その少し前、美琴が違う服も試してみたいと言って試着室に入って行って、待っている当麻にも同じメールが届いていた。
「何で河原でしかも吹寄が待ってんだよ……。美琴との幸せな一時か吹寄との不幸な一時、答えは考えるまでも無いな」
そして当麻は迷わず電話を掛ける、メールを寄越した土御門へと。
「もしもし土御門か? メールの件だけどさ、俺パスするわ。ただ今美琴とデートの真っ最中なので」
『そーかそーかパスするかー……パスゥ!! カミやんお前正気か? 吹寄の呼び出しをシカトすることがどうゆう意味を持ってるか』
「そんなの上条さんは知ったこっちゃありませんのことよ。明日学校で連続頭突きが待ってようが美琴とのデートをキャンセルなど出来るわけが無いっ!」
『考え直せカミやん! 確かに今のお前さんは漢気に溢れて素晴らしい。だが! それを見せる時は今じゃな』
『そーかそーかパスするかー……パスゥ!! カミやんお前正気か? 吹寄の呼び出しをシカトすることがどうゆう意味を持ってるか』
「そんなの上条さんは知ったこっちゃありませんのことよ。明日学校で連続頭突きが待ってようが美琴とのデートをキャンセルなど出来るわけが無いっ!」
『考え直せカミやん! 確かに今のお前さんは漢気に溢れて素晴らしい。だが! それを見せる時は今じゃな』
当麻は電話を切った、何かもう色々とやかましいし試着室から美琴が心配してくる雰囲気が伝わってきたので。
心配そうに「大丈夫?」と尋ねてきた美琴に「心配無用」と答えた当麻、実は吹寄の召集を断った理由はもう一つあった。
心配そうに「大丈夫?」と尋ねてきた美琴に「心配無用」と答えた当麻、実は吹寄の召集を断った理由はもう一つあった。
(美琴と吹寄はあんまり会わせたくねぇんだよなぁ……。十中八九、喧嘩しそうだし。にしても何の呼び出しだったんだ?)
「ジャーン♪ 当麻お・ま・た・せ♪ どう、似合う?」
「最高ですっ! ですがっ! 上条さんはもっと色んな美琴が見たいでありますっ!」
「もう当麻ったら素直なんだから♪ そんな素直な旦那様のリクエスト、バッチリ応えてあげるからね♪」
「ジャーン♪ 当麻お・ま・た・せ♪ どう、似合う?」
「最高ですっ! ですがっ! 上条さんはもっと色んな美琴が見たいでありますっ!」
「もう当麻ったら素直なんだから♪ そんな素直な旦那様のリクエスト、バッチリ応えてあげるからね♪」
こうして美琴による当麻の為だけのファッションショーが開催されることになる。
しかしここは一般的な洋服店で当然ながら店員も客も居たが上琴以外は揃ってこんなことを思っていた、まだイチャつくのかと。
しかしここは一般的な洋服店で当然ながら店員も客も居たが上琴以外は揃ってこんなことを思っていた、まだイチャつくのかと。
――――――――――
「クソッ、カミやんめ。後で吹寄にどう言い訳すりゃい」
当麻の電話を強制的に終わらされた土御門が愚痴ってると、今度は一方通行から電話が掛かってきた。
嫌な予感がしながらも土御門は一方通行からの電話に出た。
嫌な予感がしながらも土御門は一方通行からの電話に出た。
『悪ィ土御門。俺、そっちの集まりは行けねェわ』
「そっちもかよ……」
『アァ? そっちもってどうゆうことだァ?』
「いや、気にするな。で、どうして行けないんだ?」
「そっちもかよ……」
『アァ? そっちもってどうゆうことだァ?』
「いや、気にするな。で、どうして行けないんだ?」
一方通行もキャンセル、嫌な予感的中に頭を抱えた土御門は念の為に理由を尋ねた。
しかしその理由は当麻と違ってきちんとしたものであることに少し驚かされることに。
しかしその理由は当麻と違ってきちんとしたものであることに少し驚かされることに。
『実はよォ、打ち止めがカレー作るとか抜かしやがンだよ。だから俺が近くに居ないとマズイって思ってな』
『今日はミサカがあなたの為に美味しい料理を作ってあげるんだよってミサカはミサカは高らかに宣言してむぎゅ』
『後はデコ女と打ち止めを会わせたくねェってことだ。デコ女見たら打ち止めが泣きかねねェしな』
「成程にゃー……。そうゆうことなら仕方ない、後のことは何とかしてるぜい。せいぜい打ち止めちゃんと仲良くすることぜよ♪」
『今日はミサカがあなたの為に美味しい料理を作ってあげるんだよってミサカはミサカは高らかに宣言してむぎゅ』
『後はデコ女と打ち止めを会わせたくねェってことだ。デコ女見たら打ち止めが泣きかねねェしな』
「成程にゃー……。そうゆうことなら仕方ない、後のことは何とかしてるぜい。せいぜい打ち止めちゃんと仲良くすることぜよ♪」
向こう側で一打がはしゃいでるのが聞こえてきたが、ただのいちゃつきと判断して電話を切った。
(呼び出されたのはカミやん、俺、月夜、青ピ、アクセラ、浜面、半蔵、井ノ原弟か。球技大会に向けての釘刺しとはご苦労なことぜよ)
吹寄が呼び出したメンバーは自分のクラスで入学式で騒ぎを起こした面子で、何の目的で呼び出されたのか土御門は理解していた。
女性陣が着替え終わるのを待っている土御門は吹寄にメンバー召集をやらされていたのだ、当然ながら仕方なく。
女性陣が着替え終わるのを待っている土御門は吹寄にメンバー召集をやらされていたのだ、当然ながら仕方なく。
(半蔵、井ノ原弟は先に行ってるって返事があったが浜面の奴は何してんだ? まだ麦野と滝壺に追われてるのか?)
浜面だけが何の返答もして来なかったことに疑問を感じていた土御門だが、吹寄に『先に河原に行く』と簡単なメールを送ると河原へと向かうのだった。
――――――――――
一方の浜面だが土御門からのメールにも気付けないほどに追い込まれている真っ最中だった。
「うーいはるぅ。はーまづらぁは、どーこかなっ?」
『今滝壺さんと現在営業中止している近くのレストランです』
「チッ、だから第十学区はキライ何だよ。裏路地とか多すぎだろ。しかもまた滝壺私を出し抜いたのかよ!!」
『今滝壺さんと現在営業中止している近くのレストランです』
「チッ、だから第十学区はキライ何だよ。裏路地とか多すぎだろ。しかもまた滝壺私を出し抜いたのかよ!!」
初春が麦野をサポートしていたからである。
(何でー!?初春ちゃんクリスマスの時に俺と滝壺を祝ってくれたよね!?この仕打ちは酷いんじゃないの!?)
浜面は近くのレストランではなく、その隣のコンビニに潜んでいた。
レストランのまどから飛び移ったのである。
レストランのまどから飛び移ったのである。
「(はまづら。私がいるから安心して)」
「(ありがとよ滝壺!!俺の光はお前だけだ!!)」
「(ありがとよ滝壺!!俺の光はお前だけだ!!)」
「じゃあ私のサポートはここまでということで。後は麦野さんお一人でお願いします」
『おっけー♪ こんだけやってくれただけでも充分さ。今度メシでも奢ってやるよ、じゃーね♪』
「ふぅ……本当にこれで良かったんですか? 最愛さん」
『おっけー♪ こんだけやってくれただけでも充分さ。今度メシでも奢ってやるよ、じゃーね♪』
「ふぅ……本当にこれで良かったんですか? 最愛さん」
麦野との連絡を終えた初春が居たのは教会寄宿舎の自分の部屋、ベッドの上では絹旗と佐天がゴロゴロしている。
レトロな感じを思わせる部屋だが色々な機器が部屋中にあり、その設備は第一七七支部ほどでは無いにしろ充実していた。
レトロな感じを思わせる部屋だが色々な機器が部屋中にあり、その設備は第一七七支部ほどでは無いにしろ充実していた。
「超オッケーですよ飾利。浜面は超調子に乗ってる所がありますからね、麦野を差し向けて超痛い目を見せた方がいいんです♪」
「それにしても麦野さんってタフだよねー、見た目も中身も。浜面さんに断られ続けてるのに前向きに諦めないんだもん」
「あんなに頑張ってるんですから報われて欲しいですよ、人生とかも。でも恋愛は浜面さんには滝壺さんが居るから……」
「それにしても麦野さんってタフだよねー、見た目も中身も。浜面さんに断られ続けてるのに前向きに諦めないんだもん」
「あんなに頑張ってるんですから報われて欲しいですよ、人生とかも。でも恋愛は浜面さんには滝壺さんが居るから……」
初春が麦野のをサポートしていたのは他ならぬ絹旗の頼みだったからで、初春本人は浜滝を応援する側である。
なお、麦野の存在が浜滝の仲を刺激、さらに深まることを願っているのは他の誰にも内緒である。
なお、麦野の存在が浜滝の仲を刺激、さらに深まることを願っているのは他の誰にも内緒である。
「ところで今日お二人は泊まっていくんですか?」
「……今日はパス。明日も学校あるしね。最愛はあたしのことは気にしないで泊まっていってもいいんじゃない?」
「ごめんなさい、明日は私も朝から超大事な用事があるので遠慮させてもらいます」
「……今日はパス。明日も学校あるしね。最愛はあたしのことは気にしないで泊まっていってもいいんじゃない?」
「ごめんなさい、明日は私も朝から超大事な用事があるので遠慮させてもらいます」
残念そうな顔をする初春を絹旗と佐天は彼女をベッドに引っ張り込むと、元気付ける為に初春とじゃれ付き始めた。
じゃれつくことで頭が一杯な三人はドアをノックする音など聞こえてはいなかった。
じゃれつくことで頭が一杯な三人はドアをノックする音など聞こえてはいなかった。
「失礼します。飾利、それに佐天と絹旗。あと一時間ほどでご飯で……」
「「「あっ」」」
「こ、これは気が利かず申し訳ありません……。じゃれ合ってる所を邪魔してしまったようですね。夕ご飯まで時間はあるのでゆっくりして下さい」
「「「あっ」」」
「こ、これは気が利かず申し訳ありません……。じゃれ合ってる所を邪魔してしまったようですね。夕ご飯まで時間はあるのでゆっくりして下さい」
三人がじゃれ合ってる姿にキョトンとした神裂だが、すぐさま冷静になって用件を伝えた後で部屋を出て行った。
取り残された義妹トリオはじゃれ付くのを中断し、時間が来るまでトークを楽しむことへと切り替えた。
取り残された義妹トリオはじゃれ付くのを中断し、時間が来るまでトークを楽しむことへと切り替えた。
―――――――――
その頃、ファッションショー(?)を終えた上琴は買った服を上琴ハウスに置いてから近くのスーパーに買い物に来ていた。
「当麻、今日は何が食べたい? あ、何でも良いってのは無しよ。当麻ってばいつも美味しいって言ってくれるけどちゃんとしたリクエスト、あまりくれないんだもん」
「ん~、そうだな~。じゃあ今日は上条さんはカツカレーが食べたいです!」
「りょーかいっ♪ ……ねえ当麻、あそこ見て」
「ん? どうかしたか? あれ、珍しい二人が来てんだな」
「ん~、そうだな~。じゃあ今日は上条さんはカツカレーが食べたいです!」
「りょーかいっ♪ ……ねえ当麻、あそこ見て」
「ん? どうかしたか? あれ、珍しい二人が来てんだな」
上琴が発見したもの、それはカレーの材料の買い物に来ていた一打だった。
「よぉっ、アクセラ」
「珍しいわね」
「あァ?なンだ上条たちかァ。吹寄じゃなくてよかった。あいつなら理由をつけても探しにきそうだからな」
「珍しいわね」
「あァ?なンだ上条たちかァ。吹寄じゃなくてよかった。あいつなら理由をつけても探しにきそうだからな」
一方通行は内心、ビクビクしていた。吹寄が探しに来て打ち止めを泣かすんじゃないかと。
「お前も吹寄に呼ばれたのか・・・。ところで何しにきたんだ?こんなところに」
「いや、こいつがカレー作るって言いやがるから、俺がそばに付いてなくちゃだめだろ?でこ女にもこういう理由があると土御門に伝えてもらった」
「いや、こいつがカレー作るって言いやがるから、俺がそばに付いてなくちゃだめだろ?でこ女にもこういう理由があると土御門に伝えてもらった」
二人は一方通行のデレをみると、上条は一方通行に方を置き、美琴は打ち止めの方を置いて、こう言った。
「「結婚式には読んでくれ(ね)!!」」
「絶対呼ぶよ!!ってミサカはミサカは約束してみる!!」
「…………………………………………………………………………………………………………気が向いたらな」
「絶対呼ぶよ!!ってミサカはミサカは約束してみる!!」
「…………………………………………………………………………………………………………気が向いたらな」
否定はしないツンデレの一方通行だった。
――――――――――――
そして土御門はと言うと、正座で吹寄に状況報告をしていた。
「で?この原因の三大柱がこないって……どういうこと?」
「い、いやー。それがですにゃー?浜面は音信不通、アクセラは打ち止めのおもりですにゃー……」
「……上条はどうした?」
「……………………………………………………………………………………………デートと言って放棄、それ以後でませんはい」
「い、いやー。それがですにゃー?浜面は音信不通、アクセラは打ち止めのおもりですにゃー……」
「……上条はどうした?」
「……………………………………………………………………………………………デートと言って放棄、それ以後でませんはい」
その瞬間、吹寄からゴバァッ!!と言う音でもする様な殺気がうねり出された。
「……上条には久しぶりに『脅し』を使うわよ。土御門、貴様は情報屋に脅しのネタをもらってきて頂戴」
「……ラジャー」
「……ラジャー」
脅しとは何か?それは明日になってからのお楽しみである。