とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

波乱の入学式

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匿名ユーザー

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「「「「「「「「「「「「俺達の時代がきたァァァああああああああああああああああああああああああ!!!!」」」」」」」」」」」」

学校に来たモテナキ男達は教室で騒いでいた。

「こればかりは上条達にGJを言わざるえない」
「だな、さすがに彼女持ちは常盤台のお嬢様も諦めると思うし」「中には妥当上条勢力というおんにゃのこもいるらしいしな」

そういうわけで、上条達は教われなかった物の、話してるうちにまたまた上条達を羨ましく思ってしまい殺気を時々かもだしている。

「……つってもよォ、コイツラ先輩としてのメンツがあンのかよ?」
「さあな。上条さん的には美琴以外に興味ありませんのでどうでもいいのですが?」
「そりゃそォだな、アイツ以外どォでもいいか」
「だな、俺も滝壺一筋だ」
上条、一方通行、浜面、この三人にここまで愛されてる女達は、さぞ幸せであることは安易に想像できよう。だが、

「俺も月夜一筋だぜい!!」「同じくうちも黒子はん一筋やでー!!」
「「「オマエラ他の女狙ってるだろう(ォ)がッッッ!!!!!!」」」
「「ヒドッ!?」」

土御門、青髪ピアス、この二人は何か違うだろう。
そんな5人を見て半蔵は1人呟く。

「……お前らよくそんなこっぱずかしいこと言えるな」
「だったらお前はどうなんだよ?郭のことどう思ってんだよ?」
「そりゃ……好きに決まってんだろ?」

浮かれていた男達はコイツラのバカップルぶりにとうとうブチギレて襲いかかろうとするが、

「はいはーい、朝のホームルーム始めますよ~」

小さい先生のご登場により男達は引かざるわ得なかった。


―――今、上条達のどたばたな一日が始まる。


(待っていて下さい第一位! 入学式が終わり次第すぐに貴方のもとへ参ります!)

 早くも息巻いてるのは月夜が第五位になったせいで第六位になった心理掌握、もちろん新入生代表の挨拶も彼女が務める。

「この学校に上条当麻さまがいらっしゃるのですね。ああ、早くお会いしたいですわ」
「常盤台ではあの御坂美琴がいたせいで大っぴらに行動できませんでしたが、ここでならアプローチし放題ですからね」
「来年には御坂美琴もこの高校に進学するでしょうから勝負はこの一年! 必ずやオトして見せます!」

 当麻が彼女持ちだろうと関係ない元・常盤台の女子達、彼女達の先輩にあたる夢見る男共の希望を叩き潰すトークの真っ最中。

(噂に聞く上条当麻の取り巻き達を倒し、最終的には上条当麻も倒す。そして彼らの力は全て私の手の中に……うふふっ)

 中には野心を持った女子も居るが、彼女の願いは未来永劫叶わないだろう。
 しかし新入生の女子達が注目しているのは当麻だけではない。

「ここには第五位の白雪月夜様もいらっしゃいますのよね? あのお美しい技の数々、ああ、今一度お目にかかれる日が来るなんて♪ ファンクラブでも作ってみようかしら?」
「あとバレンタインの時に常盤台の中心で愛を叫んだ先輩もこの高校ですわ。あのような愛の形を持つ女性、是非とも人生のアドバイスを!」
「ですが婚后光子の【空力使い(エアロハンド)】をまともに喰らいながらも平気だったあの殿方もいらっしゃると聞きました。人間離れしたあの方は少し怖いですわね……」

 常盤台でのシステムスキャンで色々と伝説を残した月夜、赤音、真夜も彼女達の興味を引いていた(真夜だけは少し方向性が違うが)。
 なお、3人が同じタイミングでクシャミをしていたのは言うまでもないことである。



「ここにあの上条、一方通行、浜面が通ってんだな。こいつらを纏めてブッ倒して俺が学園都市で天下を獲ってやるぜ!」
「噂じゃ一方通行はガキを彼女にしてるらしいぜ。間違いなくフヌケになってるだろうからな、軽く捻り潰してやる」
「上条は特殊なレベル0だから苦戦しそうだが浜面は正真正銘のレベル0だ。まずは浜面から倒しちまおうぜ」

 こちらは新入生の男子、現実を知らない哀れな少年達は口々に野望を口にするが友愛高校の洗礼を教師から、そして当麻達から受けるのはほんの数時間後の未来の話。
 子供らしい夢(?)を語る少年達も居れば、物騒極まりないことを考えている者達も居るわけで。

「ここに『グループ』の土御門、一方通行、結標が居るんだな。それに元アイテムの滝壺に浜面、スキルアウトの服部に郭も。のし上がるいいチャンスだぜ」
「まったくだ。こいつらまとめてブッ殺せば暗部で一気に名が知れ渡り、色々とおいしい思いが出来るってわけだぜ」

 暗部でもあまり名も知られていない裏の人間達も混じってはいるが、結果など火を見るよりも明らかだろう。

「間違いなくここにあの月詠翔太がいるんだな?」
「ああ。この学校に逃げ込んだって話だぜ」
「あいつには体焼かれた恨みがあるんだ、絶対に晴らしてやるぜ!」

 新入生達によって一番被害が被りそうなのは当麻ではなく翔太なのかもしれない。
 現に翔太に恨みを持っている生徒はそれなりに居るのだから。



 色々な思いを抱えた新入生達の入学式が今まさに始まろうとしていた。


そんな入学式の中、狙われている四人はこの状況について話し合っていた。

「殺気がヤバイ、ドンだけかというと」
「今までの学園生活は全部幻想と思えて来る様な、キツイ殺気がひしひし伝わってきますな」
「上条!!そことるな!!俺が決めるとこ!!」
「……どォでもいいだろォが」
「いや、どうでもよくないぜい?まじもんの殺気もプンプンだぜい」

殺気から……いや、さっきから上条、一方通行、浜面、そして土御門はギスギスした殺気を感じていた。
ここは戦場ですか!?と突っ込みたくなるような殺気である。土御門なんて暗部の人間までもが入ってくるとは思わなかった。

(……暗部にもバカはいるってことか。有名になったら困るとおもうんだけどにゃー……)

土御門が思うには暗部の仕事は名が知れれば名が知れるほどやりにくくなると思う。
それだけ自分の手の内を見せると言うことだ。土御門から見ればもはや自殺行為だ。世の中にはこういうバカが多いから困る。
それにしても、

(……俺の名前は確かに上じゃあ有名かもしれないが、こんな下っ端相手に情報が漏れるとは思えない。アレイスターめ、また手を抜いたな)

実際では、最近サボりが多い(月夜とのデートが理由)ため、そんな部下にはお仕置きだぞ☆というだけのお話である。


入学式というものは。
ものすごーく長い、かつ不毛な教師の話がつきものである。

さらに。

今年は女子全員が常盤台出身・男子も全員レベル4以上ということもあって
教師(特に校長)がものすごーくはりきったおかげで。

在校生はかなり苦痛を強いられていた。
「にゃー、長すぎるぜい。」
「ほんまやー。すでにわてらの時の1.5倍は優にしゃべっとるで。」
「しかもまだまだ続きそうだよ……。」
「月夜、校長凍らせちゃってくれにゃー……。」
「やーだ。私優等生だしできれば推薦貰いたいから。」

*1))))))
上条はじめ面々は突っ込みたいのをこらえるのに必死だった。

「て言うかかみやんとIKKOはなんで平気な顔なんだにゃー?」
「日頃に比べりゃ平和だしな。」
「誰がIKKOだァくそったれ。そう言ってられンのは今のうちだけだぞ。」

「たしかに。」

「情報屋が言ってたな、今年の連中がレベル高い理由。それにさっきから殺気がやばい」

「あァ。つまりこのくだらねェ式が終わったら……それま休ンでたほうがいい。」

一方通行の心配はもっともで。

新入生たちは本来つぶらな瞳のはずなのに
殺気しかない目で上条たちのほうを凝視していた。



一方、体育館の外から『上条当麻護衛』という名目で双眼鏡で窓から監視をしている建宮斎字は

「うはー・・・新入生の諸君、殺気立てるのよな。これは護衛をするのも一苦労なのよ。・・・・・・それにしても、一人ひとりの話が長いのはどーなのよ」

今年の友愛高校新入生全員がレベル3以上の生徒たちで占められている事実を知らない建宮はこの後も愚痴り続けるのであった。


「あ゛~~~~~、マジ気分悪ぃ……。あんなモン見るんじゃなかったぜ、ったく」

 新入生達の殺気の一番の被害者は【線形視認(ベクトルドライバー)】を興味本位で使用した真昼で、当麻達に向けられた数多くの敵意や殺意のベクトルに当てられてしまったのだ。
 バレンタイン以降、見るベクトルの取捨選択は出来るようになったが今回はそれをしなかった真昼のミスとも言えるだろう。

「大丈夫? 真昼ちゃん。体調良くないならこっそり抜け出してもいいと思うよ。それに校長先生の話、まだまだ続きそうだし」
「い、いいって、別に。元はといえば俺の自業自得みたいなもんだからさ。それにもう少ししたらキャッ!」

 男勝りの真昼に女の子っぽい声を上げさせたのは、気分が悪そうな彼女をお姫様抱っこして担いだ真夜だった。
 校長の話中に堂々と席を立った真夜に会場中がざわつく中、真夜は冷静に教師達に頼みごとをする。

「すみません、姉が具合悪そうなので退席させてもらいます。念の為に茜川さんも一緒に同伴という形で。保健室まで付いて来てくれますか? 木山先生」
「ああ、了解した。では彼らは私が責任を持って連れてきますので先生方は入学式を再開させて下さい」

 真夜にとっては入学式よりも真昼のことの方が遥かに大事なので当然の選択と言えるが、それを平然と行えるのは彼の成長なのかもしれない。
 弟にして恋人の真夜の腕の中で女の子らしく大人しくしてる真昼に驚きつつも、移動中の真夜に当麻が尋ねる。

「なあ真夜。お前よく堂々とあんなこと言えるよな。というかこの重苦しいギスギスした空気の中でよく平気でいられるよな……」
「まあ、確かにちょっと重苦しいけどさ、バレンタインの第二学区の時と比べたら優しいもんだって。それはあそこに居た上条達なら分かるはずだろ?」
「「「「あっ」」」」

 バレンタインでの一方通行VSフィアンマ、そこからの当麻を交えての三つ巴の第二学区の戦いの場に居た者達は当時のことを思い出すと気が少し楽になった。
 当麻達の顔色が良くなったことを確認した真夜は去り際にちょっとした爆弾発言をする。

「けどまあ上条達に向けられてる殺気、量は凄いけど一つ一つはそうでもないかな。半蔵の殺気の方がもっと洗練されてて怖いって感じるから」

 そんなことを言い残し、「じゃあお先に」と言った真夜と真昼は木山に続いて体育館から出て行った。
 未だざわついてる体育館、特に新入生の男子がいかにも暴れそうだったがこの騒ぎに乗じて赤音が【鼓膜破砕(ボイスシャット)】の超音波で全員を大人しくさせた(新入生男子限定)。
 なお騒ぎに乗じての能力使用だったので新入生達は何が起こったのか理解出来ていなかったが、赤音を知ってる面々は心の中で思った、茜川GJと。




「にゃー、茜川のお陰で新入生の男共も殺気出してる余裕無くなった助かったぜい」
「つーかよォ、アイツ対象をある程度絞って超音波出せるンだな。白雪のダチってだけはありやがンなァ」
「アクセラ君の言葉の意味は後で聞くとして確かに赤音ちゃん、成長したと思うよ。親友としても鼻が高いよ♪」

 去り際の赤音の【鼓膜破砕(ボイスシャット)】の超音波で殺気を出すどころでは無くなった新入生男子、それを幸運と思ったのは殺気の対象の当麻達だ。
 それと同時に赤音の成長、そして普段大人しくさせられてる大声に多少の加減が加えられてることを理解した当麻のクラスの人間はちょっとだけゾッとした。
 そんな中、真夜の最後の発言が気になった浜面が半蔵に事の真偽を問いただす。

「ところで半蔵、さっき井ノ原弟が言ってたのってどうゆう意味なんだ? まさかお前、あいつのこと」
「勘違いするなって。あれはあいつの訓練に付き合ってるって意味だよ。……殺す気でやってるけどさ」
「いやいやいや、やっぱり最後はおかしいぞ。訓練で殺す気? 半蔵、頭大丈夫か?」
「バカのお前に言われるのは心外だぞ上条。けど実際、殺す気の攻撃じゃねぇと訓練にならねぇんだよ。真夜の能力、分かってんだろ?」

 聞いていた当麻達は理解した、確かに【瞬間超人(リーンフォースセレクション)】で強化された真夜の体は訓練レベルの攻撃ではダメージにもならないのだ。
 だから仕方なく半蔵は真夜に頼まれた通り、訓練の際には本当の全力、つまり殺す気で相手をしているというわけだ。

「けどまあ、そのお陰で俺もここに来る前よりは強くなった。そうゆう面では真夜に感謝してるぜ」
「ああ、そうだな。あいつは俺達にいいものを残してくれた、ついさっきな」
「さっき?」
「そう、それはこの入学式を抜ける手段さ! というわけで半蔵、俺も滝壺を使って入学式を抜けさせてもらう」

 浜面はバカだった、同じ手段が二度も通用するわけもないし、滝壺は隣のクラス、何より表情に真面目さが見られない。
 同じく土御門も便乗しようとしたが結果は同じ、浜面と仲良く闇咲の縄縛術で椅子に縛り付けられるという羞恥プレイをする羽目に。



 当麻達の周りが平和なことをやっている間、静かに怒りを抑えているのは結標だった。
 理由は簡単、翔太から過去に自分の過失で焼いてしまった人間が何名か、新入生の中に混じってるのを聞いたからだ。

(相手にどんな理由があるにしろ、翔太に手を出す気なら容赦しない。あの子をあんなに怯えさせたんだから絶対にろくでなしね。見つけ次第シメてやるわ)

 実は一番物騒なのは新入生達ではなく、他ならぬ結標なのかもしれない。
 そしてようやく校長の長話も終了し、いよいよ心理掌握による新入生代表挨拶が始まろうとしていた。


 心理掌握が壇上に上がり挨拶が始まるものかと思いきや、

「・・・・・・や、やはり入学式が終わるまで待てません!!」

心理掌握の言葉に新入生・在校生・教師の面々は疑問を抱かずに入られなかった。彼女の次の言葉を聞いて一同は絶句する。

「第一位・『一方通行(アクセラレータ)』様!小学生のお子様ではなくこの私とお付き合いしてください!!」

いきなり一方通行への愛の告白宣言に変わってしまったのである。
僅かな沈黙の後、告白を聴いた上条たち以外の男子組は嫉妬の炎に身をやつし一方通行へ怨嗟の視線を向ける。
在校生女子組は「またか!」という様な呆れる視線を向け、入学生女子組(全員常盤台)は色めきたち、教師一同は余りの事にいまだに絶句しており、体育館の中は混乱の一途をたどる。




その一方通行はと言うと、

(……イヤムリだわ。アンなババァとは一生ゴメンだっつゥの)

自分には打ち止めと言う存在がいるし、その存在を捨てるなど今まで生きてきた意味がない。
なのでここは丁重に断る事にした。

「オォイ!!オマエとはムリだわ!!金輪際近づくンじゃねェぞ!!」

……一方通行はこれで丁重に断る事になっているらしい。周りから聞けば、それは酷い事を言ってるとしか思えない。
その言葉を受けた心理掌握は、泡を吹きながら倒れた。と言うかバレンタインにチョコを渡そうとした程度で告白と言うのが、そもそも無謀である。
このおかげで入学式はこれで終了となったのだった。



ちなみに、浜面と土御門はゴリラ(災誤)に引きずられて教室まで運ばれた。




災誤は浜面と土御門を放り投げると、またどこかへ行ってしまった。

「……オマエラ、もしかしなくてもバカだろ?」
「なっ!?失礼な!!俺は頭脳明晰、バレないウソはつかない土御門元春様ぜよ!?」
「現にバレて、現在進行形で椅子に縛られてるんじゃないんでせうか?」
「……俺のウソじゃないにゃー。浜面のに乗っかってみただけだにゃー」
「土御門ォォォおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!お前だけ逃げれる体制に入るなァァァああああああああああああ!!!!!!」
「そんなことよりカミやん、この縄解いてほしいぜい」
「そこは確かに。俺もほどいてくれ」
「へいへい、わかりましたよー」

上条の右手が浜面と土御門の縄に触れると、パッとほどける。
二人は自由になるとスクッと立ち上がり、背伸びをする。

「うーん。やっぱりあの体制はキツイぜい」
「うわー……。自由最高」
「まァ体力温存しとけよ?今日は後輩の相手をするのは確定だしなァ」
「……うわあ、上条さん早く帰りたいです」

そんなタイミングに、小萌先生が入ってきた。



「はーい、皆さん自分の席に戻ってくださいね~」

小萌先生の命により、生徒達はノロノロと席に戻っていく。生徒達が机にぐでぇとなった所で小萌は話始めた。

「はいはい皆さーん、今日はお疲れ様です。まあ明日からは本格的に勉強始めますので、時間割を配りますよー」

小萌先生は時間割を配っていく。だがこれは、上条達にとって後輩との鬼ごっこのカウントダウンである。
まあこれでホームルームが終わるわけではないので、机に体を預けていた上条達だったが、

「はーい、今日のホームルームは終了でーす!!吹寄ちゃん、帰りの挨拶お願いします」
「起立、ありがとうございました」
「「「「「「「「「「「「ありがとうございました」」」」」」」」」」」」

……ホームルームはあっけなく終わってしまった。


「そうそう、言い忘れてましたけど土御門ちゃん、浜面ちゃん、アクセラちゃんは生徒指導室に行って下さいねー♪」
「「「何で俺達だけっ!!!!」」」
「あれあれー? 入学式でしでかしちゃったこと、もう忘れちゃいましたかー?」

 土御門と浜面は嘘を吐いて入学式をサボろうとし、一方通行にいたっては心理掌握を気絶させるほどの一般的には人でなしな振り方をしている。
 一方通行はまさか心理掌握が泡吹いて気絶するとは思っていなかったので納得したが、土御門と浜面はそうではなかった。

「ちょっと待つにゃー! 俺らより先に入学式抜け出した井ノ原弟たちは何のお咎めも無しなんて天が許しても俺が許さないぜよ!」
「土御門ちゃん、冷静になるですよ。真昼ちゃんの体調は本当に悪かった、それを見かねて連れ出した真夜ちゃん。あちらは本当だった、そんな二人のどこに許せない要素があるんですか?」
「で、でも茜川まで連れてくこたぁ無いと思うんすよ! きっと今頃保健室では3あだっ!」

 小萌の正論に何も言えなくなった土御門をフォローした浜面だったが、最後の最後で台無しなことを言いそうになったのを出席簿の角で叩かれることに。

「浜面ちゃん、真夜ちゃんはそんな子じゃありません! 青髪ちゃんならそれも有り得るかもって思っちゃいますけど。クラス委員なのに変態さんですし」
「ちょ! 小萌先生何気にボクのこと酷いことゆうてますやんか!」
「気のせい気のせいですー♪ それに木山先生も一緒ですから間違いなんて起こりません。ま、あの三人なら先生が居なくても心配無用ですけど。他のカップルさんと違って」

 さり気なく自分達にも酷いことを言ってる小萌に抗議しようとした当麻達だったが、普段からポリアモリーカップルはいたって健全なので言葉が見つからずに断念。
 言いたいことを言い終えた小萌が最後に「災誤先生と闇咲先生が待ってますよー♪」と言い残して去っていくのを見送った後で、

「よりによってあの二人か……。こりゃ覚悟しないと身が持ちそうにないぜ」
「ゴリラはともかく闇咲がなァ。どうもやりづれェっつーか苦手なんだよな。すっげー真面目だからなァ、アイツ」
「ま、生徒指導室で待ってる奴らも恐ろしいが俺達にとっては今回はむしろラッキーだぜい♪」

 友愛高校の新・最強2トップ教師の生徒指導で普通は気が滅入るはずだか、土御門だけは何故か笑顔だった。
 一方通行と浜面は土御門に彼の言葉の理由をヒソヒソ話で聞くと、二人も土御門同様に笑顔を作る。

「じゃァ俺達は行くぜ。頑張れよォ上条♪」
「半蔵、悪いけど滝壺のこと任せたぜ。いざとなったら上条にも手伝ってもらえば大丈夫だろうからさ」
「月夜ー、あんまり派手に暴れたらダメだからにゃー♪ 先輩としての優雅さを忘れたらいかんぜよ」

 こうして意気揚々と教室を後にした土御門、一方通行、浜面……とこっそり付いて行った姫神。
 三人が去った後で彼らの言葉の意味を考えていた半蔵はあることに思い当たると顔を青くして呟いた。

「……まずいぞ上条。新入生のターゲットになるのは俺達しか居ない」
「はぁ? 何でそんなことに……ってそうゆうことか。土御門達、上手く逃げやがったな」

 半蔵に言われた当麻は気付いた、土御門、一方通行、浜面が呼ばれた生徒指導室が現在最も安全な場所だということに。
 いくら新入生達とはいえ使用中の生徒指導室にまで乗り込むような愚は冒さないだろう、よっぽどのヴァカでもない限り。

「半蔵! 今から作戦会議を開こう! 急いで滝壺と郭をこっちに! 白雪は青ピが逃げ出さないように下半身を凍結!」
「カミやん鬼か! ボクはまったく関係ないやん! 後輩達に襲われギャンッ! 冷たっ! 白雪はん腰より下がメッチャ冷たい!」
「一人だけ逃げようとするなんて虫が良すぎるよ青髪くん。私達は仲間なんだからこうゆう時にこそ助け合わなきゃだよ♪」

 当麻の迅速な指示のもと動いた半蔵が隣のクラスから滝壺と郭を引っ張って戻って来た。
 かくして当麻、青ピ、月夜、半蔵、滝壺、郭による新入生撃退法の会議が当麻を中心に大急ぎで始まるのだった。
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注釈

*1 ((((((レベル5な時点で推薦確定ですよ!?