とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

14-30

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匿名ユーザー

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そして、当の二人は青黒を置いてって大浴場から出て着替えていた。

「ふう、蝶温まりましたね。この後超何します?」
「とりあえず、一階に戻りますか。」
「そうですね。一回上に戻った方が超いい気がするし、超そうしましょう。」

そういうと二人は着替え終わると、階段を上がり『ゲームルーム』の回転する扉の前に居た。
そして、二人はそれをまわすと……目に前に初春が仁王立ちをしていた。


その瞬間、4人は悟った。
あ、殺される。と。

「4人ともいいお湯でしたか?ちょっと質問したいことがあるのでお時間よろしいでしょうか?」

これがジャッジメントの尋問訓練なら非の打ちどころがないパーフェクトなもの。
しかし、修羅場慣れしてる白井と絹旗、そして初春のことをよく知る佐天は
その甘ったるい声の主成分が

メガトン級の殺意であることに気がついた。

「う、初春?どうしたのかなー?あははー」佐天は恐怖のあまり冷や汗を10リットルばかりたらしながらこう言い。
「うう初春、良いお湯でしたわよ。あなたも先に入って見られては?」白井は話題転換を図る。
「そ、そうです超良いお湯でしたから今すぐ入った方がちょう良いですよっ」絹旗も話題転換を試みたが

「い・ま・す・ぐ・にお聞きしたいんです。良いですね?」
有無を言わさぬ口調で初春が言うと

4人の地獄が始まる。

知っての通り初春は腕力などが有るわけではない。
よって
熾烈な精神攻撃が4人を襲う。オルソラ救出時のインデックスも真っ青な…。


「うちらは無実や!!」
「よって退散しますの」

ヒュッ!!そんな音がして青黒は空間移動を使い、

「「逃げた!?」」

事実上、青黒は無実なのだからとばっちりはゴメンだろう。
初春の目は佐天と絹旗に向き、ただならぬ殺気がプンプンである。

「……白井さんなら鉄矢で蜂の巣にするので、本当に無実でしょうね。あ・と・は……」
「ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!飾利!!私は無実!!やったの最愛!!」
「なっ!?ちょ……、はい確かに超そうです。なので超お許しをォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

ダッシュ!!絹旗は己の罪から逃れるため、上へとかけのぼる。が、
ガシッ!!と、絹旗の腕が捕まれた。

「へ?」

腕を掴んだ人物を見ると、

「どうも」

初春ベタボレ人、聖人の神裂がそこにいた。


「まったく、飾利がどうしているか見に来てみたら、あなたが逃げ出していたもんですから。逃げたという事は建宮をやったのはあなたなのですね?」
「誰か超助けてー!!」

絹旗は誰かに助けを呼んだが、もちろん誰も居ないので神裂に連れられて階段を降りた。
そして降りてみるとそこで目にしたのは……




佐天が屍のような状態になっていた。

「る、涙子!?一体何があったのですか!?」
「……………………」

佐天は絹旗が呼んでも返事が無かった。

「飾利!!どうして涙子が超こうなっているのですか!?」
「それは、建宮さんを放置した罰ですよ♪それに次は最愛の番ですよ♪建宮さんをあんなふうにした罰として受けてくださいね♪」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

そして、絹旗も佐天同様に地獄を迎えるのだった。



同時刻。
青黒は他のメンツがいるリビングに逃げ込んだのだが。
「にゃー、さすがにあそこまで怒った初春ちゃんの敵に味方したらこっちの身が危ないぜい。」
「俺らも家壊されるのはたまんねえし。なあ美琴。」
「そうよねー、というわけでごめん黒子」

ボギィッ

美琴は寮監から伝授された方法で逃亡者一名を気絶させる。
「月夜、もう一人の逃亡者を凍らせるにゃー!!」
「モグモグ…ん、了解。」

カチン!

驚いたことに月夜は例のチョコウエディングケーキを頬張ったまま見向きもせず後ろにいた青ピを凍らせてしまった。
「にゃー………月夜?さすがにそれ以上食べると太っちゃ」カチン!!

余計なひと言を言った彼氏もついでに。
周りにいたメンツは思ったという
*1))と。

そのころ地下では耳栓をした聖人にがっちり掴まれた絹旗が初春の尋問を受けていた。
「さーて、次は何を質問しましょうか♪」
「う、ウイハルさま超やめてくだいましーっ!!」
人格破綻をきたすまでに。
「じゃあ今まで、そう、今まで生まれてからしてきた数々の罪を残らず告白して懺悔してください♪」
「ちょ、超多すぎて無理ですーっ!」
「それじゃあこの間、ジャッジメントでやり過ぎたことと今日のことだけでいいですよ♪」
「あ、あれは超okじゃなかったんですかーっ!?」
「今日ので全部ノーカウントです。今度手伝ってもらうときはしっかり償ってもらいますからね♪でも今は自分の醜さを口に出して懺悔してください、さっきみたいに♪」
「ひぃ…私は人をいじめて浜面をからかって楽しむような超ドSな女です。私は超見境なく人を殴る超最低の女です…。」
「そうそうその調子。ではそれを両方1000回ずつ言ったら許してあげます。」
「えぇぇええーっ!?」
「最愛さんが言っていいのは今の二つと『ハイ、ご主人様』だけですよ♪」
(飾利のほうが超ドSですーっ!!)
「なーに、ぶつぶついってるんですか?隣の部屋に鞭があったし、火織姉さんに鞭打って貰ってもいいんですよ♪」

こんな感じのもはや尋問ではなく精神破壊である。

耳栓をした聖人も(音は聞こえませんがこの状況…飾利、恐ろしい!!)と思い、
15分後に絹旗が気絶してからも耳栓を取ろうとせず、上のリビングに行ってから外す事になったのは言うまでもない。



 気絶した佐天と絹旗を放置して、神裂と一緒に地上に上がってきた初春は少しだけ自己嫌悪に陥っていた。
 そこに先程までの冷酷な初春はおらず、そこに居るのはいつも通りのいじり甲斐があるようでしっかり者の初春だった。

「……はぁ、自分でもあそこまでやれるなんて思わなかったなぁ。涙子さんと最愛さんに後でちゃんと謝ろう」
「飾利、そこは別に貴女が謝る必要は無いのでは? それよりもやられた張本人の建宮にまだ謝ってませんよ? あの二人」
「それなら分かってますよ。二人がきちんと建宮さんに謝ってくれたら私は笑顔であの二人をハグしてあげたいですね♪」
(どうやら飾利たち三義妹の中で一番お姉ちゃんなのは見た目に反比例した飾利のようですね……。ですが私のがお姉ちゃんです♪)

 初春と神裂がリビングに入ると、そこには量こそ減ってるものの未だ形として健在中の五和のウエディングチョコケーキが強い存在感を示していた。
 なおウエディングチョコケーキを食べているのはインデックス、ステイル、月夜、途中参戦の美琴、シェリーだった。

「それにしても誰なんでしょうね? このような恥知らずなものを贈るとは。上条当麻、あなたは知らないのですか?」
「贈り主の住所も名前も書いてないから持込だとは思うけど……。最初は五和かと思ったけど、あいつなら本人一緒が当たり前だしなぁ」

 真実を知っている土御門は氷の中なので結局真実が当麻に伝わるのは土御門が復活してからのことになる(インデックス、ステイル、月夜は忘れている)。
 神裂は当麻の推論を聞いて、否定したいのに否定できない五和の人間性を思い出して落ち込んでしまう。
 そんな当麻と神裂をよそに初春はソファーの上で気絶中の建宮の体を引きずり始めると、当麻にちょっとしたお願いをする。

「当麻お兄ちゃん、少し和室借りてもいいですか? 建宮さんを介抱したいので」
「あ、あぁ、別に構わないぞ」
「ありがとうございます。それと火織お姉ちゃん、誰も和室に入らせないように見張ってくれますよね♪」
「……も、もちろんです。何せ私は飾利のお姉ちゃん、貴女の頼みごとならどんなことでも聞いてあげたいんですから……っ」

 初春は誰にも邪魔されずに建宮への『お父さんチョコ』を渡す為、神裂の性格を考えた上で行動を起こした。
 事実、神裂は先手を打たれて何も言えなくなり初春に頼まれるままに和室の番をする羽目に。
 建宮を引きずる初春の後ろを神裂、そして当麻が続く形でリビングを出る。

「どうしてあなたが付いて来るのですか? 上条当麻」
「いいじゃんか、別に。あそこに居たって暇なんだし。飾利も俺が神裂と一緒に見張りしてた方が心強いだろ?」
「ええ♪ でも絶対に誰も入れちゃダメですからね! 私はお二人のこと、とーっても信頼してますから」

 当麻がリビングを出た理由、それは単にあのチョコの甘ったるい匂いが充満してるリビングとウエディングチョコケーキから逃げたかったから。
 初春と建宮が和室へ入るのを確認した当麻と神裂、二人っきりの和室の門番さんの誕生である。



(……ん? 何でわし寝てるのよな……って思い出した! 確か絹旗のチョコ喰って口の中が爆発した……はずなんだが後頭部に柔らかい感……触……)
「あっ、ようやく目が覚めたんですね、建宮さん。よかったー、このまましばらく起きないかと……建宮さん?」

 長い気絶から回復した建宮が感じたものは初春の膝枕、建宮が目を覚まして初めて目にしたのは自分の顔を覗き込んでる初春の久しぶりの笑顔だった。
 人間、幸せになりすぎるとパニックになるわけで建宮も例外ではなく、ムックリと起き上がった後でまともに言葉も紡げずにあうあうしてしまう。

「(このまま放っておくのもそれはそれで面白いけど、渡す物渡さないとダメだもんね)こうやってまともに話すのは久しぶりですね、建宮さん」
「か、かかかか飾利姫こそお変わりなく……いやいやそんなことはプリエステスに嫌というほど聞かされたから……ぬぅ、何を話せばいいのか……」
「そんなに慌てなくても大丈夫ですよ? まずは落ち着いて、そしていつもの私の知ってる建宮さんに戻って下さい。それまで待ってますから」

 何だか冷静な対応をする初春に面食らった感じの建宮だが、彼女に言われるがままに深呼吸をし、気持ちを落ち着かせ始める。
 初春は初春で建宮を完全に『お父さんのような人』として対処出来てることに安堵していた。
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注釈

*1 ((つ、月夜サンには逆らえねえ……!!