とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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― 切欠 ―




第一話


 ―某年2月14日放課後 例の自販機前―


当麻「(ぶつぶつ)はぁ…疲れた…」
美琴「ねぇ、ちょっと……」


上条は例によって疲労困憊状態で自販機前を歩いていた。


当麻「(ぶつぶつ)手荷物増えるわ、青ピや土御門に襲撃されるわ…」
美琴「ちょっとアンタ……」


…そのせいで背後の声に気付けず……


当麻「不こ―――
美琴「無視すんなやコラァ!」(電撃)
当麻「だぁぁぁぁあ!?」


例によって無視された(と思った)美琴の電撃に慌てて反応した上条が、
これまた例によって右手で電撃を無効化、しかしその弾みで…


当麻「うゎゎゎわ…袋が中身の重さで破けやがった…紐も電撃で切れてるし…」
美琴「この期に及んで更に無視する気かアンタはッ!」(追撃)
当麻「うぉ!?」(無効化)


また例によって、ここでやっと美琴の居る方へ向く上条。遅すぎるぞまったく。


当麻「御坂…お前なぁ、呼び止めるのに電撃使うなと何回言えば…」
美琴「アンタが呼んでもスルーするからいけないんでしょうが!」


…そして、いつものやりとりが続いt…


当麻「あ……そうだったのか、すまんかった。許してくれ御坂」
美琴「…え?」


…否、いつもとはちょっと違う展開のようだ。


当麻「今日チョコ貰ったのが理由でクラスの男子達から襲撃されるわ、
   貰ったは良いけど何故か数が多すぎて持ち帰るの大変すぎるわで、上条さんは
   疲労が5割り増しでして、残念ながら御坂の声に気付けなかった訳で…ん?」


上条、ここで何かに気付く。


当麻「……御坂」
美琴「な、何よ!?」
当麻「お前…手に持ってるのって、もしかして…」
美琴「!!!////」


え?上条、お前がそこでソレに気付く!?夢?それともニセ者?(酷)
まぁ…そんなに小さい箱じゃなかったから、気付く可能性はあったけど。


美琴「ま、まぁ…その、友チョコを手作りしてて材料余ったからさ、
   それにアンタにも一応世話になったし義理チョコくらいは……
   …と思ったけど、その…荷物が余計に増えてアンタ困りそうだし…」


理由思いっ切り嘘っぱちなうえに渡すのを断念しそうな美琴。しかし…


当麻「……御坂」
美琴「な、何よ!?」
当麻「もしかして…それ渡すために俺を呼び止めてくれたのか?」


またか!今日は何があったんだコイツ(上条)! 変なモノ食ってないよな?(超酷)
上条からのまさかの台詞に反応が遅れる美琴。そして返事をしようと口を開きかけた瞬間…


当麻「だとしたら俺……凄ぇー嬉しい!」
美琴「…え////」
当麻「御坂、さっきは本当にすまなかった。呼び止めてくれたことに気付かなくて。
   その…あんな事した後でこんな事言うのもなんだけど、よかったらそのチョコ、
   俺にくれないか?……いや、ぜひ私めに下さい!受け取らせて下さいませ!」


上条の、今この台詞だけを聞けば熱烈ラブコールとも受け取れる発言が美琴に直撃。
美琴は脳内で(い、いや、コイツは無自覚でこういう事言う奴なんだってば……////)とか
(……で、でも、もし本当にそういう意味で言ってるんだったら…////)とか妙な葛藤の後、



美琴「そ、そんなに欲しいなら仕方ないからあげるわよ!……ど、どうぞ?////」


……「仕方ないから」とか言いつつ顔真っ赤・やや上目使い・両手渡しの強烈コンボ。
さすがの鈍感男(かみじょう)も、これには少しぐらいドキっとしてくれたり―――


当麻「あぁ、ありがとう御坂。……さっそくだが食べても良いか?」
美琴「う、うん。良いわよ」


―――とかいう反応はまったく無く、普通に礼を言い普通に食べ始める。
美琴は心の中で(ったくコイツはやっぱり―――)とか思い、鞄を持って帰ろうとしたが、


当麻「………御坂」
美琴「な、何?」
当麻「教えてくれないか? 御坂と、記憶喪失になる前の俺がどんな感じだったのか。
   知りたいんだ。その当時の俺の事とか、御坂の事とか、な。ぜひ、教えてほしい」


いきなりこんな事を言われ、立ち止まった。 ………え? ちょ、ちょっと待って?
自分の事だけでなく、わ、わた、私の事まで!? とか心の中で狼狽えながらも話し始める。


美琴「うん。えーっと、まず、私とアンタが初めて会ったのは、去年の6月●日の夜――――――


―――

―――

―――

 ―同日の夜 上条の部屋―


上条は、夕方の美琴との一連の出来事を思い出していた。


当麻(……なんだ? すげー可愛かったじゃねーか今日の御坂。……いや、違う。考えてみりゃ
   今日だけじゃなく、去年の第三次大戦の時にはロシアに俺を連れ戻しに来てくれたり、
   鉄橋の上で「今度は一人じゃない」とか言ってくれたり、ハワイでも色々助けてくれたり…)


そして、過去に起きた色々の出来事まで頭の中でぐるぐる回りだした。


当麻(……んで、なんでか急に知りたくなって過去の俺と御坂の事聞いてみたけど……
   何っつーか、内容がちょっとアレだったな…でも…なぜかすげー楽しかったな…話してる間は…)


本人はまだ自覚していないようだが、確かに この時が切欠(きっかけ)となったのである。


当麻(御坂……)







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