とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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一方通行はそんな二人を見て何か怪しいと思い、話を盗み聞きすることにした。もちろん自分のベクトル変換を使って。
ベクトル変換は実に便利だ。応用すれば廊下の二人の声も聞こえるのだから。

『前にもいったけど、私の事はもう諦めてちょうだい』

オォナンかいきなりスゲェ展開になってきたァ!?と、心の中で興奮する一方通行。だが彼が聞いてるとも知らず、二人は話続けた。

『ねぇ、なんで俺じゃいけないんだ!!理由を教えてくれ!!』
『だから、私はそういう恋愛自体に興味がないの。だから諦めてくれない?』
『イヤだ。僕は吹寄さんが好きなんだ!!諦めきれないんだよ!!』

この様な会話が永遠と続き、ついには吹寄が我慢をする事が出来ずに先に教室に入ってきてしまった。
ちょうどその時位にチーム分けが完成していた頃だった。

「おっ、もうできたか」
「なんとかにゃー」

そしてまたまたちょうどいいタイミングに、チャイムが鳴った。
やっと終わったー!!とぐーだれる生徒達だが次の科目確認した瞬間、全員が固まった。

「災呉の体育だと……?」

誰かがそう呟くと、吹寄が張り切った声で言った。

「そうよ!!貴様らこのチームで一度自分達の戦力を確かめるわよ!!」

今から、上条達の不幸が始まった。

――――――――――――――――――――

「よーし、今日から球技大会までの間は基本、各種目の練習に当てるぞ」

 生徒達から生活指導で恐れられている災誤の太っ腹な提案に当麻のクラスは大いに喜んだ。
 なお、そのドサクサに紛れて「ナイスゴリラ!」とか「ゴリラ最高!」とか言った生徒には災誤からの拳骨がプレゼントされた。

「だがそれだけでは授業とは言えんからな。体を温めるという意味で最初の10分間はトラックを走ってもらうぞ」
「えーーーーーーーーーっ」×全員
「文句を言うな。残りはお前達の自由といっても過言じゃないんだぞ、我慢しろ」

 それから当麻達は準備体操をした後で10分間の走りこみへと向かった、災誤に呼び出された一方通行と真夜以外は。

「一方通行はその体では走るのは無理だろ? お前は走らなくていいからストレッチとかを念入りにやっておけ」
「おォ(ラッキーだなァ。ま、電極をたかだか走りこみの為に使うってなァ冗談じゃねェしな)」
「それから井ノ原弟、お前はみんなの倍の20分間走り続けろ。能力は使ってもいいが他の皆よりも速く走るんだ。理由は分かるな?」
「はい(確かにそれくらいじゃないとウォームアップした感じにならないしなぁ。【瞬間超人】は全箇所40でいいかな)」

 一方通行は一人でストレッチを開始したが彼の不幸、それはそのストレッチを災誤が手伝うという点だろう。
 真夜は【瞬間超人】で肉体を全て40で強化するとマイペースで走っているクラスメートをあっという間に抜き去り、なおもスピードを上げて走るのだった。

――――――――――

 それから10分後、走りこみを終えた当麻達は疲れた体を少し休めた後でそれぞれの球技大会参加種目の練習に入る。
 一人、まだ走っている真夜だがスピードは全く衰えず、しかも疲れた様子すら見せていなかった。

「すげぇな真夜のやつ……。あのスピードでなんで疲れねぇんだ?」
「井ノ原弟はもとから持久力は高かったからにゃー。能力が開花して更にそっちにも磨きがかかったんだろ? そんなことよりも練習ぜよカミやん」

 野球組は土御門を中心に集まると、中心に居た土御門からポジションを考えていた者達だけ発表される。

「カミやんはピッチャー、情報屋がキャッチャー、アクセラがセンターで俺はセカンド。でもって月詠はショートぜよ。他のみんなは後で考えるにゃー」
「お、俺がピッチャー? 土御門、これは一体どうゆうつもりでせうか?」
「本当ならアクセラがピッチャーで全イニング三振と行きたいが情報屋が死んじまうからにゃー。だからカミやんをピッチャーにしたんだぜい」
「……本当の狙いは何だ?」

 最近、土御門の言葉の裏が時々ではあるが読めるようになった当麻が疑問を投げかけると、土御門は楽しそうに言った。

「カミやんをピッチャーに据えればピッチャー返しをやってくる生徒が増えるからぜよ♪ つーわけで今からピッチャー返しの特訓だぜい」

 土御門がそう言うと、翔太を手招きしてバットを手渡した。
 当麻は翔太を呼んだことで何をやらされるのか何となく察してしまった、経験則から。

「俺がボールをトスするから月詠、お前さんはカミやん目掛けて打つと同時に【火炎地獄】でボールを火の玉に変えるぜよ♪」
「ええっ!! だ、駄目だよ、そんな危ないこと! 上条くんが怪我でもしたらどうするの!」
「それはいらん心配ってもんですたい。カミやんなら大丈夫だ♪ それに今日は軟式でやるから危険も無いんだにゃー」
「俺のことなら心配いらないぞ月詠。さあ、早速だがガンガンやってくれ!」

 乗り気な当麻に翔太は何度も「ゴメンね上条くん!」と謝った後でピッチャー返しの特訓を開始した。
 このピッチャー返しの特訓、実はグローブ着用を認められなかった当麻に右手キャッチングを慣れさせる意味も込められていた。
 ちなみにボールやバット、その他の学校の備品も高位能力者に合わせた特別製なので問題は全くない。

翔太の打った球は、それほど威力のはなかった。ただかなりの高温の火の玉を右手で打ち消すことになったが。

「ええ!?僕の火が簡単に消えちゃった!!」
「俺の右手はそう言う能力なんだ、よ!!」

上条はそう言うと、土御門の頭目掛けて軟式のボールを思いっきり投げつけた。
すると土御門は、キレイに円を描いてぶっ飛んだ。

「いったー!?軟式なのにメチャクチャ痛いぜい!?」
「しかもかなり早い!?上条くんすごい!!」
「あー土御門、わりーわりー」
「カミやん棒読みだにゃー!!俺に何か恨みでもあるのかにゃー!?」
「ああ、たっぷりとな」

そんなバカな会話が暫く続き、今度は上条に変化球を教える事にした。
上条の球は早くて威力があり、その上コントロールがいいが(被害にあった土御門が冷静に分析した)、切り札は少しでも多い方がいいのだ。
ちなみに他は情報屋の最適千本ノック中である。

「だーかーらー、持ち方はこうだって言ってるぜよ!!」
「いやー何だか投げにくいんでせうよねー」
「そのうち馴れるから、球が落ちるまで特訓!!」
「うがー!!不幸だー!!」

――――――――――――――――――――

その頃、バスケットボールでは練習試合を2対3の組み合わせでしていた。
その一チームでは浜面と半蔵のコンビが活躍中で、輝いていた。
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