とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「さあ。行こう。」
「「はい!姫神様!!!」」
(ほんとにこの二人に何があったんや?)

 青ピが疑問を思いながらも試合開始。
 いきなり姫神にボールが渡った。

「浜面。半蔵。」
「「了解であります!姫神様!!!!!」」
(本当に何があったんや、あの二人!!!!!!!)

 姫神からボールを奪おうと迫る相手チームのディフェンス2人に対してマンツーマンでマークに付く浜面と半蔵。
 ボールを奪おうとしたディフェンス2人が自由に動けないと判断した相手キャプテン(ポジションはポイントガード)が姫神に向かうのだが、

「……さっきの印象の薄そうな人は?」

 浜面と半蔵に気を取られてしまい姫神を見失ってしまうというちょっとホラーな体験をしてしまう。
 さらにバスケットボールが床を“ダムッダムッ”と叩く音だけが聞こえるという始末。

「せーのっ」

 姫神のノンビリとした声にようやく本人の存在に気付く相手チーム、しかし時既に遅く3ポイントシュートを決められてしまう。
 相手チームは1年生で浜面と半蔵に対しては警戒をしていたが、姫神に対しては戦力としてはノーマークだった(美人としてはチェックしていたが)。

「(くそっ、主導権を取り返す!)速攻!」

 相手チームの念動力を駆使して放たれた矢のようなリスタートのパスに浜面、半蔵、姫神は反応できなかった。
 矢のような鋭いパスを取れないと浜面は踏んでいたが、空気を操作して緩衝材を作り出した相手チームのオフェンスの男が難なく受け止める。

「へへっ楽勝楽勝♪ ここいらで派手にダンク決めて常盤台の女の子にアピールアピールってなぁ!」

 足元に空気のクッションを作り、足場として使い高く飛んでダンクを決めようとした1年生オフェンスだが、

「甘いで1年くん。ボクからダンク決めようと考えてんのならもっと鍛えてからにしいや」
「なっ! うわっ!」

 ヌッと現れたセンター(以下C)の青ピのブロックに阻まれ、自身もバランスを崩して床に倒れてしまう。
 こぼれたボールは姫神チームで1人だけ個性の無いチームメイトが拾い、浜面にすぐさまパスをした。

「んじゃ行くぜ半蔵」
「おうっ」

 浜面がドリブルで相手ゴールへと切り込んだかと思ったらノールックで半蔵にパス、半蔵も浜面と同じようにパスを繋げる。
 チームワーク抜群のコンビーネーションで相手チームが翻弄される中、半蔵が華麗にレイアップシュートでゴールを決めた。

「ちいっ! 浜面仕上と服部半蔵は確かに脅威だが能力者じゃない。……なのにここまで苦戦するのかよ」
「何やってるのよ! リスタート、早くっ!」

 開始1分で早々にパニックになる相手チームのキャプテン、チームメイトの呼びかけにようやく自分を取り戻すがチームメイト全員にマークが付いてしまう。
 自分の不甲斐無さを情けなく思いつつも、とりあえず自分から1番近いチームメイトにパスを送る。

「さあ来いっ! 姫神様率いる俺たちのチームは無敵だぜ!」
(う、鬱陶しい……。けどこの浜面仕上は無能力者、私の見せる幻影の前では無力同然。さあ反撃)
「浜面ごときだけに。気を取られるのは。良くない」

 浜面相手にボールをキープしていた1年生だが突然聞こえてきた声に「えっ?」と少々間抜けな声を上げると、キープしていたボールを奪われてしまう。
 1年生は自分の後方を振り返ると、姫神が涼しげな表情でシュートを決めていた。

「浜面。ナイスおとり」
「はいっ! ありがとうございます姫神さま!」
(け、気配すら、か、感じなかった……。な、何なの、あの人?)

 ボールを奪われた1年生、そして他のチームメイトも姫神のことをまるで幽霊でも見るかのような目で見ていた。
 ならばと1年生チームは姫神が絡めないように能力を駆使した個人技で攻めに転じるも、

「せやから甘いゆうてるやん♪ もっと鍛えてへんとボクからゴールは奪えへんで。災誤センセくらいやないと話にならんよ」

 災誤に必要以上にしごかれて打たれ強くなった青ピの鉄壁のブロックから得点を奪うことは出来なかった。
 それ以降は浜面のトリックプレー、半蔵の鋭いドライブと個人技、姫神の存在感の薄さを利用したパスカットからの正確なシュートで面白いように得点が決まっていく。
 相手チームはインサイドでは青ピには敵わないと即断し、彼の守備範囲外からシュートを試みるも数本しか決められずにいた。

「な、何なんだよ、このチーム……。か、勝てる気が、し、しねぇ……」
「そ、それよりも、わ、私、あの女の先輩が、こ、怖い……。き、気付かれたらボール奪われるとか……物に触れられる幽霊か何かじゃないの?」

 49対5という姫神チームのリードで第1Qを終えてハーフタイムの最中、ふと1年生チームの1人がもらした姫神幽霊説に1年生全員が何故かゾッとした。
 試合も精神も追い詰められた1年生チームはハーフタイムが終わる前にギブアップを宣言、姫神チーム(特に姫神)から逃げるようにその場を退散するのだった。

「………ってな感じやで」
(姫神、お前って奴は………)

 青ピの説明を受けて、その場にいた全員が相手チームに同情し、姫神の怖さを改めて実感した。
 しかし、相手チームの態度のせいで姫神は非常にご立腹のようであった。

「人の顔を見るなり逃げるってのは。ひどい。」
「そうですよ!あいつら姫神さまのお顔を見るなり逃げやがって!失礼にも程がありますよ!」
「そのとおりだ、半蔵。姫神さまのお顔を見たら、頭を下げるのが常識だ!!!」
(いや、それには同意できない!!!!)×その場にいた全員

 ちょうどそのとき、真夜のケータイが鳴り出した。

「あ、赤音さんだ。もしもし?」
『ヤッホーー、真夜君!そっちの試合どうだった?』
「うーん、野球は辛勝して、サッカーとバスケは圧勝したよ」
『うおーー!ってことは月夜ちゃんや真昼ちゃんもがんばったんだね♪』
「ところで、そっちの方はどうなの?」
『うん、楽勝!これも神裂コーチのおかげかな』

 そう言った後、赤音は電話口で真夜にこっちの試合内容を報告しだした。
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