とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

17-15

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匿名ユーザー

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「証拠隠滅ゥ!!」
「待てェ!!いきなり殺しはマズイだろォ!?」
「スルーが一番じゃねェの?」
「この状況でスルーできるヤツなンていねェだろ」
「考えろォ……上条ならこの状況をどォするかを……」
「お礼を言って『今度なにかさせていただきますゥ』とか言うに決まってらァ」
「なるほどォ!!攻略法はっけェン!!」

 一方通行が脳内会議を終えると、チョーカーのスイッチをカチッ!!と入れて、

「じゃァな」

 逃げた。

「ああっ!!待ってくださいアク様!!」

 だが一方通行が心理掌握を待つことはなく、風の様に去っていった。
 ちなみに他の生徒達は操られて痛い目に遭いたくないので一方通行と共に最後の力を使って逃げているのは言うまでもないだろう。



「だあっ! ゼェ、ゼェ、な、何だってンだあの女ァ……。入学式の件で懲りたンじゃねェのかよ……」

 逃亡という逃げの一手をチョイスした一方通行、大急ぎで男子更衣室に入ると自分の手に心理掌握から貰ったものが握られていることに気付いた。
 着替え終わった土御門がそのことに気付き、一方通行をからかい始める。

「おやおやー、アクセラくんの手に握られてるものは何なのかにゃー? まさか可愛い女の子からの差し入ゲフッ!」
「かわいかねェ! これはちょっとした油断ってやつだ! 相手は心理掌握だぞ、きっとまたロクでもねェこと企んで」
「へぇ、心理掌握さん頑張ったなぁ」

 さりげなく心理掌握を褒めたのは土御門と同じく着替え終わった真夜で、一方通行はすぐさま彼の胸倉を掴み上げる。
 普通なら怒れる学園都市最強に凄まれたら怯むものだが、真夜が能力だけでなく精神面でも成長してるので特に動じたりはしなかった。

「大丈夫だよ一方通行。心理掌握さんは何も悪いことは考えてないから。単に善意でスポーツドリンクとタオルを渡しただけだからさ」
「何でてめェにそンなことが分かるんだ弟ォ。まさかオレとあいつをくっつけようとか」
「ううん全然。俺はただ心理掌握さんが変われる手伝いをしてるだけに過ぎないよ。現にあの子はそうやって変わり始めてる。それは分かるだろ?」

 真夜の言葉に嘘は無いと感じ取った一方通行、現に今までの心理掌握だったらもっとえげつないことを平然としていただろうから。
 そうしてようやく一方通行は真夜の胸倉を掴んでいた手を離すと、チョーカーのスイッチを脳内でオフにして怒りを完全に収めた。

「一方通行にしてみたら面倒だとは思うけどさ、心理掌握さんはお前のことが知りたいだけなんだよ。だからさ、あんまり邪険にしないでくれると助かるな」
「……チッ、わーったよ。けどてめェも大概なお人よしだな弟ォ。あンな厄介な女の肩を持つなンざ」
「そうでもないよ。どのみち心理掌握さんが失恋するって思ってるし、それはあの子も承知してることだから」
「前言撤回だ、てめェは意外と酷ェ野郎だ……」
「それ本人にも言われたことがある。でも俺は甘くは無いってだけだから。じゃあそろそろ行くよ、建宮のおっさんの炊き出しが食べたいし」

 真夜が去った後で一方通行達は思った、日頃から恋人二人を甘やかしてる奴が言うことじゃないと。
 それから三分間、何だかんだで心理掌握からも物を貰った一方通行は更衣室にいるクラスメートからの質問の嵐に晒されることに。



「げぇっ! 保健室鍵かかってんじゃねーか!」
「マジかよ! こっちは個人特訓でボロボロだってーのに!」
「仕方ない、保健室は諦めて着替えて教室行こうぜ……」

 保健室を利用しようとしていたのは情報屋、東原、野原の個人特訓対象者だが鍵がかかっていたので仕方なく諦めることに。
 三人は揃って授業中に堂々と居眠りしようと考えていたりする、相手が小萌だろうと災誤だろうと。
 しかし保健室は無人では無かった、中には青黒が居るのだ。

「ふっへっへっへ……さあさあ○○様!!黒子と一緒に未知なる世界へ旅立ちましょう!!」
「ま、待つんや黒子はん!!うちらはまだ清い関係でいようや!!」
「もう遅いですわ……私たちの関係はもっっっと深く、もっっっとディープになるんですの!!」

 実は青ピが動けなくなっているのを良いことに、黒子はあーんな事やこーんな事をしようとしているのだ。
 だが青ピはどれだけハーレムを作ろうとしようが、上条派ジェントルマンなので断固反対だ。
 しかし相手はレベル4、そしてこちらはレベル0。
 ………………………………………………………………………………………………………………………………………。

「勝ち目0やん!?」

 青ピが叫ぶも暴走状態の黒子は止まらず、青ピは真っ裸にされてしまう。
 そして黒子はいつの間にかナース服に着替えていた。かなりマニアックである。

ガチャ、ガラガラガラ

 黒子が襲いかかろうとしたその瞬間、鍵を開けて教員が入ってきた。
 警備員でもある黄泉川先生が。
 扉を開けて目に入ったのは、月詠先生の生徒が裸でベッドに横たわり、顔見知りの風紀委員がナース姿で襲いかかろうとしている場面である。

「お前たち何やってるじゃん!!」

 表面上は強がってる黄泉川だがパンツ一丁の青ピとナース姿の黒子を前に僅かながらも動揺していた。

「まだ何もしておりませんわ、これからする所ですの! そう、黒子は可憐なる少女の殻を破り大人の女性へと生まれ変わります!」
「ジャッジメントのくせに何をとんちきなことを抜かしてんじゃん! 今ならまだ見逃してやるから大人しく常盤台に」
「ああもう小うるさい方ですわね。少し大人しくしてて下さいな」
「なっ、しまっ……!」

 比較的大人の対応をしている黄泉川を煩わしいと思った黒子は【空間移動】で間合いを詰めると、黄泉川の足を払って金属矢のテレポートで床へと縫いつけた。
 床に縫いつけられてもまだ説得してくる黄泉川を無視して自分へと迫る黒子に対して青ピが出来ること、それは神に祈ることだけである。

(神様仏様女神様! どーかボクを助けて下さい! こないな形で黒子はんと結ばれるんは本意や無いんです! せやから)
「ふわぁ~あ、ったく朝から球技大会の練習なんて健康的な生活は疲れるわ……。とりあえず一時間目はサボって寝直ししよう。あ、いっそのこと翔太も」
「ボクの祈りが神様に通じたーーーーーーーーっ!」
「はぁ? アンタ確か土御門の…………(何? この状況)」

 青ピの祈りが奇跡的に通じ、やって来たのは【座標移動】で青黒が使ってるベッドの横に降り立った結標だった。
 パンツ一丁の青ピ、その青ピに今まさに襲い掛からんとしてるナース姿の黒子、床に縫い付けられている黄泉川、よく分からない状況なので結標はとりあえず考えることにした。

(床に転がされてる黄泉川、動くというか動ける気配を見せない土御門の連れ、その連れを変態丸出しの表情とコスで性的に食おうとしてる白井黒子……ダメ、全く分からない。けどとりあえずは)
「へっ? む、結標さん一体何をなさギャンッ!!」

 結標の取った行動はシンプルで、この保健室で一番迷惑そうな黒子の後方に自分自身を【座標移動】させ、すぐさま警棒で後頭部に一撃を入れた。
 黒子もいきなりのことに対処出来ず結標の全力の一撃をモロに喰らい気絶、黒子の計画はこれにて終了=青ピの危機も終了と相成った。

「おーい結標、悪いけどこの金属矢も抜いてくれると助かるじゃん。見返りに一時間目のサボリは目を瞑ってやるから」
「そうゆうことなら♪ はいっ、これで全部抜けたわよ。ところで白井黒子とこの男はどうするの?」
「白井は建宮の知り合いに常盤台の寮で働いてる子達がいるからその子達に引き取ってもらうじゃん。青ピは……どうだ、動けそうか?」
「あきません。ボク、朝練のダメージが残っとって動けそうにありませんわ。少ししたら動けそうになりそうやからそしたら教室行きます」

 物分りのいい青ピに内心驚きながらも黄泉川は建宮から聞いていた対馬の携帯に連絡、今回の件を伝えて黒子を引き取りに来てもらうように頼み込む。
 携帯越しからでも分かるくらいに対馬がうんざりしているのを感じ取っていたが、それでも了承してくれたことに感謝しつつ黄泉川は職員室へと戻って行った。

「じゃあ私は寝るけど何かしたらタダじゃすまさないからね」
「わ、分かってますって! それにボク、まともに動けへんからそない気ぃ張らんでも大丈夫……って寝るの早っ!」

 早々に眠りについた結標に驚きながらも青ピも体を休めることにした、気絶してる黒子が過激な寝言を言ってるのは無視して。
 黒子は思いもしないだろう、迎えに来るのが対馬ではなく他校にまで迷惑を掛けたことに怒り心頭な寮監だとは。



 こちらは当麻&翔太、心理掌握から必死で逃げてようやく更衣室の前に到着した。
 しかし目の前には売店の売り子のエプロンを身に着けて、ソワソワしてる麦野がいた。

「む、麦野さん、どうしたんでせう?こんなところで」
「は、浜面のは、裸……」

 そう麦野は売店からそのまま抜け出して疲れた浜面の介護(?)をしに来たら浜面の着替えを目撃してしまったのだ
 最近、女らしくなった麦野はそれに動揺してしまったのだ

「はー、あなた様にもそんな女らしいところがあったんですね」
「……テ、テメェ、喧嘩売ってんのかぁ?」
「い、いえそんな滅相もない!しょ、翔太、はやく着替えて教室に行こうぜ!」
「う、うん」

 怖くなったのですばやく更衣室に二人は逃げ込んだ
 数分後、着替え終わった浜面が出てきて麦野に優しくしてしまい追われることを二人はなんとなく予感していた
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