とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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匿名ユーザー

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「頼む! 俺に常盤台の女の子へのアピールするチャンスをくれ!」

 常盤台で上琴たちバカップルから少し離れた場所で昼食を摂っていた井ノ原ツインズ、その様子は仲のいい兄弟(誤字にあらず)に見える。
 その雰囲気に割って入ってきた東原の土下座に真夜は呆然、真昼は2人の時間を邪魔されて不機嫌になる。

「知るかバカ。そんな下んねぇことで俺と真夜の邪魔すんな。アピールでも何でも勝手にやりゃいいだろ」
「真昼さんちょっと言い過ぎ。要は東原、今までの試合みたくペナルティエリアにさえ攻めさせずに抑えるんじゃなくて攻めさせろってことか?」
「そのとーりっ! そうすりゃ俺の【技術盗賊】で身に付けた華麗なキーパーテクが炸裂、そのカッコよさに女の子も釘付けになると思うんだ」

 確かにこのまま東原が何もしないのは良くないよなぁ、真夜は素直にそう思った。
 真夜個人の意見としては許可してもいいと思ったが、

「それは俺の一存じゃあ決められないな。キャプテンはあくまで白雪さんなんだから。白雪さんが許可するならいいと思うけど今は」
「そうか分かった! じゃあ早速行ってくる!」

 チームのキャプテンの白雪に無断というのは良くないと思い、最終判断を白雪へと任せる形を取る。
 それを聞いた東原は真夜が言い終えるのも聞かずに白雪の所へとダッシュで向かった。

「土御門と一緒だから後にした方がいいって言おうとしたのに……」
「最後まで聞かなかったあいつが悪いんだ。放っとけばいいんだよ、放っとけば。にしても……」
「真昼さん、どうかした? もしかして熱でも」
「無い無い! 俺はいたって健康だから! だから不意打ちでおでこで熱計るの無し! 嬉しいけど今は恥ずかしいんだよ!」

 顔を赤くさせてアタフタする真昼を可愛いと思いつつ、真夜は彼女が元気で安心していた。

(ふぅ、さっきはビックリしたぜ。けど常盤台の連中、何で俺と真夜に萌えの感情のベクトル向けてんだ?)

 真昼は知らない、男にしか見えない喋り方のせいで自分が男と思われており自分と真夜が仲の良い兄弟に見られていることなど。
 その事実を知るのは1日目の試合を全て勝利し、準決勝への切符を手にしてからのことである。

――――――――――

 その一方で東原は土御門と一緒にいる白雪を発見、試合でのアピールタイムを許可してもらうべくダイビング土下座を敢行する。

「頼む、白雪!俺に見せ場を!!」

 宣言通り、白雪(おまけで近くにいる土御門)にダイビング土下座を決める東原。
 当然ながらこの学校のバカップルの一角である土白はイチャイチャしているのを邪魔されて不機嫌になる。

「どういうことなんだにゃー、東原?」
「実はかくかくしかじかで………」

 近くにいた土御門に事情を説明しはじめる東原。
 その様子を見てますます不機嫌になるものが一人いた。

「なるほど、事情は分かったにゃー。」
「じゃ……じゃあ、アピールしても……」
「東原くーん」
「へっ?」

 次の瞬間、東原の真横に氷の剣が突き刺さった。

「ひぃいい!!」
「東原くん、別に私はアピールしたいってことに起こってるわけじゃないよ」
「えっ………し、白雪さん………め、目が笑ってませんよ………」
「たださ~、元春といちゃついてるのを邪魔するのはいただけないな~」
「つ、土御門ーーーぉーーー、助けてくれぇーーー」
「………怒ってる月夜もかわいいぜよ」
「そういえば、宗派聞いてなかったねー」
「殺す気満々だーーーーぁ!!」

 その後、東原は白雪の手によってボコボコにされてしまった。(しかし、試合に響くほどの怪我ではなくそのまま試合に参加した)
 だが、アピールの許可が降りたため東原は準決勝に駒を進めるまでの残り試合全てでナイスセーブを決めて、常盤台の女の子へのアピールに成功するのだった。

――――――――――

 その一方、野球組の待機場所に一方通行が待ちに待った最後の希望がやってきた。

「おー、ようやくあなたに会えたよーってミサカはミサカは喜んでみわぷっ」

 常盤台に現れた打ち止めを人目も憚らずに抱きしめた一方通行に周囲は「オーッ」と声を上げた。
 自分の胸の中でジタバタしてる打ち止めに気付いた一方通行はすぐさま体を離すが、彼女の頭に出来ていたものについて尋ねる。

「ったく心配させンじゃねェっつうの。それよりテメェの頭のタンコブはどうゆうわけだ?」
「あ、こ、これはね、あなたの学校からこっちに来る時にアサヒ先生に見つかって怒られた証拠ってミサカはミサカは頭をさすってみる」
「朝陽だァ! あンのババア、俺の打ち止めになンつーことしやがンだァ!」
「でもしょうがないよってミサカはミサカは学校無断欠席してあそこにいたことを報告し痛っ!」

 打ち止めのサボリに一方通行は少し怒りながら無言のチョップを振り下ろした後で芳川に謝りに行くことを約束させた。
 ちなみに朝陽が怒ったのはサボったことよりも何も言わずにサボったことで、理由さえ話せば許していたらしい。

「ところであなたとパパ達の試合は? ってミサカはミサカは1番見たかったものについて尋ねてみたり」
「あと1試合だけだな、今日は。しかも外野にまでボールほとんど飛ばねェから俺の出番なンざ無ェに等しいぞ」
「そっか残念だなぁってミサカはミサカはあなたが大活躍する姿を見たいこととお腹が空いたこ……ん? いい匂いがする」

 一方通行は考える、打ち止めが期待する俺の大活躍をどうすれば見せられるのかを。
 そして1つの結論を導き出すと一方通行はいちゃついてる上琴、正しくは上条の所へ向かうと、

「頼む上条ォ! 次の試合、俺がピッチャーでお前がキャッチャーのバッテリーにしてくれ!」

 礼儀正しいおじぎと共に上条にとっては冗談じゃないことを頼みこんだ。
 一方の打ち止めはというと、浜面と服部の弁当をパパッとつまみ食いした後で、

「あなたが持ってるそのお弁当食べないならミサカにちょうだいってミサカはミサカはストレートにおねだりしてみたり!」
「いいよ。この弁当、いつもの調子で作ったからどうしようか迷ってたんだ。君のように望んでくれる子がいるなら喜んで」

 真夜が持っていた習慣で作ってしまった茜川用の弁当を発見、見事にゲットしてみせた。
 元気良く真夜にお礼を言った打ち止めはようやく落ち着いて一方通行の所へ戻ろうとしたがさっきまでの場所に彼は居ない。

「あれー? あの人が居ないよってミサカはミサカは探してみる」
「おーい打ち止めー。アクセラなら当麻たちと会議始めてるわよー。だからこっちにいらっしゃーい」
「はーいママーってミサカはミサカはママの胸の中にあうちっ!」
「ここ(常盤台)でママ言うな! それと当麻のこともパパ言わない! 誤解されたらどうすんのよ!」

 それは今さら過ぎるとは思った打ち止めだが彼女は賢い子供なので口に出したりはしなかった。
 美琴の言うことに素直に従った打ち止めは美琴の膝の上に座り、真夜から貰った弁当を美味しそうに食べるのだった。

――――――――――

 その頃、野球組のメインメンバーこと上条、土御門、一方通行、情報屋、翔太は会議を始めていた。
 内容は次の試合、一方通行がピッチャーとしてマウンドに立つこととそれに伴うポジション変更について。

「しかし、どうするんだにゃー」
「まあ、一方通行も打ち止めに活躍してるところを見せたい気持ちは分かるからな。俺は依存は無いぞ」
「だけど、ポジションはどうするの?」
「そンなもン、俺のストレートを一球も掠らせねェから問題はねェ」
「だけど、もしもの時を考えろ!ある程度ポジションを考えねーとまずいだろ!」
「よし、情報屋。お前が決めるんだにゃー」
「俺かよっ!!!ちゃんと話し合って決めようぜ!!!」

 話し合いの結果、空いた一方通行のポジションに情報屋が入ることで決定した。
 なお、宣言どおり一方通行が一球たりとも掠らせずに完封勝利したため、このポジションを決める時間は結果として無駄になったのだった。

――――――――――

 一方、バスケ組控え室
 姫神率いるバスケチームは最後の試合を終えてクールダウンをしていた。
 しかし、そのとき耳にする。
 友愛高校にやってきた乱入チームの噂を……
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