とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

14-21

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匿名ユーザー

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 フィアンマとヴェントが去ってすぐに、真夜、真昼、赤音たちも自分達の家に帰る準備を始めた。
 真昼と赤音に肩を貸してもらいようやく歩けるようになった真夜に騎士団長が声をかける。

「真夜、今日は君の気遣い、本当に嬉しかったぞ。まさに騎士を思わせるようだった」
「き、騎士を言われてもピンと来ないんですけど……。あ、今日のことは誰にも言いませんし詮索もしませんから。きっと騎士団長さんも上条達も困るでしょうから」
「済まないな。それにしても日本でポリアモリーな、しかもこれほど仲睦まじい関係が見られるとは意外だったな」
「「「ポリアモリー???」」」

 ポリアモリー、要は全ての関係者が全ての状況を知った上で付き合う恋愛関係のことである。
 青ピ達が言っている『公認二股』なわけだが、公認してる自体で二股は少し違うが馴染みの薄い日本人にとっては同じにしか見えないのだろう。

「ああ、気にしなくていい。すまなかったな、引き止めてしまって。元気でな、三人とも。困ったことがあったらそこへ連絡してくれ」
「はい、騎士団長さんもお元気で」
「じゃーなーオッサン」
「騎士団長さん、キャーリサ様に知らなかったことを謝っておいてくださいねー」

 別れ際に騎士団長から連絡先とかが書かれた名刺を受け取ったトライアングルカップル改めポリアモリーカップルはタクシーを拾って、第八学区の自分達の家へと帰るのだった。
 ポリアモリーカップルを見送った騎士団長もキャーリサを連れて帰ろうとしたが、

「さー初春。お前とヴィリアンの関係について洗いざらい話してもらおーか♪」

 初春の頭をガシッと掴み、楽しげに笑顔を作りながらヴィリアンとの関係を聞こうとしてるキャーリサを目にして胃が痛くなるのを感じていた。


「あっ……いやー……そのー……?」

初春が騎士団長に『助けて目線』を向けるが、ここは自分のためにスルー。
第二女王はどうやら不機嫌なようで……。

「は・や・く・こ・た・え・ろ!!」

ブンブンブンと初春の頭を振り回し(絵的にやばい。……グロイ意味で)、最凶の拷問に耐え切れず初春は一言だけ答えた。

「おね……さ……んと……呼ばせて……もらっ……てます………」
「ほう?」

ピタッと、初春の顔を振り回していた腕が止まり、ニヤリと笑うキャーリサ。
「そーかそ-か……、そーゆーこと?」
「……はい」

どうゆうことかはわからないが、とりあえず同意する初春。

「アイツの妹ということは私の妹でもあるの。(これで手ごまが増えたの……」
「きゃ、キャーリサさん!?途中から思考駄々漏れですよ!?」


 キャーリサにブン回されて目が廻ってる初春はフラフラしながら、彼女の胸の中へと持たれかかる。
 確かにキャーリサは初春を手ごまにした、そう思っていたが彼女の唯一にして絶対の誤算、それは初春という少女そのものだった。

(な、何なの、この不可思議な感覚は? そーいえばここに来るまでこの子をハグしたり膝の上に座らせて楽しんでたよな、私?)
「あ、あの~、キャ、キャーリサ、さん? ど、どうかしましたか?」
(いやいやいや、ヴィリアンのよーにこの子に執心するなどいくら何でも……)

 初春飾利、これまでに神裂、シェリー、ヴィリアンといった年上の女性(全員魔術側)にどうゆうわけか好かれていた、理屈抜きで。
 魔術側の年上の女性を惹きつける何かを持っている初春にキャーリサもまた、やられ始めていた。

「えっと、その、ヴィリアンね、姉さまのことを、だ、黙っていたのは謝ります。で、ですから、ヴィリアン姉さまのことを叱らないで上げてください……」
「(グハッ! 涙目で訴えるとか反則だってーの! まさか私までもが……だがっ!)分かった、分かったから! だから私のこともキャーリサ姉さまと呼ぶよーに!」
「……えっ? そ、それってキャーリサさんはヴィリアン姉さまのことを許しわぷっ!」
「ダメだぞ飾利ー♪ 私のことはキャーリサ姉さまと呼べと言っただろー? まったくしょーがない妹だなー♪」

 英国第二王女キャーリサ、彼女もまた初春の妹オーラっぽいものに陥落、初春の四人目の義姉に。
 それからキャーリサは少しの間、初春を抱きしめては離してを繰り返しを楽しんでいた(離すタイミングは初春がタップした時……)。

「ねえ当麻。私思うんだけどさ、飾利って義妹だけど間違いなくアンタに一番似てるわよね」
「似てるのか? 俺としてはどこが似てるのかサッパリ分からないけど……」

 当麻ほどでは無いにしろ、フラグ体質な初春を義妹トリオの中で一番当麻に似てると確定した美琴だった。
 なおこの件で一番騒ぎそうな神裂とシェリーだったが神裂はステイルと闇咲の決死のブロックで押さえ込まれ、シェリーは幸せ(?)なことに未だ気絶中である。



 ハグ&リリースを堪能したキャーリサ、キャーリサにすっかり慣れた初春はお互いの携帯の番号&メルアドを交換していた。
 キャーリサは携帯を見ていると、ある一つの悪戯を思いつく。

「なー飾利。今からヴィリアンに電話をかけろ♪」
「キャ、キャーリサ姉さま、さっきヴィリアン姉さまのことは叱らないって……」
「あー叱らんぞ♪ 新しい妹のたっての頼みだからなー。ただな、黙っていたヴィリアンにドッキリを仕掛けよーってだけだ♪」
「ドッキリ、ですか?」

 キャーリサのドッキリ、要は初春の携帯でヴィリアンに連絡、ヴィリアンに一方的に話させた後で正体をばらすというものだった。
 初春はキャーリサには何を言っても無駄だと分かっていたので素直に自分の携帯からヴィリアンにかけ、そのままキャーリサに渡すとすぐにヴィリアンが出た。

『もしもし飾利ですか? 騎士団長に持たせた私のチョコは届きましたか? 本来なら直接貴女に渡したかったのですがあいにく私も忙しくて……』
(おいおいヴィリアンの奴、何て猫なで声で話すんだ……笑いを堪えるのに必死だろーが!)
『そうだ! 今度また暇を見つけてウィリアムと一緒にそちらに伺いますね♪ ……どうしました? 飾利。あなたのヴィリアン姉さまですよ』

 本当なら盛大にネタばらしして大笑いしたいキャーリサだったが、もう少しだけヴィリアンを泳がせることに。


『あれ、飾利?どうしたのですか?さっきから飾利の声が聞こえないのですが。』
(もう我慢できねー。もうネタばらしをするかー。)

キャーリサは我慢の限界だったのでネタばらしをする事にした。

「おーい、さっきから飾利飾利ってうるせーぞ。まったく、誰かを確認しないで電話を聞いーてたから笑えてしょうがねーぞ。」
『姉上!?なぜ飾利の電話に姉上が出るのですか!?』

「いやー、ちょっと飾利に携帯を借りてお前に電話してみたんだが、こーも簡単に引っかかるんだもんなー。」
『私をおちょくったのですか!!それと今飾利って言いませんでしたか?』

ヴィリアンはキャーリサがおちょくったのに怒ろうとしたが、キャーリサの飾利発言に気になってしまった。

「ああ、しっかり飾利と言ったがそれがどーした?私は飾利の姉だから別にいーだろ。それにお前だって飾利の姉の癖してなーに言ってんだ?」
『なんで姉上が飾利の姉になっているんですか!?それと、なぜ私が飾利の妹だって知っているのですか!?』

「なぜお前が飾利の妹であるかを知ってるのは飾利から無理やりきーて、私が飾利の妹になったかは私がそー言ったからだが?」
『はぁー。』

「なーにため息ついているんだ?それと私が帰ったらじっくりときこーではないか。楽しみにしているといーぞ。それじゃあ切るからな。」
『ちょっと待ってください。せめて飾利に代わって』ブツッ

キャーリサはヴィリアンが何を言おうとしたことが分かったので、初春に代わる前に切ってしまった。
そして、初春に携帯を返した。



「プクククッ、あーっはっはっはっはっはっ! なんだあのヴィリアンはー! くくっ、い、いかん、思い出すだけで……だーっはっはっはっ!」

 ヴィリアンとの電話を終えたキャーリサ、地面を叩き、転がり、腹を押さえて大笑いを繰り返していた。
 周囲の面々がキャーリサの奇行に絶句する中、二人ほど冷静(?)な人物がいた、初春と騎士団長である。

「い、いいんですか騎士団長さん。キャーリサ姉さまをこ、このままにして……」
「構わんさ。あの方の気が済むまで待てばいいだけだからな。それと初春さん、ヴィリアン様にあなたからのチョコをしっかり渡しておいておくから」
「ありがとうございます!それとヴィリアン姉さまにちゃんと貰いましたよって伝えおいてください」
「ああ、ちゃんと伝えておくよ」

 騎士団長は再度、初春にヴィリアンにチョコを渡しておく事と、初春にチョコを渡したと伝える事を約束した。
 騎士団長がヴィリアンにチョコを渡す約束をした所で何かに気づいた初春が突然、騎士団長に謝りだした。

「ごめんなさいっ! こうなるなら騎士団長さんの分も作っておくべきでした! 来年はちゃんとしますから!」
「あ、いや、別に謝るほどのことではないよ。でも来年は期待して」
「そーだぞ飾利ー♪ 来年は私へのチョコもちゃーんと作るんだぞー。私も気が向いたらお前にチョコをやるかもしれんしなー♪」
「あわわわわっ! キャ、キャーリサ姉さまっ、あ、頭グリグリ撫でないで下さーいっ! ひゃんっ! そこは撫でるのも……誰か助けてーーっ!」

 来年のバレンタインの予定を早くも立てた初春だが、キャーリサの可愛がりと言う名のセクハラの餌食に。
 キャーリサが怖くて誰も手助けしてくれない状況の中、初春は五分ほど耐える羽目になるのだった(神裂とシェリーは変わらずの状況)。
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