「最大主教がうちの新入りで殆ど面識の無い飾利と闇咲と直接話し合いたい、ねぇ。その後は本場のイギリス清教の勉強か」
「はい。おかげでスケジュールも大変で当麻お兄ちゃんの高校の球技大会が終わったらすぐにここを発つんですよ」
「私は初春の護衛とあっちに居るうち(天草式)の男共への喝入れです。GWが終わるまでですから二週間空けることになるので不安だったんですけど……」
「はい。おかげでスケジュールも大変で当麻お兄ちゃんの高校の球技大会が終わったらすぐにここを発つんですよ」
「私は初春の護衛とあっちに居るうち(天草式)の男共への喝入れです。GWが終わるまでですから二週間空けることになるので不安だったんですけど……」
第九学区のとあるビルの1階にある応接室、初春とシェリーと対馬はそこに居た。
1階全てがシェリーの個展会場でつい先ほどまでスタッフと最終打ち合わせを終えた所なので、念押しで対馬が人払いの術式を応接室に展開している。
ちなみにイギリス清教の勉強のアイディアを出したはキャーリサとヴィリアンだが、そう簡単に会えない初春との思い出作りがメインだったりする。
1階全てがシェリーの個展会場でつい先ほどまでスタッフと最終打ち合わせを終えた所なので、念押しで対馬が人払いの術式を応接室に展開している。
ちなみにイギリス清教の勉強のアイディアを出したはキャーリサとヴィリアンだが、そう簡単に会えない初春との思い出作りがメインだったりする。
「シェリーさんがその様子なら私の心配も杞憂かもしれませんね。この調子なら出立前に女教皇と建宮さんにも」
「止めときな。あの2人は私ほど大人じゃあ無い。現に私だって本当は飾利に付いて行きたいのをこうして我慢してるんだぞ」
「止めときな。あの2人は私ほど大人じゃあ無い。現に私だって本当は飾利に付いて行きたいのをこうして我慢してるんだぞ」
シェリーが初春の2週間ほどの渡英に異を唱えなかったのは初春が自分の所へ戻って来てくれる、そして初春分補充と称して自分の膝の上に座らせてギュっとしているからである。
対馬は思う、シェリーさんでこの様子なら間違いなくあの2人は一騒動は起こしてくれるだろうと。
対馬は思う、シェリーさんでこの様子なら間違いなくあの2人は一騒動は起こしてくれるだろうと。
「でも結局は火織お姉ちゃんと建宮さん、それにシェリーさんは今回の同行は許可されていないんですけどね。ローラさんからの厳命で」
「最大主教が? 何でまた」
「シェリーさん達が学園都市配属になって以来、弛んでいるって話を幾度と無く聞かされたみたいなんです。だからこの際、監察することになってその対象が」
「私達ってことか。弛んでるつもりは無いんだけどねぇ、こっちとしては。飾利を可愛がってるのは弛んでるとは言わねぇし」
「最大主教が? 何でまた」
「シェリーさん達が学園都市配属になって以来、弛んでいるって話を幾度と無く聞かされたみたいなんです。だからこの際、監察することになってその対象が」
「私達ってことか。弛んでるつもりは無いんだけどねぇ、こっちとしては。飾利を可愛がってるのは弛んでるとは言わねぇし」
それを弛んでるって言うんですよ、対馬は思わずそうツッコミを入れたかったが相手が相手なので声には出さなかった。
なので対馬は更に伝えるべき事をシェリーに伝える。
なので対馬は更に伝えるべき事をシェリーに伝える。
「監察役は2名で期間は私達の渡英している2週間。その間は監察対象の3人は学園都市から出てはいけないことになってます」
「また随分と厳しいねぇ。ところで監察役の2人って誰が来るのかもう決まってるのか?」
「私は直接会った事ないんですけどオルソラさんは確定です。後の1人はまだ決まっていないみたいですよ」
「また随分と厳しいねぇ。ところで監察役の2人って誰が来るのかもう決まってるのか?」
「私は直接会った事ないんですけどオルソラさんは確定です。後の1人はまだ決まっていないみたいですよ」
初春からオルソラが監察役で学園都市に来ることを聞いたシェリー、まともな監察が出来るのか不安に思った。
とりあえず初春達の渡英と学園都市支部の監査の話を終えた3人は立ち上がって応接室から出ることに(人払いの術式は解除)。
とりあえず初春達の渡英と学園都市支部の監査の話を終えた3人は立ち上がって応接室から出ることに(人払いの術式は解除)。
「神裂と建宮には私から言って聞かせるから安心しな。少しの間、寂しくなるけど今は私の作品を楽しんでくれよ、飾利♪」
「光栄です。私と対馬さんがシェリーさんの個展のお客さん第一号だなんて」
「違う違う。飾利が1番で対馬が2番。そこはちゃんと線引きしてもらわないとな」
「光栄です。私と対馬さんがシェリーさんの個展のお客さん第一号だなんて」
「違う違う。飾利が1番で対馬が2番。そこはちゃんと線引きしてもらわないとな」
かくして大事な話の後で初春はシェリーに抱きかかえられたまま、作品を鑑賞するのだった。
その2人の後ろを邪魔しないように作品を鑑賞する対馬、ステイルも別件でローラに呼び出されたことを思い出したが静かな雰囲気を壊したくないので後回しにすることに。
その2人の後ろを邪魔しないように作品を鑑賞する対馬、ステイルも別件でローラに呼び出されたことを思い出したが静かな雰囲気を壊したくないので後回しにすることに。
――――――――――
学園都市では午後5時だがロンドンは日本より9時間遅れているのでただ今午前8時。
朝早くからイギリス清教の女子寮ではオルソラによる監査役1名を決めるジャンケン大会が繰り広げられていた。
朝早くからイギリス清教の女子寮ではオルソラによる監査役1名を決めるジャンケン大会が繰り広げられていた。
「まったく、何でこんなことになってしまったんでしょうかね」
「それは初春さんたちがこちらに来るからでございますよ」
「………そういう意味じゃないんですけどね」
「それは初春さんたちがこちらに来るからでございますよ」
「………そういう意味じゃないんですけどね」
女子寮内は全員でのジャンケン大会の会場へと変わっていた。
こんな光景に自分の部隊の大多数(ほぼ全員)が参加していることにアニューゼは愚痴を言っているのである。
こんな光景に自分の部隊の大多数(ほぼ全員)が参加していることにアニューゼは愚痴を言っているのである。
「シスターアンジェレネ、これは一番ましな私が行くべきなのです!」
「いいえ、たとえシスタールチアの頼みであってもこれだけは譲れません!」
「いいえ、たとえシスタールチアの頼みであってもこれだけは譲れません!」
タダのジャンケンのはずなのにこのままでは魔術で決着をつけることになりそうだとアニューゼは本気で思った。
ゆえにアニューゼは手っ取り早く決着をつけるため、最も早く済む方法を決行することにした。
ゆえにアニューゼは手っ取り早く決着をつけるため、最も早く済む方法を決行することにした。
「ここにいるオルソラが出した手に負けたやつから順番に抜けていって最後に残ったやつが護衛ってのでどうですかね?」
「「「「「「「「「「乗った!!!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「乗った!!!」」」」」」」」」」
このよく学校でありそうなルールにのっとりじゃんけんをすることによって、スムーズにジャンケン大会を進めることに成功したアニューゼ。
なお、結果としてこの大会の勝者となったアニューゼがそのまま初春の護衛となった。
なお、結果としてこの大会の勝者となったアニューゼがそのまま初春の護衛となった。
「というわけでこちらでの初春さんの護衛はアニェーゼさん、私と一緒に神裂さん達の監察に行くのはアンジェレネさんということで」
オルソラの言葉でアニェーゼはようやく気付く、当初の目的がすげ変わってることに。
本当はアニェーゼも学園都市に行きたかったのだがこっちでも噂になっている初春に会いたかったので、護衛はそのまま受けることにした。
そしてオルソラと同行し、神裂達の監察役の1人になる人物アニェーゼと最後までジャンケンで残ったアンジェレネに決定。
本当はアニェーゼも学園都市に行きたかったのだがこっちでも噂になっている初春に会いたかったので、護衛はそのまま受けることにした。
そしてオルソラと同行し、神裂達の監察役の1人になる人物アニェーゼと最後までジャンケンで残ったアンジェレネに決定。
「わーいっ♪ 学園都市の美味しいものがいっぱい食べられるなんてラッキーすぎます!」
「シスター・アンジェレネ、あなたが学園都市に向かうのは必要悪の教会学園都市支部の監察です。遊びに行くんじゃないんですよ」
「わ、わかってますよぅ。で、でもでも、仕事の疲れを癒す為に遊び、食べ歩くことも必要だと思うんです。そうだ! シスター・ルチアに素敵なブラをいひゃいいひゃい!」
「シスター・アンジェレネ、あなたが学園都市に向かうのは必要悪の教会学園都市支部の監察です。遊びに行くんじゃないんですよ」
「わ、わかってますよぅ。で、でもでも、仕事の疲れを癒す為に遊び、食べ歩くことも必要だと思うんです。そうだ! シスター・ルチアに素敵なブラをいひゃいいひゃい!」
必要悪の教会学園都市支部の監察という目的を後回しにしているアンジェレネの両頬を喝入れの意味を込めて引っ張るルチア。
そんな大小シスターコンビを呆れた眼差しで見ていたアニェーゼがふとオルソラを見るのだが、
そんな大小シスターコンビを呆れた眼差しで見ていたアニェーゼがふとオルソラを見るのだが、
「あちらに着いたら早速皆さんと一緒にアクセラさんと打ち止めさんのバーチャル結婚式の打ち合わせをしなくては。ああ、あの2人の幸せそうな姿、早く拝みたいのでございます」
主目的を完全に忘れてることを察し、自分の選択肢、間違ったんじゃねーでしょうかと頭を抱えていた。
ちなみに一打のバーチャル結婚式は既に終わっていることを聞き、オルソラが別のカップルでやりたいと言ってバカップル達を困らせるのはGWの話。
かくしてオルソラとアンジェレネ、必要悪の教会学園都市支部の監察役として学園都市に赴くことが決定した。
ちなみに一打のバーチャル結婚式は既に終わっていることを聞き、オルソラが別のカップルでやりたいと言ってバカップル達を困らせるのはGWの話。
かくしてオルソラとアンジェレネ、必要悪の教会学園都市支部の監察役として学園都市に赴くことが決定した。
――――――――――
舞台は再び日本、時刻は午後8時、場所は教会寄宿舎の初春の部屋。
現在この部屋に居るのは初春、インデックス、ステイル、シェリーの4名のみ。
現在この部屋に居るのは初春、インデックス、ステイル、シェリーの4名のみ。
「初春と闇咲と直接話をしたい、か。最大主教にしてはまともなことを考え……違うな。何か裏があるに違いない」
「考えすぎなんだよステイル。最大主教はよく知らないかざりとおうまのことを知ろうとしてるだけ。悪いことなんて考えてないんだよ」
「インデックス……そう、だね。そうだといいね」
「考えすぎなんだよステイル。最大主教はよく知らないかざりとおうまのことを知ろうとしてるだけ。悪いことなんて考えてないんだよ」
「インデックス……そう、だね。そうだといいね」
ローラのことを疑っていないのはインデックスのみ、残る3名は内心では何か企んでるだろうと思っていたりする。
そしてシェリーはインデックスとステイルに初春が明日からGW終了までの2週間、ロンドンに滞在することを神裂と建宮に言わないように注意した。
そしてシェリーはインデックスとステイルに初春が明日からGW終了までの2週間、ロンドンに滞在することを神裂と建宮に言わないように注意した。
「……分かった。けどシェリー、どのみち神裂と建宮、それに君は学園都市に残るように言われてるんだろう?」
「ああ。ま、それに今回は個展があるから私はここを離れられないんだけど」
「でもずーっと秘密にしておくは無理があるかも。だからここはかざり達がここを離れた後でかおりとさいじに説明した方がいいと思うんだけどどうかな?」
「ああ。ま、それに今回は個展があるから私はここを離れられないんだけど」
「でもずーっと秘密にしておくは無理があるかも。だからここはかざり達がここを離れた後でかおりとさいじに説明した方がいいと思うんだけどどうかな?」
インデックスの提案にシェリーも納得し、その際に自分だけでなくインデックスにも神裂と建宮の説得に付き合わせることを約束させる。
1つの問題が片付いたのを確認した初春、少し前に対馬から聞かされたことを思い出してステイルに告げた。
1つの問題が片付いたのを確認した初春、少し前に対馬から聞かされたことを思い出してステイルに告げた。
「そういえばステイルさんも私達より遅れるでしょうけどロンドンに出向するみたいですよ」
「ステイルが何で! ステイルは何も悪いこともヘマもしてないんだよ! それなのにどうして!」
「お、落ち着くんだインデックス! 僕なら平気だから!」
「ステイルが何で! ステイルは何も悪いこともヘマもしてないんだよ! それなのにどうして!」
「お、落ち着くんだインデックス! 僕なら平気だから!」
自分でも分からないうちに感情が昂ったインデックス、はっと我に返ると顔を真っ赤にして初春のベッドに顔をうずめた。
ステイルとシェリーは勿論、初春もこのインデックスの行動には驚いたがすぐさま気持ちを切り替えてステイルの件について説明を始める。
ステイルとシェリーは勿論、初春もこのインデックスの行動には驚いたがすぐさま気持ちを切り替えてステイルの件について説明を始める。
「ステイルさんが呼び出されたのはどうやら夏の戦争についてみたいですよ」
「何で僕なんだい? 僕は特に何もしてゲフッ! シェ、シェリー! どうして殴るんだい!」
「てめぇは本当のバカか? 勝手に戦争の開始を宣言しておいて何もしてないは無いだろ」
「何で僕なんだい? 僕は特に何もしてゲフッ! シェ、シェリー! どうして殴るんだい!」
「てめぇは本当のバカか? 勝手に戦争の開始を宣言しておいて何もしてないは無いだろ」
売り言葉に買い言葉状態でブレイン相手に戦争することを1人で承諾してくれたステイル、そのことを思い出してばつの悪そうな表情を浮かべた。
一方で初春は自分の携帯を色々と弄くった後でステイルに渡した。
一方で初春は自分の携帯を色々と弄くった後でステイルに渡した。
「というわけで詳しいことについてはご本人から直接伺って下さい♪」
「ご本人からって……最大主教に繋がってるのか、この携帯!」
「ご本人からって……最大主教に繋がってるのか、この携帯!」
そうですよー♪ と楽しげな声で答えた初春を呪う間も無く、ローラのやや怒ってる感じの声が聞こえてきた。
「ステイルーーゥー!!何勝手な事したありけるのよ!」
「あ、最大主教!?何故僕だけ!?」
「そんなもん勝手に戦争を決めたからに決まってるからだボケェーーェー!!」
「最大主教!さっきから口調がおかしいぞ!何があった!?」
「あ、最大主教!?何故僕だけ!?」
「そんなもん勝手に戦争を決めたからに決まってるからだボケェーーェー!!」
「最大主教!さっきから口調がおかしいぞ!何があった!?」
つい先ほどから口調がおかしい最大主教にツッコミを入れるステイル。
そのツッコミを待ってましたと言わんばかりに最大主教は語り始めた。
そのツッコミを待ってましたと言わんばかりに最大主教は語り始めた。
「ふ、ようやく気付いたかステイル。テレビジョンや本を参考にしてついにあのバカ口調を直す事に成功したありけるのよ!」
「…戻ってますよ」
「………!しまった!せっかく直ったのに…」
「一応聞きますが、何を参考資料に?」
「じ…仁義無き闘い」
「………そのアホ口調で学園都市のトップと話したりしてませんよね…?」
「そ、そそそんな事」
「したんですね!」
「は………はい」
「…戻ってますよ」
「………!しまった!せっかく直ったのに…」
「一応聞きますが、何を参考資料に?」
「じ…仁義無き闘い」
「………そのアホ口調で学園都市のトップと話したりしてませんよね…?」
「そ、そそそんな事」
「したんですね!」
「は………はい」
いつの間にか攻守が逆転している二人。
ちなみにこの件の決着は今後天草式が最大主教の日本語を監修する事でまとまったとか。
ちなみにこの件の決着は今後天草式が最大主教の日本語を監修する事でまとまったとか。
――――――――――
その頃、友愛高校体育館
そこにはインデックス率いる『歩く教会』チームに負けてしまった郭や滝壺がいた。
そこにはインデックス率いる『歩く教会』チームに負けてしまった郭や滝壺がいた。
「………負けちゃいましたね」
「大丈夫、くるわ。私達の敵ははまづら達が取ってくれるから」
「…そうですよね、滝壺氏!いくら麦野氏や絹旗氏が強いからって半蔵様や浜面氏、それに姫神氏が負けるはずないですしね!」
「そう、だから私達は明日のためにお弁当をつくろう」
「うぅ~、今日より腕によりをかけて作りますよ!」
「大丈夫、くるわ。私達の敵ははまづら達が取ってくれるから」
「…そうですよね、滝壺氏!いくら麦野氏や絹旗氏が強いからって半蔵様や浜面氏、それに姫神氏が負けるはずないですしね!」
「そう、だから私達は明日のためにお弁当をつくろう」
「うぅ~、今日より腕によりをかけて作りますよ!」
負けたことに落ち込んでいた郭だったが、滝壺のおかげで回復した。
そして、明日の半蔵の弁当に特大兵糧丸が詰め込まれる事になったとか…
そして、明日の半蔵の弁当に特大兵糧丸が詰め込まれる事になったとか…