とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「いらっしゃいませー。はーまづら☆」

その麦野の姿を見て思わず殴りそうになったが、他人のそら似だと思う事にして普通にアンパンを買うことにした。
だがそれはとても難しいことだった。

「アンパン二つ下さい」
「はぁーい☆麦野沈利の×××ですねー☆」
「違います。アンパン二つ下さい」
「ナンだよ浜面ぁ!!ノリわりぃぞ!?さっそと私の×××奴隷にでもなっとけよぉ!!」
「お断りします。アンパン二つ下さい」
「ちょっと待て浜面ぁ!?お前キャラ変わってんぞ!?」
「アンパン二つ下さい」
「こっちの話も聞けよ浜面ぁ!!殺すぞ!?」
「責任者呼べぇー。ここの対応マニュアルどうなってるんですかー?あとアンパン二つ下さい」
「テメェ調子乗ってんじゃねぇぞ!?さっさと私の×××でもしゃぶっとけぇ!!」
「……こっちお客様だぜ?さっさとアンパン二つよこせ」
「……浜面、テメェ調子乗りすぎだぞ?」
「お客様に対してその言葉使いはそうなんだよ、店員A。アンパン二つ下さい」
「……はーまづらー。今ここで死ね」

麦野の左手が浜面を襲う。が、浜面は瞬間的にそれをよける。
麦野は『本気』と書いて『マジ』と読む怒りのレベルにまで達してビーム数発放とうとする。
が、

「麦野ちゃん。マニュアル渡したはずだよねー」

いきなり誰かに髪の毛をつかまれ。そのまま顔を店のテーブルに打ち付けられた。

「あぁん!?何してんだババァ!?」

その人物とは、

「ババァじゃないわい。売店のおばちゃんじゃ」

である。

「……一人目からこれなら、やめてもらおうかねー」
「なぁ!?すいませんでした!!それだけはどうかオヤメください!!」

麦野はせっかく浜面とお近づきになれるチャンスだというのに、やめたら浜面の顔すら見れなくなってしまうのでそれだけはと頭を下げる麦野。
それを見て売店のおばちゃんは麦野を許して、浜面に迷惑をかけたお詫びに、アンパン二つは無料にしてくれた。
浜面はアンパンを持って、この学校は何でもありだな。と思った。

「じゃあ俺行くわ。売り子の仕事はちゃんとやれよ。変なことさえしなけりゃ俺だって……嫌ってわけじゃねえんだからさ」
「ありがと浜面♪ あんたに言われるまでも無く仕事はちゃんとするから安心しなよ。で、どこでイクって?」
「そっちのイクじゃねーから! 行くってのは体……何でもない。それと滝壺と井ノ原弟に会っても絶対に揉め事起こすなよ!」

 浜面が言いかけた言葉で彼が向かう場所を推測した麦野、仕事が休憩に入り次第、体育館に向かうことを決意する。
 滝壺はともかく井ノ原弟が誰か分からなかった麦野だがこの学校で浜滝の次に奇妙な縁を持った真夜のことだと理解した。

「……あの化けモンと揉め事起こそうとか考えてないわよ、こっちは。なんか調子狂う奴だったし。滝壺がここを利用したら倍額の値段でいたっ!」
「頼むから止めてくれよ……。じゃあ今度こそ俺は行くからな!」
「ばーいばーい♪ またあっとでねー♪」

 あいつ絶対に体育館来るだろうな、浜面はそう思ったがこの調子なら大人しくしてくれるだろうと気持ちを落ち着かせて体育館に向かった。
 なお麦野だが右目と左手がアレではあるが、それ以外は超が付くほどの美女なうえに仕事もきちんとこなしているので人気者になるのに時間はかからなかった。
 麦野が友愛高校の売店の看板娘になるのはそれから三日後のことらしい。

――――――――――

 こちらは運動場、当麻、土御門、一方通行は自分達の恋人が作ってくれた愛情一杯の弁当を食べていた。

「カミやんの弁当はいつ見ても美味そうだにゃー。月夜の弁当もいけるんだがどうにも冷たい物が多くて困るぜい」
「ふふん、美琴の愛妻弁当は誰にもあげませんのことよ♪ ……にしてもアクセラの弁当は黒い物が多いよな。海苔とかひじきとか炭か?」
「ンなモン最初っから入ってねェよ……。これは全部、アイツが焦がした料理だ。たとえどんなモンでもアイツの料理は残せねェからなァ……」

 打ち止めはミサカネットワークで料理のレシピも情報として頭に入っているが、料理をするのはあくまで打ち止めなので結果としてこうなってしまう。
 しかしこれでも少しづつ改善されているのだがそのことを知らない当麻と土御門は一方通行の男気(?)にちょっと感動していたりする。

「ところで翔太はどこ行ったんだ? 野球組はここに集合するって言っておいたのに」
「月詠なら結標と一緒にランチしてから来るって言ってたぜよ。練習時間までには合流するって話ですたい」
「あのチビがよりにもよって結標の彼氏とはなァ。ショタコンのあいつの理想系が現れたってだけで奇跡だな……」
「これで『グループ』メンバーで独り身は海原だけか、哀れなもんだぜい♪ でも今はあっちをどうにかしたいにゃー」

 土御門は翔太に結標のクラス、ならびに彼女の参加種目の情報を持ってきてくれることを期待する、望み薄と分かってはいても。
 話題を変える為に土御門が目を付けたのは自分達から少し離れた場所で、一人寂しくコンビニ弁当を食べている情報屋だった。

「はぁ……いいなぁ上条達は。可愛い恋人からの弁当食べてて……。俺だっていつかは吹寄の」
「吹寄の何が欲しいのかにゃー? ゆっかりきくーん♪」

 土御門に目を付けられた情報屋を見て当麻と一方通行は思った、情報屋が可哀想だと。
 しかし自分達も情報屋と吹寄のことには興味があったので土御門に混ざることにした。

そして一方通行が最悪の追い討ちをかけてきた。

「そうイヤさっきフラれてたなァ」

追い討ちどころじゃなかったが。

「マジぇ!?この情報二万で売ってやるぜい!!」
「ヤメろ!!情報管理は俺の仕事だ!!そしてアクセラ!!お前の個人情報に+して女装趣味とかつけるぞ!!」
「………本当にしたらコロス」
「心の底からごめんなさい」

情報屋こと紫木友は、心の底から一方通行に土下座すると弁当を持ってこっちにきた。

「で?情報屋は本当にふられたのか?」
「……ああ、俺はこれからどうすればいい。上条」

どうやらからかわれることを前提にこっちにきたのは、上条に相談しに来たらしい。

「なんでそこでカミやん頼るのかにゃー?」
「俺とテメェじゃ頼りねェからだろォが」

上条はうーんと考えると、情報屋に話しかけた。

「じゃあお前はどうしたいんだよ?」
「……それがわからないから上条に聞いてるんじゃないか」

上条はやれやれとわざとらしく首を振ると、真剣に話し始めた。

「お前が何をどうしたいかってことがわからないと俺も助言を与えることはできない。
お前がどうしたいかを、全部言ってくれ。俺も何か協力できることがあったらしてやるよ」
「……俺は、吹寄の隣に立ってたい。何か、特別な存在でいたいんだ」
「だろうな、でも告白しても断られたんだろ?だったら吹寄がお前のことを特別な存在だ。って思うまで、お前は頑張ればいい。
何か特別なことなんかしなくてもいいんだ。本当の自分を見せてやればいい。それでも不安だってんなら、本当の自分をアピールしてやれ」
「本当の……自分?」
「ああ。うそ偽りなく、本当に自分がやりたいことやって、吹寄にアピールすればいいさ」
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