とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

14-22

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匿名ユーザー

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「やー、飾利いじりってーのは楽しーなー♪ だがそろそろ帰らないとな」
「でしたらキャーリサ様……初春さんを放しやがりなさい! アンタそのまま持って帰る気か! 英国第二王女が未成年略取なんぞ恥ずかしいわっ!」
「うるさいなー騎士団長はー。まったくいつかツルッパゲになるぞってーの。……っとそうだ」

 帰ると宣言したのに帰る気配ゼロのキャーリサに騎士団長も久々に切れるがキャーリサ本人は全く気にしていなかった。
 そして何かを思い出したキャーリサは初春を器用に抱きかかえたまま、一方通行の所へと向かった。

「おいアクタ、番外固体(ミサカワースト)の名前って何だ?」
「アイツの名前だァ? 番外固体があいつの識別コードだからそれが名前だぞ。もしくはミサワうげっ! な、何しやがンだァ!」

 まさか番外固体(ミサカワースト)という識別コードしか与えられていないことにキャーリサは怒りを覚えると、一方通行を蹴り飛ばす。
 一方通行はキャーリサに反撃しようとしたが、彼女の射殺さんばかりの視線を受けて怯んでしまう。

「コードネームみたいなのが名前? ふざけんな! あの子はちゃんとした人間だ、私の娘のよーなもんだ!」
「……ンなこと俺に言ってもよォ。おい初春、てめェこいつの義妹だろ? 責任もって何とかしろ」
「一方通行さん、何て無茶振りですか……。でもキャーリサ姉さまの言うことも一理あるし……そうだ! 一方通行さんが名前付けてあげたらどうでしょう?」

 無茶振りをして事なきを得ようとした一方通行だが、逆に初春からの無茶振りで窮地に立たされることに。
 初春の提案を聞いたキャーリサは大喜び、そこから更に我侭な注文をし出した。

「まずは和名だな、あの子は日本人っぽいし。それに雷も使ってたから漢字とやらにそれが入ってるのがいいなー。でもって可愛いーのがいい」
「ふっざけンなァ! そんな条件出されて俺一人で考えられるわけねェだろうがァ! つーかてめェも考えろ!」
「私は日本人じゃないから和名は無理だ、悔しいがな。しょーがない、おーい上条当麻と美琴ー。お前らもアクタと一緒に考えてくれー」


「俺たちもですか?」
「あーそうだ。アクタが一人じゃ無理って言うもんだからなー。」
「とりあえず考えて見ます。」

上琴も一方通行と同じく、ミサワの名前を考えていた。
数分後、三人のうち美琴が名前を思いついた。

「じゃあ、『御坂美雷』はどうですか?」
「おぉー、結構良いじゃないか。それにしよーう。」

ミサワの名前が御坂美雷に決まった。

「じゃあ、私と騎士団長も英国に帰るからなー。じゃあ飾利元気にしてろよー。」
「キャーリサ姉さまも元気で。」

キャーリサと騎士団長は英国に帰るために第二学区から去っていった。


「あれー……?あの名前でオッケーだったの?」
「……もしかしてただ『雷』に『美』を付けただけじゃないよな?」
「……ッ!?そっ、そんなわけないじゃない!!私はそんなに簡単に人の名前を付ける人間じゃないわよ!!
それに意味だって、『未来』とかけたんだから!!」

うわー明らかに図星、しかも最後の意味のほうは今考えたと上条たちには見え見えだ。

「なっ、何よ?」
「いやっ、何でもない。美琴、俺は疲れたので家に帰ったら美琴エナジーを注入したいのですが?」

この気まずい空気をかえるため、上条は提案(心底自分で思ったこと)を提案した。
案の定美琴はすぐに乗ってきた。

「当麻ったら~!!しょうがないわね♪じゃあ早く帰りましょ?」
「おう、早く家に帰っていちゃいちゃしましょう!!」

上条と美琴は、その場から逃げるように退散していった。

「……俺も帰るか」
「え?あっ、はい。お疲れ様でしたー!!」

一方通行は初春に軽く手を振り、打ち止めのところに帰っていった。
一方通行が帰ったのを見ると、初春は裏から見つからないように逃げようとした。
自分のことを妹あつかいしてくる同性愛者達から……。


「飾利ーーーーっ! お姉ちゃんを置いてどこに行こうとしてるんですかーーーーっ!」
「ひゃああああああああっ! か、火織お姉ちゃんっ! そんなに、そんなにギューって……あれ?」

 身体能力は人並み以下な初春が聖人たる神裂から逃げられるわけが無く、あっという間に抱きつかれる。
 最初は途惑う初春だったが、何か不思議な感じがしたのかあっという間に落ち着き、それを感じ取った神裂も落ち着いてしまう。

「ど、どうかしましたか? 私の抱きつきに何かおかしな所でも……」
「い、いえ、その逆です。何ていうか火織お姉ちゃんの抱きつきが安らぐ感じがするんですよ。多分キャーリサ姉さまの後だからでしょうけど」
「本当ですか! それはとても嬉しい言葉です! で、ではこのままでもいいでしょうか?」
「ええ♪(火織お姉ちゃんには言わないでおこう。キャーリサ姉さまがハグの時に私のお尻や胸を触ったりしたことは……)」

 神裂の優しいハグ(キャーリサと比較して)に身を委ねてる初春の所にインデックスとステイルがやって来た。
 やや後方では闇咲が手を振って去って行く姿が見えた。

「初春、神裂。僕達もここで失礼させてもらうよ。気絶してるシェリーのことは君達に任せてもいいかい?」
「あ、はい、分かりました。……そういえば土御門さんと白雪さんは?」
「もとはるとつきよならもう帰ったんだよ。しあげが撮影していた映像のチェックがあるとか言ってたかも」
「そうゆうわけさ。じゃあね二人とも。ああそうだ、初春、さっきのチョコ、なかなか美味しかったよ」

 こうしてインデックスとステイルも去って行ったのだが、二人が向かった先が『喰わせ殺し』でこの騒ぎが起こる前の続き(デートっぽいもの)に興じることは誰も知らない。
 そして初春もまた神裂にハグを中止してもらい、気絶中のシェリーを背負うように頼むと第二学区を後にするのだった。



「なんか第二学区方面からものすごい音が聞こえてたけど大丈夫かな? 飾利」
「お兄ちゃんとお姉ちゃんなら超心配無用ですけど飾利は違いますからね。連絡してみましょう、もしかしたら超繋がるかもしれませんから」

 上琴の帰りを上琴新居二号で待っている佐天と絹旗、第二学区の方角から聞こえてきた爆音が気がかりで初春が巻き込まれていないか心配していた。
 ちなみに上琴を心配していないのは二人のことを信頼しているからであって、薄情だからではなかったりする。

『もしもし最愛さんですか? どうかしました? それよりも当麻お兄ちゃんと美琴お姉さんにチョコ渡しました?』
「チョコはまだ超渡してません。飾利の方は大丈夫ですか? 第二学区の方から超凄まじい音が聞こえてましたけど……」
『第二学区……ああ、そのことなら大丈夫ですよ♪ 全て解決しましたから。心配してくれてありがとうございます』

 初春の言葉に巻き込まれたことを確信した絹旗だったが、本人の元気そうな声に安心したのか深く追求はしなかった。
 安心し切ってる絹旗の携帯を佐天が取り、初春と話し始める。

「飾利、無事なんだね、よかった~。それよりもさ、あたし達と合流しない? 当麻兄さん達の家に居るからさ」
『えっ? 当麻お兄ちゃん達のお家ですか?』
「うん、実はさ、当麻兄さんと美琴姉さんが掴まらなくてさ、だったら家の方で待ってる方が確実かなって思っ」

 二人が会話してると“ピーンポーン♪”という音が聞こえてきて、

「あ、ゴメン飾利。ちょうど生贄が来たみたいだから切るね。じゃあ待ってるから♪」

 一方的に電話を切った佐天が絹旗に携帯を返すと、二人一緒に客人と言う名の生贄を出迎えた。
 玄関を開けて入ってきたのは自分達の悪戯心全開のチョコを食べさせる建宮、そしてどうゆうわけか青黒の二人だった。


 一方、電話を切られた初春は佐天の言っていた『生贄』のフレーズが気になり、自然と早足になっていた。
 初春の早足に慌てた神裂はシェリーを起こさないように(面倒という意味で)彼女の隣に並ぶと急ぐ理由を尋ねた。

「急にどうしたんです? 飾利がそんなに慌てるなんて」
「ちょ、ちょっと涙子さんが気になることを言っていたので……。今から当麻お兄ちゃん達のお家に行きますけど火織お姉ちゃん、付いて来てくれますよね?」
「当然です(……くっ、本当なら教会で私とシェリーのチョコ、どちらが上かを判断してもらおうと思ってたのに……。あ、でもちょうどいいかも知れませんね)」

 神裂、内心では行きたくなかったのだが初春のお願いを断る選択肢が無いので即賛成したが、実は理由はもう一つあった。
 今の今まですっかり忘れていた、当麻への恩返しチョコを渡すには目的地の上琴新居二号は実に都合が良かったのだ。
 かくして初春、神裂、シェリー(気絶中)も上琴新居二号へと向かうことに。

(対馬さんと浦上さんのチョコ、それに建宮さんの『お父さんチョコ』、どうやって渡そうかなぁ?)
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