小ネタ そんな告白もこの二人なら
だぁーもー、冗談じゃねぇよ！
美琴のヤツ、何でいつも怒ってるんだ！？
いくら効かなくても、こう毎日ビリビリされたら上条さんだって身が持たない訳ですよ！
……ん？ そういえば何で毎日会うんだ？
偶然…って訳じゃないだろうし、待ち伏せでもしてんのか？ けど何の為に？
いくら何でも、わざわざ俺に電撃浴びせる為だけにそんな事はしない…よな？ 多分。
そこまで嫌われるような事をした覚えは無い。 少なくとも“今”の俺は。
てことは、俺に会いに来る理由が他にあるはずだ。
ん―――……………………ダメだ！！ 思いつかねぇ。
別の角度から考えてみるか。
美琴がいつも怒ってる理由はなんだろう？
昨日は姫神と下校中、出会い頭に電撃ぶっ放されたな。
一昨日は吹寄と一緒の時だった。
その前の日は、わりと機嫌が良かったのに、御坂妹と偶然会ったら急に不機嫌になったな。
さらに前の日は美琴と二人っきりだったけど、インデックスの話をした途端に怒りだした……
………………………………
おかしい。 怒られる原因も全く思いつかない。
いやいやいや！ そんなはずは無い！
いくらなんでも、何の意味も無く怒られるって事は無いだろ！
美琴の気分を害する何かを俺がしてるのは確かだ！
何でもいいから思い出せ！ 俺！！
………そういえば、ビリビリする前に必ず何か言ってたな。
いつもは能力打ち消すのに必死であまり聞いてなかったけど、そこに何かしらのヒントがあるはずだ！！ そんな気がしないでもない！
えっと、確か…… 『何でいつも違う女と歩いてんのよ！！ このバカ！！』 って言ってたような……
…あれっ？ それで何で怒られるんだ？
これじゃあ嫉妬してるみたいじゃねぇか。
まるで、美琴が俺の事……………
………………………………………
いやいやいやいや！！！
それは無い！！ 絶対に無い！！
思い返したって、そんな素振りは！ ……そんな素振り……は……
…あった…のか…？
ちょっと待て！ 落ち着け落ち着け！！
仮にもし万が一！ そうだったとして、だ！
俺はどうすりゃいいんだ！？
そりゃ確かに美琴はかわいいさ！
認めますよ！ 上条さんには勿体無いですよ！！
けど相手は中学生だ！ 付き合っても大丈夫なのか！？
って、そもそも美琴が俺の事好きだって決まった訳じゃねーじゃん！！
い、いかん……勝手な推測で盛り上がっちまった……
よし！ 今度美琴に会ったら聞いてみよう！！
セリフはそうだな…… 「美琴！ 俺の恋人になっちゃえＹＯ！！」 だな。
もし勘違いだったとしても、冗談で押し通せるし。
まぁ、会えなきゃ会えないで仕方ない…ってもうご本人登場！？
早ぇよ！！ 心の準備できてねぇよ！！
や、やべぇ…緊張してきた……
あーもー、ムカつく！！
何でアイツの周りにはカワイイ女の子が集まるのよ！
昨日も一昨日も、違う子と歩いてたし！
この前なんて、あたしと歩いてるのにあのシスターの話をするし！
折角二人っきりだったのに……
そ、そりゃね！？ アイツがどれだけ女の子と仲良くしようがどうでもいいわよ！？ あたしには関係無いし！
けど、いくらなんでも節操が無いっていうか……
あ、あたしは興味無いけど、他の女の子達がかわいそうだと思う訳よ！ うん！！
って、誰に向かって言い訳してるんだろ……
はぁ～…こんなだから相手にされないのかな……
素直な気持ちになれたら、どんだけ楽か。
けどアイツの前だと、ついツンツンしちゃうのよね。
あたしだって結構がんばってるのに………
…………………
そうよ！ あたしがんばってるじゃない！！
なのに何でアイツは気付いてくれない訳！？
もう、鈍いとかそういう問題じゃなくて、アイツはそもそも恋愛感情を理解する回路がぶっ飛んでんじゃないの！？
あ～、また腹立ってきた！
今日こそは電撃お見舞いして、爆発コントみたいにアイツの頭をアフロにしてやる！！
おっ！ 噂をすれば何とやらね！
見つけたわよ…って、話？
何よ、もじもじして。
そんなに言いにくい事なの？
ま、まさか…この雰囲気って……
こ、こ、告白！？
うそ！ どどどどうしよう！！
もしそんな事になったら―――
って、無い無い無い。
コイツに限ってそんな事は絶対に無い。
どうせ買い物に付き合ってくれとか、そういうオチでしょ？
ったく、さっさと言いなさいよ。
ほらやっぱり。恋人になれって………
へ？
今
何て
言った？
ちょちょちょちょっと待って！！！
聞き間違い！？
いや！ でも！ 確かに聞こえたし！
けど！ コイツが！ 急に！ そんな！
あー！ 頭がうまく回らない！！
えっと、とにかく何か言わなきゃ何か言わなきゃ……
「ふ、不束者ですが！！！ 末永く宜しくお願いします！！！」
