同時刻。
窓のないビル。
窓のないビル。
「すさまじいな。エイワス、君から見てどうだい?」
「非常に興味があるな。行ってみるか。」そう言って金髪の人物は行こうとするが。
「非常に興味があるな。行ってみるか。」そう言って金髪の人物は行こうとするが。
「待ちたまえ。」逆さまで液体につかる男がそういうとエイワスの体は動かなくなる。
「なるほど、私に対する束縛を強化したのか。風斬をけしかけたからかね?」だが、エイワス本人は気にも留めない。
自分が逆さまの男にとって必要な存在である自信があるからだろう。
「なるほど、私に対する束縛を強化したのか。風斬をけしかけたからかね?」だが、エイワス本人は気にも留めない。
自分が逆さまの男にとって必要な存在である自信があるからだろう。
「イマジンブレーカーの新の覚醒を見てからも遅くはあるまい、エイワス?」
この言葉を聞くまでは。
「ほう!いまジnブreーカーのshiんの覚醒か!!そいつは興m深い!!」
興奮のあまり言語がついて来れなくなっているが本人たちは気にも留めない。
「そうだろう。ロシアでも部分的にしか解放されなかった力だが、今回の状況なら覚醒するかもしれない。」
今回の状況とは
①近くに非常に多くの知り合い、友人がいる。
②戦っている双方とも知り合いである。
③上条当麻はいかなる理由であれ、人を助けようとする。
である。それを再度確認したアレイスターは笑ってつぶやく。
この言葉を聞くまでは。
「ほう!いまジnブreーカーのshiんの覚醒か!!そいつは興m深い!!」
興奮のあまり言語がついて来れなくなっているが本人たちは気にも留めない。
「そうだろう。ロシアでも部分的にしか解放されなかった力だが、今回の状況なら覚醒するかもしれない。」
今回の状況とは
①近くに非常に多くの知り合い、友人がいる。
②戦っている双方とも知り合いである。
③上条当麻はいかなる理由であれ、人を助けようとする。
である。それを再度確認したアレイスターは笑ってつぶやく。
「さて、どうする神上?」
戦いの暴風雨の渦中にいる一方通行は黒翼と黒き悪魔の右腕を、フィアンマは聖なる右を振るう、この上も無い高揚感の中で。
お互いにまさかここまで自分と拮抗するとは思っていなかった、ゆえに今の状況がたまらなく楽しいのだ。
お互いにまさかここまで自分と拮抗するとは思っていなかった、ゆえに今の状況がたまらなく楽しいのだ。
「成程、アックアを満身創痍の状態から引き分けに持ち込んだだけのことはある。認めようアクタ、お前は俺様の前に立ちはだかるに相応しい男だ」
「言ってろバカが。だがてめェも俺とここまで戦り合えるたぁなぁ、褒めてやンよォ。けどなァ」
「言わずとも分かっている。それでも俺様達は右腕ライバルの当麻には敵わなかった。だからこそ俺様はあいつを倒し、ライバルな親友になりたいのだ」
「言ってろバカが。だがてめェも俺とここまで戦り合えるたぁなぁ、褒めてやンよォ。けどなァ」
「言わずとも分かっている。それでも俺様達は右腕ライバルの当麻には敵わなかった。だからこそ俺様はあいつを倒し、ライバルな親友になりたいのだ」
フィアンマが自分のスタンスを崩さず話しながらも、何度目かの『触れれば終わる打撃』を見舞う。
しかしそれを一方通行の黒き悪魔の右腕で迎撃、驚くことに『触れれば終わる打撃』を凌いでいたのだ。
しかしそれを一方通行の黒き悪魔の右腕で迎撃、驚くことに『触れれば終わる打撃』を凌いでいたのだ。
「やはりお前は愉快な奴だな、アクタよ。だがそろそろ終わりにしよう。俺様にはこの後で当麻との友情を深め合うライバル同士の激突が控えているのだからな」
「そいつァこっちのセリフだ。上条と戦うのはこの俺だ、そンで今度こそあいつを倒す! だからてめェは大人しく負けてろ……フィアンマ」
「ようやく俺様のことを名前で呼んだか。だがアクタよ、気を緩めるなよ。最後までこの戦闘のリズムを維持し続けろ。でないと俺様もお前も楽しめんからな」
「そいつァこっちのセリフだ。上条と戦うのはこの俺だ、そンで今度こそあいつを倒す! だからてめェは大人しく負けてろ……フィアンマ」
「ようやく俺様のことを名前で呼んだか。だがアクタよ、気を緩めるなよ。最後までこの戦闘のリズムを維持し続けろ。でないと俺様もお前も楽しめんからな」
フィアンマの楽しげな笑みに一方通行もまた楽しげな笑みを浮かべ、攻撃の速度を更に加速させる。
その状況下の中で二人は練り上げる、自身が今現在持っている最強の一撃というものを。
その状況下の中で二人は練り上げる、自身が今現在持っている最強の一撃というものを。
――――――――――
その頃、当麻はアレイスターの期待が掛かってることなど知る由も無いのだが目の前の状況を見て、ぼそっと呟く。
「……帰りてぇ」
それを聞いていた土御門もここらが潮時かと思ったが、そこへ自分の携帯にアレイスターから連絡が入ると嫌々ながらも話を聞くことにした。
『土御門、安心するといい。第二学区を一時的に全域封鎖しておいた。せっかく面白いものが見られそうなんだ、逃げてもらっては困るな』
「……待て。逃げてもらっては困るってまさかお前、俺達も出さないつもりか!」
『心配するな、幻想殺しの覚醒ないしはそれに類するものを見られれば封鎖を解除する。言っておくが外部からの進入を禁止したのは私ではない。頑張りたまえ』
「……待て。逃げてもらっては困るってまさかお前、俺達も出さないつもりか!」
『心配するな、幻想殺しの覚醒ないしはそれに類するものを見られれば封鎖を解除する。言っておくが外部からの進入を禁止したのは私ではない。頑張りたまえ』
一方的に連絡を絶ったアレイスターに腹を立てる土御門だが、彼の最後の言葉にそれをやらかした人物に視線を送る。
土御門の視線の先には神裂とシェリーに飛んでくる瓦礫とかから守られている初春の姿があり、視線に気付いた初春が土御門を手招きする。
土御門の視線の先には神裂とシェリーに飛んでくる瓦礫とかから守られている初春の姿があり、視線に気付いた初春が土御門を手招きする。
「えっとですね……。あくまで第二学区を外部からの干渉を遮断したのはこれ以上の被害を出さない為でして……無茶は少ししましたけど。ごめんなさい……」
「いや、謝らなくていいぜよ。お前さんがしなくても俺かどこぞのお偉いさんがやってただろうしな(まあ、あのバカは余計なことしやがったけど)」
「いや、謝らなくていいぜよ。お前さんがしなくても俺かどこぞのお偉いさんがやってただろうしな(まあ、あのバカは余計なことしやがったけど)」
初春の取った措置は土御門も納得できるものだったので特に怒ってはいなかった、むしろ手間が省けてちょっとラッキーと思っていたりする。
とはいえこれ以上一方通行とフィアンマを戦わせては第二学区そのものが壊滅しかねないので、仕方なく二人を止める方向で動き出す。
とはいえこれ以上一方通行とフィアンマを戦わせては第二学区そのものが壊滅しかねないので、仕方なく二人を止める方向で動き出す。
「まあ、映像の方は浜面のお陰でいいものが撮れたぜい。つーわけで今からあの最強バカ二人を止めるぜよ。カミやん、いつものように飛ぶにゃー♪」
「ふっざけんなあああああああああっ! 5kmの距離を色んなモノが飛んでる中を撃ち出されろってのかよ! いくら何でも死ぬわ!」
「ふっざけんなあああああああああっ! 5kmの距離を色んなモノが飛んでる中を撃ち出されろってのかよ! いくら何でも死ぬわ!」
言われてみればその通りだと気付く土御門だが、それを自分よりオツムが明らかに弱い当麻に言われたことに内心で悔しがる。
そこへこの状況では何も出来ない真昼がやって来てさらっとこんなことを言ってのける。
そこへこの状況では何も出来ない真昼がやって来てさらっとこんなことを言ってのける。
「じゃあさ、上条をこの冗談みたいな嵐の中を誰かが運べばいいんじゃねーのか? あいつらを問題なくぶっ倒せそうな距離までさ」
「いや井ノ原姉、それはいくらおバカな上条さんでも無茶だって分かりますのことよ。大体こんな状況で問題なく運べそうな奴っていたか?」
「真夜ならいけるだろ、多分。運ぶルートはみんなで協力して作りゃいいと思うぜ」
「いや井ノ原姉、それはいくらおバカな上条さんでも無茶だって分かりますのことよ。大体こんな状況で問題なく運べそうな奴っていたか?」
「真夜ならいけるだろ、多分。運ぶルートはみんなで協力して作りゃいいと思うぜ」
真昼の言葉を受けて土御門は思考し始め、一方通行とフィアンマを黙らせる為の策を張り巡らせる。
(カミやんを運ぶのは井ノ原弟、ルート確保&障害撃破は美琴ちゃんとキャーリサ様と月夜と茜川、最後の打ち上げは騎士団長……よし!)
そして今、自分が考えられるベストな作戦を引っさげて土御門は頭に思い描いた人物を急いで呼び寄せるのだった。
◇◇◇◇◇◇◇
「それじゃあ、オペレーション開始!!」
「「「「「「「「「「「「おォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」
「それじゃあ、オペレーション開始!!」
「「「「「「「「「「「「おォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」
面々は勢いよく戦闘中の二人を止める為動き出す。
だが、白雪は途中で重大な事に気づいた。
だが、白雪は途中で重大な事に気づいた。
「……ねえ元春、井ノ原弟君を殺す気?」
「なあに、何事も経験ぜよ」
「いや、そうじゃなくてさ……。今でも遅くないからさ、上条くん一人で行ってもらおうよ」
「何でぜよ?」
「上条くんの右手ってさ、能力使えなくする能力があるよね?」
「だから?」
「少しでも井ノ原弟君に右手がかすったらさ……ヤバくないかな?」
「あっ」
「なあに、何事も経験ぜよ」
「いや、そうじゃなくてさ……。今でも遅くないからさ、上条くん一人で行ってもらおうよ」
「何でぜよ?」
「上条くんの右手ってさ、能力使えなくする能力があるよね?」
「だから?」
「少しでも井ノ原弟君に右手がかすったらさ……ヤバくないかな?」
「あっ」
「にゃ、にゃーーーっ! 月夜、そのことを早く井ノ原弟に伝えるぜよ!」
慌てて月夜も雪の翼を展開、一方通行とフィアンマが生み出す瓦礫の嵐を蹴散らし飛行する。
その真夜はというと美琴、赤音、キャーリサが処理しきれなかった瓦礫を強化した動体視力で見切りながら、見事なライン取りで駆け抜ける。
その真夜はというと美琴、赤音、キャーリサが処理しきれなかった瓦礫を強化した動体視力で見切りながら、見事なライン取りで駆け抜ける。
「ちょ、真夜、もう少しスピード落とせって! 酔うから! 乗り物じゃなくてお前で酔いそうだから!」
「急ぐんだろ! だったら文句言うなよ! これでもお前のこと配慮して速度落としてるんだからさ」
「急ぐんだろ! だったら文句言うなよ! これでもお前のこと配慮して速度落としてるんだからさ」
真夜のライン取りは結構無茶で、乗ってる当麻としては揺れも激しく本当にきついのだが速度は本物で早くも1km走破していた。
当麻の苦しみはそれだけではなく、真夜が即興で考えた『幻想殺し』に触れないためのアイディアだった。
当麻の苦しみはそれだけではなく、真夜が即興で考えた『幻想殺し』に触れないためのアイディアだった。
「あだだだだだっ! 手首が痛い! ものすっごく痛い!」
「我慢しろって! お前の右手に触れたら俺もやばいんだからさ!」
「だったらもう少しソフトに握って! 右手がもげそうな痛み感じてるから!」
「我慢しろって! お前の右手に触れたら俺もやばいんだからさ!」
「だったらもう少しソフトに握って! 右手がもげそうな痛み感じてるから!」
真夜のアイディア、それは当麻の右手首を掴んで固定、なおかつ当麻の右腕を伸ばして自分の体に触れないようにするものだった。
しかし真夜の強化された(80なので普段の九倍)力で掴まれてるので、当麻の痛みは相当なもので色々と限界が近づいていた。
しかし真夜の強化された(80なので普段の九倍)力で掴まれてるので、当麻の痛みは相当なもので色々と限界が近づいていた。
「あ、なんか大丈夫みたいだね。慌てて追いかけてきたけど心配するだけ無駄だったかな?」
「白雪さん、ちょうど良かった! 俺の右手辺りを凍らせて! 上条の右手には触れないように」
「了解♪」
「白雪さん、ちょうど良かった! 俺の右手辺りを凍らせて! 上条の右手には触れないように」
「了解♪」
月夜に自分の右手と当麻の手首を凍らせた理由、それは当麻の痛みを氷で誤魔化すというものだった。
結果として上手くいったが、逆に今度は冷たさに苦しむ当麻。
結果として上手くいったが、逆に今度は冷たさに苦しむ当麻。
「白雪冷たい! 何か手首辺りがすっごく麻痺してる! つーか真夜、この氷どうやって解除すんだよ!」
「……あっ。ごめん、白雪さん。上条を運び終えるまで随伴してくれるかな?」
「……あっ。ごめん、白雪さん。上条を運び終えるまで随伴してくれるかな?」
こうして当麻運搬班に月夜が加わった所で一方通行とフィアンマが居る戦場まであと3km。
だが、ここからさらに過酷な状態になってしまう。
「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」
二人の戦いがさらにヒートアップし、瓦礫がもっと飛んできたのだ。
それにより、全然進まなくなってしまった。
それにより、全然進まなくなってしまった。
「これじゃ、いくらなんでも進めないぞ!!」
「じゃあこれなら進めるんじゃない?」
「じゃあこれなら進めるんじゃない?」
そういうと月夜はシステムスキャンで使った氷の巨人を三人の前に置いたのだ。
しかも氷の巨人は瓦礫がぶつかっても全然びくともしなかった。
しかも氷の巨人は瓦礫がぶつかっても全然びくともしなかった。
「よし、これなら行けるぞ!!」
そういうと三人は氷の巨人を前に置きながら進んだ。
その頃、氷の巨人を見てアートだと感じる人物がいた。
「何だあの巨人、ものすごいアートではないか!!」
シェリーは初春の守る事を忘れ、氷の巨人を見始めてしまった。
「シェリー、何やっているんですか。そんなにあの巨人を見てないで一緒に飾利を守ってください!!」
「あ、すまない。つい見惚れてしまった。」
「あ、すまない。つい見惚れてしまった。」
シェリーは神裂に言われて初春を守ろうとするが、数秒するとまた氷の巨人を見てしまった
「シェリー!!瓦礫が飛んできましたよ!!」
「ッ!?」
「ッ!?」
シェリーは瓦礫が飛んでくるのが見えておらず、瓦礫はシェリーに直撃した。
「シェリーさん!!大丈夫ですか!?」
シェリーが飛んできた瓦礫にぶつかると初春はすぐにシェリーに駆け寄った。
だが、初春がシェリーを揺さぶっても起きず、気絶していると分かった。
だが、初春がシェリーを揺さぶっても起きず、気絶していると分かった。
「飾利、シェリーを頼みます。私は一人で二人を守りますので。」
「分かりました。」
「分かりました。」
神裂はシェリーが気絶してしまったので一人で対処しなければならなくなった。
一方通行とフィアンマの戦場から1km地点では美琴、キャーリサ、赤音が瓦礫の嵐を前に暴れていた(ここまでは闇咲の運転で送ってもらっている)。
攻撃範囲も威力もバランスの取れた美琴、攻撃範囲は広いが威力はやや劣る上に息継ぎが必要な赤音、その二人を守るキャーリサ、即興にしては上手く連携が取れていた。
攻撃範囲も威力もバランスの取れた美琴、攻撃範囲は広いが威力はやや劣る上に息継ぎが必要な赤音、その二人を守るキャーリサ、即興にしては上手く連携が取れていた。
「いやーまさか科学側の人間と魔術側の私が連携を取るとはなー♪ だが悪くない感じだ、それに力を思いっきり揮えるってーのは気持ちがいー♪」
「ちょ、ちょっとキャーリサさん! 普通の一般人の……えっと」
「赤音、茜川赤音だよー♪ ちなみに月夜ちゃんとは親友だからよろしくね、美琴ちゃん。それに私、金髪さんの言ってること分からないけど、進んで聞こうとは思ってないから」
「ちょ、ちょっとキャーリサさん! 普通の一般人の……えっと」
「赤音、茜川赤音だよー♪ ちなみに月夜ちゃんとは親友だからよろしくね、美琴ちゃん。それに私、金髪さんの言ってること分からないけど、進んで聞こうとは思ってないから」
キャーリサの魔術秘匿を完全無視の発言に焦る美琴だが、赤音の全く気にしてない感じを受けてホッと一安心する。
自分のことを知ってなさそうな感じの赤音を後で問い詰めようとしたキャーリサだが、表情を引き締めて檄を飛ばす。
自分のことを知ってなさそうな感じの赤音を後で問い詰めようとしたキャーリサだが、表情を引き締めて檄を飛ばす。
「さーお前ら、そーゆー話は全部終わってからだ。美琴はそのままの威力で電撃を放ち続けろ。そっちの赤音とかゆー女、次の衝撃波が大丈夫なら遠慮なくやれ」
「「はいっ!!!!」」
「上条当麻運搬班が到着するまでの辛抱だ、最後まで気を抜くんじゃーないぞ!」
「「はいっ!!!!」」
「上条当麻運搬班が到着するまでの辛抱だ、最後まで気を抜くんじゃーないぞ!」
美琴、キャーリサ、赤音の三人の戦いは続く、当麻が到着するまで。
―――――――――
こちらは最強二人の戦場から500m離れた場所、当麻の撃ち出し担当の騎士団長、そしてカメラマン浜面が居た。
浜面は土御門に言われるままに一方通行とフィアンマの激闘、ならびに当麻のシメのシーン撮影を依頼されてここに居る、嫌々ながら。
浜面は土御門に言われるままに一方通行とフィアンマの激闘、ならびに当麻のシメのシーン撮影を依頼されてここに居る、嫌々ながら。
「なー騎士団長のおっさーん! 俺もう帰りたいんですけどーッ! うおっ危なっ!」
「あまり文句を言うのは感心しないな浜面。君は土御門に雇われてる身、雇用主の命令には従うのが当たり前だ」
「あまり文句を言うのは感心しないな浜面。君は土御門に雇われてる身、雇用主の命令には従うのが当たり前だ」
騎士団長に『移動速度』であっという間に連れてこられ、リアルな映像を撮っている浜面は誰よりも戦っているのかもしれない。
浜面の撮影の邪魔にならないように彼に飛んでくる瓦礫のみを破壊、当麻の到着を待っている騎士団長だった。
そんな中、浜面が気づいた所であまり意味の無い質問を騎士団長にする。
浜面の撮影の邪魔にならないように彼に飛んでくる瓦礫のみを破壊、当麻の到着を待っている騎士団長だった。
そんな中、浜面が気づいた所であまり意味の無い質問を騎士団長にする。
「つーかさ、あの二人止めたいなら俺じゃなくて上条引っ張ってくりゃ良かったんじゃね?」
「それは駄目だ。君には上条当麻が来るまであの二人の戦いを記録する役目がある。戦いを止め、映像も撮る、それが土御門の方針だからな」
「何そのワガママ理論! つまり俺は土御門の金儲けの為に命張らされてんのかよ! 後でぜってーぶん殴……れたらいいな」
「それほど怒ることもあるまい。君には充分なお金が入るのだろう? だったら最後までやり通すんだ浜面、君なら出来る」
「それは駄目だ。君には上条当麻が来るまであの二人の戦いを記録する役目がある。戦いを止め、映像も撮る、それが土御門の方針だからな」
「何そのワガママ理論! つまり俺は土御門の金儲けの為に命張らされてんのかよ! 後でぜってーぶん殴……れたらいいな」
「それほど怒ることもあるまい。君には充分なお金が入るのだろう? だったら最後までやり通すんだ浜面、君なら出来る」
騎士団長にまんまと乗せられた浜面、テンションを上げて撮影に精を出す。
簡単に扱える浜面を見て騎士団長は瓦礫を破壊しながら思った、上条勢力の人間はシンプルなのだと。
簡単に扱える浜面を見て騎士団長は瓦礫を破壊しながら思った、上条勢力の人間はシンプルなのだと。
――――――――――
こちらはステイルと美琴達を送り届けて戻って来た闇咲に守られてる土御門、インデックス、真昼の現状では役に立てない面々。
ステイルはイノケンティウスがこの暴風状態ではルーンのカードが飛ばされるということで配置不能ないしは時間が掛かりすぎてしまい、仕方なく炎剣で守っている。
ステイルはイノケンティウスがこの暴風状態ではルーンのカードが飛ばされるということで配置不能ないしは時間が掛かりすぎてしまい、仕方なく炎剣で守っている。
「ねーねーもとはる、あっちの方でシェリーが倒れたからかおり一人でかざり守ってるよ」
「なんですと! だったら俺達も移動してねーちんたちと合流してやり過ごすぜよ!」
「なんですと! だったら俺達も移動してねーちんたちと合流してやり過ごすぜよ!」
距離もそんなに離れていないこともあって土御門たちは神裂たちのいる所へと向かった、移動しながら守るステイルと闇咲が大変苦労して。
しかし彼らは思いもしないだろう、まさか神裂に初春を一人で守って褒めてもらおうと思っていたプランを台無しにされて怒られるなどと。
しかし彼らは思いもしないだろう、まさか神裂に初春を一人で守って褒めてもらおうと思っていたプランを台無しにされて怒られるなどと。
「ねーちん! こっからは俺達のグループと一緒にみんなを瓦礫から守るぜよ!」
「…………んで来たんですか?」
「へ?」
「何でこちらに来たんですかーっ! せっかく飾利を一人で守り、後で思いっきり褒めてもらおうという私の計画を台無しにするなんて!」
「…………んで来たんですか?」
「へ?」
「何でこちらに来たんですかーっ! せっかく飾利を一人で守り、後で思いっきり褒めてもらおうという私の計画を台無しにするなんて!」
シェリーが気絶して戦力ダウンした神裂を助けようと合流した土御門一行を自分のワガママで怒鳴りつける神裂。
理不尽な怒られ方に唖然とする土御門一行だが、そこへ初春が助け舟を出す。
理不尽な怒られ方に唖然とする土御門一行だが、そこへ初春が助け舟を出す。
「火織お姉ちゃん、そんなこと言ってる場合じゃないですよ! ここは皆さんで協力して乗り切ることが大事なんですから!」
「……飾利がそう言うなら。ステイル、闇咲。ここから私達で力を合わせて飾利たちを守りましょう」
「……飾利がそう言うなら。ステイル、闇咲。ここから私達で力を合わせて飾利たちを守りましょう」
神裂の変わり身の早さに絶句するステイルと闇咲、かといって抗議なんて怖くて出来ないので黙って瓦礫の破壊に勤しむ。
しかし土御門、ステイル、闇咲には分かっていた、神裂の目が「後で覚えてなさい」と言っていたことが。
しかし土御門、ステイル、闇咲には分かっていた、神裂の目が「後で覚えてなさい」と言っていたことが。
「なー、あのねーちゃん本当に大丈夫か?」
「だ、大丈夫ですよ。火織お姉ちゃんはちょっと変わってますけどとっても頼りになるんですから。私の自慢のお姉ちゃんです♪」
「確かにかおりの強さはわたしも保証するけど、性格に関しては大丈夫とは完全に保証できないかも」
「だ、大丈夫ですよ。火織お姉ちゃんはちょっと変わってますけどとっても頼りになるんですから。私の自慢のお姉ちゃんです♪」
「確かにかおりの強さはわたしも保証するけど、性格に関しては大丈夫とは完全に保証できないかも」
インデックスと真昼が失礼なことを言っているが、いくら神裂でも女の子(特にインデックス)を怒ることは出来ないので黙認することに。
なお、初春の言葉でテンションが一気にアップしたのは言うまでも無い。
なお、初春の言葉でテンションが一気にアップしたのは言うまでも無い。
――――――――――
その頃の当麻運搬班、現在目的地まで残り2kmの所を走っていた。
月夜の氷の巨人は見た目によらない速度で走っていたが実はそれには理由があった。
月夜の氷の巨人は見た目によらない速度で走っていたが実はそれには理由があった。
「まさか氷の巨人の足場を凍らせて滑らせるなんて思いもしなかったぜ。さすがは白雪だな」
「それほどでもないよー。こうでもしないとまともに動かないし、到着するのに凄く時間掛かるから。それよりも井ノ原くんの方が凄いよ……」
「俺? ただ上条を担いで白雪さんの氷の巨人の後ろを走ってるだけだよ?」
「それほどでもないよー。こうでもしないとまともに動かないし、到着するのに凄く時間掛かるから。それよりも井ノ原くんの方が凄いよ……」
「俺? ただ上条を担いで白雪さんの氷の巨人の後ろを走ってるだけだよ?」
スケートの要領で氷の巨人の移動速度を上げた月夜だが、その氷の足場を踏み砕きなら進む真夜にかなり驚いていた。
順風満帆の一行だったが、氷の巨人のある変化に当麻が気付く。
順風満帆の一行だったが、氷の巨人のある変化に当麻が気付く。
「なあ、白雪。気のせいかこの氷の巨人、少しづつ壊れてきてねぇか? というか俺達の盾になりながら進んでるだけで攻撃とかしてねぇよな? あと修復も」
「あのね上条くん。シェリーさんのゴーレムじゃないんだから修復なんて出来ないし、単純な行動しか出来ないんだよ、これ。目的地まで形が残ってればそれでいいんだから」
「あのね上条くん。シェリーさんのゴーレムじゃないんだから修復なんて出来ないし、単純な行動しか出来ないんだよ、これ。目的地まで形が残ってればそれでいいんだから」
氷の巨人は月夜の能力の中では新しいものでシェリーのゴーレムのような動きは出来ないのだ(いずれはとは考えているが)。
当麻が月夜の言うことに納得してると、真夜が当麻に対してとんでもない頼みごとをする。
当麻が月夜の言うことに納得してると、真夜が当麻に対してとんでもない頼みごとをする。
「ところでさ上条、さっき騎士団長さんが見せてくれたお前を撃ち出したアレ、俺もしたいんだけどいいよな? 蹴りならそこそこ速度出るだろうし」
「……えーっと真夜さん、ちなみにあなたのキック力はどれくらいのものなのでせうか?」
「能力未使用状態で確か……370kgだったかな(腰の入ってない蹴りだったけど、真面目にやったらもっと上がるかな?)」
「……えーっと真夜さん、ちなみにあなたのキック力はどれくらいのものなのでせうか?」
「能力未使用状態で確か……370kgだったかな(腰の入ってない蹴りだったけど、真面目にやったらもっと上がるかな?)」
真夜の能力のことをこの道行きの中で聞いていた当麻は今の彼が普段の九倍の力を持っていることを受けて計算した。
結果、約3t(細かい計算は出来なかった当麻)の力で撃ち出されることを知るとウィリアムや騎士団長よりはマシだと思うことにした。
しかし当麻の安心を吹き飛ばすアイディアを月夜が楽しげに提案する。
結果、約3t(細かい計算は出来なかった当麻)の力で撃ち出されることを知るとウィリアムや騎士団長よりはマシだと思うことにした。
しかし当麻の安心を吹き飛ばすアイディアを月夜が楽しげに提案する。
「じゃあこうゆうのはどうかな? 1km地点から井ノ原くんが、500m地点で待機してる騎士団長さんが撃ち出すの。これなら威力とか上がると思うよ」
「あ、それいいかも。二段階加速って何かカッコいいし。上条なら余裕で耐えられるんじゃないかな」
「ちょっとお二人さん! あなた達は俺のことを買いかぶりすぎ! 上条さんはそんな大層なモンじゃありませんのことよ!」
「あ、それいいかも。二段階加速って何かカッコいいし。上条なら余裕で耐えられるんじゃないかな」
「ちょっとお二人さん! あなた達は俺のことを買いかぶりすぎ! 上条さんはそんな大層なモンじゃありませんのことよ!」
当麻が真夜の背中から抗議してるのを無視して、月夜は飛行しながら土御門に自分のアイディアを採用する許可を貰っていた。
土御門が月夜のアイディアを却下してることを願う当麻だが、土御門がそんな都合のいい答えを言ってくれるわけが無かった。
土御門が月夜のアイディアを却下してることを願う当麻だが、土御門がそんな都合のいい答えを言ってくれるわけが無かった。