とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

嫉妬からなる追いかけっこは……何回めだ?

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匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
数分後。
始業式会場に来た先生達。

「「「「「「え?」」」」」」

絶句するのも無理はない。
残っているのは困った表情をしている翔太と結標だけであったからだ。
「あのー、二人ともこれはどういう事なのですかー??」
「なんか皆上条君たちを追いかけて行っちゃったよ……」

「たちって言うと誰じゃん?」
「後は土御門と一方通行、青いのっぽと後は見た感じ普通の二人よ。」

「「「「「「……いつもの面子か」」」」」」
「「いつもなの!?」」二人は絶句する。

「何か恐ろしい学校に来ちゃったかも」翔太が至極ごもっともな感想を述べれば。
「いつもあんなに追っかけまわされてれば肉ばっかり食べてても無理はないわね。」結標がなんか違うようなコメントをする。

「しょうがないのですよ~。二人とも他の人を呼び戻してください。」
「「無理です!」」
「「「「即答!?」」」」
「だって逃げる方が皆別々の方向に行っちゃったもんだから……」
「単純計算で5手に分かれてるのよ……私でもあんな大人数でバラけたのを座標移動できないわ。」

「「「「「「……我々も探しますか……」」」」」」

そのころ、バラけた面々はと言うと。


「く、くそぉ……」
「だ、誰だよ、が、学園都市最強が、よ、弱くなったってぬかしたのは……ゴフッ」

 まずは一方通行だが、追って来たのは腕に覚えがある、というか半端な自信を持ってしまった男子達。
 しかしいくら当麻達とつるむようになって平和な性格になったとしても凶悪なまでの強さは鈍るどころか更に磨かれてるので10秒で返り討ちに。

「ちっ、上条のヤロウ、面倒な小細工覚えやがって……。余計な力使わせンじゃねェよ」
「おー無事だったじゃん一方通行。お前を追ってきたバカ共も軽傷で気絶か、ちゃんと手加減出来るようになったじゃんよ」
「当然だろうがァ。この後で大事なイベントが待ってンだからよォ。芳川から連絡あったのか?」
「ついさっき学校の先生方に挨拶を済ませた所って連絡があった。打ち止めのやつ、すっげー楽しそうにはしゃいでるって桔梗のやつ、デレデレだったじゃん」

 学校に通うにあたって打ち止めは芳川を養母として『芳川 美咲華』としての戸籍をゲット(芳川は学校側に許可を貰って始業式を欠席)。
 ちなみに苗字に上条、御坂、一方を使わなかったのは後でいらぬ混乱を招きかねないからとのこと。

「そっか、そンなら今の所は大丈夫だな。さっさと始業式なンぞ終わらせてアイツの学校へ行くぞ」
「分かってるじゃん。打ち止めに余計な虫や変なちょっかい出しそうなガキのチェックという急務が待ってるからな」

 気絶してる男子達を置いて一方通行と黄泉川は体育館へと戻って行った、気持ちは打ち止めの初登校の観察へと向きつつ。



 こちらは土御門、追って来るのはこちらも男子ばかりだが質にかなり問題有り。

「土御門ぉ! 今までてめぇに騙された恨みの数々、ここで晴らしてやるぜ!」
「こっちは前々からお前のことが気に喰わなかったんだよ! クールビューティーの白雪月夜と恋人って時点で死刑だゴラァ!」
「にゃーーーーっ! 何で俺を追って来る連中は揃いも揃って殺気立ってるぜよーーーーっ!」

 土御門を追って来た連中は個人的な恨み&男の醜すぎる嫉妬が主な理由だが、共通するのはかなり殺気立ってることだった。
 その気になれば彼らくらいなら簡単に蹴散らせる土御門、しかし相手がただの一般人な上に魔術の使用があまりにもハイリスクなので逃げることしか出来ない。

「おーい元春ー♪ 大丈夫ー? 今回は助けてあげるねー♪」
「月夜ナイスタイミング! 悪いけど早速あいつ等を氷漬けに」
「その必要は無いよ。だってもう終わってるもの」

 雪の翼で駆けつけた月夜に救いを感じた土御門はすぐさま自分の恋人に助けを求めるが、月夜の発言に首を傾げる。
 土御門が振り向くと、離れた所で体の所々が凍り付いて身動きが取れなくなった追っ手達の姿があった。

「試しにやってみたけど上手く行ったよ。雪の翼から冷気を放出して徐々に凍らせる、初めてにしてはまあまあかな?」
「瞬間凍結と比べると地味な感じはするが、相手を罠にはめるという意味では悪くない手だぜい(毒っぽい感じというのは言わない方がいいにゃー……)」
「演算とか結構複雑だからまだまだだけどね。ところでどうして皆、凍って動けないのに嬉しそうに……っ!!」

 冷気を放出して徐々に相手の動きを奪う月夜の新技に土御門はまるで体に徐々に回る毒のようだと思ったが、月夜の為を思って口には出さなかった。
 月夜は土御門の追っ手達が自分の方、特にスカート辺りをヘラヘラしながら見てたのを受けて一つの事実に気付くと、

「イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」

 所々しか凍ってない追っ手達を手加減一切無しで氷漬けにしてしまった。
 なおもパニック状態の月夜は土御門に半ベソ状態で抱きついた。

「うえーーーーーーーん! 元春ーーーっ! 見られた、スカートの中、元春以外の人に見られちゃったーーーーーーっ!」
(大方、新技のテストで油断したって所かにゃー。普段の月夜ならスカートが捲れないように飛行するからな。ま、仕置きの必要は無さそうぜよ)
「何だ何だ、4月だというのやけに冷えるな……ってうおっ! 土御門、白雪、一体何をやらかした?」

 普段なら絶対にやらかさない大ポカ、つまりスカートの中身を見られた月夜を頭を撫でながら慰める土御門。
 そこへ災誤がやって来て状況説明を求めると、当事者の月夜の代わりに土御門が簡単に説明した。


一方、青髪ピアスは他のバカップルたちのような戦う力が乏しいため、あっけなく捕まりフルボッコにされていた。

「や、やびぇ、やめてっ、イタァ、痛い、かんべっ、かんべん、かんべんして!!カミヤンのぉ、イタ、イタタ、言った僕のことはぁ、事実ですぐぁ」

青髪ピアスは殴られながらも弁明しようとしているのだが半分惚気だしていた。

「「「「「「「「惚気るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」」」」」」」
嫉妬組みは青髪の言葉にさらなる嫉妬魂に火を点ける事になり、さならる追い討ちをかける。
「そ、そんなーーーーーーーーーーーーーー!」

青髪のフルボッコの刑を終えた嫉妬組は他のグループへの合流のため、この場を後にしていた。
「ウ、ウウ、み、みんな、ひ、ひどいですたい・・・・・・け、けど一番酷いのはカミヤンやなぁ・・・・・・」
そんな悪態をついてる所へ小さな影がさした。

「大丈夫ですか青髪ちゃん?」
「こ、小萌先生!ぼ、ぼくぁ小萌先生の心配する声だけで幸せですぁ。」
「あらあら、青髪ちゃんそんな事を言っていると、また後で酷い目合うと思うのですが」

といいつつ携帯を取り出す小萌先生の姿。その行いをどう捉えていいのかわからない青髪は、

「あ、あの、小萌先生、携帯を取り出して何処に掛けようとしてるんですか?」
「どこって災誤先生に掛けるんですよ、私だけでは青髪ちゃんを運べませんからね。」
「とか言いつつ明らかに誰かへメールを打っているのは僕の気のせいでしょうか・・・」
「えーー気のせいですよ青髪ちゃん♪」

満面の笑顔で返されたら反論できない青髪なのだった。

始業式が終わった後、嫉妬深いジャッジメントのお仕置きがあることは語る必要はあるまい。



一方、浜面、半蔵は二人で逃げていた。

「クソッ!!人数が多すぎだ!!」
「テメーが途中から一緒に逃げるからいけねーんだろ!!」
「しょうがねーだろ!!偶然合流してしまったんだから。」

浜面と半蔵は先ほどまでバラバラに逃げていたが、偶然会ってしまい今は一緒に逃げているのだ。
そして、二人が逃げていると、前からも誰かが近づいてきていた。

「挟み撃ちかよ!!」
「これじゃあ逃げられてない……って何だ真夜達じゃないか。」

前からやってきたのは月結以外で唯一追われていない真夜と真夜の彼女の赤音と真昼だった。

「ちょうど良かった!!真夜こいつら何とかしてくれ!!」
「分かった。じゃあ赤音さん頼んだよ。」
「真夜君、分かったよじゃあこれ。」

といって赤音は井ノ原姉弟、浜面、半蔵に特注耳栓を渡し、四人は耳栓をつけた。
そして赤音は【鼓膜破砕(ボイスシャット)】を使うのだった。

「何度も何度もしつこーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!」

先ほど、教室でやったときより声が大きく、気絶するほどの大きさだった。

「ふう、これで大丈夫でしょう。」
「まったく、毎回追われている身にもなってくれよ……」
「本当だよな。俺たちは静かに過ごしたいのに……」
「それは俺も同感。」

「「「はぁ………………………………………」」」

浜面、半蔵、真夜は毎回このような事をやっている事を思ったら、ため息が出てきた。
そして、ポリアモリーカップル、浜面、半蔵のところに木山、滝壺、郭がやってきた。

「はまづら怪我とかしてない?」
「ああ、大丈夫だ。」

滝壺は近づくとすぐに浜面に近づき、怪我が無いか聞いていた。
また、郭も半蔵に同じ事を言っていた。

「相変わらず茜川の能力はすごいな。」
「それほどすごくないですよ。これでもレベル4なんですから。」

「「「「「「「いやいや、レベル4だからすごいんだよ。」」」」」」」

赤音の基準が分からない七人であった。


そのころ、この事態を巻き起こした上条はと言うと、

「だー!!不幸だー!!」

いつものごとく追いかけられてきた。
上条は特に何することなく、ただいつものとおり、何も代わりに無しだった。

「俺はただ自慢しただけだろ!?なのに何でそこまで追いかけるんですかー!?」
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「その自慢が悪いんじゃボケェェェええええええええええええええええええええええ!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
「何だよ!?確かに美琴の素晴らしさはお前らの教育上よくないかも知らないけど、ここまでやる必要はないんじゃないか!?」

ダメだ、このバカは死んでも直らない。
そう思った面々は各々の武器と能力を使い、上条を血祭りにあげることを嫉妬の神に誓った。
だが上条の足は速く、まだ余裕の顔を見せている。上条血祭りあげ隊は息切れをし始めていた。
我々はどんなことがあろうと上条当麻を血祭りにあg


ドンッ、と上条がゴリラにぶつかった。


上条血祭りあげ隊も、こればかりは上条が助かるように祈るのだった。

「上条、またお前か」
「違います先生!!悪いのは追いかけてくるのがコイツらが悪いんです!!」
「お前らも毎回毎回……。お前ら、生徒指導室にこい」

訂正しよう、自分たちが助かるように祈ることにしたのだった。



「あ、危なかったぁ……。姫神さんが災誤先生に気付いてなかったら私達まであいつらと一緒に指導受ける所だったわ。ありがとう姫神さん」
「お礼を言われることじゃない。私は単に。無駄に存在感が。大きい。ゴリラ先生に。気付いただけだから」

 災誤に連れて行かれたのは当麻と上条血祭りあげ隊(男子)で当麻を追いかけていた吹寄&姫神をリーダとした女子組は難を逃れていた。
 これ以上ここに居ては自分達も危険だと判断した吹寄達だったが、幸運はそう何度も続かない。

「む? どうしたんだ君達。始業式が始まるというのにこんな所で何をしている」
「や、闇咲先生……」

 吹寄達に声を掛けたのは2月からこの友愛高校に古文担当でやって来た闇咲、彼は一人で真面目に校内の見廻りをしていた最中だ。
 不器用な所はあるが実直で素直な所が意外にも生徒に受けており、人気も高いのだ。

「さあ早く体育館に戻りなさい」
「あ、あの、闇咲先生、私達がここに居た理由は聞かないんですか? だって先生は生活指導もされてるじゃないですか」
「女子生徒で問題のある生徒ならともかく吹寄、君は少々仕切りたがりな面もあるが真面目ないい生徒だ。そんな君が悪いことはしたとは思えないだけさ」

 そう、実は闇咲は古文の授業を受け持つ以外にも腕っ節を買われて生活指導も行っているのだ。
 災誤と違う点、それは生徒を信用しすぎる点で、その悪意無い態度が相手の罪悪感を駆り立て、自ら更生を望むようになる所だ。

「ごめんなさい先生! 私達、本当は上条当麻を大勢でよってたかって追いかけてました! 後できちんと罰は受けます!」
「吹寄さんがそう言うなら。私も同罪。闇咲先生。後で私も。お叱りを。受けます」

 吹寄、姫神を筆頭に他の女生徒も素直に告白(罪を)し、闇咲の指導を自ら望んだ。
 闇咲は「む……」と唸った後で吹寄達に告げる。

「気持ちだけでも充分と……言いたい所だがそれでは君達の気が済まないようだ。分かった、始業式が終わった後でいいなら付き合おう。だからもう行きなさい」
「はいっ!!!」×当麻追っかけ女子組全員

 闇咲は全く気付いていないが、この人となりのお陰で女生徒の人気は密かに高い。
 ただしそれは恋愛とかではなく大人の男性に対する一種の憧れなので特に修羅場とかは無い、今の所。

「さて、確か吹寄達は上条当麻を追いかけていたと言ったな。となると男子生徒も居て然るべきなのだが……。とりあえず生徒指導室に足を運ぶか」

 闇咲逢魔、素直に非を認める生徒には優しいが非を認めずに生徒指導室に連れ込まれた生徒には全くもって容赦が無い。
 その容赦の無さは災誤さえも閉口するレベルで、彼の指導を受けた不良生徒曰く「ゴリラの方が万倍マシだ……」とのこと。
 そんな闇咲が生徒指導室に向かった時点で当麻&上条血祭りあげ隊(男子)の地獄行きはほぼ決定したようなものである。



 その頃、一方通行と黄泉川、土白(月夜はまだあやされ中)が体育館に同時に戻って来た。


「あン?ソイツどォかしたのか?」
「にゃー、乙女の秘密だぜい」
「……うぅ、私も美琴ちゃんみたいに短パンはこうかな」
「……それは男のロマンだからやめてほしいぜい」

余計なことをいい、顔面に右ストレートを白雪からくらうが、すぐに回復した。

「ンなことよりサッサと始業式とか終わらせてェンだけどよォ、早く何とかしてくンねェか?」
「にゃー、確かにこのままグダグダの展開はいやだにゃー」
「確かにこの学校はバカばっかで、すぐに集まりそうじゃないじゃんよ」
「放送器具とか使えねェのかァ?」
「あ、その手があったじゃんよ」
「「「忘れるなッッッ!!!」」」

こういうとき黄泉川は本当に優秀な警備員なのかと疑ってしまう。
じゃあいってくるじゃん、といって放送室に向かっていった。


~数時間後~

「だー、やっと学校終わった」
「……これは本来ならカミやんのポジションのはず」
「もはや青ピのポジションだぜい」
「そんな~」

始業式も帰りのホームルームも無事終わり、皆帰る仕度をしていた。
するとそこへ一方通行が入ってきた。

「オイ上条、行くぞ」
「え?いずこにでせうか?」
「決まってンだろ?打ち止めの始業式だっつゥの」
「あにゃ?あのロリっ娘って学校行くのかにゃー?」
「行かねェ方が不思議だろォが」
「ハァハァハァ、ロリのランドセルもええなぁ」

ピクッ、一方通行の耳がかすかに動き、青髪ピアスをにらみ付ける。

「コロスゾ?」
「申しわけございませんでした」

そんな青ピの生命のピンチの中、上条はうーん、うーんと頭を抱えている。

「どォした上条?」
「……上条さんそんな約束しましたっけ?」
「してねェよ。ンな事いいからサッサと行くぞ」

上条の襟首をつかみ、上条を引きづりながら本当に行こうとする一方通行。
だが上条はそんな一方通行のうでを右手で掴み、動きを静止させる。

「待って!?なぜ上条さんが行かなければ行けないのでせう!?」
「ハイハイ、サッサと行きますよお義父さァン」
「貴様にお義父さんと呼ばれる筋合いはない!!」

そんなところに、今日巻き込まれた男四人が集まってきた。

「「「「手伝うぜ!!」」」」

満面の笑顔で確かに男たちは言った。

「ぎゃー!!不幸……なのか?」
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