とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

17-19

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「ねぇ吹寄さん、今日はもう野原君も限界みたいだからリベロ特訓は終わりにしない?」
「そうね、私達も連携の練習をしたい所だし。野原、今日の貴様の特訓はこれで終わりよ。明日の為にもゆっくり休みなさい」
「た、助かった~。も、もう腕の感覚なんて殆どねぇし……。今日はもう……ま、待ってくれ! あと一球、あと一球だけ頼む!」

 野原の意外な申し出に吹寄は素直に感心していたが、赤音だけは何かおかしいと感じ取っていた。
 男らしい風に見せている野原の眼光が自分と吹寄がスパイクする時にチラッと胸の辺りを盗み見る時のものだからだ。

「分かったわ。じゃあ今日の締めとして私が最高の一撃を」
「いや、俺が今日最後の相手に選ぶのは吹寄でも茜川でもない。それは……あのおねーさんだっ!」

 今日の特訓の最後の相手に野原が指名したのはバスケの見学に来ていた神裂で、実は野原は神裂が体育館に入ってきた時から狙っていたのだ。
 赤音は自分の予想的中と同時に自分が抱いていた野原の株を一気に急落させることにした。

「あの人は確か去年の合宿(第二章の)とか上条狩りの時に邪魔してくれた人ね。あの人なら特訓相手としては充分だけど私、あまり知らないわよ?」
「それなら心配いらん。吹寄の許可さえ貰えれば後は自分で交渉しようって思ってからさ。つーわけで行って来る! あのエロ乳を揺らしてもらう為に!」

 元気に、しかも真の目的を聞きとして叫びながら神裂の所へ向かう野原に吹寄と赤音はドン引きしていた。

「な、何なのあの元気っぷりは……。男ってああもスケベな生き物なの? でも紫木もそうゆう情報持ってるしやっぱり恋愛なんて」
「ふ、吹寄さん落ち着いて。野原君と青髪君は男性の底辺にランクするだけで情報屋君は違うと思うよ? 野原君だけ見て恋愛を下らないって思わないで」
「……それもそうよね。ごめんなさい茜川さん」

 何とか吹寄の気持ちを落ち着かせた赤音ではあるが、野原がいる限りは何度でも同じことを思いかねないと懸念していた。
 このままでは吹寄が約束を破棄しかねないと思った赤音、後で昨日河原に居た面子(土白、青ピ、井ノ原ツインズ、半郭)に相談することを決意する。

――――――――――

「お願いします名前を知らないおねーさんっ! どーか俺にお情け……もとい、強烈なジャンプサーブを打って下さい!」
「あ、あの、頭を上げて下さい。事情を話していただけないと私としても対応に困りますので理由を聞かせてもらえますか?」

 バレーコートからやって来た少年こと野原がいきなり土下座して頼みごとをしてきたことに神裂は戸惑ってしまう。
 実は当麻のクラスでさり気なく青ピの次にスケベで変態の青ピ、発言にもそれが現れていた。

「おねーさんが強いのは何度かこの身で体験済みです。ですから球技大会の特訓にその揺れ……もとい、エロ……でもない、とにかくおねーさんの力を借りたいんです!」
「成程、事情は分かりました。あなたは自分を高める為に私に師事したのですね。分かりました、その願い聞き届けましょう」
「あざーーーっす! じゃあ俺はあっちで待ってるんで準備が出来たらこっちに来て下さい!」

 野原の内なる野心に気付かない神裂は彼の願いを素直に聞き入れ、バレーコートに向かおうとするが初春に腕を掴まれて止められてしまう。
 その行動が嬉しくなった神裂は初春をハグしようとするが、彼女の表情が心配そうなことに気付き動きを止める。

「あ、あの、飾利? どうしてそのように不安そうに見つめるのですか? だ、大丈夫ですよ、お姉ちゃんはどこにも行きませんから」
「そうゆうことじゃなくてですね、あまり力を入れないようにして下さい。火織お姉ちゃんが打ったサーブだと下手したら骨折しかねませんし」
「飾利、それは大げさ……皆してそのように見るということは飾利だけでなく他の方達もそう思っているのですね。……分かりました、極力何とかしましょう」

 初春、そして神裂の強さを知っている者達からの初春の意見に賛同の意を示した視線を受けた神裂、落ち込みつつも手加減を了承することに。
 落ち込みながらも後で初春に頭を撫でてもらうことを確約する辺り、女教皇は随分としたたかになったようである。

「では行ってきます飾利。お姉ちゃんは頑張ります♪」

 かくして神裂は野原の本日最後のリベロ特訓の相手をする為にバレーコートへと足を踏み入れるのだった。
 ちなみに野原の企みを察知した体育館に居る男子達は内心で野原に対してありがとうとか思っていたりする。


「では、いきますよ」
「はい!ドンと来いです!」

だが野原の悪巧みは願わなかった
なぜなら力の手加減はしたがスピードは手加減しなかったからである

「へ?ぐえっ!」

すなわち神裂がボールをあげたときにはすでに神裂は最初の位置に戻っていた
手加減はしたが十分威力のあるボールを野原はまともに顔面に受けてしまった

「だ、大丈夫ですか!?手加減したんですが……」

野原から返事はなく、気絶してしまった


「……そういえば合宿(第二章の)の時ビーチバレーやった時、
あの人の打ったボールが黄泉川先生が言うに音速の三倍とか言ってた気がする……」
「……そういえば影分身とかもしていた気がする……」

 それを見ていたもの達がぞっ!!とした。そこで吹寄が何かを考えたのかその場で緊急会議を行った。

「……どうする?私たちも特訓してもらう?」
「いやいや!!その様な下心は俺たちにない!!」
「そういう意味ではなくて、あの人に特訓してもらえば私たちもかなりのモノができるんじゃないか?という事よ」
「「「「「な!?それは死ぬ!!」」」」」
「……勝たないと私は気がすまない」

 吹寄がボソッ、とそう言うと周りの者たちがビクッ!!と震える。

「「「「「そうしましょう!!」」」」」
「よし決定、じゃあ交渉しに行きましょう」
「「「「「アイアイサー!!」」」」」

そういうと彼らは神裂の元へ向かった。


「あの、すみません。頼みたいことがあるのですがいいでしょうか?」
「貴女は確か上条当麻のクラスの……。ちょうど良かった、気絶してしまったこの少年の」
「そんなことより! お願いです! 私達にバレーの特訓をして下さい!」
「「「「「お願いします!」」」」」

 当麻絡み(主に学校系で)で何度か出会っている吹寄に覚えがあった神裂、その彼女が自分に頭を下げて頼みごとをしてきたのに驚いた。
 吹寄の態度、それと野原を完全放置という状況に途惑った神裂は当然、

「す、すみません、少し待っていただけますか。相談したい子が居ますので。飾利、飾利ーーーーっ!」

 初春を呼び寄せて吹寄の件を相談することに。
 その際、シェリーと絹旗が付いて来なかったのは内心ではラッキーと思っている神裂であった。

「まったく火織お姉ちゃんったらこんな所で頭を撫でて欲しいなんて……。気絶させたのは良くないですけど、酷い外傷も無いようなので約束通り」
「あ、いえ、それはまた後でゆっくりと。実は貴女に相談したいことがありまして」

 神裂は吹寄にバレーのコーチを依頼されたことを初春に伝え、どうすべきかの返答を待っていた。
 初春は少し思案した後で吹寄に色々と質問をし始めた。

「すみません吹寄さん。球技大会の本番って確か今週の土日ですよね? 今日が火曜日ですから火織お姉ちゃんのコーチは今日を含めても4日ということでいいでしょうか?」
「え? 今日からいきなりは失礼だと思うから明日から3日間でお願いしようかと……。あの、ところで貴女は?」
「あっ、自己紹介がまだでしたね。私は初春、初春飾利です。今後ともよろしくお願いします、吹寄制理さん。今から火織お姉ちゃんと話があるので少し待っていて下さい」

 初春の凛とした態度に何も言えなかった吹寄、これが生まれて初めて苦手だと思う少女の出会いだった。
 そんな吹寄の心情など知る由もない初春は、神裂にいくつか確認を取っていた。

「火織お姉ちゃん、今日以上の手加減は出来ますか? 威力だけでなくて速度も落とすという意味で」
「ええ、まあ。それでも彼女達が私の身体能力に付いて来れるのかは微妙……飾利、それはつまり」
「3日間なら吹寄さん達も耐えられるでしょうから火織お姉ちゃん、コーチの件は引き受けてもらっていいですよ♪」

 神裂が初春の笑顔の命令(正確にはお願いだが)に逆らえるはずも無いので、コーチの件を了承することにした。
 しかし転んでもタダでは起きない神裂、その3日間は初春と一緒に寝ることを条件として提示、初春も悩んだ末に受け入れることに。

「吹寄、そして皆さん。私も至らない所があるかもしれませんが3日間、よろしくお願いします」
「「「「「「お願いしますっ!!!」」」」」」

 かくして吹寄率いるバレー組は神裂という頼もしすぎるコーチをゲットすることに。
 ただ、その神裂が全く逆らえないというかデレデレしている(百合的意味は無い!)初春の存在だけは謎のままで(赤音はバレンタインの時に何となく察している)。

――――――――――

「今後の俺達の最大の課題は姫神の存在を見失わないことだ! 分かったか? 浜面」
「そりゃ、そうだけどよ……。姫神の方も俺達だけには存在感を出してくれねぇと無理じゃねぇか?」
「浜面くん如きに。言われるまでもない。私も私で。この影の薄さを。コントロールしてみせる」

 一方、バスケ組は姫神の影の薄さを何とかするということを今後の課題と定めた。
 話し合いが終わると、今の今まで大人しくしていた麦野が後ろから浜面に抱きつき、自分の胸をこれでもかと押し当てていた。

「む、むむむ麦野っ! 胸がっ! 胸が当たってるっ! ってコラ! さり気なくズボンを脱がそうとすんなよ!」
「いーじゃんかはーまづらぁ♪ あんたのスポーツしてる姿見てたら何かこうそそられてグオッ! た、滝壺、今のはかなりきついぞ……」
「ボーリングの球じゃなくてバスケットボールにしたことを感謝して欲しいくらい。それよりもはまづら、むぎの、このきぬはたを見てどう思う?」

 自分の後頭部にバスケットボールを投げて来た滝壺に、最近ますます容赦が無くなったきたと頭をさすりながら麦野は思った。
 絹旗の柵川中学の制服姿を見て、浜面と麦野は感想を口にする前に心の中で評価を下していた。


(うん、似合ってない)

二人は心の中で同じことを思った

「に、似合ってると思うぞ。でもお前なら不良みたいな学校でもよかったんじゃないか?」
「わ、私も浜面に同意だよ。私服とかで校則をやぶる見たいな学校でよかったと思う」

二人は心の中で思っていることと違うこと言いながら他の学校を進めてみた

「なんか釈然としませんね。私がどの学校を選ぶのも超勝手じゃないですか。それに姉妹がいるんだから超あたりまえです」

絹旗は浜面と麦野の言葉に疑問を抱きながら少し怒っていた

「そ、そうだ!今度、転入祝いにお前の好きな映画に連れってやるよ」
「わ、私も今度なにか奢ってあげる」

とりあえず二人はごまかしてみた

「なんか納得いきませんが祝ってくれるなら超どうでもいいです。ということで次の日曜日あたり超お願いします」

絹旗は二人が祝ってくれると言うことで気にしないことにした
ちなみに滝壺は言い訳する二人を見て、やっぱり同意権か、と感じていた

――――――――――――――――――――――――――――

一方、外のグラウンドではサッカー組のキャプテンとして白雪が東原のGK練習を昨日より張り切って行っていた
ウィキ募集バナー