とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「凄い! 凄いよ上条くん! あんな怖そうで強そうな人の攻撃を受けてもピンピンしてるなんて!」
「いやいやそれほどでも(本当は右腕がちょっと痺れてんだけどな……)」

 翔太の尊敬の眼差しは見た目と相俟って子供が無邪気に向ける視線のそれと同じなので、これには当麻も少し照れていた。
 その時、当麻の携帯が鳴った、相手は美琴である。

『もしもし当麻? 今日は何の日か忘れちゃった? それともまさかまた事件に』
「大丈夫だって、事件とかそんなんじゃねーからさ。今日って確かスーパーで買い物デートだったか、ゴメン」
『ううん、忘れてなかったらいいの。でも良かった、当麻が無事で。じゃあ家で待ってるから早く帰って来てね、チュッ♪』

 甘さ全開のトークに唖然とするのは上琴のいちゃつきにそれほど慣れていない月結、そんな二人を尻目に当麻は変える準備を整えていた。

「じゃあ俺行くわ。美琴が俺の帰りを間違いなく可愛い感じで待ってっからさ。それと朝練は美琴と相談して参加するか決めるから。じゃあお先に」
「分かったにゃー。朝練の方は決まり次第返事をくれると助かるぜい。それによって練習メニューを考えんといかんからな」

 当麻が帰った後、青ピ、姫神、半蔵のバスケ組は練習の為、月夜は赤音の様子を見に行く為に体育館へと向かった。
 郭は一人、半蔵の晩ご飯の仕度があるとのことで合鍵を貰っている半蔵の部屋へと向かうのだった。

「んじゃ俺達も今日は解散としますか。っとその前に結標、お前さん、球技大会は何に参加するつもりぜよ?」
「バレーだけど? 土御門、そうゆうあんたは何に出るのよ?」
「俺とカミやんとアクセラ、それに翔太は野球だぜい。しっかしここまで予想が的中するってのは我ながら恐ろしいですたい」
「……ふーん、野球ねぇ。ま、翔太が居るから暇があったら見に来てやるわよ、じゃあね」

 結標は翔太を抱きかかえたまま、翔太の部屋へと歩いて帰って行った(翔太と一緒に普通に下校したい気分なので)。
 その際、結標の頭の中ではちょっとした企みが芽生えていた。

(上条に土御門に一方通行が野球、ねぇ。あいつらに勝たせるのはちょっと癪に障るわね。こっちも手を打っておこうかしら。海原とショチトルにでも……)

――――――――――

「俺も帰らせてもらうぜ。もしかしたらまだ打ち止めの奴が学校に居るかもしれねェからなァ」
「おやおやー、アクセラ君はそんなに打ち止めに会いたかったのかにゃー? 無理言って引き止めて悪かったぜよ♪」
「そっ、そンなンじゃねェよ! いや間違っちゃいねェ……って何言わせンだァ! それと朝練は打ち止め次第だ、じゃあな!」

 顔を真っ赤にさせて帰って行く一方通行を見送った後で、土御門は月夜を追って体育館へと向かうことに。
 体育館に着いて土御門が目にしたもの、それはリベロに指名された野原に対する吹寄のスパルタ特訓だった。

「おー、やってるかにゃー?」
「あ、元春ー♪サッカーボールで新技編み出したよー、後、能力の向上も・・・でもまずあれだよ」
「これはすごいにゃー・・・」

吹寄の出す球は一球、一球がだんだん強くなり、それを必死に野原が止めていた。

「ホラホラどうしたーーーっ! 貴様は私程度のスパイクを受け止めるので限界なのか! もっともっと上があるはずだ!」
「ち、ちくしょーーーーーーっ! やってやる、やってやるぞーーーーーっ!」
「言っておくが私のスパイクの後は井ノ原弟のを受け止めるんだからこれしきで満足するのは早いわよっ!」
「んげっ!! マジでブフォッ!!! ぐ、ぐっ……こ、こうなったらヤケクソだーーーっ! どんと来いやーーーーっ!」

 吹寄のスパルタ特訓に影響されたのか、報酬のパンチラシリーズもキャラも忘れて熱血君になってしまった野原、成果も徐々に出始めていた。

「何か野原のキャラが別人だがこの調子ならバレーも何とかなりそうだぜい」
「う~ん、バレーの方はそうなんだけどね~。吹寄さんに問題があるんだよね~、これが」
「おりょ? 居たのか茜川。で、一体全体何が問題なんだにゃー?」

 土御門がようやく自分の存在に気付いたことに少しムカッとした赤音だが、自分も時々似たようなことをするので反論はしなかった。
 気持ちを切り替えた赤音が話すこと、これが情報屋に少しの可能性を開かせることに。

「私ね、能力が強くなってから耳の方も良くなってるって言うか強くなってるの。それでね、聞こえてきたんだ、吹寄さんと紫木君の会話」
「ああ、その話ならアクセラから聞いたぜよ。振られたんだろ? 情報屋が吹寄に」
「え? あれって振られたって言うのかな……。吹寄さんが断った理由って恋愛に興味が無いからで紫木君自体を嫌いとは言ってないよ?」
(……そりゃー確かに情報屋そのものが振られたとは言えないぜよ。ったく、アクセラも情報屋も早とちりっつーかなんっつーか……。取り合えず明日殴るか)

 それを聞いていた月夜が目を輝かせて一大決心を土御門と赤音に告げる。
 それは同時に当事者達はもとより、当麻、一方通行、翔太の野球組、井ノ原ツインズも巻き込むことになる。

「やろうよ元春! 吹寄さんに恋愛に興味を持たせてもう一度情報屋くんにアタックさせるの! これじゃあ情報屋くんが可哀想だよ!」
「確かにその通りだぜい。ま、こっちは既に情報屋を奮起させちまってるが俺らもサポートしてやるかにゃー♪ 当然カミやん、アクセラ、翔太にも手伝わせるぜよ」
「分かったよ月夜ちゃん♪ 私は真夜君と真昼ちゃんに相談してみるね。結果はどうなるか分からないけど、ちゃんとした告白にはさせたいもん!」

 球技大会全種目制覇の裏で、情報屋にもう一度きちんとした告白をさせようという壮大なようで壮大じゃない計画が生まれたのだった。

――――――――――

 一方のバスケ組、というか青ピが姫神提案の特訓をやらされていたが肉体的にも精神的にも地獄を見ていた。

「ほらほらどうした青ピぃ! その程度で倒れてるようではまだまだだぞぉ!」
「ギャーーーッ!! なんで、なんでボクがこないな辛い特訓をせなアカンねん!」

 青ピの特訓、それは彼の当たり負けしそうな体を強くする為に災誤とぶつかり稽古という見るのもするのも暑苦しいものだった。
 姫神と半蔵はシュート練習をしながら青ピの特訓を眺めていた、姫神は発案者として得意気に、半蔵は心から同情するように。

「ご愁傷様」
「待ってぇ!!うちを見捨てないでぇ!!」
「半蔵様、そろそろ私たちも帰りましょう」
「お前いつの間に……。まあそうだな帰るか」
「お願い!!お願いだからこのむさ苦しいおっさんと一緒にしないでぇ!!」
「よし、もう一本追加だ」
「なんでや!?なんで最近みんなの不幸は僕にうつってくるんやー!?」

 これを上条や浜面が聞いていたらこう言うだろう。

―――お前の不幸は命の危険がないだろうが!!

とね。

――――――――――

 だが不幸の化身上条当麻は、御坂美琴といちゃいちゃしていた。

「ねえ、この服とかどう?」
「う~ん……美琴は何きても似合っちゃうから悩むな~……」
「キャー、私うれしい!!」

 そしていつものとおりキスに持っていくのだが。

「生では久しぶりにお会いしましたね。とミサカは相変わらずのバカップルぶりに嫌気がさします」
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