とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

17-22

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匿名ユーザー

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 こちらは特訓終わりの青ピ、ボロボロの体の彼の所に白子と赤見の変態予備軍の二人が駆け寄って土下座すると、

「「お願いです師匠! 弟子にして下さいっ!」」

 さらに人生を踏み外すようなことを言ってのけるのだった。



「おいおい、どいうことだ?あの青髪に弟子なんて」
「どうせ。変態としての弟子。もうあの子たちは手遅れ」

浜面と姫神その他はその光景を哀れむような目で見ていた


「居た居た、まったくあのアホ二人は他所の高校に来てまで何で土下座してんだ」

 浜面達はおろか体育館に居た当事者以外が哀れんでる中、白子と赤見を探しに来た朝陽が体育館へと入ってきた。
 ズカズカと入ってきた朝陽を見て、浜滝と半郭はようやく白子と赤見のことを思い出す。

「ああっ! あの二人よく見りゃあアクセラの彼女のクラスメートじゃねーか!」
「しかもこんな所で朝陽氏を目にするとは思いもしませんでした。しかしどうして私達、揃ってあの二人のことを忘れていたんでしょう?」
「だってそりゃあの時のあの二人、特にツインテールの方はドン引きレベルの変態だったからな。無意識のうちに記憶の片隅に追いやっただけだろ」
「はっとりの言う通りだけどそれ以上にあそこでの出来事は私達にはインパクト大きかった。だから忘れることが出来たと思う」

 浜滝と半郭が当時(打ち止めの転入日)のことを思い出してる間に、朝陽が白子と赤見の背後に立つ。
 青ピは初見の朝陽をきれいなお姉さんと思い、白子と赤見は土下座中で後ろを見ていないにも関わらず朝陽の気配だけで震え出した。

「く、くくく黒井はん、僕、今すっごい命の危険感じてんねんけど……」
「いいいいいけませんわ! ここは、あえて気付かない振りをして」
「気付いていない振りしても無駄だぞ白子。勝手に行動した罰だ、素直に受け入れろ。まずは善萌からだ」
「後生です! 後生ですからつま先、しかも襟は勘弁して下さい! お願いやから朝陽せぎゃーーーーーーーーーっ!!」

 土下座している赤見の襟をつま先に引っ掛けた朝陽は赤見を持ち上げると、バレーコートのネットへと投げ飛ばした。
 ショックのあまりに気絶した赤見に戦慄した白子は逃げようとしたが、朝陽の踏みつけに「ぴぎゃっ!」という断末魔と共に意識を失った。

「すまなかったな、私の生徒が迷惑をかけたようだ。それにしても善萌によく似てるな。お前、間違いなく変態だろ?」
「いえいえボクは別に……って勝手に変態って決めつけんといで下さい! ボクは」
「変態なのは私は咎めはしないが、せめてあの二人が反応しない程度に変態を抑えてくれ。あいつらが今以上の変人になるのは私も困るしな」

 謝罪の後の容赦無く変態の烙印を押されて涙目の青ピに「これからもあの二人を頼む」と言った後で、朝陽は立ち尽くしている災誤へと近づく。
 実は災誤、朝陽が現れてから直立不動状態で、そのことも生徒達は疑問に思っていたがここで真実が明かされる。

「久しぶりだなゴリラ」
「ハッ! 朝陽センパイもお変わりなく! 今日はアンチスキルの皆に稽古でも?」
「違う違う。私は自分の生徒を迎えに来ただけだ。けどまあ、久々に組手でもするか?」
「滅相もございません! 自分では今でも朝陽センパイには敵いませんので!」
「冗談だ冗談。ゴリラ、自信を持て。お前は充分に強い。お前と黄泉川が居たから私は心置きなくアンチスキルを引退出来たんだからな」

 あの災誤が誰かにあそこまで敬意を払っているのを初めて目の当たりにした生徒達は、朝陽をそれだけで只者じゃないと位置づけるのだった。

――――――――――

「さて、特に異常らしい異常は見られなかったな」

 こちらは校舎の見回りをしている闇咲、ますます教師が板に付いてきたようだ。
 あと少しで全ての見回りを終えようとしていたが、曲がり角で誰かとぶつかり相手を倒してしまう。

「あうっ。う~っ、い、痛いの……」
「すまない。大丈夫か? どこも怪我はしていないか? ……む、君はうちの生徒では無いな。それにその制服は初春の」
「おじさん初春さんのこと知ってるの? あたし、初春さんを探しに来たの。あっ、自己紹介が遅れたの。あたしは春上衿衣なの」
「私は闇咲逢魔、ここの高校の教師だ。春上、君は初春を探しているようだな。ならば一緒に来なさい、私も一緒に探してあげよう」

 迷子の春上、闇咲と一緒に初春を探すことに。


「あ、いたいた。春上さん急にいなくなっちゃうから心配したよ」

そこに春上を探していた佐天と合流した

「佐天さんごめんなさいなの。初春さんを探そうと思ってたら迷子になっちゃって、そこで闇咲さんにあったの」
「そうなんだ。あ、闇咲さんおひさしぶりです」
「ああ、佐天、久しぶりだな」

二人は軽くあいさつし、闇咲と佐天の関係を春上に少し説明して三人で初春を探すことになった

――――――――――――――――――――――――――――――――

そのころ神裂は滝壺から初春の居場所を聞き出し食堂に来ていた
そしてシェリーとの初春の奪い合いを開始していた


「飾利!!こっちです……っ!!」
「いやいや、そこはこ……っち!!」
「うわああ!!止めてください~」

 初春のひっぱりっこ、もはや日常茶飯事とも言えるこうけいに、建宮が入ってきた。

「ならそこは間をとってこの建宮k
「「仕事しろ!!」」
「はいー……」

 が、すぐに追い返されてしまった。
 そんな建宮を見て初春は、とうとう怒った。

「いい加減にしてくださーーーーーーーーーーーーッ!!」


 初春の怒号、にしては可愛い感じはするが彼女の怒りに神裂とシェリーは引っ張り合うのを止めた。
 そして初春の説教が始まるわけだが、ついさっきも説教されたばかりで二度目の説教、本当に神裂とシェリーは初春絡みだとポンコツである。

「どーしていつもいつも私なんかのことで喧嘩するんですかっ! 火織お姉ちゃんもシェリーさんも私は大好き、それでいいじゃないですかっ!」
「そ、それはそうなのですがわ、私としてはやはりシェリーごときよりも飾利が大好きなわけですから負けたくないというか……」
「飾利、あんたは自分のことを過小評価しすぎだよ。飾利には私達が好きという感情の強さを比べたいと思う魅力があるんだ、自信を持ちな。それと神裂……誰に向かってごときとほざきやがったぁ!」

 初春の説教中にも関わらず、自分をバカにされたシェリーはオイルパステルで神裂に攻撃、神裂も何とか七天七刀(納刀状態)で防いだ。
 土属性魔術を応用して強化されたとはいえオイルパステルで神裂の七天七刀(納刀状態)と渡り合うシェリー、何気に戦闘力が上がっているようだ。
 その様子を伺っていた建宮、自分は免れてラッキーと思っていたが神裂とシェリーがプチバトルを始めたことで完全に巻き込まれる。

「いい加減にしましょうか二人とも♪ まずは正座して下さい。建宮さん、建宮さんも逃げずに正座しましょう♪」

 久々に見せる初春の裏モードに神裂、シェリー、建宮は恐怖しながらも素直に正座した。
 周囲に居たギャラリー達は初春の裏モードは当然初めて見るわけだが、騒いだら自分達も巻き込まれると思って静かにする。

「火織お姉ちゃん、シェリーさん。私はとってもとーっても悲しいです。どうしてか分かってくれていますよね?」
「そ、それは……わ、私とシェリーが飾利の一番を巡って事あるごとに喧嘩をし、してしまうから……」

 初春のドス黒いオーラに震えながらも神裂はちゃんと正答してみせる、シェリーも神裂に同意するようにコクコクと頷く。
 神裂とシェリーは初春がさらにニッコリ笑ったのを見て許してくれたなどと甘い考えを抱くがそんなものは幻想に過ぎない。

「つまりお二人は分かっててやってるんですね♪ 私が悲しいって思うことを知りつつもいつもいつも……」
「ご、ごめんなさいっ! もう、二度と……極力はシェリーとは飾利のことでは喧嘩はしません! 約束します!」
「わ、私もだ! 神裂とは飾利のことに関してだけは絶対に……出来るだけ喧嘩はしないって誓うよ! だから頼む、もう許してくれっ!」

 神裂とシェリーの心からとは完全には言い難いが誠意がそれなりに見られる謝罪を受け、何だかんだで二人に甘い初春は裏モードを解除して許すことにした。
 言葉にはせずに二人の頭を優しく撫でることで許すという形を見せた初春、今度はいつもの調子で建宮を嗜める。

「建宮さんも二人の喧嘩に乗っかったりしちゃダメですよ? 建宮さんはお父さんみたいなポジションなんですから♪」
「め、面目次第も無い……。ですがプリエステスとシェリーを見てると何というかドサクサに紛れて飾利姫の一番にそれとなく……」
「だからそれは止めて下さい! 火織お姉ちゃんはお姉ちゃんとして、シェリーさんは親友として、建宮さんはお父さんとして私は好き。それでいいんです♪」
「むぅ、そう飾利姫に言われてしまえばわしはもう何も言えんのよね。……ところでプリエステス、シェリー。二人はどうしてわしの仕事着を見て笑いを堪えてるのよ?」

 完全に初春の説教が終了して周囲に気を配れるようになった神裂とシェリーは建宮の姿を見て必死に笑いを堪えていた。
 今現在、建宮は食堂で仕事中でありそんな彼の姿は頭に初春の花飾りに合わせた花柄模様の三角巾、そして純白の割烹着といった感じだ。

「そんなに可笑しいですか? 私は建宮さんによく似合ってると思いますよ♪ それとなく溶け込んでますし」
「そのような嬉しい言葉を言ってくれるのは飾利姫だけなのよな。この高校のわしの知り合い共はそろって大爆笑しやがるし……。しっかしここに絹旗や佐天が来てたら……げっ!」

 初春が素直に褒めてくれたのは嬉しかったが、床をゴロゴロ転がり、時には床を叩いて大笑いするのを我慢してる神裂とシェリーを見て一思いに笑ってくれと思った建宮。
 ふと顔を上げると神裂に置いていかれたので遅れてやって来た絹旗がニヤニヤしながら建宮の今の姿を携帯で撮っていた。

「飾利を探しにここまで来たら超面白いものが見られてラッキーです♪ 建宮、今は笑うのは超控えましょう。今の画像を涙子に送って、合流してから超馬鹿にしてやりましょう♪」

 そうして絹旗は建宮の仕事スタイルの画像を添付して、佐天にメールを送るのだった。


「ん?最愛からメールだ。なになに……春上さん、飾利は食堂にいるって」
「え?ほんとなの?じゃあすぐに行くの」
「ちょっと待って。何か添付ファイルが……ッ!!」

佐天は絹旗から送られてきた写メを見ると驚いてしまった
そして必死に笑いをこらえようとした

「どうした?佐天」
「どうしたの?佐天さん」

佐天は必死に笑いをこらえながら答えた

「い、いやなんでもないよ……クフッ……は、はやく食堂に行こう」
「「?」」

二人は疑問に思ったが先を行く佐天についていく事にした

(やばい!あんなの実物みたら笑い死んじゃいそう!)

その後三人は食堂に着くのだが三人とも笑い死にそうになるのだった

――――――――――――――――――――――――――――――――

一方、迷子の打ち止めを捜している一方通行が体育館に来ていた

「おーい、打ち止めー?ここにいンのかァ?ン?」

一方通行はそこで何かに気づいた
その何かとは朝日に頭の上がらない災誤の姿だった


「オイオイ、一体全体何だってンだァ? 朝陽のやつ、災誤の野郎とも知り合いだったのかよ?」
「おっ、アクセラじゃねーか。何でも朝陽さん、元アンチスキルらしくてよ、あのゴリラが今でも敵わねぇ強さらしいぜ」
「成程なァ、俺らに対処する暇を与えずに蹴り入れられるのも、女の癖に威力のある蹴り放つのも納得だ」
「朝陽さんがアンチスキル引退してくれて助かったぜ。俺らの代でもまだやってたら……考えたくもねぇ」

 浜面から聞いた朝陽の情報に、一方通行は今まで喰らってきた蹴りに納得がいった。
 半蔵は朝陽がアンチスキルを引退したことを幸運と思っており、浜面や郭も同意するように頷いていた。

「ま、それはともかくだ。お前ら打ち止め見なかったか? 上条と御坂と手分けして探してンだがよォ」
「大丈夫。らすとおーだーらしきAIM拡散力場を保健室辺りで感知した。近くにレベル5らしきAIM拡散力場も居る、誰かまでは分からないけど」
「そンだけ分かりゃ充分だ、ありがとよ滝壺。じゃあ俺は行くぜ。っとそうだ、朝陽に伝えとけ。てめェン所の双子が探してるってよォ」

 一方通行は言いたいことを言い終えると滝壺の情報を元に保健室へと向かうのだった、近くに居るレベル5が誰かを気にしつつ。
 そこへ災誤の会話を終えた朝陽が白子と赤見を引きずりながら、青ピを従えてこっちにやって来た。

「いやー、久しぶりにゴリラに会ってついつい長話になっちゃったな。元気してたか? 仕上、理后、半蔵、郭。他に知らない顔もチラホラ居るみたいだな」
「あ、朝陽さんこそお変わりないようで何よりです。それと朝陽さん家の双子が朝陽さん探してるみたいっすよ」
「そうなのか? じゃあさっさと合流して家に帰るか。けど困ったな、白子と善萌をこのままというわけにもいかんし」
「浜面くん。この朝陽って人。もしかして」

 姫神の疑問に答えようとした浜面だが、

「おばさま!」
「赤音、お前ここに居たのか。どうやら私の子供達が私を探してるみたいだから一緒に来い」
「今日はおばさまの当番でしたよね。早くおばさまの負担を減らせるように私も真昼ちゃんも頑張らないといけませんね」

 赤音がやって来て朝陽と会話したことで、その会話内容を聞いて疑問の答えに納得した姫神。
 しかし納得はしていても驚くことには変わりなく、朝陽のフルネームを知らない姫神、麦野、赤音に付いて来た吹寄は目が点になる。

「そういやぁその三人とは初対面だな。私は井ノ原朝陽、真昼と真夜の母親をやっている普通の41歳の小学校教師だ。よろしくな」

 朝陽の自己紹介を聞いた姫神、麦野、吹寄は驚きのあまり体育館に響き渡るほどの声量で「えええええええっ!」と叫んだ。
 なお姫神は高校生の子供達が居るとは思えない見た目の若さに、麦野は化け物(真夜)の母親ということに、吹寄はポリアモリーカップルを認めた人ということに驚いている。

――――――――――

「あの人とパパとママの学校を探検だー♪ ってミサカはミサカははしゃぐと共に後でアサヒ先生に勝手に行動したことを謝ろうって思ったり」

 一方、友愛高校を探検している打ち止めは滝壺の【能力追跡】の探査どおり、保健室の前をスキップしていた。
 そこへ打ち止めの前方から考えごとをしているとある生徒が打ち止めの姿を捉えると、歩みを止めた。

(あの子はアク様の……! もしかして迷子になっているのでしょうか? だとしたら放ってはおけませんわね)

 とある女性こと心理掌握、打ち止めが迷子になったと思い込み(ほぼ正解)一方通行の所へ連れて行こうと動き出した。
 そこに二割くらいは一方通行と会ういい口実が出来たと打算的なことは考えているが、残りの八割は単なる親切心ということを付け加えておこう。


だが行動を起こそうとした瞬間、打ち止めが一瞬でその場からいなくなった

「あ、あれ……?」

どうしてかと考えようとしたとき、遠くからその答えが返ってきた

『おィ、テメェ勝手にいなくなンじゃねェよ』
『おお、一方通行がミサカを探しに……ってミサカはミサカは何気に喜んでみたり』
『喜ンでじゃねェよ。まァ、俺もうれしいけどなァ。ってか、上条たちに迷惑かけちまったじゃねェか』
『ごめんなさーい、ってミサカはミサカはテヘッってしながら謝ってみたり』
『謝るンなら上条たちに謝れ。ったく、じゃあ、上条たちに合流して帰ンぞ。(結局、レベル5ってのは見なかったな。まァいいか)』
『はーい♪』

そして廊下に響く遠くからの声は聞こえなくなった

「うう、わたくしの善意の行為が……。(後、アク様と会う口実がぁ……)」

そのあと、心理掌握はしばらくうなだれていた


 体育館では朝陽の自己紹介でざわつく生徒達を不思議に思う朝陽が白子と赤見を何故か青ピに託していた。

「そこの青善萌(あおよもき)、この二人に好かれた人間性を見込んで、後のことはお前に任せよう」
「あ、そ、それは別にかまへんけど井ノ原姉弟のお母さんはいだっ!」
「朝陽でいい。私はこの赤音と一緒にうちの子供達と合流して家に帰る。というわけで今日はなかなか楽しかったぞ。じゃあな」

 白子と赤見を青ピに渡すと、朝陽は赤音と一緒に体育館を出て行こうとした。
 しかしその前に浜滝、半郭にあることを伝える。

「そういえば元春に3万円渡していてな、それはお前らのバイト代みたいなもんだ、あの時のな。後で確認するといい」

 朝陽が伝えるべきことを伝えて赤音と一緒に去った後、浜滝&半郭は先に出て行った二人を追い越して土御門を探しに行った。
 理由はいたってシンプルで土御門ならそのことを誰にも言わずに独り占めすると思い、それを阻止する為である。

――――――――――

「うーん、ようやく終わったじゃん。まったく、特別な生徒が増えたせいで球技大会マニュアルを今日渡せなくなったじゃんよ」
「ごめんなさい黄泉川先生。私の生徒たちのせいで」
「こ、小萌先生は何も悪くありませんよ。悪いのはどちらかと言うと規制を設けないとやりたい放題しそうな連中が多いってだけで……」
「うちの一方通行なんかはその典型的な例よねぇ。育て方、変えようかしら?」

 職員室では球技大会用のルールが書かれたマニュアルを完成させた黄泉川、小萌、芳川がおしゃべりしていた。
 そこに木山が自分の分も含めた人数分のコーヒーを差し入れに来た。

「三人ともお疲れ様です」
「木山先生こそお疲れ様ですー。でも良かったんですか? 翔太ちゃんと真夜ちゃんの分を作らなくて」
「あの二人なら心配いりません。私が口で言うだけで了承してくれますよ。問題はこの特別マニュアルを見ても守るかどうか微妙な生徒がいることですね」

 四人はコーヒーに口を付けながら机に並べられた特別マニュアルを眺めていた。
 その特別マニュアルにはそれぞれ『○○用』とあり、対象者は一方通行、結標、心理掌握、月夜、赤音である。

――――――――――

 その頃、食堂では一しきり笑い終わった佐天が絹旗と一緒に周りが気の毒に思うくらい、建宮の仕事着を馬鹿にしていた。
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