかばったのは……なぜだ?」
「だ、誰がレズですかっ! 私はそのようなものではありません! 確かに飾利のことは好きです! ですがそれはお姉ちゃんとして! 昔の土御門とは違います!」
「私もだ! レズだとかふざけたこと抜かすな! 私の親友との接し方はこれがデフォルトなんだよ!」
「言っとくが私もとーぜん違うからな。この子をかばったのは……なぜだ?」
フィアンマの歯に衣着せぬ発言に神裂とシェリー、長きに渡る(?)疑惑を払拭する事実をぶちまける。
神裂とシェリーの言葉に実はあの二人レズじゃないのかと思っていた面々は、ただただ驚くばかりだった。
神裂とシェリーの言葉に実はあの二人レズじゃないのかと思っていた面々は、ただただ驚くばかりだった。
「そうか、まあどうでもいいが。しかし無理に連れて行くのも当麻のライバルとしては相応しくないな。よし、司会者、一つ提案だ」
「な、何ですかにゃー?(まさかとは思うが……)」
「俺様がセロリっ娘を倒し、当麻を倒したあかつきには初春を補佐役として連れて行く。いわば景品のようなものだな。構わんな?」
「な、何ですかにゃー?(まさかとは思うが……)」
「俺様がセロリっ娘を倒し、当麻を倒したあかつきには初春を補佐役として連れて行く。いわば景品のようなものだな。構わんな?」
フィアンマの予想通りすぎる最悪の提案に、土御門は少し考える時間を貰うと当麻、一方通行、そしてレフェリー役として着替えを済ませた騎士団長と話し合うことに。
「別に集めなくてもイイだろォが、よォは俺が負けなきゃイインだろォ?」
「……いや、フィアンマは上条当麻も苦戦した猛者だ。もしもの時に備えて何か対策を考えなければなるまい」
「フィアンマが何か納得するような条件をあたえないとまずいぜよ……」
「つーか、フィアンマこれが終わったら拘束だし、別にいいんじゃねえか?」
「「「あっ」」」
「……いや、フィアンマは上条当麻も苦戦した猛者だ。もしもの時に備えて何か対策を考えなければなるまい」
「フィアンマが何か納得するような条件をあたえないとまずいぜよ……」
「つーか、フィアンマこれが終わったら拘束だし、別にいいんじゃねえか?」
「「「あっ」」」
三人は上条の言った発言に気づかなかった。確かにフィアンマは拘束しなければならない対象だ。
わざわざ初春を牢屋にぶちこむ理由も何もない。
だがそれだけでは不安なので別に何か策を考えるとこになった。
わざわざ初春を牢屋にぶちこむ理由も何もない。
だがそれだけでは不安なので別に何か策を考えるとこになった。
「じゃあフィアンマに嘘をつけばイインじゃねェか?」
「それは番組的にやばいぜよ」
「いつから番組になった……、だが確かにカメラを撮るとしたら嘘は信頼性をなくすな……」
「じゃあ……他に何があるんだ?」
「それは番組的にやばいぜよ」
「いつから番組になった……、だが確かにカメラを撮るとしたら嘘は信頼性をなくすな……」
「じゃあ……他に何があるんだ?」
こうして四人でギャーギャー言っていると、カメラを持った浜面が提案をしてきた。
「いっそのこと、初春ちゃんGETと上条の挑戦権をあの赤いのに決めさせればいいんじゃないか?」
「浜面、感謝する」
「浜面、感謝する」
上条はそう言うと、早速フィアンマに交渉にしにいった。
だが上条はフィアンマの所に行って、何か話して、フィアンマが即返答した瞬間、上条がずっこけた。
そして上条は何か落ち着いた顔をして戻ってきた。
だが上条はフィアンマの所に行って、何か話して、フィアンマが即返答した瞬間、上条がずっこけた。
そして上条は何か落ち着いた顔をして戻ってきた。
「どうだった……?」
「そく、『貴様の挑戦権にきまってるだろ』って言って納得してましたよ?」
「そく、『貴様の挑戦権にきまってるだろ』って言って納得してましたよ?」
当麻、一方通行、土御門、騎士団長、浜面はフィアンマが初春より当麻と戦うことを優先と考えたが、実際は違っていたりする。
(当麻への挑戦権はいつ手に入るか分からん。だが初春は説得次第でどうにでもなる、俺様らしくはないがな。当麻との友情ライバルストーリーを始めることが先決、それだけだ)
傲慢なフィアンマに何かを諦めるという言葉は無い、ただ手段を少しは選ぶようになったのは偉大な進歩だが。
当麻が玉座に座り、浜面が撮影、騎士団長は土御門に合流した月夜と打ち合わせ、一方通行とフィアンマは最後の準備体操を始めるのだった。
当麻が玉座に座り、浜面が撮影、騎士団長は土御門に合流した月夜と打ち合わせ、一方通行とフィアンマは最後の準備体操を始めるのだった。
土御門から初春をフィアンマの景品(?)にすることが無くなったことの報告を受けると、喜んだのは美琴、神裂、シェリーだった。
「よ、よかった~~~。これで飾利が万が一ローマ行きになったら涙子と最愛にどう説明したらいいのか分かんなかったもの」
「まったくですね。ですがこれで飾利の身も安泰、あの子のお姉ちゃんとしては喜ばしいかぎりです♪」
「にしてもさ、飾利ってろくでもない男共に好かれる星の元に生まれたのかねぇ。ま、そこもあの子の魅力の一つだけどさ♪」
「まったくですね。ですがこれで飾利の身も安泰、あの子のお姉ちゃんとしては喜ばしいかぎりです♪」
「にしてもさ、飾利ってろくでもない男共に好かれる星の元に生まれたのかねぇ。ま、そこもあの子の魅力の一つだけどさ♪」
その初春はというと、持って来ていたチョコを渡す予定にあったインデックス、ステイル、闇咲に渡して回っていた。
三人は初春の律儀さに呆れつつも、感謝の気持ちを以ってチョコを受け取るのだった。
チョコを渡し終えた初春は特に何も考えずにキャーリサの隣に腰を下ろした。
三人は初春の律儀さに呆れつつも、感謝の気持ちを以ってチョコを受け取るのだった。
チョコを渡し終えた初春は特に何も考えずにキャーリサの隣に腰を下ろした。
「なー初春、私にはチョコは無いのかなー?」
「……ご、ごめんなさい。手元にあるのは五和さん、対馬さん、浦上さんの分だけで……」
「……ご、ごめんなさい。手元にあるのは五和さん、対馬さん、浦上さんの分だけで……」
キャーリサの催促に申し訳なく思った初春だったが、建宮への『お父さんチョコ』の存在は無意識の内に隠していた。
そのキャーリサは特に責める事はしなかったが、五和が異端審問でロンドン送りになったことを聞いていたので初春の持っている包みから五和へのチョコを掴み取る。
そのキャーリサは特に責める事はしなかったが、五和が異端審問でロンドン送りになったことを聞いていたので初春の持っている包みから五和へのチョコを掴み取る。
「五和は確かロンドンに向かってる途中だ、今日中には渡せん。だからこれは私が受け取っておこー♪ ありがとな初春」
「……ええっ! そ、そんなのダメですよーっ! キャーリサさんが望むなら後日作って贈らせてもらいわぷっ!」
「いーじゃないか、減るもんじゃ無し。それにバレンタインに貰ってこそ意味があるんだ、それが義理でもな。今日喰ってやればチョコも本望とゆーもんだ」
「……ええっ! そ、そんなのダメですよーっ! キャーリサさんが望むなら後日作って贈らせてもらいわぷっ!」
「いーじゃないか、減るもんじゃ無し。それにバレンタインに貰ってこそ意味があるんだ、それが義理でもな。今日喰ってやればチョコも本望とゆーもんだ」
キャーリサへの抗議をハグ、しかも自身の胸に押し付ける形でされたことで初春は何も言えなくなってしまう。
初春はジタバタしてようやくキャーリサの胸から『プハッ!』と息を吐いて顔を出した。
初春はジタバタしてようやくキャーリサの胸から『プハッ!』と息を吐いて顔を出した。
「む~~~~~っ、キャーリサさんといいフィアンマさんといい魔術に関わる人達って意外と強引なんですね」
「まーそれが魔術師ってーもんだからな♪ でも心配するな、この五和へのチョコは責任持って届けてやる。その代わり」
「その代わり……何ですか?」
「ヴィリアンとの件について、この戦いが終ったらちゃーんと話してもらうからな♪」
「まーそれが魔術師ってーもんだからな♪ でも心配するな、この五和へのチョコは責任持って届けてやる。その代わり」
「その代わり……何ですか?」
「ヴィリアンとの件について、この戦いが終ったらちゃーんと話してもらうからな♪」
キャーリサが五和へのチョコを届けてくれると言ってくれたことに初春は喜ぶが、キャーリサが半分以上食べてから渡すとは思ってもいないだろう。
その後ですっかり忘れていたヴィリアンとの関係を聞かれると思うと、どうしたものかと悩むのだった。
その後ですっかり忘れていたヴィリアンとの関係を聞かれると思うと、どうしたものかと悩むのだった。